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日本の悲劇(1953)

メディア映画
上映時間116分
製作国日本
初公開年月1953/06/17
ジャンルドラマ
木下惠介生誕100年 「木下惠介 名作選III」<5枚組> [DVD]
参考価格:¥ 12,960
価格:¥ 12,960
USED価格:¥ 9,000
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【解説】
 春子は熱海の旅館で女中として働いている。戦争で夫を失った春子は、二人の子供を育てるため、男に身をゆだねる商売にまで身を落としたこともあった。二人の子供の成長だけが彼女の生き甲斐だったが、二人は彼女の過去の商売に反発し、母に反抗的な態度を取る。医大を卒業した息子は東京にいる医者の婿養子になると家を出た。娘は妻子ある英語教師と駆け落ちをしてしまう。娘のことを相談しようと東京へ行った春子だったが、息子は相談に乗るどころか、彼女のことを冷たくあしらう。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
653 8.83
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【ユーザーコメント】
投稿者:noir fleak投稿日:2015-02-27 07:19:46
しかも最後まで息子・娘は悔悟もしないし、母親からとにかく逃れたいとするばかり。上原謙の幼い娘までがひどい。見ていて不愉快な場面が多い。そして、望月優子も泣きすぎ! ああまでめそめそすることはないだろうと思ってしまう。音無しのフラッシュバックや当時の有名事件ニュースの挿入もあまり効果があるとは思えない、、、、と言うものの、記憶されるべき名作だ。戦後8年目、日本社会はまだ大混乱だったことがわかるだけでも本作の価値があるというものだ。その状況の中で、木下監督には、日本の家庭がまちがいなく崩壊すると見えたのだろう。ここに描かれている家庭もその家族の性格もあまりに一面的すぎるが、その焦りが映画の中に出ている。そこがいい。
望月の死を一番嘆いたのが、いつも口うるさい喧嘩相手だった板前と佐田啓二扮する流しだったというエンディングはすばらしい。
なお、息子役、娘役の俳優は二人ともなかなか立派だが、その後大成しなかったのは、本作でのイメージがあまりにも強烈で、嫌われたからではないだろうか?


