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天国と地獄(1963)

メディア映画
上映時間143分
製作国日本
初公開年月1963/03/01
ジャンルサスペンス/ドラマ
映倫G
黒澤明監督作品 AKIRA KUROSAWA THE MASTERWORKS Blu-ray Disc Collection III (7枚組)
参考価格:¥ 29,800
価格:¥ 23,707
USED価格:¥ 24,629
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【クレジット】
監督:黒澤明
製作:田中友幸
菊島隆三
原作:エド・マクベイン
『キングの身代金』
脚本:小国英雄
菊島隆三
久板栄二郎
黒澤明
撮影:中井朝一
斎藤孝雄
美術:村木与四郎
音楽:佐藤勝
監督助手:森谷司郎
松江陽一
出目昌伸
大森健次郎
記録:野上照代
照明:森弘充
出演:三船敏郎権藤金吾
香川京子権藤の妻伶子
江木俊夫権藤の息子純
佐田豊青木(運転手)
島津雅彦青木の息子進一
仲代達矢戸倉警部
石山健二郎田口部長刑事(ボースン)
木村功荒井刑事
加藤武中尾刑事
三橋達也権藤の秘書河西
伊藤雄之助専務馬場
中村伸郎重役石丸
田崎潤重役神谷
志村喬捜査本部長
藤田進捜査一課長
土屋嘉男村田刑事
三井弘次新聞記者A
千秋実新聞記者B
北村和夫新聞記者C
東野英治郎年配の工員
藤原釜足病院の火夫
沢村いき雄横浜駅の乗務員
山茶花究債権者A
西村晃債権者B
浜村純債権者C
清水将夫刑務所長
清水元内科医長
名古屋章山本刑事
菅井きん麻薬患者
山崎努竹内
【解説】
 エド・マクベインの原作を巨匠・黒澤明監督が映画化した傑作サスペンス。優秀な知能犯に刑事たちが挑む。ナショナル・シューズの権藤専務は、自分の息子と間違えられて運転手の息子が誘拐され、身代金3千万円を要求される。苦悩の末、権藤は運転手のために全財産を投げ出して3千万円を用意する。無事子どもは取り戻したが、犯人は巧みに金を奪い逃走してしまい、権藤自身は会社を追われてしまう……。巧妙なプロットもさることながら、登場人物たちの心理描写が秀逸で人間ドラマとしての完成度も非常に高い。
<allcinema>
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[001]A隠し砦の三悪人 (1958)
[002]A椿三十郎 (1962)
[003]A七人の侍 (1954)
[004]A用心棒 (1961)
[005]A東京物語 (1953)
[006]A赤ひげ (1965)
[007]A生きる (1952)
[008]A醉いどれ天使 (1948)
[009]A野良犬 (1949)
[010]A羅生門 (1950)
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
28260 9.29
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【ユーザーコメント】
投稿者:イエガー投稿日:2016-06-04 20:29:49
犯人を泳がせて、新たなに罪を犯させるて逮捕させるのはダメだよね。これは余計。黄金町のシーンとかはなくてよかったよ。惜しいよね。黒澤監督としては言いたいことがいっぱいあったろうけど・・・。でも面白いけど(笑)
投稿者:noir fleak投稿日:2016-01-24 19:21:18
しかも現場で慕われているたたき上げ、には絶対見えないのがちょっとお笑いだ。黒沢に限らずこの時代の映画人は、普通の会社人というものを何にも知らない! さすがにこの点だけは(!)現代の映画人は過去の時代より優れている。
だからくだくだしい三船と会社経営陣との争いや三橋達也の人物像など全く嘘っぽくて白けるだけ。運転手像も然り。
警察の大捜査会議もなにか大袈裟だ。だいたいが、死刑にするために泳がせて次の殺人を犯してから逮捕、などというのはあり得ない。危険な思想だ。
本作が価値を持つのはただ二つ。しかしそれが見事だ。一つは言うまでもなく、特急からのカバン投げシーンと線路際にいるあの人物の映像。それから二つ目は、車の中からの撮影シーン! これはノワールの名作 Gun Crazy のパクリだろう。このふたつの驚くべき映像効果が、本作を一応名作にしている。
ラストの衝撃もよい。
投稿者:ちゃぷりん投稿日:2015-11-04 11:28:33
黒澤の現代劇では一番好き。でも刑事が犯人を死刑にする為に全力を尽くすのは変。
投稿者:黒美君彦投稿日:2014-11-06 00:16:35
【ネタバレ注意】

