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真空地帯(1952)

メディア映画
上映時間129分
製作国日本
公開情報劇場公開(北星)
初公開年月1952/12/15
ジャンル戦争

【解説】
 野間宏の実体験に基づく同名小説を、山本薩夫が監督し映画化。軍隊内部に蔓延する暴力、いじめ、理不尽な命令などを描いた、一種の反戦映画と言えよう。原作は毎日出版文化賞を受賞している。
 士官の財布を盗んだとして、木谷は陸軍刑務所に二年間服役。出所した木谷は軍の内務班に復帰した。班の内部では班長をはじめ古参兵たちが、初年兵をいじめていた。特に一等兵の會田は大学出ということもあり、日常的に暴力を受けていた。しかし木谷だけはそんないじめには加担していなかった。會田は木谷に好意を寄せ親しくなるが、木谷が野戦送りの人員に選ばれることを知ってしまう。木谷が刑務所へ送られたのも、野戦送りの人員に選ばれたのも、すべては派閥争いによるものだった。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
216 8.00
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【ユーザーコメント】
投稿者:nabeさん投稿日:2016-05-07 23:41:25
山本薩夫の嫌軍映画である。
大戦後期の大阪のとある軍隊の内務班の日常を赤裸々に描いている。そこにはイジメ、不正、暴力、不当な命令等々が蔓延しており、今日の感覚からするととても正視に耐えられない異常な世界だ。主人公の木谷が刑務所から復帰してきたところから始まるが、彼の冤罪の過程をたどる場面がサスペンスを思わせる展開で、山本薩夫監督ならではの社会派ドラマとなっている。
主演の木谷役を演じる木村功はもとより、西村晃、高原駿雄、金子信夫、神田隆といった芸達者な面々が、実体験の軍隊生活をリアルに演じていて印象深い。日頃威勢のいい古参兵たちが、いざ戦地に送られる時になると、とたんにビクビクし出すのも実に人間臭い名場面だ。
投稿者:Ikeda投稿日:2010-10-27 11:27:20
57年ぶりで再見しましたが、この映画で一番印象に残っていたのは木村功の名演でした。さほど込み入ったストーリーではないので、内容的には大体覚えていましたが、これだけビンタや鉄拳が飛ぶ作品だという気がしませんでしたが、それは戦後まもない時期から現在の平和な時代に変わってきた差にあると思います。
原作者、野間宏は思想犯として大阪陸軍刑務所に服役した経験を持つ人ですから、それだけの実感はあります。ただ彼は戦後、共産党に入党したものの、その後 ソ連に追随したとして、日本共産党から除名処分を受けたという極左の人なので軍隊生活を厳しく書きすぎている気もします。軍隊という社会では上官の命令は絶対で、それでなければ戦争に勝てる訳もないのでそれは当然として、この映画ではそれを背景にして個人的な権力争いを中心に話が進行しています。その後、このような事の反省から日本も平等の意識が強くなりましたが、次第に金権的な考えが強くなり、違った形で不正が増えてきたように思えるのが残念です。
投稿者:ちゃぷりん投稿日:2010-08-29 15:44:03
いじめのシーンは今観てもインパクトがあるが、台詞の音質の悪さ、キャラの配置や重要なシーンの挿入などが途切れ途切れに見える構成の不具合、何より単調な展開にあまり興味が続かず、43分で早送りモードに。加藤嘉の演技は凄かった。
投稿者:uptail投稿日:2009-09-09 09:00:30
西村晃
投稿者:黒美君彦投稿日:2008-03-12 03:01:24
【ネタバレ注意】

<あらすじ>石切陸軍刑務所で2年3か月服役していた木谷(木村功)が仮釈放され、昭和19年1月大阪の原隊内務班に復帰した。上等兵だった木谷は一等兵に降格されたが、四年兵にあたることから実質的な管理者立澤准尉(三島雅夫)らから一目置かれていた。班内では班長の大住軍曹(西村晃)に加え、初年兵教育係の三年兵地野上等兵(佐野浅夫)をはじめとする古参兵たちが初年兵たち、とりわけ大学出をいじめていた。そうした中、大学出で三年兵の曽田一等兵(下元勉)のみが木谷と親しかった。木谷の服役は週番士官だった林信二中尉(加藤嘉)の財布を盗んだという罪状によるものだったが、木谷は金入れを拾い、紙幣をくすねただけで盗んだわけではなかった。彼は花枝(利根はる恵)という飛田の娼婦に入れあげていたが、彼女への手紙も検察に押収され、そこに書かれた本音が反軍的とされたのだった。木谷は事件の背景に中隊の物資をめぐる経理に関する派閥争いに巻き込まれたことを知るが、同じ時、彼は南方の戦地に送られることに決まる。木谷を邪魔者と感じた士官の策略だった…。

