allcinema ONLINE オールシネマ 映画&DVDデータベース
検索オプション

人情紙風船(1937)

メディア映画
上映時間86分
製作国日本
公開情報劇場公開(東宝映画)
初公開年月1937/08/25
ジャンルドラマ/時代劇
人情紙風船 [DVD]
参考価格:¥ 4,860
価格:¥ 4,200
USED価格:¥ 1,700
amazon.co.jpへ

【解説】
 河竹黙阿弥の歌舞伎『髪結新三』を三村伸太郎が脚色した時代劇で、山中貞雄監督の遺作となった作品。この作品を取り終えた山中は出征し、戦争により短い生涯に幕を閉じた。後にテレビドラマとして何回かリメイクされている。
 江戸時代。貧乏長屋に住む髪結いの新三は、同じ長屋に住む浪人が首吊り自殺したのを良いことに、通夜をやるからと大家から酒をせしめ、住民仲間とただ酒を飲んで馬鹿騒ぎを行うような男だ。彼は賭場を巡るトラブルから借金を抱えており、髪結いの道具を質屋に持ち込もうとするが、相手にしてもらえない。困った新三は質屋の店主の娘であるお駒を誘拐し、長屋に連れ込んでしまう。
<allcinema>
【おすすめ作品】
A=無難にチョイス B=チャレンジの価値アリ C=発見があるかも!?
[001]A丹下左膳餘話 百萬兩の壺 (1935)
[002]A河内山宗俊 (1936)
[003]A東京物語 (1953)
[004]A流れる (1956)
[005]A雨月物語 (1953)
[006]A隠し砦の三悪人 (1958)
[007]A山の音 (1954)
[008]Aセリーヌとジュリーは舟でゆく (1974)
[009]Aめし (1951)
[010]A山椒大夫 (1954)
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
20178 8.90
下記フォームからあなたのこの作品に対する採点を投票してください。
メールアドレス年齢性別
評価 (低い←→高い)
12345678910
【ユーザーコメント】
投稿者:Odd Man投稿日:2019-01-07 15:00:27
小津、内田吐夢らと同輩なんでしょ、それだけで罪な戦争と判る。
「これが遺作ではチト、さびしい」ならば、と思わざるえない他の失われたフィルムは本当に無いんだろうかな。魁偉と言っていい容貌も中村翫右衛門さんは代えがきかないと思える役者だな。
投稿者:noir fleak投稿日:2014-06-23 13:42:14
信じがたい。天才と言わずして何を言おう。
これは人生を終わろうとするときに諦観を以て人生を振り返る人が撮った映画だ。山中には、戦争に行けばもう二度と映画は撮れないという思いがあったのだろうか。
(関係ないが、この人、実に愛すべきいい顔をしている。酒を飲んだらいかにも面白そうな感じだ。)
話の筋立ても実に面白い。歌舞伎とはこんなに面白いのか。
演技として見るならば、新三演ずる中村翫右衛門が素晴らしい。やくざ一味に何度懲らしめられても立ち上がって、最後は決然と死地へ行く。そのニヒルな役回りが少しのケレンもなく自然なのだ。逆にスゴミがある。まさに名演技というのはこれだ。
侍の妻役の女優もすごい。実にこわい。こんな女優は見たことがない。
傑作!
投稿者:ノブ投稿日:2014-02-08 17:04:58
【ネタバレ注意】