数十年ぶりの再会。改めて作品の持つ力に圧倒された。
前半はさながら舞台劇の様相。一分の隙もない配置で、誘拐後、三船敏郎や香川京子、三橋達也や警察の仲代達矢らが悄然と立つ姿が印象的だ。
登場人物が徹底的にキャラ設定されているところもさすがの黒澤作品。
ボースン(甲板長)と呼ばれる石山健二郎演じる部長刑事の豪放さや、正義感の強い木村功ら刑事ひとりひとりに至るまで個性を感じる。
捜査会議で二人一組の刑事が捜査報告をするシーンなんかはリアリティたっぷり。
そして映画史上に残る衝撃的な唯一カラーで示したピンクの煙。

この作品では前半が静とすれば、後半は一気に動に転じる。
小さな事実から少しずつ犯人に迫る緊迫感は相当なもの。しかも共犯者は結局一度もはっきりとした姿を見せぬまま舞台から退場してしまう。
犯人・竹内銀次郎を演じた山崎努がこれまたいい。すでに指摘されていることだが、この作品における犯人は、『罪と罰』のラスコーリニコフそのものだ。
知能犯として完全犯罪をなす…そのためには麻薬中毒者を殺すことに躊躇はない。

本作が公開された1963年は、高度経済成長の歪みがさまざまな形で沈潜していた時代でもあっただろう。だから、この作品をそのまま現代に置きかえても成立はしない。
現状に対するルサンチマン、正義への強烈な渇望、そういったものが混然としていた時代そのものを映しとったのがこの作品なのだ。

投稿者:scissors投稿日:2014-07-03 21:47:32
冒頭で権藤が善人として印象付けられるので、どうせ身代金は払うんだろと展開が見えて興を削がれてしまった。
逆玉で富を得たんだなんて聞くとイマイチ同情する気にもなれないし。
あと気になったのが、竹内はインテリ設定なのに動機が単純すぎること。
それと、警察が竹内をわざと泳がせたせいで、ヤク中とはいえ無関係の女を死に至らしめたのを問題視していないこと。
懲悪目的もあって作った映画だろうに、公開後に誘拐事件が激増してしまったってのはそのへんの描写もちょっとは影響あったんじゃないのかな。
投稿者:sachi823投稿日:2013-01-26 21:59:53
娯楽作品として最高の出来だと思います。
オリジナルが完璧な黒澤作品をリメイクするのは
あまり意味の無いことのように思います。
作品のたたみかけるような展開も面白いのですが、
何より登場人物が男らしく、プロ根性があり、
日本人としての美徳を感じさせます。
投稿者:jb投稿日:2012-09-09 21:03:01
好きな作品。
投稿者:民謡から演歌まで投稿日:2012-06-24 01:56:13
【ネタバレ注意】

自分が不満を感じている状況…地獄
自分が満足出来ると思う境遇…天国

それとは別に自分が他人に対して思う悲劇、そして憧憬。
そして、人それぞれ大事にするものが違う…故に天国も地獄も一様ではない。

前半の室内劇で三船敏郎が繰り広げる葛藤が正にそれで、自分の息子が誘拐されたとなれば自らが無一文になっても金は出す、警察には連絡しない…人違いだと解れば、人命より己…自らの家族を思って生活の維持を優先させようとする。
あの側近な男もそう。裏切りは裏切りだけど、一緒に沈没しても良いと思えるかどうかって判断。
あの重役な男達もだ。老舗のブランドなんかどうでも良い…兎に角(信用は失墜しても)格好良くて売れる商品を作って儲けようぜ…って話。三船を恨む者は山ほどいる、などというが、主に性格故の言動が鼻持ちならないって事で、その手腕は評価しているようだ。
お嬢様な妻…お前に苦労は無理だ〜というが意外と忍耐強いかもよ。妙な正義感の如きセリフといい、正しいって信じたらのめり込むタイプかも。免疫はないのでしょうが…何を地獄と思うかですね。

