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大人の見る絵本 生れてはみたけれど(1932)

メディア映画
上映時間91分
製作国日本
初公開年月1932/06/03
ジャンルドラマ/コメディ
小津安二郎 DVDコンプリートボックス
参考価格:¥ 70,200
価格:¥ 57,438
USED価格:¥ 63,209
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【クレジット】
監督:小津安二郎
原案:ゼェームス・槇
(小津安二郎)
脚色:伏見晁
潤色:燻屋鯨兵衛
撮影:茂原英朗
衣裳:斎藤紅
編集:茂原英朗
出演:斎藤達雄
吉川満子
菅原秀雄長男
突貫小僧次男
坂本武重役
早見照代夫人
加藤清一子供
小藤田正一小僧
西村青児先生
飯島善太郎遊び仲間
藤松正太郎遊び仲間
葉山正雄遊び仲間
佐藤三千雄遊び仲間
林国康遊び仲間
野村秋生遊び仲間
石渡輝秋遊び仲間
【解説】
 巨匠・小津安二郎監督のサイレント期を代表する作品。子供の素直な視点から、肩書きに振り回されるサラリーマン社会の悲哀をユーモアを織り交ぜ描く。東京の郊外に引っ越してきたサラリーマンの一家。近くには父親の上司の家もある。さっそく、子どもたちは近所のガキ大将になり、その上司の息子も手なずける。ところが、父親はなぜか上司相手に卑屈な態度をとっていた。子どもたちにはそんな父の姿がたまらなく我慢ならなかった…。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
760 8.57
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【ユーザーコメント】
投稿者:ノブ投稿日:2014-02-16 12:01:52
【ネタバレ注意】

「生まれてはみたけれど」(監督:小津安二郎 91分)
話の内容は、子供達の日常と子供がチョット垣間見た大人の世界。
酒屋の小僧が小さな子供(弟)には強くあたるが、お客の母親には媚びへつらうのがコミカルだった。
ガキ大将に弟が頭をはたかれて、弟が口を開けて泣き、口にくわえていたパンを落とすのが良かった。
手前に洗濯竿で干している洗濯物が揺れ、真ん中で父親が体操し、奥では電車が横切るシーンが良かった。
学校サボって早弁したり、通行人がポイ捨てしたタバコを拾って吸ったりする兄弟が良かった。
飼い犬に雀の卵を食べさせて飼い犬が病気になるのがコミカルだった。
子供達のケンカのシーンが良かった。
弟が酒屋の小僧に家でビールを買う事を教えた見返りにガキ大将をやっつけてもらうのがコミカルだった(弟が残っていた子供もやっつけてくれるように頼むと、酒屋の小僧が「この子はお前のウチより酒を買ってくれるお得意様の子だからダメ」と断るのもコミカルだった)。
活動写真をお偉いさんの家で皆で観ている時に、動物園の動物の活動写真で子供が言い争ってケンカを始めたり、お偉いさんが馴染みの芸者とイチャついてるのが映って、お偉いさんの奥さんがやきもちを妬いたりするのがコミカルだった。
父親のオドケタ姿の活動写真で、父親が皆に笑われているのを見て、兄弟が落ち込んで皆より先に家に帰ってしまうのが良かった。
兄に「お父さんは偉くない」と言われて、父親が「飲まなきゃやってられない」と言って酒瓶片手に別室に行くのが悲しかった。
布団で寝ている兄弟を見守る父親と母親のショットが、ボク的にはなんか良かった。
最後に兄弟が父親の「しがなさ」をきちんと理解して終わるのもいいオチだと思った。
全般的に
頻繁に通る電車が、シーン的にいいアクセントになっていた。
メガネをかけた母親がとても優しそうなのが良かった。
父親が友達の父親に媚びへつらうのを見て、子供達が反抗するという題材も面白かった(子供達が大人社会の厳しさを垣間見るみたいな感じも良かった)。
かなり「時代的な古さ」は感じたが、ただ単に子供達の日常をコミカルに描くだけでなく、大人の世界の「やるせなさ」も垣間見せてくれる、題名通り「大人の絵本」にもなっているキッズ・コメディの佳作。http://mamaduke.at.webry.info/

投稿者:流氷一滴投稿日:2014-01-05 11:10:20
昨年(2013年)12月に、活弁付きの小さな映写会でみました。
活弁が非常に巧かったので、サイレントで見たなら、感想は変わっていたかもしれません。

ストーリーは一見単純です。郊外に引っ越してきたサラリーマン一家。小学生の兄弟は早速近所の子供と出くわすが、なんと体の大きいがき大将がいた。弟は負かされ、兄も歯が立たない。そのうち、御用聞きを見方につけて優位に立つが・・・

厳格な父は常に兄弟に勉強して「偉くなれ」という。ところが自分たちより「格下」のはずの子どもの父親が、実は自分たちの父の上司で、全く頭が上がらないことを知ってしまう。
ふてくされる兄弟。説教する父。ふて寝したあくる朝、気を取り直し学校へ。

