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浮草物語(1934)

メディア映画
上映時間118分
製作国日本
初公開年月1934/11/23
ジャンルドラマ
小津安二郎 DVDコンプリートボックス
参考価格:¥ 70,200
価格:¥ 57,438
USED価格:¥ 63,209
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【クレジット】
監督:小津安二郎
原作:ジェームス・槇
(小津安二郎)
脚本:池田忠雄
撮影:茂原英朗
美術監督:浜田辰雄
衣裳:斎藤耐三
編集:茂原英朗
出演:坂本武喜八
飯田蝶子かあやん(おつね)
三井秀男信吉
八雲理恵子おたか
坪内美子おとき
突貫小僧富坊
谷麗光とっつあん
西村青児吉ちゃん
山田長正マア公
青野清立師
油井宗信下廻り
平陽光小屋の男
若宮満駅員
懸秀介古道具屋
青山万里子床屋のかみさん
池部光村村の男
笠智衆
【解説】
 小津安二郎が原作(ジェームス・槇のペンネーム)と監督を担当したサイレント作品。池田忠雄が脚本を執筆した。坂本武演じる喜八を主人公とした「喜八シリーズ」の第二弾で、1928年のアメリカ映画「煩悩」を下敷きにしている。1959年には「浮草」というタイトルで小津自らリメイクした。
 旅芸人の一座が小さな町を訪れた。町には座長の昔の女おつねと、その息子の信吉が住んでいた。一座の看板女優であるおたかは、座長の市川喜八の愛人でもあった。彼女は喜八がおつねと信吉に会うのが許せない。そこで彼女は一座の若手女優であるおときに、信吉を誘惑させることにした。ところがおときと信吉はそのまま恋に落ちてしまう。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
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【ユーザーコメント】
投稿者:呑気呆亭投稿日:2012-12-13 15:55:42
伝統芸能として大劇場で公演される歌舞伎の影に旅回りの一座があり、その東京周辺の常設館としては浅草の「木馬館大衆劇場」と北区十条の「篠原演芸場」と川崎の「大島劇場」がある。このうち大島劇場は未見だが、篠原と木馬館には何度か行っている。十条の「篠原演芸場」は畳敷きで、この映画の小屋の雰囲気にとても似ている。こうした大衆演劇で大事にされている演目は長谷川伸氏の股旅物である。伸さんはこうした旅回りの一座に自分の作品を快く提供して、上演料などというものを請求することは一切しなかったと聞く。こうした畳敷きの小屋で大衆演劇を観るというのは、大劇場で歌舞伎や文楽やらを鑑賞するのとはまるで違う、一種特殊な経験である。それはこの舞台上に登場する役者たちが、江戸期の河原者と同様、木戸銭と投げ銭の収入のみに頼って生活しているということが切々と伝わってくるからである。そのために彼らが見せるプライドと卑下のギリギリの境目を生きる様相が、まるで綱渡りを見上げるかのような緊張感を観る者に与えるのである。この映画の喜八を演じる坂本武とおたかを演ずる八雲理恵子の遣り取りにも、足を踏み外せば明日にも奈落に落ちかねぬ生活者の切迫したリアルを感じたのだった。http://d.hatena.ne.jp/nanjakuteituisho/
投稿者:いまそのとき投稿日:2011-06-29 15:38:10
細部に幾つかの違いがあるがほぼ話の本筋は一緒。親方が坂本武と鴈治郎。人のよい親しみやすさでは坂本。鴈治郎は頑固さで勝り、旅役者として格上。京マチ子と八雲理恵子。どちらも艶っぽいが八雲の黒髪なまめかしい。京は姉御肌強い。子役。小津無声映画の人気者突貫小僧の見せ場多い。三井弘次(秀次)。旧作では息子役(当時24歳)、大映版ではドロンする役者。ドロンといえばこの旧版はいきなりで説明不足。大映版は三井がさんざ立派な口上並べ立てて持ち逃げっていうのが面白い。ラスト駅の待合。タバコの火を探す親方に八雲はマッチを渡す。大映版は京がマッチを摺ってやるが鴈治郎は知らん振りする。火は消え京はもう一本摺ってやっと鴈治郎はその火を貰う。といった大映版がいいなぁ。役者の持味それぞれ。比較しても遜色なし。
投稿者:篭瀬山投稿日:2006-11-11 10:00:51
 落語なんかでもそうだが台詞というものはズンズン流れて行ってしまうもの。だがサイレント映画の字幕には、台詞を空中に定着させる効果がある。ハイライトする効果というか。文章も短くて研ぎ澄まされてる。そして、この映像とサブタイトルを繰り出すタイミングによって、映画にある種のリズムが生まれてくる。初めからはさすがに入り込めないけど、しばらく見ていると、リズムに引き込まれ、音のない映画を見ているという感覚は忘れてしまう。逆に言うと音が聞こえ出す。少なくとも雨漏りの音や手拍子みたいな単純なのは、確実に聞こえた。サイレント期の映画監督は、こうやって独特のリズム感を培っていったのね。だから小津や成瀬はトーキー化以後も、何の変哲ない物語を語って話をドラマチックに見せることが出来たのだ。そんな感慨を抱く。

