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血煙高田の馬場(1937)

決闘高田の馬場(ビデオ題)

メディア映画
上映時間57分
製作国日本
公開情報劇場公開(日活)
初公開年月1937/12/31
ジャンル時代劇

【クレジット】
監督:マキノ正博
稲垣浩
原作:牧陶三
脚色:牧陶三
撮影:三井六三郎
石本秀雄
音楽:高橋半
出演:阪東妻三郎中山安兵衛
市川百々之助大工の熊公
原駒子熊公女房 お才
伊庭駿三郎八卦屋の天眼
志村喬講釈師 楽々亭貞山
大倉千代子弥兵衛の娘 お妙
香川良介萱野六郎左衛門
小松みどり乳母 おかつ
滝沢静子お勘婆さん
市川正二郎若党 武助
藤川三之祐堀部弥兵衛
久米譲小野寺十内
瀬川路三郎中津川祐範
尾上華丈村上庄左衛門
阪東国太郎舎弟 次郎太
片岡松燕松平右京太夫
団徳麿川瀬源次郎
島田照夫羽賀甚介
磯川勝彦伊勢屋の主人
仁札功太郎松川佐十郎
葉山富之輔河童の勘右ヱ門
若松文男鐘鬼の庄太郎
湊武男八五郎
瀬戸一司清吉
石川秀道仲間 甲
志茂山剛仲間 乙
加藤弘郎仲間 丙
大倉多一郎酒屋の主人
【解説】
 牧陶三の原作・脚本をマキノ正博と稲垣浩が共同監督した時代劇。主演の阪東妻三郎による韋駄天走りと十八人斬りは特に有名。1928年に伊藤大輔監督、大河内伝次郎主演で製作された同名作品と同じモチーフ。再公開時にタイトルが「決闘高田の馬場」と改められた。
 飲んだくれては喧嘩に明け暮れる浪人の安兵衛。おじの萱野六郎左衛門は説教をするが、安兵衛はまったく聞く耳を持たない。トラブルから高田の馬場で果たし合いをすることになった六郎左衛門は、そのことを話そうと長屋を訪れるが、安兵衛は仲間と飲んだくれて帰ってこない。六郎左衛門は書き置きを残して高田の馬場へと向かった。事情を知った安兵衛は二日酔いのまま長屋を飛び出した。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
757 8.14
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【ユーザーコメント】
投稿者:黒美君彦投稿日:2012-09-06 10:31:54
【ネタバレ注意】

堀部安兵衛(後の武庸)というと、かつては講談や浪曲で「呑んべ安」「喧嘩安」としてお馴染み、赤穂浪士随一の剣客だが、果たして現代においてどれほどピンと来る人がいるのだろう。
とまあそれはともかく、堀部家に婿入りする前の中山安兵衛の高田馬場での決闘を描いたこの作品、コミカルでありながら風格を感じさせる阪東妻三郎の存在感が素晴らしい。
そして20を超えるカットを重ねた有名な疾走シーンのスピード感。
諸賢が指摘されているようにこれはまさにサイレントの手法だが、それがスラップスティックな効果を生み、決闘シーンへの緊迫感を強める。
殺陣はあたかもダンスシーンのよう。流麗な刀さばきが楽しい。
移動撮影も悪くないし、安兵衛を取り巻く下町の人々、そして叔父の香川良介、恐らくは安兵衛の連作ものの一篇として制作された作品だろうが、単独で観ても十分楽しめる逸品だ。

投稿者:ふーた投稿日:2012-08-03 10:11:59
(単なる感想文です。)
名高いクライマックス「十八人切り」への盛り上がりが、涙がぽろぽろ落ちるほどすばらしかったです。それは涙を誘うメローな場面というわけではないのですが、阪妻演ずる、歌舞伎ものでたわけものの中山安兵衛が、老いた叔父――彼はいままさに逆恨みによる決闘に挑もうとしている――の残した手紙を読む場面から始まります。

