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何が彼女をそうさせたか(1930)

メディア映画
上映時間110分
製作国日本
初公開年月1930/02/06
ジャンル青春
何が彼女をそうさせたか クリティカル・エディション [DVD]
参考価格:¥ 5,184
価格:¥ 5,184
USED価格:¥ 4,249
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【クレジット】
監督:鈴木重吉
原作:藤森成吉
脚色:鈴木重吉
撮影:塚越成治
出演:高津慶子中村すみ子
藤間林太郎琵琶師長谷川旭光
小島洋々阪本佐平
牧英勝養育院人事院原
浜田格曲芸団長小川鉄蔵
大野三郎山下巡査部長
中村翫暁質屋の主人
片岡好右衛門玉井老人
海野龍人市川新太郎
二條玉子県会議員秋山秀子
園千枝子山田の女房お定
尾崎静子天使園主矢沢梅子
間英子島村おかく
【解説】
 藤森成吉による同名戯曲を原作に、鈴木重吉が脚色・監督した「傾向映画」の傑作。フィルムもポジも存在しないと思われていたが、1992年にロシアで上映プリントが見つかり修復・復元された。ただし肝心のラストシーンは残っておらず、字幕での説明のみとなっている。
 貧しい家に生まれた少女すみ子は、父親の弟である叔父に引き取られるが、すぐに曲芸団(サーカス)に売り飛ばされてしまう。団長の小川に虐待され曲芸団を飛び出したすみ子はその後、様々な職を転々としながら辛い日々を送っていた。曲馬団で知り合い恋心を抱いた新太郎と再会し結ばれたもの、新太郎には仕事がなかった。生活はさらに苦しくなり、ついに二人は心中を図るのだったが…。
<allcinema>
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【ユーザーコメント】
投稿者:o.o投稿日:2016-10-31 02:18:51
「傾向映画」だそうです。傾向映画とは「政治的傾向映画」ということであり、その定義は「芸術的効果と共に、特定の政治的・世界観的・社会的等、時代に結びついた影響を発揮しようとする映画。通常プロパガンダ映画と呼ばれる」で、元々はかならずしも左翼的な映画を指してはいなかったそうですが、次第に「左翼思想を広めるための映画」という意味になり、それが 1920 年代 (大正時代の終わりから昭和の始めころ) にドイツから日本に輸入されたとのことです。

内容としては、生活苦によって父親が自殺して孤児となった主人公すみ子が、サーカス団に売り飛ばされ、詐欺師の手先、養育院、県会議員の女中、琵琶法師の家政婦、売れない役者新太郎の女房、生活が行き詰っての心中未遂、教会と、社会の底辺を遍歴するというもので、その目を通して、いかに社会が搾取する者と搾取される者、支配者と被支配者に分断されているのかを告発するという趣向でした。何が彼女をそうさせたか、それはこの矛盾に満ちた社会である、という訳です。

よほど陰々滅々たる内容なのだろうと思って覚悟して見始めたのですが、主人公の境遇が、不憫であるには違いないのですが、壮絶なというほどでもなく、現実はもっと悲惨だろうとつい思ってしまいます。また、どれだけ左翼思想を吹き込んでくれるのかと、ある意味期待していたのですが、現実を淡々と見せることに徹するという感じで、それほど強い政治的な主張を感じることはできず、ちょっと拍子抜けです。

割とテンポが良く、すぐに次のエピソードに進むので、それほど重苦しい気分にならずに見れたのは、自分としてはありがたかったです。ただ、あまりにプロットに工夫がなく、平板というか、単純な感じを受けたと言わざるをえません。ほら可哀そうでしょうという演出も素朴すぎると思います。映像的には、夜の海に身投げした夫婦を漁師たちが探す場面が、美しくかつ迫力があり、印象に残りました。『何が彼女をそうさせたか』というタイトルですが、その肝心の何をしたかという部分のフィルムが失われてしまって字幕で知るしかないというのは残念です。

昭和三年のプロパガンダ映画でした。この年の主なトピックスを参考までに以下に記します。

- 第二回普通選挙実施

- 恐慌の深刻化 (失業者推定 36 万人)

- 浜口雄幸狙撃事件

- ロンドン軍縮会議

- 台湾原住民の反乱

- 東京/神戸間で「つばめ号」運転開始
投稿者:黒津 明二郎投稿日:2013-04-27 16:09:22
傾向映画の代表作で当時の批評も良かったようだが、実際はかなり通俗的な新派悲劇調のストーリーとなっている。欧米の映画術にかぶれた鈴木監督の様々なテクニックが、当時としては一応映像的にモダンであったにしても。あとは当時のリアリズムとしての貧困描写は見応えがあった。
何はともあれ、当時の二流会社だった帝国キネマの代表作でもあるので見て損はなかろう。
投稿者:Ikeda投稿日:2009-03-04 12:45:57
すみ子(高津慶子)が父からの手紙を携え、途上、老人(片岡好右衛門)に助けてもらいながら伯父(浅野節)を頼って行くが、伯母(園千枝子)にいじめられた上、曲芸団長(浜田格)の所に売り飛ばされてしまった。そこで新太郎(海野龍人)と知り合い、二人で逃げ出すが事故で離ればなれになってしまう。その後、詐欺師(小島洋々)の手先になって養護院に送られ、そこから県会議員の女中に雇われるが、そこの妻(二條玉子)に反発して追い出され、琵琶師(藤間林太郎)の女中となる。そこで新太郎と再会して結婚するが、職を失った彼との生活は困窮を極め、心中を決意する。幸か不幸か助かったすみ子は園主(尾崎静子)の天使園に収容されるが・・・。

1930年にキネマ旬報のベスト・テン一位になった、かなり有名な映画で、既に消失したと思われていた作品ですが、フィルムがロシアで発見されたものです。ただし37%が欠損していたため、その部分は字幕で補完されていますが、題名から言って、彼女が最後にした所が抜けているのは残念です。しかし、ここは、見方によってはキリスト教に対する不信感を表しているとも考えられ、意図的に外されたと考えれれなくもありません。
丁度、世界大恐慌が始まった頃の映画でもあり、当時流行った傾向映画の一つですが、左翼的な感じはないものの、世の中の仕組みに大いに反発した映画であることは間違いなく、薄幸な少女を演じる主役高津慶子を始め、皆好演で流石、この時代の俳優はすばらしいなと思いました。サイレント時代の人たちなので、知らない名前ばかりですが、琵琶師を演じる藤間林太郎は藤田まことのお父さんです。
【ソフト】
  商品名  発売日  税抜価格  
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