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愛怨峡(1937)

メディア映画
上映時間108分
製作国日本
初公開年月1937/06/17
ジャンルドラマ
愛怨峡 [DVD]
参考価格:¥ 5,040
価格:¥ 5,040
USED価格:¥ 10,688
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【クレジット】
監督:溝口健二
原作:川口松太郎
脚色:依田義賢
溝口健二
台詞監督:水品春樹
撮影:三木稔
美術監督:水谷浩
衣裳:新興衣裳部
編集:板根田鶴子
近藤光夫
音響効果:杵屋正八郎
音楽:宇賀神味津男
助監督:高木孝一
関忠果
出演:山路ふみ子村上ふみ
河津清三郎鈴木芳太郎
三桝豊謙吉の父安造
明晴江謙吉の母おしん
田中春男謙吉の友人広瀬恒夫
野辺かほるその妻里子
浦辺粂子産婆村井ウメ
大泉慶治その夫浩太
菅井一郎街の紳士森三十郎
大友壮之助刑事新田格
大川修一よたもの小山譲二
鳥橋弘一講談師神田伯山
田中筆子万才師春廼家小春
上田寛万才師春廼家笑福
ジョウ・オハラ小唄流行亭左松
奈美乃一郎浪曲師天広軒虎松
滝鈴子女道楽立花家歌之助
【解説】
 川口松太郎の原作を溝口健二が依田義賢とともに脚色し監督した。トルストイの小説『復活』を下敷きに、力強く生きる女性の姿を描いた名作。フィルムは失われたとされていたが、完全ではないものの発見され、DVDとしてリリースされた。
 信州で旅館の女中をしているおふみは、その旅館の跡取りである謙吉と深い仲になるが、謙吉の父親に結婚を許してもらうことができず、二人で東京へ駆け落ちした。しかし謙吉は働きもせず、貧しい生活に耐えきれず実家に戻ってしまう。謙吉の子供を妊娠し一人残されたおふみは、流しのアコーディオン弾きをしている芳太郎の世話になり、子供が生まれると里子に出した。おふみは芳太郎と漫才コンビを組み地方を訪れた際、謙吉と再会するのだが…。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
18 8.00
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【ユーザーコメント】
投稿者:o.o投稿日:2018-11-26 04:25:23
自分にとっては溝口映画第 4 弾です。今まで見た溝口映画はみな、女性の主人公が社会の下層に転げ落ちていくというストーリーで、底冷えするような世間の冷たさというものを感じさせてくれるものばかりでしたが、本作品はかなり印象が違いました。やはり転落の物語ではあり、世間の冷たさも描かれるのですが、主人公を支える人物がいて孤立無援という訳でもなく、最後も「彼女は決然と自分の人生を選び取った」風な力強い終わり方で、今まで見てきたような救いのない感じの終わり方とはずいぶん違います。

信州の温泉宿で女中として働いていた主人公おふみが、若旦那と駆け落ちして東京に出てきたものの、お腹に赤ん坊がいる身で若旦那に捨てられ、水商売の世界に身を投じ、その後なんと漫才師になるという驚きの展開なのですが、捨てられる前は、いかにも弱々しい感じだったのが、一人で生き抜くことになってからは、威勢の良い啖呵を切るような姉御肌の女に大変身してしまい、ほとんど別人格です。いくらなんでも変わり過ぎだと思わぬでもありません。

大学出のインテリながらもチンピラ人生を送り、おふみに心を寄せながらも決して手を出すことなく見守り続ける、アコーディオン引きの芳太郎はけっこう好人物で、今まで見た溝口映画には登場しなかったタイプの人物です。また、登場時にはいかにも好色な腹黒い老人に見えた芸人一座の座長であるおふみの叔父も、意外に筋の通った人物でした。それに比べて、おふみを捨てた若旦那や、威張り散らすその父親などの描写を見ると、都会人(東京)の優しさと田舎者(信州)の冷たさを対比させようという意図があるのかなとも思います。