「人情紙風船」(監督:山中貞雄 86分)
話の内容は、貧乏長屋で起こった悲しい出来事。
夜、長屋の前の道の溝に降る雨ではじまるオープニングが良かった。
長屋のシーンで、両脇の家々の玄関から色んな人が出たり入ったりするシーンが良かった。
金魚売りの口上と愚痴が良かった。
大家と髪結新三が話している所に、画面横のお店から女中が出てきて水を撒き、大家の足に水がかかりそうになって、折角直した下駄の鼻緒が再び切れるシーンが良かった。
お通夜の宴会が楽しそうなのが良かった(歌ったり、踊ったり、酒飲んだり)。
盲のいちが「目が見えなくてもお見通し」という演出がコミカルだった(いちの取り皿から盗み食いする所とキセルを盗む所)。
大家が刺身に文句を言うと、新三が「大家の金でもっと立派な酒と魚を買ってこい」というのがコミカルだった。
宴会で騒いでいる音が聞こえる中、浪人の家では、浪人は外を眺め、奥さんは黙々と内職して静かなのが良かった(騒々しさと静かさのコントラストが良かった)。
死んだ父親の知り合いのお偉いさんにウザがられて、ヤクザを使ってボコボコにされて追っ払われる浪人が悲しかった(浪人がへつらって下手に出ているので余計に悲しい)
大店(質屋の白子屋)の番頭にニコニコ対応しているのと、新三に凄みを効かせて厳しく責めているのとのヤクザの親分の対応のコントラストが良かった。
新三が開帳している賭場に沢山のヤクザがのりこんできた時に、明りを消して暗闇の中二階の窓から飛び降りて逃げる新三のシーンが良かった(ヤクザ達が1階の玄関を蹴破って入り込んでいる間に、新三は2階から飛び降りて逃げるという撮り口が面白かった)。
約束通りお偉いさんの邸へ行ったのに、門前払いされる浪人が悲しかった。その後居酒屋でらっきょをツマミに独り酒を飲んでいるのも悲しかった。
縁日で雨が降って、皆がドタバタ片付けたり(特に手前に門、奥にドタバタのショットが良かった)、門の所で雨宿りするシーンが良かった。
雨の降る中、お偉いさんに頼みに行って、お偉いさんから小銭を投げ渡されて「もうつきまとうな」と言われ、金も拾わず土砂降りの雨の中、ずぶ濡れで立ち尽くす浪人がとっても悲しかった(ここでもへつらって下手に出ているのにむげにされるので尚更悲しい)。その後土砂降りの中、ずぶ濡れになってうなだれてトボトボ帰るのもとっても切なかった。
新三が大店の娘を無理矢理家に連れ込んだ時の、雨漏りの為に置いた桶に雨水がはねる音とショットがボク的には印象深かった。
ヤクザが金で懐柔したり、刃物をチラつかせて脅しても、屈しない新三は「男」だった。
大家が娘を返して、大店から大金(50両)を貰った時に、半分を新三に渡し、半分をチャッカリ自分が頂くのがコミカルだった。
新三が手に入れた金で長屋の皆に酒をおごるのはキップが良かった。
長屋の奥さん達の噂話を浪人の奥さんが黙って立って聞いているのが怖かった(噂していた長屋の奥さん達は蜘蛛の子をちらすように逃げていくが、浪人の奥さんは誰もいなくなっても後ろ姿で黙って立っているという撮り口)。
新三がヤクザに呼び出された後、皆の酒代の支払いを済ませて、逃げずにヤクザの所に戻るのは「男」だった。
浪人の奥さんが、浪人の嘘に愛想がつきて、浪人を刺殺し、自分も死ぬのが悲しかった。
ラストの有名な、走っていった子供の持っていた紙風船が、長屋の前の溝に落ちて流れていくシーンはとても印象的だった。
全般的に
貧乏長屋の楽しさとか貧乏浪人の悲哀とか新三の男気とか作品全体にいい雰囲気が多々ある。
ラストの紙風船が転がって溝を流れていくシーンが象徴する「貧乏な人達の人生は、紙風船のように簡単に破けるし、軽いので風に吹かれれば簡単に飛んでいく儚い人生だ」というメッセージ性もとても良かった。
撮り口でも印象深いシーンが多々あったし、86分と時間的に短いのもよく、無茶苦茶強い主人公とか胸のすくような展開とかは無いけれど、なんとも言えない味わいの良さがある時代劇。http://mamaduke.at.webry.info/

投稿者:呑気呆亭投稿日:2012-07-04 11:23:50
若い頃に見た時はやけに暗いスト−リ−と結末に辟易したのだった。一般の批評にも厭世的なとか苦悩に満ちたとかの言葉が羅列されている。傑作として知られている割に暗さのイメ−ジのために今一人気のある作品ではないようだ。
しかし、今回見直してみてその暗さのイメ−ジをもたらしたのは河原崎長十郎とその妻のエピソ−ドによるものであって、長屋に住む連中のバイタリティー溢れる日常は決して厭世的なモノではなくて、当時の江戸には多かった火事で焼け出されてもへこたれることなく雑草のように再生して行く民衆のエネルギ−を感じさせるもので、これをこそ山中貞雄は描こうとしたのだと納得した。中村翫衛門演ずる髪結い新三はその象徴として、いなせで反骨心溢れる江戸っ子の典型を見事に造形して見せた。さすがに前進座だけのことはあるなと感服したことだった。http://d.hatena.ne.jp/nanjakuteituisho/
投稿者:ルミちゃん投稿日:2012-03-30 03:31:59
河内山宗俊に出てくる弟は、幼なじみの芸子を助けようと連れ出したけれど、結局は心中するしかなく、しかも女だけを死なせてしまった.彼の行為は優しい行為とは言えなかった.こう考えて、この映画の正体が見えて来たみたい.この映画、直接には優しさは描かれていない.けれどもちゃんと描かれているはず.きっと、それを探し出す様に描かれた作品なのでしょう.

