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南の島に雪が降る(1961)

メディア映画
上映時間102分
製作国日本
公開情報劇場公開(東宝)
初公開年月1961/09/29
ジャンルドラマ/戦争/コメディ

【クレジット】
監督:久松静児
製作:佐藤一郎
金原文雄
原作:加東大介
劇化:小野田勇
脚本:笠原良三
撮影:黒田徳三
美術:小島基司
編集:今泉千鶴
音楽:広瀬健次郎
助監督:松本あきら
出演:加東大介加藤軍曹
伴淳三郎鳶山一等兵
有島一郎篠崎曹長
西村晃前田一等兵
大江俊輔叶上等兵
佐原健二北川上等兵
和田孝塩原上等兵
中原成男間島上等兵
渥美清青田上等兵
上田忠好小野上等兵
加藤春哉斉木兵長
ロリー小林中原一等兵
桂小金治大沼一等兵
立岡光立岡上等兵
織田政雄村田大尉
どんぐり三太坂本一等兵
志村喬浅川中将
三橋達也小林少佐
細川俊夫杉山大尉
森繁久彌森大尉
松本朝夫西沢大尉
三木のり平二木上等兵
フランキー堺坂田伍長
小林桂樹小林伍長
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
218 9.00
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【ユーザーコメント】
投稿者:黒美君彦投稿日:2015-08-28 16:01:53
【ネタバレ注意】

かつて在郷軍人会といった軍人のOB会がそこここで開かれていた。生死を共にし、同じ釜の飯を食った戦友は、極限の戦場にあったからこそ肝胆相照らす仲となり得たのだろう。そこには兵隊の階級はあるものの、職人から農家からインテリから、あらゆる者が同じ境遇で助け合わなくてはならなかったわけで、戦場だからといって必ずしも毎日戦闘に明け暮れていたわけではないのはいうまでもない。鉄の規律だけではなく、時に笑い、時に泣き、時に憤激する…それが「本来の」戦場だった。その意味では多くの将兵が餓死し、なす術もなく亡くなっていった太平洋戦争は、本来あるべき戦場を大きく逸脱していたのかも知れない。
名優加東大介の経験に基づいて作られたこの作品は、そんな懐かしさすら感じさせる戦場の一場を切り取った作品である。

舞台は1943年のオランダ領西ニューギニア、マノクワリ。弾薬も食糧も底をつき、連日空襲を受ける荒んだ空気を変えようと、役者の加藤軍曹(加東大介)に演芸部隊を結成するよう指示が下る。前田一等兵(西村晃)らとともに早速各部隊から希望者のオーディションをすると、博多出身の元僧侶篠崎曹長(有島一郎)や手品が得意な大沼一等兵(桂小金治)、何とか補欠合格となった東北出身の鳶山一等兵(伴淳三郎)、さらに舞台美術やかつらを作れる兵隊らが選ばれる。
最初の出し物が好評だったことから、他の部隊にも見せようと本格的な芝居小屋「マノクワリ歌舞伎座」が作られることになる…。

食べ物もないなか、生きる目標が出来ると人間はここまで変わるのか、というくらい、兵たちは活き活きとした表情を見せ始める。戦場であることを忘れてしまいそうになるくらいに…。
そんななか、例えばフランキー堺が演じた負傷兵であったり、森繁久弥が演じた中隊長など、ほろ苦いエピソードも忘れていない。
全滅したはずの部隊で生き残ったなんて言えない、と姿を消すフランキー堺の後姿は悲しい(しかもその後戦死したという話も挿入される)。
不帰の行進に出る直前、「五木の子守唄」を朗々と歌い上げる森繁久弥は本当に素晴らしいし。
渥美清や西村晃といった芸達者な役者たちもいい。

もちろんニューギニアではなく日本の田舎でロケをしたのが一目瞭然だし、栄養不足のはずの兵隊たちが意外に肉付きが良かったり、兵隊たちがやや老け過ぎだったり、といった弱点は否めないが、豪華な喜劇人キャストが見られるだけでも幸福といえるかも。
しかし、当時の軍部なら「里心がつくような演劇など許さん」といいそうなところ、こんな部隊もあったんだなあ。
遠く故郷を離れ、異国の地で命を落としていった多くの将兵たち。
そんな戦場にノスタルジーを感じていた軍人OBの存在を思い出しながら、故郷の雪を思い出しながら死んでいく東北出身の兵隊の姿は何とも悲しいものであった。

