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斬る(1962)

メディア映画
上映時間71分
製作国日本
初公開年月1962/07/01
ジャンル時代劇

【クレジット】
監督:三隅研次
企画:宮田豊
原作:柴田錬三郎
脚本:新藤兼人
撮影:本多省三
美術:内藤昭
編集:菅沼完二
音楽:斎藤一郎
助監督:辻光明
出演:市川雷蔵高倉信吾
藤村志保山口藤子
渚まゆみ高倉芳尾
万里昌代田所佐代
成田純一郎田所主水
丹羽又三郎千葉栄次郎
天知茂多田草司
【解説】
 柴田錬三郎の同名小説を「黒蜥蜴」の新藤兼人が脚色し「婦系図」の井上梅次が監督。「剣」三部作の第一作で、この後「剣」「剣鬼」が制作された。
 出生に秘密を抱える小諸藩士の高倉信吾は、藩主の求めに応じて水戸の庄司嘉兵衛と立ち会い“三絃の構え”で嘉兵衛を倒した。数日後、養父の信右衛門と義妹の芳尾が池辺親子に斬殺されたことを知り、信吾は二人を国境に追い詰め討ち果たした。江戸に出た信吾は千葉道場主栄次郎と剣を交える。栄次郎は信吾の非凡さに気づき、幕府大目付の松平大炊頭に彼を推挙した。三年後、信吾は大炊頭とともに取り締まりのため水戸へ向かうのだったが…。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
17 7.00
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【ユーザーコメント】
投稿者:nabeさん投稿日:2018-04-12 20:45:56
薄幸な武士を描いた時代劇である。
実子同然に育てられた父と妹を惨殺され、仇討をしたもののその後の人生が大きく狂ってしまった不幸な武士を、市川雷蔵がクールな二枚目ぶりで好演している。剣の腕を見込まれて大藩の用心棒に取り立てられるが、その殿様に見込まれるものの罠にかかり、最後は討たれた主君の後を追い切腹するまでの主人公の壮絶な人生を、様式美溢れる格調高い画面で魅せてくれるのは、さすが三隅監督だ。
母親役の藤村志保が、いい表情をしている。妹役の渚まゆみは、演技が固いがキュートだ。
投稿者:にゃんにゃん投稿日:2016-10-02 00:44:51
【ネタバレ注意】

オープニングの、横顔のショットからスローモーションで屋敷中を駆け回る人斬りシーン。
映像の格好良さに「おっ」と思った。
その後も映像美が炸裂。全編目が離せなかった。

物語は終わってみると異様な気がした。
殺された母、母を介錯する父、裸になって弟をかばって死んだ女、そして武士道を全うし切腹する主人公。
特に起承転結もないし、グワァァアンという音楽も異様である。
市川雷蔵のニヒルな魅力がまたそれを増幅させている。

面白かったことは面白かったが、映像美と相まって異様な映画だった。

投稿者:シーザー投稿日:2014-11-01 14:25:10
細かいカット割りでシークンスを加速させ、リズミカルにテンポ良く進む。取分けオープニングより主人公が成人するまでの流れは簡潔で無駄がない。それ故に、総体的に捉えると舌足らずの感も拭えないが、監督独自の様式美と武士道の厳かな精神性との調和が時代劇の構造を瓦解させて異質な情緒を生んでいる。それは寂寥感を孕み音もなく底流を流れおもむろに時間を止める----「人は他人を不用意に殺す場合がある。それは剣ではない、言葉だ。言葉というものは恐ろしい」----。
投稿者:はこまる投稿日:2014-08-06 23:45:13
大映京都作品。木全公彦氏による、脚本を担当した新藤兼人監督へのインタビューによると、一字一句シナリオ通りに撮影されているようです。
しかしながら、映画美の粋を集結させたようなアバンから、雷蔵扮する主人公が悲劇を迎える終盤まで、三隅研次の気迫と美学があまりにも壮絶すぎて、どうしても画面のみに釘付けになってしまいます。何もかもが美しい、ただひたすらに美しい。

三隅研次監督は75年に54歳の若さで鬼籍に入られますが、遺作となった作品は松竹で製作された幕末時代劇『狼よ落日を斬れ(原作:池波正太郎)』(74年)。

この時、プロデューサーを担当していた、作家の小林久三氏の自伝によると、三隅監督が撮影のため住まいの京都を離れる際には、旧大映京都のスタッフが駅に集合。皆での見送りが行われ、監督は慣れない地において、あまり時代劇を得意としない松竹のスタッフの中で格闘を続け、「絶対に失敗は許されない」と繰り返し繰り返し自らを鼓舞し続けていたそうです。この時、彼の体は既にガンに蝕まれていました。

気迫と美学、そして雷蔵。今後、人類がどれだけの時を積み重ねようと二度と生み出されることのない美術品。大映京都恐るべし。後世に残すべき映画遺産確定。
投稿者:呑気呆亭投稿日:2013-09-10 12:17:31
プロロ−グの藤村志保と天知茂のエピソ−ドがいかにも三隅研次らしく綺譚風に物語られて見る者を一気に引き込んで行く。その事件にこの物語の発端があり、主人公高倉信吾の悲劇の因がある。何も知らずに成人した信吾は家族にも藩主にも愛される爽やかな青年に成長していた。その信吾が藩主からも許された3年の旅を経て帰還し、“何も得るモノはなかったよ”と妹と父を韜晦しながらも藩主の求めには逆らえず、「三絃の構え」なる異様な必殺の構えを披露する。これは相打ち覚悟の必殺の剣であって、未だ出生の秘密を知らぬ信吾がまるでその母の果断さを思わせる構えを自得したのはやはり血というものだったのだろう。彼の悲劇はここに端を発するのである。http://d.hatena.ne.jp/nanjakuteituisho/
投稿者:uptail投稿日:2012-11-14 11:20:24
演出:8
演技:8
脚本:7
音響:7
投稿者:ASH投稿日:2008-03-29 20:18:59
【ネタバレ注意】

 前半部の展開は、お話がテンポよく進んでゆくので小気味いいくらいなのだが、後半部になって、いわゆる時代劇特有の難しい台詞がいっぱいでてくるもんだから、その手の映画を好んで観ない僕には何がなんだかサッパリんこ。様式美を愉しめばいいってか? それほど目を惹く様式美なんてあったんかいな?