会社の実権を握る為の全財産…それが身代金に消えると抵当となっている邸宅は取られて重役の職も失う。

誘拐犯を追う刑事達…そして徐々に解ってくる犯人の姿。
勿論、モノクロ前提でパートカラーのアイデアが浮かんだのでしょうが、あの三船が鞄を加工するシーンで彼が親の財産で邸宅と重役の椅子を手に入れたのではないって事が明確に解る。
つまりは、幾ら格好良くても履き心地が悪かったり壊れ易いものは駄目だ…機能性あってのデザインじゃないのか?って頑固に思うモノづくりが好きな技術者だってこと。まぁ家族を抜きにすれば靴が作れるだけで本当は天国なのでしょう。
それにひきかえ犯人は…ほぼ狂人(医師の卵…死ぬ気で医学を学んだ結果の境遇が不公平な地獄に思えるのでしょう)。
天国は与えて貰うものでも奪うものでもなく、天国に認められるような自分でありたいと思えることが基本。肩を揉んだり歯の浮く様なお世辞を言っても仕事の邪魔になっちまう様では駄目なのですよ…お兄さん。

あの痙攣…そして突然の幕切れは衝撃的。
〜とりあえず刑事ドラマ。鞄の厚さ7cmがあんな理由だったとはね!

投稿者:流氷一滴投稿日:2010-10-30 19:48:22
【ネタバレ注意】

今の映画にはない「重厚さ」がこの映画にはある。
まず、モノクロ映像。既にカラー技術はあったのだが、わざとモノクロにしたのか。
もし、カラー映画だったら、ある重要な一カットが浮かび上がって来ないが。

次に序盤の誘拐犯と会社重役(三船敏郎)のやりとり。ヒッチコックみたいな密室劇。これは「好き嫌い」があるだろう。あまりにわざとらしい大げさな演技。今の映画ならもっと軽く流す。
もっとも、犯人と脅された重役・刑事(仲代達矢)の心理戦はよくわかる。
黒沢映画では豪快な三船が、今回は悩める男という設定もおもしろい。

特急こだま(新幹線以前)の撮影は凄い。貸し切りで、一発本番撮影と聞いた。それにしても、犯人(実は共犯者)と人質の子供を、走る列車からよく捉えている。

人質と金が交換された後の、映画の後半は趣が異なる。いろいろな情報から犯人を絞り込んでいく様は、なるほどとうならせる。このあたりが今の邦画の一番欠けているところ。犯人へのアプローチがあまりにも「安易」で説得力がないのだ。

「天国」とは重役の屋敷のこと。丘の上にあり、冷房がきいている。「地獄」とは丘の下にある犯人の住む安アパート。夏のうだるような暑さ。
しかし、ラストシーンが本当の「天国」と「地獄」だろう。重役は全ての地位と財産を失ったが、もう一度小さな会社をまかされ一から出直す。
他方、犯人は共犯者を殺した罪で死刑が確定している。いや、それだけでない。完全に自分を失って既に死んだも同然の状態。
最後の幕切れ(面会室のシャッターが突然降ろされる)も見事!