昭和 12 年の東京の風景が映されますが、それを見ていると、不況期ということもあるでしょうが、大日本帝国などと言っても、やっぱり貧しい国だったよなと思わずにはいられません。ぱっと見ると、なにか戦後間もない復興期の東京のように見えます。おふみが泣く泣く赤ん坊を人に預ける場面での、やけに高い煙突から煙がたなびく、やたらに殺伐とした東京郊外の風景が強く印象に残ります。なお、この年は、日中戦争が始まった年で、総動員体制が敷かれ始めた年のはずなのですが、その影はまったく見られませんでした。

都会人は優しい。田舎者は冷たい。それが結論です。


[参考情報:昭和 12 年のトピックス]

- 日中戦争開始(盧溝橋事件)

- 渡洋爆撃開始、中国沿岸封鎖

- 上海制圧

- 南京制圧

- 大本営設置

- 企画院設置

- 国民精神総動員中央連盟結成

- 日独伊三国防共協定調印

- 文部省、「国体の本義」配布

- 文化勲章制定

- 帝国芸術院創設

- 朝日新聞社訪欧機神風号ロンドン到着
投稿者:いまそのとき投稿日:2014-11-11 11:11:14
男目線のメロドラマ。同情を誘わないのは溝口らしい。身勝手でわがままな男を際立たせることにより女の転落劇にメリハリが生まれる。しかし、決して見捨てているのではない。河津清三郎との芸人同士の縁がまたこれも人生なのだと思わせる。落ちぶれてもなにくそとその気負いが胸を打つ。それも品格なのだ。
投稿者:ルミちゃん投稿日:2012-05-05 18:50:22
【ネタバレ注意】

浪華悲歌と比べながら考えると、非常に分かりやすい作品です.
簡単に捉えれば、浪華悲歌は幸せな男女が不幸になった作品であり、この映画は不幸な男女が幸せになった作品です.
浪華悲歌では、自分と結婚したい男なら自分をかばってくれるはず、と考えた女が嘘をついた所、その嘘によって男の心は離れていったのです.少し視点を変えれば、女が男の優しさに甘えたので、男は女の甘えに耐えられなくなって離れていった、このように考えることも出来ます.
他方、この映画では、
『あんた、なぜ私につくしてくれるの.もう私、男はこりごりだから、私に優しくしても無駄よ』女はこう言って、身を持ち崩したにしても、決して男に頼らずに、子供を育てて行こうとしていたのですね.
簡単にまとめれば、女が男の優しさに頼って甘えた結果、不幸になったのが浪華悲歌であり、例え身を持ち崩しても、男に頼らず自立して生きて行こうとした女が幸せになったのが、この映画である.
浪華悲歌もこの映画も、男女平等を基点に据えて描き上げられているのがよく分ります.

投稿者:くろーにん投稿日:2007-03-03 12:56:31
昭和十二年の封切り直後に宮本百合子がこの映画に苦言を呈しているが、それでも甘すぎる。これほどハンパな作品はあまりないと思う。若旦那と河津清三郎はマシだが、なにより主演の山路ふみ子の芝居が最悪。出演本数は多いのにまったく不人気であった彼女の本領発揮である。何より当時から彼女の出演映画は地方都市には一本も配給されなかった。戦前から溝口健二のお家芸であったロングショットだが、この映画を見てはっきりしたのは、溝口にはカットを割る映像構成のプランがないのである。才能がないのでロングの長回しにせざるをえないのだ。当然アップにすべきところを寄らないのは、リアリズムではなく脳足りんなのである。それを庶民派リアリズムと勘違いした左派インテリが戦前は溝口を称揚し、戦後は馬鹿な映画ファンが必要以上に持ち上げ、アホなジャポニズム外国人が誤解して名監督に仕立てた。実情は馬鹿な監督の代表。脚本は意外に悪くないと思うのだが、作品自体がひどいので同罪に処す。
【ソフト】
  商品名  発売日  税抜価格  
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