情婦マノン(1948)MANON
【クレジット】
【解説】 プレヴォーの『マノン・レスコー』を現代的に翻案した本作は、贅沢に憧れ、恋人をよそに娼婦稼業に身をやつす奔放な女の転落の人生を戦中戦後の世相を背景に鮮烈に物語る。イスラエルに向かう貨物船の中で発見された二人の密航者ロベール(M・オークレール)とマノン(C・オーブリー)。男は自分たちの過去を船長を前に回想する。'44年、レジスタンス活動家だったロベールは独兵相手に売春していたために私刑にあいかけるマノンを救うが、彼女の魅力に囚われ運動からも脱落。共に解放にわきたつパリに向かうが、女は安定した結婚を拒み、華やかな暮らしのため再び売春することも厭わない。そこで彼女の歓心を買うため兄レオンのように闇屋になるロベール。ところがレオンは、マノンを米国人の金持ちと一緒にさせようと企んでおり、それを知ったロベールは逆上して兄を殺してしまった。そして、逃亡した彼の後を追ったマノンと共に船に乗り込んだ次第、というわけだ。船長は同情しユダヤ人と共にパレスチナに二人を上陸させるが、砂漠をゆく一行はアラブの部隊の攻撃を受ける。監督クルーゾーのペシミズムのよく現われた出色のノワール・ロマン。 <allcinema> ![]() 【ユーザー評価】
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陰のある白黒、犯罪、ファム・ファタールとフィルム・ノワールの特質を備えていてフレンチ・ノワールと言っていいと思う。
”騎士デ・グリューとマノン・レスコーの物語”は、ファム・ファタールを描いた最初の作品と言われプッチーニやマスネがオペラにしている。
フィルム・ノワールに興味があるなら押さえておきたい作品。
セシル・オーブリーは、金髪、童顔でラナ・ターナーとキャラが似ていてファム・ファタールに打って付け。
わがまま放題で、自身も自分が分からない典型的な女を好演。
ミシェル・オークレールも甘いマスクで、人気だったのではないかと思う。
ラストのマノンの死体を運ぶシーンは、鮮烈だ。
原作では死んだところで終わっているようで、ここはこの作品独自と言うことになる。
映画らしい変更で意味合いが変わったり、付け加わったりはしないが見るものにはより印象深くなる。
淀川さんの解説付きで見たが、何か勘違いしているらしく”マノンの腐っていくシーンが・・”と強調していた。
だが、ハエを追い払うカットはあったが腐るシーンは無かった。
発売元は、解説のチェックをしないのだろうか?
特に主人公マノンの死体を砂漠に引き摺るシーン、足を持って逆さにして背負っていくシーンには戦慄を覚える。
どうしようもない女に惹かれてしまった自分を、どうしようもなく思いつつも、やはり愛を忘れられなかった男の哀愁が漂う傑作。