投稿者:こじか投稿日:2010-09-27 01:29:56
黒澤映画じゃ「生きる」の次に好きかも。よく出来てます。
投稿者:has42120投稿日:2010-08-04 00:39:33
三船敏郎&香川京子&仲代達也
投稿者:黒津 明二郎投稿日:2010-07-11 16:40:45
犯罪サスペンスとして紛うことなき傑作であることに異論はないが、ドラマとして黒澤流の重苦しい受難劇が何ともいえない後味の悪さを感じさせる。脚本に「白痴」の久板がからんでるのが、そうした要因の一つかもしれない。
前半は密室劇ではあるが、広い居間のセットを縦横に活かしてキャラクターをダイナミックに動き回させるので、それほど窮屈な感じはしない。後半はやはり列車のシークエンスが素晴らしい効果を挙げている。
ちなみに原作のマクベインだが、同年あの「鳥」のシナリオを本名エバン・ハンター名義で手がけている。
演技陣。三船は今回、苦悩するばかりで微妙か。反対に仲代が本作の実質的中心で力演、他にボースン石山や三橋に佐田、チョイ役だが藤原が良かった。
投稿者:Kircheis投稿日:2010-06-22 15:33:24
『七人の侍』、『生きる』に続いて鑑賞。

サスペンスとしても捜査本部でのやり取りなど十分面白いが、竹内も含めて登場人物全員がキャラが濃く2時間以上の長いストーリーを全く飽きずに楽しめた。

黒澤監督の映画は本当に外れがない!!
投稿者:uptail投稿日:2009-05-22 10:17:57
演出:9
演技:9
脚本:10
音響:8
投稿者:クリモフ投稿日:2009-03-01 03:54:34
非常に良く出来ていますね。画面の中に何人も出てきて、カメラが動きながら、その中の役者達の表情を写す。まさに黒澤流ダイナミック術(なんじゃそら?)ですな。二時間半まったく緊張感がとぎれません。
新幹線での現金受け渡しが有名ですけど、その後の犯人探しも面白い。三船扮する主人公は黒澤流ヒロイズム満点のキャラですが、サスペンスの描き方が上手いからかそんなにくどくないですね。運転手やら警察の話がしっかりしてるから物語が重層的になっています。この黒澤監督の大きく広がっていく感じはすごいなぁ、なんか日本映画っぽさはないですね。現代劇だとよりそれがわかる。
あとやっぱりこういうキャラには三船は不可欠だな、と実感。山崎努は大健闘ですな。仲代さんがかっこいい。
ハラハラドキドキのサスペンスでドラマあり、素晴らしいエンタテインメントです。
投稿者:Ikeda投稿日:2008-10-23 12:13:38
この題名を聞くとオッフェンバックの軽快なメロディを思いだしますが、この映画も面白い作品です。エド・マクベインの原作の面白さもありますが、会社役員間の暗闘がすさまじく描かれているのが、この映画の特徴で、それにからんで三船敏郎の苦悩が良く描かれているのが良いです。
後半に犯人探しが主体になってくると、捜査会議など多少しつこいと思われる所もありますが、逆に興味をそそる意味もあって快調な進行だと思いました。ただ、ラストで、犯人を半狂乱状態にしている所は黒沢の好みなのでしょうが、ただ異常状態を表現しようとしている向きがあって、私は好きになれません。
なお、子供を隠した家を探していて駅員が、この音はパンタグラフではなくポール式の集電装置だと言っていますが、確かに、この頃まで江ノ電はポールを使っていて、この翌年パンタグラフに換えられています。そして、子供の絵から、その家は「高校前」のあたりだろうと推定しますが、これは「鎌倉高校前」のことで以前は「日坂」(にっさか)という駅名でした。ただ、ここからは絵のような風景にはならない筈で、昔は「腰越」との間に「小動」(こゆるぎ)という駅があって、そのそばの坂を上がったあたりに、この家があったのだと思います。
また、犯人が横浜で麻薬を手に入れて鎌倉へ行くためタクシーを拾う場所は黄金町から伊勢佐木町を通って吉田橋を渡った所だということになっていますが、当時これほど賑やかではなかったと思います。戦後、伊勢佐木町は進駐軍にほとんど接収されていて、桜木町に近いこの界隈はそれほど賑やかなところではなかったので疑問に思っています。
投稿者:にゃんにゃん投稿日:2008-10-19 02:07:43
個人的には黒澤の中では1番好きな作品。
「野良犬」のように徐々に犯人に迫っていく骨太なサスペンスだが、
説教臭さやわざとらしさがない分こちらのほうが好き。
前半と後半でまた違った面白さがあるのがいい。

