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秋菊(しゅうぎく)の物語(1992)

秋菊打官司
THE STORY OF QIU JU

メディア映画
上映時間101分
製作国中国/香港
公開情報劇場公開(フランス映画社)
初公開年月1993/06/19
ジャンルドラマ
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【解説】
 国際的な場で活躍することがプラスに作用する映画作家とそうでない者がいる。中国第五世代の監督たち(その何人かは本国では撮らせてもらえず、やむを得ず海外にその才能活かす場を求めているのだが)にもそれは言え、明らかに「さらば、わが愛/覇王別姫」での陳凱歌は後者、張藝謀も出国こそしないが、「菊豆」「紅夢」と外国資本で製作した映画には西欧受け狙いのエスニシズムが支配的で、天安門以降、国内で映画作りを続けることのプロテストを感じられはしなかった。が、本作は違う。故郷の陜西省に帰って撮ったこの映画で彼は、今までの彼の作品を特徴づけていた華麗な撮影技巧を排し、複数の16mmカメラを使用。大勢の素人役者たちからカメラを意識しない演技を引きだし、永遠のヒロイン、コン・リーを自然にそのアンサンブルに加え、その従来の耐える女から頑迷なまでに主張する女への変化を、とつとつと進む物語りの展開そのままに納得させる。彼女扮する秋菊の夫の急所が村長に蹴られて……という出来事が遂には中央政府に訴え出るまでになるのが一応の筋だが、単に官僚主義をあざ笑うだけではない、大らかな人間賛歌がそこに脈うって、観ていて元気になること疑いなしの映画だ。腹ボテの図体を揺らし遠方の役所までトボトボ歩くコン・リー。その綿入れの赤、背景に吊される唐辛子の赤はこれまでの張藝謀の“赤”と違って、目に染み胸に染みる味わい深い赤だ。
<allcinema>
評価
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
438 9.50
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【ユーザーコメント】
投稿者:本読み投稿日:2006-02-13 15:10:17
そのギャップを描いた作品で、人間の多様性を描いた作品だと捉えました。多分今の日本ではここまでの演出がすでにできないでしょう。それは小さいコミニュティの親和という文化の多くを地方でも都市でも焦点を当てなくなったためではないでしょうか。だからこそ、主人公が都会に出ていっても、宿屋の親父、局長、弁護士などの人々との関わりで小さなコミニュティがあるという場面をそれぞれ宿屋、市場、ベンチなどでシーンを作ったのだと思います。和解は貧しさから生み出されるわけではなく、互助と尊重が醸成するということを伝えているのではないでしょうか。

教訓としては、もう一点、大きなシステムは一度動かすと個人にとって「丁度よい」という処理を中国では期待できないということは言っているように感じました。
投稿者:フラワーエタニティ投稿日:2005-05-20 20:48:40
【ネタバレ注意】

コメディというより、小さな民事事件に執念をもやす妊婦の静かな実録ドキュメンタリーという感じだった。秋菊を演じるコン・リーが女優だったとことを忘れてしまうくらい、地味でけなげな役だったが、そこに彼女の偉大な女優ぶりが発揮されているようだ。都会に出てきていろんな刺激をうけ、色んな経験をするシーンはじーんとくるくらいかわいかった。しかしラストのおまぬけ顔は、あまりしつこくすると後で取り返しのつかないことがおこるという教訓のように思えた。

投稿者:Stingr@y投稿日:2003-11-20 02:12:41
 先に「あの子を探して(1999)」を観てしまったせいか,本作の演技も演出も全てあざとく見えてしまう。貧しい農村に住む個人同士の争いが,片方が村長だということで,当事者も知らぬうちに話がどんどん大きくなっていってしまうというコメディなのだが,中国ではどう見るかは知らぬが,私には演出過剰に見える。腹ボテのコン・リーも滑稽でしかない。

 テーマの立て方も,結局は村長個人の性格が問題だというだけで,そのような性格の村長を生むに至った背景には言及しておらず,頑固な人間が2人で意地の張り合いをしているだけの薄っぺらなコメディの感がする。

 お代官様・地主vs農民・小作人の争いは,「この紋所が目に入らぬか〜」で一件落着,というのが封建制日本のお決まり。民主主義日本でも「紋所」が「裁判所の判決や命令」になっただけだから,今さらこんな映画作ってもオラ知らん。志村けんと加藤茶のコントなら最後は爆発して「だめだコリャ」ってなことになるのだが。

 要は,和解するラストが共産主義中国の貧しい農村なんだな,って納得していいのかな。貧しさが背景にないとこの和解は成立しないんだよね。「中国の貧しさを切り売りして,外国の評価を得ている」というチャン・イーモウへの批判も,この作品では納得できる。
投稿者:ポクスンア投稿日:2002-07-04 17:07:43
逆光に照らし出される中国家屋の室内の様子や大陸的な乾いた風景が外国人の目にはうっとり。唐辛子の赤やとうもろこし(?)の黄色も美しい。
立場が強い方を攻撃するのではなく、社会全体を何気なく支配している
官僚“主義”や男児尊重の“風潮”を柔らかくからかっています。
秋菊の限りなく一徹な性格も笑えるし、秋菊と妹子間の情にホロッとしたりもして、楽しい作品。
ちなみに、秋菊が走る姿がやはり「初恋が来た道」のヒロインとそっくりなのが少し笑える!
投稿者:Katsumi Egi投稿日:2001-03-06 22:05:37
 『紅いコーリャン』の作家とはとても思えない肩の力の抜けた演出。登場人物
全てに納得性があるし、俳優陣全てが素晴らしい。画面の呼吸は、真に映画だ。
異論のある方が多いかもしれないが、キアロスタミやコーエン兄弟が霞んでしま
うくらいオフ・ビートの笑いに満ちている。こんなに上映中始終くすぐられてニ
ヤニヤしてしまうことも希有の経験。
 そしてそして、この映画を見た者は、鞏俐(コン・リー)こそ現在世界最高の、
世界最大の女優であることを疑いなく確信することができるだろう。参りました。
 こういう映画を大傑作と云うのです。

http://www.page.sannet.ne.jp/egi/
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
■ 金獅子賞チャン・イーモウ 
 ■ 女優賞コン・リー 
■ 外国語映画賞 
□ 外国映画賞 監督:チャン・イーモウ(中国=香港)
【ソフト】
  商品名  発売日  税抜価格  
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