投稿者:nabeさん投稿日:2014-05-12 14:01:04
ひとりの女の哀しい物語である。
タイトルからすると、何やらドキュメンタリー風の作品を想像するが、そこは木下恵介監督らしく、きっちりひとりの不幸な女の人生を描いている。その女とは望月優子演じる旅館の女中春子だ。
春子は戦後の苦しい中女手一つで二人の子供を育て一人前にしたが、その子供たちも親離れをしたくてたまらない。平成の現代においてはごく普通の光景だが、戦後まだ8年しか経っていなかった当時は、本当に新しい出来事だったに違いない。だからこそ60年経った今観ても、決して色褪せないのだ。
望月優子は普段は地味な女中で目立たないが、時々艶っぽい姿を魅せるかと思うと、子供たちの前ではひたすらか弱い母親になりきっている。その演技は本当に見事だ。
娘役の桂木洋子が人形のようにカワイイ。ギター流し役の佐田啓二が爽やかで印象的だ。
投稿者:Jean-Claude Marais投稿日:2007-02-21 11:32:42
センチメンタリズムを徹底的に排除して、木下が描いて見せた非情なまでの母と子の「関係性」と「断絶」は、まさに混迷する一方の現代を連想させるなんとも皮肉な作品である。戦後動乱期を、新聞や報道などの映像を交えながら、世相をシニカルに捉え、普遍性の高い見事な力作となっている。
子を思えばこそ、遮二無二生きる母の姿を尻目に、子は母を恥じ、軽蔑し、恩知らずなまでの自我の塊のような人間へと成長していく。
僅かな行き違いが、やがて大きな溝を生み、埋められないままに離れていく心はあまりに空しく、上原謙と不倫するふてぶてしい桂木洋子や、医師のもとへ養子に行くと言って聞かない田浦正巳演じる他人行儀で、恩知らずな息子。本作の一番の魅力は、なんといっても、名女優、望月優子の存在なくしては語れない。彼女のうらぶれた、そして悲哀に満ちた演技は見事だが、壮絶なラストは息を呑む。あまりの絶望感に打ちひしがれるほどである。
映画全体を通しての見事なカメラワークと、ショットが作品の雰囲気をより高め、見逃しかねない職人芸が冴え渡っている。木下の代表作の1本として長く記憶に留めておきたい名作。
木下の作風はセンチメンタルという向きも多いが、61年に発表し、オスカー候補ともなった、高峰秀子と仲代達矢、佐田啓二主演の「永遠の人」でも見受けられるような、ドライな作品もある。
木下が語るこの家族像は当時の世相を反映して「いたしかたなかったものなのだ」というが、それは現在にも強烈なメッセージを放っている。
投稿者:ジート投稿日:2007-02-16 18:11:05
娘はなんだかかわいそうだったが
息子はどうも嫌に思えた.
あんなかっこよく(?)言えるものだろうか.
あの息子はどんな家庭で育ってもあんな人物になる気がする.
 戦争遺児ということも重要なテーマではあるが
この映画は現在でも親子の行き違いを描いているということで
通用する作品だと思う.
佐田啓二は必要ないかもしれないが良かった.
無駄に豪華だ。
佐田が息子だったらどうだったのだろうか、
田中絹代が母親だったら少し合わない気がする.
風の中の牝鳥みたいになるのだろうか.
投稿者:さち投稿日:2006-11-16 10:39:50
よかった
投稿者:はこまる投稿日:2006-05-22 22:33:23
以前見たときにも不思議に思ったが、何故この作品が数ある木下作品の中でも今もなお輝く生命力を保ち続けているのだろうか?まったく古くなっていない。今回再見してますますその思いを強くした。
もしその理由が人と人の心の断絶を描いているゆえだとすればあまりにも悲しい。だが、映画の生命力の秘密が確かにこの作品には存在する。
俳優の細かい演技から完全無欠のカメラワーク、煌めくショットにいたるまで、確かにこの時代の木下恵介が黒澤明より評価が高かったのもうなずける。この繊細さは天才の仕事といって差し支えないだろう。
劇中いくつかのワンシーンワンカットがあるが、バカ息子が母親に絶縁を宣言するお墓参りのシーンは特にすごい。こういう超絶テクニックを見ている人に気づかせないようにさらっとやるとこなんて、この時代、世界的に見てもこれほどの監督はいなかったのではと思えるほど。
そして、私としてはここに映画の生命力の秘密があると信じたい。決して救いのないテーマゆえではないはずだ。

また、木下恵介は翌年(54年)に永遠不滅の『二十四の瞳』を撮る。この作品のあまりの成功がこの後の木下の映画人生を決定する。
『日本の悲劇』はある意味最後の木下映画であるかもしれない。
投稿者:Ikeda投稿日:2006-05-17 14:31:25
木下恵介の戦後の作品では社会批判的な所がよくありますが、その意味では良く描かれていると思います。母親望月優子その他、皆好演で、戦争中からのニュースなどを入れてかなり雰囲気が出ていますし、現在にも通じる問題点が浮き彫りになっています。
ただ、娘の桂木洋子、息子の田浦正巳や上原謙の妻、高杉早苗の描き方がいかにも性悪すぎるのは、いくらフィクションとはいえ、ひどすぎる感があります。特に私自身が、この時代に同じ様な境遇で育ちましたので、途中で腹が立ってきました。ただ、ラストの「湯の町エレジー」を弾く佐田啓二の台詞で、やっと気がまぎれました。
投稿者:黒津 明二郎投稿日:2006-05-08 18:03:11
これは本当に凄い映画だ。
木下作品と言えば大甘のヒューマンドラマ・コメディが相場だが、一方で本作や「永遠の人」のような辛口の良作がある。
彼の凄さはその振幅の極端さにあるのかもしれない。多くの場合、その時代に寄り添いすぎた演出をする人なのだが、本作はその距離の取り方が絶妙なのだ。
熱海で家族の崩壊と言えば、同年の「東京物語」を思い起こさせるし田浦の役はやはり小津の「東京暮色」を連想させる。
演技陣。望月は同年の「晩菊」に並ぶ名演。脇の高橋もいい。
投稿者:黒美君彦投稿日:2006-05-04 18:49:32
【ネタバレ注意】