長屋の者たちはお通夜の晩にどんちゃん騒ぎ.彼らは酒を飲みたいだけで、仏のことはどうでもよい.これでは優しいとは言えない.
其れに引き換え大家さんは、たな子達にガミガミ言うけど、結局は酒代を出してやり、追加の酒を頼むのも了承したのですね.娘を拐かした時も、掛け合ってお金をせしめてきた.そしてまた、そのお金でどんちゃん騒ぎ.一見酷い行為に思えたけれど、所詮は、お金が無くては優しくは出来ないのです.更に書き加えれば、くじ引きで、棺桶を担ぐ人間を決めましたが、つまりは、大家さんは仏さんの葬儀をちゃんと行ったと言える.優しい人なのですね.
浪人.彼は、どの様に邪険に扱われても耐え忍び、仕官の望みを捨てなかった.と、このように受け取れるけど、これは、間違いなのか.仕官の望みが無いことを、妻に告げる勇気がなかっただけに過ぎないのでは無いか.妻に真実を告げる勇気がなかった、これでは優しいとは言えない.妻の方も、夫の仕官が適わないと知って無理心中をしてしまったので、やはり優しいとは言えない.彼女は紙風船を作る内職をして夫を支えていた、その姿から、優しい妻に思えたのですが.
七つ屋の娘.彼女は新三が髪結いの道具を質入に来たとき、忠七にお金を出しておやりと言った.この子、優しいんだ.そして忠七も、最後は駆け落ちする決心をした.最後は優しくなったらしい.
七つ屋のおやじは、娘の気持ちを確かめもせずに縁談を進めた.娘が拐かされたときも、世間体だけを気にしていて、娘の身の安全を気遣っているとは言えない.冷たい父親と言ってよい.
新三の前に、やくざの親分.一見酷い人間に思えるけれど、新三が悪さをしたときは、半殺しにせずに、手加減して許してやった.最後の決闘のシーンもそう、『おまえたちは手を出すな』と、1人で決闘に臨んだ.あれで、案外優しい所もある人間だったらしい.
さて、最後に新三.うーん、所詮は、自分に優しくしてくれた娘を拐かした彼は、優しいとは言えない.彼は娘が忠七に惚れていることを知っていた.否、どんな理由があったにしても、娘を拐かすような男は優しいとは言えないはず.
書き加えれば、大家さんは娘を返す条件でお金をせしめてきた.つまり、誘拐をやめさせようとした.優しいことをしたのですね.
投稿者:いまそのとき投稿日:2011-11-14 00:21:32
長屋の住民たちの市井描写。香るような江戸風情。昭和12年当時のセット・美術レベルの高さに驚く。この長屋に隣り同士の髪結新三と又十郎。白子屋、弥太五郎一家、毛利三佐衛門が見事に絡む設定と展開。脚本がいい。そしてこれも特筆すべきは光と雨の撮影技術。土砂降りの雨、雨、雨。無念の又十郎。この救いのない暗さは製作されたこの時代を投影したものだろう。又十郎と同じく新三もまた非業の死を遂げるのか。戦地に赴く山中貞雄本人を暗示していたのかもしれない。全26作全てが時代劇。現存する3作はいずれも燦然と輝く傑作揃いだ。
投稿者:黒津 明二郎投稿日:2009-11-21 15:54:38
ラストがあっけなく感じるものの、何ともいえない哀切に満ちた‘小市民時代劇‘だ。
冒頭、役人が雨上がりのぬかるんだ泥んこ道を歩くショットから、山中の素晴らしい画面造形に目を奪われる。そして、江戸情緒を伝えるセットに的確な音響演出(今回は「丹下左膳」や「河内山」みたく、うるさいまでのBGMはない)・・・粋で洗練されている。
長屋の光景、奥は石垣で遮られ(上方には樽がいくつも干してある)、日の光も満足には当たらないであろう。黒澤明「どん底」を彷彿させるけど、本作には、あのうんざりしてしまうような舞台劇臭は微塵も感じさせない。
ほんとにさりげないのだ。人情物であり悲劇であり恋愛もあるわけだが、ことさらそれらを煽ったりせずに淡々と進んでいくのである。ラストショットの堀に浮かんだ紙風船・・・
演技陣。中村のいなせな演技がいい。大家の助高屋と按摩の坂東も好演。
投稿者:リEガン投稿日:2007-08-13 17:01:12
モノクロ映画とはいえ、雨があがった後の青空のショットが必ず暗く感じるのは、河原崎長十郎扮する浪人の笑顔とも重なって何とも言えない哀しさが胸に沁みる。確かに厭世的な雰囲気が全編にあふれているが、何度見ても飽きない大好きな作品。
投稿者:もりたまん投稿日:2007-08-11 18:39:33
…たまらなく切ない。今日早稲田松竹で初めて観ました。併映の丹下左膳のコミカルさに通じる「遊び」を抑えているところは、行きたくなかった日中戦争と戦病死を運命的に予感させているような気がしました。フィルムセンターで見た同映画のポスターの爽やかさとは裏腹な暗さは、しかし叙情的で心を打ちました。「これが遺作になるなんてチトサビシイ」と本人が戦場で綴ったように、これで終わってしまったことが悔やまれてなりません。もっともっと作り続けたかっただろうという思いを感じるからこそ、より「暗く重く切なく」感じてしまうのかもしれませんが…。
投稿者:pk投稿日:2006-12-23 11:18:39
【ネタバレ注意】