「実力」が順位を決める「子どもの世界」を見せておいて、実は「大人の世界」は「実力」だけでは決まらないことをさりげなく見せる。やっかいなことに、これはずっと子どもたちにつきまとう。
「サラリーマンの悲哀」を知った兄弟は、父親に「大きくなったら軍人になる」という。

むろん、戦前だからこういうストーリーになったのですが、今でもいえることではないでしょうか。
投稿者:グレコ投稿日:2013-05-15 23:18:08
変に大げさになったりせず、本当に良い。
投稿者:呑気呆亭投稿日:2012-06-08 15:58:26
\'29年の「若き日」である意味ノ−テンキな学生の日常を描いてから、間に同じ伏見晃の脚本で「落第はしたけれど」を含めて15本の作品を撮って、小津は再び伏見晃とのコンビでこの映画を撮った。題名には「大人の見る繪本」との副題が付いている。割れた桃から生まれた裸の男の子の漫画がタイトルバックに使われていて、「繪本」とは何のことかと思わせる仕掛けになっている。
前半の子供の世界の描写は「兄と弟」という後年繰り返し現れた小津の一主題の初出を思わせて興味深く、原っぱというアナ−キ−な空間に展開されるガキたちの抗争も微笑ましくて、それを観る大人たちにもある種の郷愁を与えるのだが、一転して、従えた子分たちの前で自分たちの父親の卑屈な姿を見させられてしまうという、思いっきり残酷な仕打ちを小津と伏見はこの兄弟に与えるのである。
これは無糖のチョコレ−トのように、美味しそうでいて口に入れるとビタ−な「大人の見る繪本」なのであった。http://d.hatena.ne.jp/nanjakuteituisho/
投稿者:いまそのとき投稿日:2011-09-13 17:46:54
謎の遊びはフランケンシュタイン1931年、ミイラ再生1932年、魔人ドラキュラ1931年あたりか。あと確かに吉川満子が食卓の下でカードを繰ってる。何だろう。小津の洒落た遊びか。ホロリと父と母の会話。こいつらも一生侘しく爪を噛んで暮らすのか 俺のやうなやくざな会社員にならないでくれなあ むすびでも拵えてやれよ お前たち大きくなってお父ちゃんより偉くなればいいぢゃないの 郊外の住まいは広々として電車が通過し1932年当時としては決して悪くないと思う。大人になる前の子供目線は辛辣だ。
投稿者:クリモフ投稿日:2010-01-15 22:16:21
戦前の小津初体験。子供の世界と大人の世界がきっちり分かれてその衝突を描くのは、「お早う」でもやってますね、元はここか。ちびっ子に焦点が当たる前半はちょっと退屈だったんですが、親との価値観衝突の布石なんでやっぱり必要か。まぁ、そう思えるくらい後半は素晴らしかったです。
マイホームパパのやりきれなさと、息子に対する温かい目線が絶妙。子供の素朴な疑問が大人にスコーンとヒットするのはいつの世でもあるんですなぁ。干渉し過ぎない母親の位置も良い。おにぎりもって行くとこのセリフは微笑ましい。
それにしても29歳でこんなの撮るなんて、小津は老成してますね。凄い人だ。
あと、子供達のあのなぞの遊びは流行ってたんでしょうか(笑)
投稿者:さち投稿日:2008-05-30 12:55:58
すばらしい
投稿者:エプロン投稿日:2008-01-05 10:14:21
小津のローアングルが可能にすることの一つとして、特に後期の小津作品で誰
もが覚えているように、卓袱台の下の空間を通して、向こう側が見えるという
ことがあります。卓袱台の下の空間を通して、出演者には見えないが、観客に
は見えるということが可能になります。そういったカメラアングルにとどまら
ず、卓袱台の下の空間は『麦秋』のケーキのエピソードを思い出すまでもな
く、小津作品にとっては、特別な秘密の空間を作っています。
 『生まれてはみたけれど』も最後にさしかかるころ、子供達と父親の斎藤達
雄がおにぎりを庭で並んで食べる名高いシーンがありますが、そのシーンのす
ぐ後に、卓袱台に座っているエプロンをした吉川満子が、にこにこと笑い、朝
ご飯の盛りつけを初めると、伏せてあったお茶碗の中から卵が出てくる細やか
な演出があります。わからないのは、その直後、後期の小津のような撮り方で
はありませんが、吉川満子が、卓袱台の下でエプロンのポケットの中からなに
か取り出し、カードのようにシャッフルします。あれ一体なにをしているので
しょうか。



投稿者:Bava44投稿日:2006-08-09 02:03:54
日本の無声映画のコメディなので最初はどこで笑えばいいのか分からなかったのですが、
そのうち無理して笑おうとしないで、映画の世界に入って素直に楽しめるようになった。
劇中劇のサイレント映画が冴えるくらい本篇はトーキー映画の演出をしている。
多分小津はトーキーへの移行が容易だっただろう。

兄につられてワーと泣き出す次男の演技のつけ方や、外で一緒におにぎり食べるシーン
などに小津の人間観察の鋭さを感じた。

本作に対しては某先生が「繰り返しの快楽」とか意味不明なこじつけをして威張っていましたが、
私の近くで観ていたオッサンが「時代劇のようだ。決めゼリフや決めポーズがある」と言っており、
非常に素直な感想だと思って感心しました。