湯河原の旅館の女中、井上春子(望月優子)は夫が戦争で死に、戦後の混乱の中、闇屋をやったり男に身を委ねたりして娘の歌子(桂木洋子)と息子清一(田浦正巳)を養ってきた。だが、仕事のため義兄夫婦に預けられた二人は辛い目に遭い、そうした思いは酔客と戯れる母を目撃したことから母へのうらめしさに移っていった。母からの仕送りで洋裁学校と英語塾に通う歌子は塾教師の赤沢(上原謙)に迫られ、医科大学に通う清一は医者から養子の誘いがやってきた。子供たちは母親から逃げるように遠ざかっていくのだった・・・。

「日本の悲劇」とはまた大層なタイトルだが、前年の『カルメン純情す』と対極に位置するような作風でありながら、戦後間もない時期の混乱と退廃を示している、という意味では共通している。
子供2人を育て上げようと必死で生きてきた母親。母親の気持ちは常に子供に向かっているのだが、娘と息子はそれぞれ「誰も信じてはいけない、ということだけを学んできた」と言い捨てる。「お母さんはさも世の中を知っているようにいうけど、お母さんが知っているのは酒と男の世界だけだ。バカだから!」(清一)と。「今の日本ではどうやって生きたらいいかなんて僕の方が知っているよ。そうでないと押し流されちゃうよ」。
娘、息子が嫌ったのは自らの“過去”だった。混乱する社会にあって、戦前戦中の記憶ほど疎ましいものはない。母親は幾度も必死で生きてきた歳月を思い返すが、姉弟にとっては不幸な日々=トラウマでしかない。
『日本の悲劇』というタイトルは、政治・社会の混乱が小さな家族を蝕む状況を象徴したものだろうか。

川本三郎は「日本の社会は、高度成長期に入ると涙を見捨てたように、望月優子に象徴される、苦労ばかりした貧しい母親をもまた見捨てたのである。それは思い出したくない、忘れたい事実である。われわれが木下恵介を見捨てたのと事情はよく似ている」(99年キネマ旬報3月上旬号)と書いているが、確かに無惨に捨てられた望月優子は、晩年の木下恵介を思わせる。

必ずしも傑作とまではいえないが、ニュース映像や過去の映像を無音でモンタージュするなど独特の存在感がある作品だ。青空学級や穴の開いた校舎での授業風景、バラック暮らし、闇米の買い出しなどの戦後間もない風景もまた貴重な「記憶」である。
1953年キネマ旬報6位。

投稿者:アリョーシャ投稿日:2003-05-04 11:31:50
抒情派と見られている木下恵介の異色作。他の作品に見られるような風景や音楽の美しさといったものは一切見られず、時折実際のニュース画像が流されるが、まるで全編をニュース画像でも見ているかのような錯覚に陥らせられるほどの、厳しく冷酷な作品だ。

戦後の厳しい時代、望月優子扮する母親は子供のためと思い、なりふりかまわず一所懸命に働くが、懸命になればなるほど子供たちの心は親から離れ、ついには親を親とも思わない人間へと成長してゆく。まさにそのような人間を生み出してしまう社会状況、それこそが「日本の悲劇」だと木下恵介は訴えているのだと思う。他の作品でもそうであるが、木下恵介ほど未来を予兆した作品を作り続けた監督はいないと思う。母親役の望月優子の熱演が素晴らしい。
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
■ 脚本賞木下恵介 「恋人」、「まごころ」、「愛の砂丘」に対しても
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