 タイトルから想像すると、チャンチャンバラバラな時代劇が観られるのかと思ったけど、どうもそういう映画ではない。誰が言ったか、侍のストイックな生き様を描いた映画なのね。と思ったら、脚本が新藤兼人じゃないのさ。あの人だったら、エンタメ時代劇のホンは書かないよね。

 雷蔵はもちろんだけど、女優陣3人が皆さんイイ! 特に信吾の妹、芳尾を演じた渚まゆみ。この当時のアイドル女優だったそうだけど、どこか時代劇から浮いたような演技と台詞回しが、なぜかカワユイ。万里昌代の白い肌にドッキリ!

投稿者:bond投稿日:2008-02-22 09:20:59
前半の坊ちゃん侍から後半の哀愁を帯びたニヒルな侍への変化を見事に演じている。さすがです。
投稿者:黒美君彦投稿日:2006-05-14 10:22:24
【ネタバレ注意】

高倉信吾(市川雷蔵)は、三年の武者修行で“三絃の構え"という剣法を編み出す。彼は実は父・小諸藩士の高倉信右衛門(浅野進治郎)の実子ではなかった。二十数年前、家老安富主計(南部彰三)の命をうけて殿の愛妾を刺殺した山口藤子(藤村志保)という飯田藩江戸屋敷の侍女がいたが、彼女こそが実母だったのだ。彼女は、家老の命で長岡藩の多田草司(天知茂)に救われ、一子をもうけるが、結局捕らえられ、多田の剣によって藤子は処刑されたのだった。それを信吾が知ったのは、隣家の池辺義一郎(稲葉義男)父子の恨みを買った父と、妹の芳尾(渚まゆみ)が惨殺された際だった。信吾は父妹の仇を討って再び旅に出る・・・。

70分あまりという短篇ではあるが、なかなか中身が濃い作品だ。市川雷蔵、三隅研次コンビの「剣三部作」(『斬る』『剣』『剣鬼』)の第一作として知られるらしいが、他の二作は未見。
何とも退廃的、デカダンな空気が漂う作品だ。とにかくやたら展開が早い(特に前半は・・・苦笑)。字幕であっという間に二十数年、三年と歳月が経っていく。
幸せな時代は隣家の故なき恨みによって幕切れとなるが、あの程度のことで討ち行って、さらに娘まで斬り捨てるかね。ちょっと強引。
仇を討った後、旅先で騒動に巻き込まれ、裸になって弟を逃がそうとした田代佐代(万里昌代)の死に感銘を受ける信吾は、その後幕府大目付松平大炊頭に仕えるのだが、ラストで二人は水戸藩の陰謀で刀を取り上げられ、松平は暗殺されてしまう。信吾は自らの不明を恥じて切腹するのだが、このラストのえんえん続く信吾の城内での彷徨は印象深い。必死で呼びかけながら襖を開けても開けても、一向に目的の場所に着かないのだ。
静寂の中で鶯の声だけが響く。
その前の梅の枝で一騎打ちするシーンも緊張感に満ちているが、ひたすら死に向かう剣士の悲壮感が画面から横溢している。
その意味でこの作品には希望はなく、ひたすら死の美に辿り着く道行きを描いているともいえよう。だから退廃的に感じられるのだ。そして市川雷蔵はそうした役がよく似合う。
どちらかといえば低予算ではあるが、三隅研次の美学のようなものを感じさせる作品(ちょっとファナティック?)だと思う。

投稿者:no reply投稿日:2004-08-06 16:06:13
様式美って言われるけど、形式化それも悪しき形式化って気がします。
中には斬新な部分もあるけれどカメラワークは粗雑だし、これ以前の時代劇のほうがよっぽど様式美+斬新さがあると思う。
マキノ、溝口の様式美。伊藤大輔、黒沢、山中の斬新さに比べるとそう思います。
個人的にはきはっちゃんの斬るの方が面白い。エンターテイメントとして。
投稿者:さだじ投稿日:2002-05-09 04:27:05
 市川雷蔵という役者を知るきっかけになった映画です。とにかく全編無駄がなく(「3年旅に出る」とかいったキャラがほんの数分後に戻ってくる!)、三隅研次監督の様式美溢れる厳かな演出により、観てるこちらも厳粛な気持ちにさせられてしまいます。特にクライマックスの殿暗殺シーンはすばらしいの一言だと思います。他にも印象に残る画の多いこと多いこと。ここまでくると一種のアートフィルムといっても過言じゃないでしょう。

 市川雷蔵さんも前半はユーモラスな役を、そして後半はニヒルな役を演じきってますし、他の役者さんも好演者揃い。彼の太刀まわりもよかったですね。とにかく日本的美の世界が堪能できた映画でした。あまりにも折り目正しいので、ちょっと肩が凝る映画かもしれませんが。

 ↓師匠のHP(新作ビデオ、DVD情報アリ)http://www.cinemanc.com/
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