話のうまい髪結(任侠)が主人公です。昭和12年、日本映画の知られざる絶頂期だったのでしょう。天才監督は28才で応召戦死。
本を読むと幕末の志士って自分の命をやたら粗末にしましたね。それが美学でした。
この映画も時代は幕末か、志士でもないのに5人くらいの自殺行為が描かれています。命の重みは時代により変わるようです。

投稿者:Ki-Adi-Mundi投稿日:2006-02-16 22:57:22
暗い!なんたる陰鬱さ!暗黒時代劇か?!まさにどん底。
長屋の連中が繰り出す笑いもさらに暗さを引き立てている。

「河内山」と同じく、いやそれ以上に、こちらもとても美しいシーンに溢れている。
雨宿りをするお駒と忠七、毛利に引導を渡され雨の中で立ちつくす海野のショット!風に流される紙風船・・。
縦構図が多いことも特徴で、引き締まった美しい画面になっている。

黒沢の「どん底」は、この作品からの影響が大きいのではないだろうか?

これが山中の遺作となってしまったが、素晴らしい映画を遺したのではないかと思う。
世界は山中を失った。愚かな戦争の代償はとてつもなく大きく深い。
投稿者:篭瀬山投稿日:2005-11-01 00:30:50
長屋の住人たちの生活描写だけでも生き生きとして楽しいし、新三(中村翫右衛門)の意地の張り方・通し方、海野さん(河原崎長十郎)の人の好さ・だらしなさ、いずれも愛さずにはいられなく故に一層切ないのだが、私が一番感動したのは、物語の構成の見事さだなあ。よく「腑に落ちる」という表現を私も使うのだけれど、臓腑に突き抜けるとでもいうような激しい納得性があった。ただ、私が勝手に勘違いしている可能性がなきにしもで、先日、当の前進座公演で『髪結新三』を見てきたのだが、河竹黙阿弥の原作(に忠実だったとして)は、もっと説話的というか、より教育臭が強く、なんか修身の教科書みたいだった(知らんけどそれ)。山中貞雄は、大昔のお話を、(昭和12年当時の)同時代的な解釈で、リアリティを伴って再現してみせたのかもしれない。しばし保留。7
投稿者:ダイヤ投稿日:2005-03-24 22:51:03
もし、あなたが黒澤映画が好きでまだこの映画を観ていないなら、ぜひおすすめします。
投稿者:さち投稿日:2004-11-17 00:09:59
そんなにいい作品かな 面白かったけど
投稿者:Ikeda投稿日:2003-10-27 15:57:51
今、見ることの出来る数少ない山中貞雄の遺作と言うこともありますが、戦前の日本映画では一番好きな映画です。歌舞伎の「髪結新三」が原作ですが、主役の描き方などは、山中貞雄がかなり変えています。江戸の下町に住む髪結いの翫右衛門が江戸っ子らしさを発揮し、気の弱い浪人の長十郎がそれに絡んでくる話で、ペシミズムの極致を日本的に演出しています。出演者は殆ど前進座で皆、文句のつけようもありません。最近の時代劇と違って、江戸の下町風景も見事で、金魚売りやラオ屋が出て来るのも懐かしいです。
最初は通夜でヒョットコ踊りが出たりして、気楽な雰囲気ですが、質屋の御橋公や、用心棒の笑太郎たちがからんで来て物騒な話になってきます。この子分には加藤大介(市川莚司)も出ています。その後、長十郎が再仕官を願い出たり、翫右衛門も鬱憤ばらしをするが・・。という筋書きです。カメラも素晴らしく、棟割長屋、縄のれん、夏空、雨、そして小道具としての蛇の目、更に流れて行く紙風船のラストシーンも情緒を出しています。細かい事を書き出すときりがありませんが、庶民の権力に対する反発と無力感が見事に描かれていて、当時のフランス映画の影響が感じられます。本当に山中の夭折が惜しまれる作品です。
【ソフト】
  商品名  発売日  税抜価格  
 【DVD】人情紙風船2004/08/27\4,500amazon.co.jpへ
【レンタル】
 【DVD】人情紙風船レンタル有り
 【VIDEO】人情紙風船レンタル有り
【広告】

【スポンサーリンク】



【スポンサーリンク】



allcinema SELECTION

allcinema SELECTION