舞台となったニューギニア西部は、米軍が東部制圧後、フィリピンへと進軍したことから大きな攻撃を受けずにすんだという。ただ補給が妨害されたことから、飢えとマラリアなどの伝染病で多くの将兵が命を落としたとか。
この人情劇は、悲惨な戦場が多くを占める南方にあって、まさに「奇跡」と呼べるかもしれない。

投稿者:ちゃぷりん投稿日:2010-07-16 22:29:35
21分まで観たが、大衆演劇を原体験として持っていない自分にはドキュメンタリーなら最後まで観れるかなと思った。制作陣に甚だ失礼なのだが、早送りして続きを観ても、長々と続くオーディションシーンや兵士を相手に豪華喜劇人が披露する芝居の数々も、早送りをやめてちゃんと観直す気にはなれなかった。
投稿者:Ikeda投稿日:2008-05-01 11:37:10
日本敗戦の前後、蘭印のニューギニアに残った兵士の意気向上のために作られた演芸分隊で主役だった加東大介の経験談を元に映画化したものです。ニューギニアでの日本軍の闘いと言えばポート・モレスビーや近くのラバウル航空隊を思い出しますが、この映画の舞台マノクワリは、現在、インドネシアの一部になっている所で、さほど激烈は戦闘はなかったのではないかと思います。グラマンらしい艦載戦闘機の攻撃が出てきて、それによる死傷者は当然あったでしょうが、それより飢えや病気による方が多かったと思います。それだけに悲惨さはあるけれども、それほど戦争を意識しないで話が進んでいますが、東北出身者が雪を見たいという気持ちが滲んでいて、ラストなどは涙を誘います。
戦争は良くないから、しなければ良いと簡単に片づける人が多い現在ですけれども、それで済む問題ではなく、当時、日本の国、即ち我々を護るために命を失った多くの人々のために安らかであれと祈る気持ちが強くなりました。

この映画が公開された時、面白い題名だけれども、単なるコメディだと思ったので、見ませんでしたが、最近BS2で見て、懐かしさも含めて感じる所の多い作品でした。演出はどうと言うことはありませんが、やはりキャストが良いです。加東大介は原作者兼主演者ですから別として、森繁久弥、渥美清、桂小金治、三木のり平、フランキー堺といった芸達者が出ていて、寸劇を見ているだけで楽しいです。特に山形県出身の伴淳三郎が得意の東北弁を駆使してコメディアン振りを発揮して抜群です。
加東大介が参謀役の三橋達也から「君は前進座の市川莚司君だな」と言われるのが如何にも実話風で面白いです。浪曲「清水次郎長」や「先代萩」が出てきたり、「関の弥太っぺ」や「瞼の母」のさわりが演じられるのも懐かしいですが、「森の石松」で石松がお花に「暫く見ない間に、随分会わなかったな」とか「泣くな小鳩よ」というデタラメな台詞が出てくるのには笑いました。
歌も懐かしいものが多いけれども、戦争中の曲として「戦友」「露営の歌」「暁に祈る」「ラバウル小唄」「酋長の娘」などは、最近は殆ど聞けない歌なので聞いているだけで満足しました。なお、岡晴夫が唄っている映画名と同じ曲があり、内容も合っていますが、これはこの映画が公開された後、唄われたものだと思います。ただ、その辺の経緯がどうだったのかは知りません。
投稿者:黒津 明二郎投稿日:2007-08-18 16:53:35
加東の実体験に基づいた戦争ドラマ。
制作は東京映画という東宝傘下の会社であり、「駅前」シリーズのスタッフたちが作ったものだがそれなりにロケ・爆撃シーン等、金はかかっている感じ。
久松演出はどうもイマイチだが、豪華な喜劇役者陣の競演やディテール描写で飽きさせない。戦争を実体験しているキャスト・スタッフがまだ大勢いたわけだからそうしたリアリティーはお墨付きなわけで、参考になる。声高に反戦を叫ぶだけが能じゃなく、そのさりげなさがいいと思う。
演技陣。加東が何といっても素晴らしい。「大番」シリーズに並ぶ数少ない主演作だろう。また、有島・伴淳・渥美・三木なども適材適所。
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