最初から最後まで最高に面白い映画だが、他の作品にあるようなギラギラした魅力がない分、
黒澤の作品群の中ではそこまで目立たない映画にもなっている気がする。
投稿者:緑茶投稿日:2008-10-13 22:25:17
あんまり印象に残らなかった。というのはこの映画の様々な設定、演出が後の映画やドラマでの常套として使い尽くされてしまっているからだと思う。だから凄い映画なんだろうけど、はっきりと気に入らないのは香川京子の顔がほとんど見えないことだ。用心棒の司葉子もそうだが黒澤の美人嫌いはちょっと重症ではないかと思った。
投稿者:ameniutaeba投稿日:2008-01-13 19:10:26
権藤のつぶやくセリフ「こんなときに見習い工の腕が役に立つとは思わなかった。まったく最初から出直しだ。」人の弱さと強さに涙します。黒澤映画の真髄かな。
投稿者:Naka.d投稿日:2007-09-16 18:24:41
【ネタバレ注意】

「地獄」に住む犯人からしてみれば丘の上に建つ豪邸は「天国」に見えたかもしれない。
しかしその「天国」でも人間の欲深さや冷酷さが渦巻いていた。
第三者である観客の視点でみれば、人間社会における「天国と地獄」なんて、その程度のものなのかもしれない。

また他人の子の身代金を払わされる主人公からしてみても、己の未来か、子供の命か、という自分の命運を秤にのせた選択を迫られる。彼の立場からしてみても「天国」か「地獄」か、だったに違いない。しかし未来と命、どちらが「天国」か「地獄」なのかはここでは明言されない。

ラスト、刑務所での面会の場面。お互い逃れようもない運命のもと辿り着いた二人の立場にも「天国」と「地獄」が現れている。苦渋に耐え「一からの出直し」を選んだ主人公は、小さな会社を任されているという。失ったものは大きいが、人間としての尊厳を守った彼は本当の意味で「天国」にいるようにみえる。対する犯人は結局、死刑の直前という「地獄」にいる。


エゴや業を背景に、「選択」に比重を置いたドラマ。単なる「選択」がここまで重く見えるのは、丹念に作りこまれたドラマが、己の未来と他人の命を生々しく浮き彫りにしているからだろう。
自分がこの立場なら、きっとこう言う、こうするだろう、といったものが、まさにそのまま映されていて、常に画面に惹きつけられた。

侍の役でみせる豪快な三船さんもいいが、この作品でみせた人間くさい三船さんも良かった。

ただ個人的に残念だったのは後半。犯人を単なる誘拐罪だけで十数年ぶち込むのではなく、余罪を追及して極刑にしてやろうとするため、あえて泳がすというものだが、ここにきて別のサスペンスが生まれるというのは巧いと思うし、その攻め方も面白い。しかし子供が無事に帰ってきたことで安心してしまったせいかもしれないが、ちょっとここは長かったような気もした。

投稿者:よしだ投稿日:2007-09-14 17:02:38
犯人役の山崎努が凄いです。
うちの父親はこの作品を公開当時に見て、一発で山崎努の名前を覚えたと言ってました。
確かに、若き山崎努は強烈な演技をこの映画に残してます。
また、藤原釜足、伊藤雄之助などちょい役の方々が実に的確に人物を演じています。
本当に面白い映画でした。
http://okepi.jp/movie/2007/09/post_42.html
投稿者:白猫 球子投稿日:2007-08-26 06:34:40
【ネタバレ注意】

自分の息子と間違えられて運転手の息子が誘拐された会社役員の権藤。
犯人が要求してきた身代金は3千万。ちょうど権藤は全財産を小切手に換えており5千万手元に持っていたが、この金は会社の株を買収するためのもので、この金がビタ一文でも欠けたら会社買収に失敗し、会社を追われてしまう。しかし、子供を見殺しにもできない・・・
権藤は身代金を出すのか?
この葛藤が本当によく出来ている。