原作は野間宏(1915〜91)による戦後文学の傑作のひとつに数えられる長編小説。野間は1941年に補充兵として入隊し、北支やフィリピンのバタンなどを転戦するが、思想的に危険であるとして1943年大阪陸軍刑務所に収容された経験を持つ。この作品は作者の経験に基づいた怒りに満ちている。
軍隊を実際に経験した者が多数を占める時代に製作されたこの作品、古参兵の初年兵いじめや理不尽な命令などは実態に即したものと考えるべきである。軍隊は鉄の規律を要求するものであり、神格化された天皇の軍隊内において、上官の命令は絶対であり、反抗は決して許されなかった。貧富や教育の格差が現代以上に激しかった当時、一年でも長く軍隊にいる者が上に立つという状況は、社会の下層にある者が上層にある者(例えば学徒)に対して復讐のようないじめの蔓延を招いた。学徒は「幹候」(幹部候補生)なので、階級が低い今のうちに叩いておく、という発想である。軍隊においては兵士が歯車のひとつであること、すなわち「無」の存在であることが要求される。そうした軍隊の本質を戦場ではなく、内務班という国内組織のなかで描ききったところにこの作品のユニークさがある。
主人公の木谷が学徒ではなく貧しい農家出身のムショ上がりである、という設定も面白い。彼は思想的にどうだというわけではない。ただ、軍隊内の利権をめぐる派閥争いに巻き込まれたのをきっかけに、軍隊に内在する得手勝手な論理に背を向けているにすぎない。個人の意思が顧慮されることがない軍隊の非人間性、上官命令絶対のなかでの無責任体制を体現する存在として描かれるのだ(そしてそれこそが野間宏がタイトルにした「真空地帯」の意につながる)。
だから彼は高邁な理想を語るわけでもなく、自らを陥れた元上官に対する怨みをふつふつとたぎらせるのみなのだ。後半の三年兵に対して爆発する暴力性は、そうした軍隊に内在する不条理な論理に対する反抗だが、それは個人の事情を超えるものではない。しかしそれであってもその暴力性は、戦地なき軍隊内の腐敗を鋭くあばくものでもあったのだ。
木村功、下元勉、三島雅夫ら、登場人物はそれぞれ個性たっぷりで熱演。上官が殴るシーンはかなり本気モードとみた。元兵士のスタッフ、キャストばかりだからそれも当然だろう。
撮影は、当時唯一残っていた千葉県の佐倉連隊の内務班で行われたそうだ。

さてさて、当時の軍隊の様子を垣間見るには絶好の作品ではあるが、ここで描かれているのは軍上層部ではなく、軍の末端における腐敗である。士官は絶対的権力をかさに物資の横流しなどで私腹を肥やし、兵卒はわずかな優位を強調するために威張りくさる。軍隊という暴力装置においてそれは極限まで突きつめられるが、実はこれに似た状況は現代社会においてもそこかしこでみられる。防衛省幹部の汚職の例を挙げるまでもなく、公務員の汚職、企業におけるパワハラなども似たような構造をもつ。
この作品における凶暴な古参兵たちも、田舎に帰れば気のいいおっちゃんだったりするに違いない。すなわち、軍隊という暴力装置によって人間がいくらでも醜く変貌しうる現実こそが、この作品の底流をなしていると私は考える。決して特別な時代だったわけではなく、古参兵たちが特別な人々だったわけではないのだ。
軍隊経験者が殆どいなくなったこの時代だからこそ、今一度軍隊の本質とは何かを考えるためにも観て損はしない作品である。

投稿者:さち投稿日:2004-08-13 08:39:45
確かに凄い世界である。しかし今の現代社会にも十分残っている。従順なものが可愛がられ、自己の意見を持つものは排斥される。暴力というものはさすがに目につかないが、50年以上起っても全く進歩なし。ジャパニーズヒエラルキーには本当に腹立たしい。
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