 朝帰りして酔っぱらっていた彼は、いつもの叔父からの説教を読まされるのをいやがって、手紙を読もうとしません。それでも叔父のただならぬ気配を察した長屋の住人たちに強いられてすこしづつ読み進めるうちに、危急の事態であることに気づいていきます。読み進める早さに加速度がつき、それがそのままかの有名な短いショットを積み重ねた高田馬場への「韋駄天走り」の場面につながります。決闘場に着き、叔父の死、十八人切りへと圧倒的なシーンの連続。そして、長屋の住人と見物の群衆とともに、映画を観る者の興奮も最高潮に達する。もうすごすぎて、幸せで、涙が出ました。
 (上映フィルムは改題版「決闘高田の馬場」。京都文化博物館にて約10年に鑑賞)
投稿者:呑気呆亭投稿日:2012-06-10 22:53:36
韋駄天走りのシ−ンはまさにサイレントの手法が取り入れられており、走るバンツマの20カットのモンタ−ジュによって、あたかも「走る!」「走る!」「走る!」の字幕が入れられているかのような心地良いリズムが形成される。そして、クライマックスの18人斬りのシ−ンは、「雄呂血」の悲壮美ではなく、バンツマの不思議にコミカルなキャラクタ−を生かした立ち回りと、馬場に蝟集した安兵衛の応援団の、まるで現代の野球場かサッカ−場のサポ−タ−たちがやるようなウエ−ブを先取りした波打つ動きが素晴らしいリズムを形成して、スタッフ・キャストの共同により奇跡的な映像を創造してのけたのである。http://d.hatena.ne.jp/nanjakuteituisho/
投稿者:ちゃぷりん投稿日:2007-01-07 02:38:42
良くも悪くも当時の娯楽作なので、同じ殺陣でも「雄呂血」の方がまだ心に残る物があった。ただ阪妻が駆け抜けるシーンに音楽が被さった時(かなり音が割れてるが)の疾走感は良かったし、あのエキストラの数には驚いた。
投稿者:Ikeda投稿日:2004-06-12 20:31:56
中山安兵衛が堀部家の婿に入る前に、伯父さんの助太刀に駆けつけるという江戸時代からの噺です。何度も映画化されているようで、子供の頃に見たことがありますが、この映画は多分、初めてだと思います。当時の時代劇のスターと言えば嵐寛寿郎と阪東妻三郎でしたが、この映画でも阪妻が凄いと改めて感じました。当時の殺陣は最近の時代劇と違って大時代的ですが、十八人切りのシーンでも流石に形が良いです。タイトルバックに、お正月の獅子舞が出てくるのが面白いし、伯父になる香川良介との気合いもピッタリです。それに堀部家の娘役の大倉千代子のエピソードをマキノ正博はうまく取り入れています。飲んだくれて、伯父が来ても会えず、韋駄天走りで駆けつけるのが、この噺の山場ですが、キートンそこのけの迫力があります。考えてみれば、八丁堀から高田馬場の少なくとも10Kmもあるところを、あのスピードというのは無理ですが、その誇張がこの噺の本来の面白い所でもあります。
投稿者:D.T投稿日:2004-03-01 23:59:13
【ネタバレ注意】

中山安兵衛に扮するバンツマこと阪東妻三郎の豪放磊落な存在感を求心力に、映画は映画たる愉楽を纏って行くばかり…。これは映画的瞬間に紡がれた珠玉の50分だ。
画面に在る細部からバンツマを擁した幾つかの殺陣までに在る悉くは、その一つ一つが豊かで観客が震えるような余韻を持つ、しかし、それらが徒に過剰感を生むのではなく、映画は、ただ簡潔さに収斂して行くかのようだ。

バンツマ扮する中山安兵衛が所々に垣間見せる純粋な心根の立ち現れようは、中山安兵衛たるキャラクターを観客が純粋に愛する縁ともさせよう。
例えば、安兵衛が叔父が真剣勝負を交わす高田の馬場に死に物狂いで駆けつける終幕のシーンが圧巻なのは、単に、十八人を向こうにしたバンツマ烈火の大殺陣のアクション映像の醍醐味のみに因らず、安兵衛と叔父の肉親的交情が映画序盤からきちんと示されてあるがゆえの圧巻たる映画的身振りなのだろう。

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此処『決闘高田の馬場』にあるバンツマ。

その、
悲壮込み上げて天を仰ぐ表情、
叔父貴を逆恨みから斬った仇どもに怒り込み上げ切って、引っくり返ったような甲高い声で「よし、来いっ!」と雄叫びを上げるさま、
自らの自堕落を顧みず隣人夫婦の喧嘩を執り成す際の嬉々とした姿、
叔父貴の助太刀に長屋を立つ際、飯をガガァーッと手づかみで食らう姿、
そして長屋を飛び出し高田の馬場へと一目散に走りに走る姿…等々、
―この映画に在るバンツマの悉くの振る舞い、喜怒哀楽の発露、加えて、束の間見せる静けさといった逐一に血が通い血が滾(たぎ)っており、感情迸るもの、つまり、映画的愉楽の紡がれたものと相成って行く。

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斯様に、バンツマ扮する安兵衛在るところ(彼を求心力に)悉くが躍動する。
唯一、安兵衛の叔父たる菅野六郎左衛門だけは彼の破天荒に巻き込まれることなんぞに無縁だが、その内面は乱行の過ぎる甥への不安に波打つばかりであったのだろう。
逆に、この叔父と在る時の安兵衛は身を縮めるばかりで言葉一つ発せず仕舞いだ。
しかし、世に唯一人真心から自分を叱り、事あるごとに甥たる自分の体を気遣う叔父の前に在る安兵衛の内面は矢張り何時でも揺さ振られていたのだろう…。

終幕、十八人を向こうにしたバンツマ烈火の大殺陣。

このシークェンス中程のバンツマの動きに悠然と伴走する横移動のキャメラ、そして(“慢心の”長槍使い)中津川祐範との決着までを縦構図に捉えるキャメラの愉楽等は筆舌に尽くし難い。

仇討ちを果たし、安兵衛は横たわったままの叔父の体に走り寄る、そして、俄かに何百人とも判別がつかぬ人だかりの熱狂、狂騒に囲まれる中、安兵衛は悲壮に震えながら天を仰ぐ…。


■http://ohwell.exblog.jp/

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