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思春の泉(1953)

メディア映画
上映時間88分
製作国日本
初公開年月1953/11/03
ジャンルロマンス/ドラマ

【クレジット】
監督:中川信夫
製作:高木次郎
山崎喜暉
佐藤正之
原作:石坂洋次郎
脚本:館岡謙之助
撮影:横山実
美術:北川勇
音楽:斎藤一郎
出演:左幸子モヨ子
宇津井健時造
岸輝子そで子婆さん
高橋豊子ため子婆さん
永井智雄四方七
東野英治郎中村巡査
辻伊万里妻かねさん
阿部寿美子チョン丸
花沢徳衛金作
小沢栄村長さん
永田靖助役さん
千田是也住職
東山千栄子隠居
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
19 9.00
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【ユーザーコメント】
投稿者:黒美君彦投稿日:2015-03-09 13:10:21
【ネタバレ注意】

<あらすじ>岩手県の農村地帯。毎年馬の飼料として行う草刈りは泊まりこみで行われる。そで子婆さん(岸輝子)は今年初めてモヨ子(左幸子)を連れてきた。別の集落からはため子婆さん(高橋豊子)が時造(宇津井健)を連れてきて、この二人の縁談をまとめようと示し合わせていた。二人とも満更でもなく占いでも大吉と出たが、時造を慕う芸妓チョン丸(阿部寿美子)が現れたり、時造が突然モヨ子を押し倒したりしたので婆さん同士も険悪に。ふたりは毎年仲人をしている中村巡査(東野英治郎)のもとへ駆け込む…。

石坂洋次郎の原作の短編小説は未読だが、吉永小百合、浜田光夫主演でリメイクされた1961年版『草を刈る娘』(西河克己監督)を以前観ていたので、記憶を呼び戻しながら観た。
この作品はモノクロではあるが、主人公モヨ子を演じた左幸子(当時23歳)は明るい農村の娘を活き活きと演じていて、16歳で演じた吉永小百合よりもやはり巧いし可愛い。宇津井健(当時22歳)にとっては実質的なデビュー作らしいが、うーん(笑)。何しろ俳優座の中で「裸馬を乗りこなす」ことが条件だったらしく、同期の佐藤慶や仲代達矢らから羨ましがられたとか(Wikipediaによる)。
本来は津軽平野が舞台だが、この作品は岩手県田頭村(現八幡平市)でロケが行われ、作品内でも「田頭(でんどう)村」ならぬ「善道村」表記が登場する。
モヨ子が時造に「腹の中の子を皆産み上げてからからっと干からびた気持ちのええ婆様になりてえだ」とあっけらかんと話すシーンが印象的。
1961年版では後半に殺人事件が起きて不穏な空気が流れるが、この作品ではそうした悲劇はない(原作にもないのかな?)。
モヨ子を押し倒した時造が反撃されて手を噛まれたことから、まさにこれから宿屋の娘の婚礼で仲人を務めようとする中村巡査(東野英治郎)のもとに駆け込んだそで子婆さんとため子婆さん。「したら時造は強姦未遂罪、モヨ子は傷害罪だな」と言われて慌てる婆さんと当事者たち。
そこでしばし時間をおいて「六法全書を調べるとだな、咎は誰にもないっちゅうことがわかった」と告げる中村巡査。「その代わりモヨ子と時造は祝言を挙げて、じっぱり酒を飲ませや」(記憶はやや曖昧)。これにて一件落着。
中村巡査の名裁きが何ともいい。1961年版よりはっきりと人間讃歌を歌い上げていて、個人的にはこの作品の方が好み。現代的都会的だった吉永小百合よりも、土俗的な空気を醸し出す左幸子の方がより「草を刈る娘」に合っているし。
田頭村の全面協力のもと、当時の農村での婚礼風景なども映し出されていて、何とも言えない風合いがある。
中川信夫監督の映画のなかでも評価されるのがよくわかる作品だ。

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