小津の映画は好みが分かれるけど、良く出来ているよなぁ。7.5点
投稿者:o.o投稿日:2005-12-05 01:33:52
本当にどうという事のない話なのに、なぜかくも楽しく見られてしまうのでしょうか。とにかく軽快な動きを持った映画で、まったく停滞することを知りません。それでいて全体としては、ほんわかした雰囲気なのが素晴らしいと思います。常に外を走り回っている子供達の動きが快感です。

昭和 7 年 (1932 年) 当時の子供達の生態にも楽しいものがありました。「おまじないをかけられたら倒れる」のが子分となった証、という子供達のルールに従って、格下が渋々ながらも律儀に横になる姿が笑えます。また、主人公の利発そうな兄とむくれっつら風の弟の組み合わせが非常に良いと思いました。

上司にへつらわなければならないサラリーマンの悲哀も描かれますが、今のドラマや映画 (あまり見ていませんが) だったら大げさかつ暑苦しく描きかねないところを、やんなっちゃうよね、とさらっと描いているところが好きです。もっとも現代の方がむしろ主従関係がきついような気もしないではありませんが。拗ねた息子達に父親が庭先で話しかける場面が爽やかです。

映画の面白さとストーリーはあまり関係ない。それが結論です。
投稿者:みーこ投稿日:2004-11-01 12:53:27
一言で私的な感想。「怖い。」2004年のセンスで見ると、「えぇ〜っ!?ありえない!!」といういわゆるジェネレーションギャップ満載で、これをリアルタイムの人たちは何の疑問もなく見てたのかな〜と思い通しでした。「大人の見る絵本」というのはある意味相当ぴったりですね。セックス、ドラッグ、バイオレンスのどれでもなくホラー映画でもないのに、私が子供の頃に見てたら半トラウマになるかも、というくらいすごいインパクトでした。。。ただとにかく、面白かったのは確かで、芯の部分は理解不能ではなくいつの時代にも通じるものがありました。さすが巨匠ですね。でも、子供と一緒には見ないことをお勧めします。子供だったらほぼ確実に何とも言えない怖さに泣きます!
投稿者:Tom投稿日:2004-10-09 15:24:43
この作品を何かの映画祭でチョイスしてました。世界的に小津の初期の傑作としての地位を築いてます。
投稿者:Ikeda投稿日:2004-03-27 11:27:15
小津安の作品によく出てくる斉藤達雄は別として、子役の菅原秀雄、突貫小僧の二人が抜群です。東京の麻布から郊外に引っ越して来た家の兄弟が最初、いじめられますが、私にも経験がありますので良く解ります。弟が兄さんの行動を真似したり、お父さんが上役にペコペコするのに腹を立てるなど子供の生活感情を良く描いていますし、斉藤がサラリーマンの苦しさを出しているなど面白い映画です。この郊外の場所ですが、「矢口町」の名前が出てきますので、あの郊外電車は目蒲線だと思います。ただ意識的にやったのでしょうが、電車がやたらに通るのが気になりました
投稿者:GRIFFIN投稿日:2003-12-09 16:51:15
 コメディとシリアスのブレンド具合が見事で面白い。
 辛口なテーマだけど、子供を使うことで痛感さを包んでいるのが見事。
 気になったのは、父権と父の存在感。
 家庭の中での父親ってのは、現代では希薄になってるんじゃないか?
 それにしても、まぁ良く子供を観察しているもんだ!と感心する。
投稿者:でこちゃん投稿日:2003-02-13 16:35:00
サイレントの傑作。まさに映画とでも言うべき作品。小津はここでチャップリン的偉大さを示します。この後はロー・アングルによる人生探求へと向かいます。見所いっぱいですが、お勧めは、あえてどうでもいいところを。犬の名前が「エス」。昭和始めに、このての名前は一般的だったんでしょうか。犬の名前の変遷を考えてみるのもいいかも。
投稿者:Katsumi_Egi投稿日:2002-08-04 14:02:45
 映画はサイレントの時点で既に頂点に到達していたのではないかと思わせる、豊かな豊かな時間の映画。一両編成の列車が何度も画面を横切り、その度毎に映画におけるリアリズムのあり方を私に突きつける。

 子供達の原っぱでのやりとり。指さしたら相手が倒れ、胸で十字を切って手のひらを拡げて突き出すと起きあがるゲーム。雀の卵。「おなかをこわしているので物をあげないで」という貼り紙を背中にした男の子。活動上映会の斎藤達雄のバカ顔。もう堪らない豊かなイメージの連鎖だが、私が最も心を打たれるのは、上映会の夜、子供達を叱った後の夫婦の情景の繊細さだ。二人して子供達の寝顔を見るカットで決まって目が潤んでしまう。翌日、庭で椅子に座っている子供達へおむすびを渡す豊かな朝の時間表現も比類無い。

 野外でも室内でも小さな移動撮影のカットが目立つ。
http://www.page.sannet.ne.jp/egi/
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