セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974)CELINE ET JULIE VONT EN BATEAUセリーヌとジュリーは船で行く(78年公開時)
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【解説】 先ごろ物故した哲学者ジル・ドゥルーズが、ジャック・タチと並ぶフランス・コミック映画の最高傑作、と評したことからも分かる通り、三時間を超える“大作”なのだが、その長尺を気にさせないJ・リヴェットの映画遊戯の迷宮だ。パリの公園のベンチでジュリー(ラブリエ)は魔術の本を読んでいる。別のベンチには猫が。そこをセリーヌ(ベルト)が走り抜け、サングラスとスカーフを落とし、それをジュリーが拾って追いかけるが、追いつくと思うとまた離れ、追跡ごっこの様相を呈す。この魅力的な開幕で、二人の主人公のいわく言い難い奇妙な結びつきは絶対のものだと思わせる手口は、黄金期のハリウッド映画のそれのようで、思わず引き込まれる。そこから続く“不思議の国のアリス”にインスパイアされたという物語は、唐突に開始される二人の共同生活にしろ、彼らが互いに入れ替わってそれぞれの分身になる展開にしろ不条理極まりないのだが、多くが即興演出から導き出されたという描写の一つ一つが大変生き生きとして、見る者を困らせはせず快く惑わせる。やがて、ある郊外の屋敷にひきつけられた二人は魔法のボンボンをなめ、そこで起こる少女毒殺に至る物語を幾度となく幻視する。妻に先立たれた男オリビエ(監督バルベ・シュローデル=バーベット・シュローダー)の娘マドリンが、彼の義姉カミーユと亡き妻の友人ソフィの彼をめぐる愛の葛藤の中殺される(妻の遺言で娘の成長するまで彼は再婚できないのだ)という--その結末を変えようと、二人はボンボンが切れ、偶然に調合した薬の力で夢の中に入り込み、セリーヌとジュリーで“二人で一人”の付き添い看護婦アンジェールとして、少女を助け出そうとするのだが……。確かにこんな幻想的で、しかし楽しい冒険活劇は見たことがない。一つの全く新しい映画体験をもたらしてくれる快作だ。 ![]() 【ユーザー評価】
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最後の最後にならないとオチないし、謎も解明しないので、見る人をモノスゴク選ぶよね。
自分の場合は、序盤、二人の面倒くさい女っぷりにイラっとし、
中盤、屋敷の謎に心を掴まれ、終盤、ギャグの加速にテンションが着いて行けず終了。
屋敷のパートが面白いのと、雰囲気の作品としての良さは感じた。
でも、最後まで二人の事を愛せなかったので、
たぶん、ここに来てはいけなかったのでしょう。
フランスでは傑作と誉れ高いが、世界映画史においてはさほど重要な作品でもない。その理由は3時間以上かけて付き合った結果・・結局の所夢オチ。
それまで拷問のようにセリーヌとジュリーの不条理な世界に付き合わなければならない。この作品は1シーン1シーン無駄に凝っており・パリの街を手持ちキャメラで長回ししたり、インサートショットやジャンプカットを多用するので6時間以上見た気さえもする。やはり即興演出は暇でしょうがない。
この映画の見せ場でもある。架空の世界で殺された女の子を救うために、魔法の飴をなめてその現場へワープするシーンでは、自らが演出・脚本を考えることもできる不思議な空間。しかし魔法が切れてしまえば元の世界に戻って来れないので2人は交代して看護婦になりすます。それなのにセリーヌとジュリーはとても陽気。その後も自分達が作り上げた世界の好きな時間・好きな場所にワープできるのに何回も何回も繰り返すが失敗する。やっと成功した結果→「セリーヌとジュリー」は最強の馬鹿であることを知るだろう。
ラスト付近のシークエンスで2人が舟を漕ぐシーンがあるのだが、そのシーンだけでこのタイトルをつけたのかとさらに幻滅し、駄作だと思いきや最後にベンチで夢を見ていたオチで佳作に戻す。ラストカットは逆にセリーヌがアリスでジュリーがウサギ役に変わる巧みなシーンで終わる。確かに後半は映画用語では語れないほど斬新なんだけれども、前半が長すぎる。ファンタジー・アニメ=おもしろい・時間がすぐ過ぎるという定義を壊した、ある意味偉大なフランス的解釈の不思議の国のアリスだ。しかし子供なら15分で爆睡