 晩年に大映で撮った『浮草』は、本作のほぼ忠実なセルフリメイクなんだ。ラストの15分だけやっぱり湿っぽくなって、こんなだったっけ?と思うが、喜八(坂本武)というキャラクターを使ってもう一捻り加え、カラッと仕上げるところが小津の持ち味だったのか。三井弘次(本作では秀男)の後の成長ぶりがあまりに<立派>なので、大映版から先に見た私にはただただ驚嘆。6
投稿者:o.o投稿日:2006-02-13 01:20:55
「喜八シリーズ」などと言うので、てっきり『出来ごころ』(昭和 8 年) の続編かと思いきや、同じなのは主人公の名前だけで、全く違う設定の作品でした。時代を下りながら見てきた小津映画もこの作品ではずいぶん雰囲気が変わって、非常に落ち着いたタッチとなっています。暗い夜の画面が多く、喜八も深刻な表情が多いのですが、それでいて停滞している感じは全くしませんでした。また、場面ごとの構図がすっきりとしていて、清潔感を感じます。

色気があって、ちょっと性悪で、情が深くて、姉御肌な、喜八の情婦を演じた八雲理恵子は、本当に良い女優だと思います。喜八の昔の女の店に乗り込んでふてぶてしく飲むシーン、そして、怒った喜八に呼び出され、「お前さんの粋 (せがれ) のことなんか知るもんか」なんて言って、居直るシーンがすごく好きです。突然舞台劇のように、はらはらと散る花びらが美しいと思います。そんな訳で、父と子の物語よりも、喜八と情婦の関係ばかり気にして見てしまいました。別れられない気持ち、よく分かります。

その他には、喜八の息子と若い女役者の顔が次々と切り替わる、線路上での会話のシーンが心に残ります。また、ラスト シーンには、しみじみとした気持ちになりました。ただ、『出来ごころ』の方では重要な役割だった子役の存在は、この作品では、あまり効いているとは思えません。突貫小僧 (芸名です) には悪いのですが、無くても良かったのではないかと思いました。

大切にすべき映画の一つとなりました。
投稿者:GRIFFIN投稿日:2006-02-01 21:57:05
 現代では、喜八という男の「旅芸人しかできない業」は理解しづらいかも。 
 でもそれがあるから、最後の駅舎での男女関係が見事なものになっている。愛情も恋愛関係も大切だが、腐れ縁でもちつもたれつってのも、また人間関係でよくあるし、その引力のほうが強くて落ち着いたりする。
 さて、興味深いのは同年に「母を恋わずや」が作られていること。母子家庭という共通項はもちろん、片や一緒に生活しつつも継母というだけで諍いが生じ、本作では突然の実父の存在で諍いがおきる。
 どちらの作品も直情的演出が多様されていて、異なった家庭のカタチを描いており、監督自身の内面で何か変化があった時期のように見える。http://www.geocities.jp/griffin0623/
投稿者:Ikeda投稿日:2004-03-27 11:54:27
ドサ廻り芝居の座長が、昔、子供を産ませた女のいる町へ巡業し、その息子とのかかわりなどを描いた映画ですが、小津のサイレント作品の中では上位に入ると思います。川原乞食と言われた時代は過ぎていますが、当時の旅役者の哀愁が滲んでいます。突貫小僧演ずる富坊が面白いですし、三井秀男と坪内美子の逢瀬もきれいに演出しています
投稿者:parole投稿日:2003-11-23 04:30:13
【ネタバレ注意】

主人公の喜八とその情婦とが諍いを起こす小屋(劇場)におけるシーンは、恐ら
く映画史における最も豊かで最も感動的な雪のシーンであるだろう。明らかに
紙吹雪だとわかる稚拙なまがい物の雪なのだが、それがハラハラとそして時折
二人の上に降りかかる。照明や露出の関係で影となっている部分しか雪が映っ
ていないのだが、この「時々」「まばらに」降る雪が、その断続性故に画面を、
映画そのものを静かに深く彩っていく。

このシーン以外にもその後の「東京物語」のラストに近い電車内でのシーンを
彷彿させるラストシーンやその直前の駅の待合室におけるシーン、自転車を
初めとする「もの」の使い方、重層化したものがラストに向けて集積しカタル
シスをもたらすシナリオの構成など、「晩春」以降の後期作品に勝とも劣らな
い完成度の極めて高い作品となっている。いや、小津はもしかしたらこの作品
において後期に至る「手法」を自分なりに確固たるものとして体得したのでは
ないだろうか?

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