人違いで誘拐発覚。一笑に付し犯人が間違えを知れば子供を返すだろうと警察に気楽に電話→警察到着。人違いだからといって犯人が子供を無事に返すとは限らないことを指摘され不安になる権藤→犯人から二度目の電話。子供を間違えたが、それでも身代金を払えと要求。あんたは見殺しにはできないよねえ、と権藤を挑発して電話を切る犯人→「俺をコケにしてゲラゲラ笑うつもりなんだ!絶対身代金など払わんっ!」と権藤激高→秘書、株買収のため大阪へ飛ぼうとするも出掛けに犯人から3度目の電話が鳴り寸でで引き止められる。→3度目の電話にて子供の声を聞き生存確認。→運転手、子供の声を聞いて感極まったのか権藤に身代金を貸してください!と土下座。妻も運転手の味方に周りお金を貸してあげるよう説得→秘書、身代金を出したら会社買収が失敗に終わり身の破滅と力説。そうだそうだと権藤も納得→妻もう一度権藤を説得。「また一から始めたらいいわ」というお嬢様然とした妻の言葉にキレるも、決断しきれずに、結局その日は秘書の大阪行きを翌日まで延長。→翌日、みんなの前であらためてお金は出さない決意を表明。みんなのテンション一気に下がる。とりあえず、金は出さなくてもいいから犯人にはお金を出すことを了承するよう対応してくれと警察、権藤に依頼→気まずい空気に耐えられなくなったのか権藤、バスルームで頭からシャワーにあたりワーッ→そこへ犯人から電話。服を着るのもそこそこに電話に出る権藤。金を払うこと、金を払う前に子供が生きていることを示すのが絶対条件であることを犯人に伝え、電話は終了→権藤やっぱり金に命は代えられないと銀行に電話し身代金を用意するよう指示

長くなったがこんな流れで権藤は身代金を払うことを決意する。ここまでに辿り着く経緯が本当によく出来ている。脚本が優れているのでしょう。
もちろんこの後もハラハラドキドキの場面が続き楽しめますが、個人的にはこの権藤の葛藤の場面が一番印象に残った。ワンマンな性格でありながらも良心を棄てきれない好人物の苦悩がよく伝わってきた。

投稿者:Jean-Claude Marais投稿日:2007-03-07 13:04:10
まず、主題を天国と地獄になぞらえ、そこに現代文明と合理化社会の中で生きる人間の理不尽さという命題を孕ませ、単なる犯罪映画としてではなく、複雑に入り乱れる人間ドラマ、壮絶な心理劇として昇華させた視点が素晴らしい。この手の作品で、誘拐された子供そのものを主題にすれば、単なる亜流の犯人追及の過程に雪崩れ込む、退屈な犯罪刑事ドラマに成り下がってしまう危険性が大きい。そこに黒澤明の一歩退いた、社会的倫理観を垣間見ることが出来る。
前半の限定された空間設定における、緊迫感溢れる人間の心理描写と、理不尽な要求を突きつけられた権藤の壮絶な葛藤や、人間模様を長回しで見せ、列車内の狭い空間での身代金受け渡しの意表を付いたトリックに至るまでの展開と、状況設定の巧さは見事。非常に緊迫感に満ちており、グイグイと観客を引っ張る力強さが秀逸。全編を通して脚本が非常に練り上げられているのは言うまでも無く、脚本で描かれた細部が、うまく映像に活かされた一場面が、黒澤が初めて映画で用いた煙突の煙のカラー・シーンであり、思わず成る程と唸らされる。
しかし、計算された前半に比べ、中盤からは一転して、犯罪捜査中心に展開されていく。ここでも事件の背景は明かされないのがミソではある。しかし惜しむらくは、前半の緊張感がここに来て解き放たれたことにより、中弛みを生んでしまうところ、及び権藤像を若干「美化」する嫌いが見受けられる所にある。
しかし、徐々に後半に至る過程にいたっては、じわじわと現代社会の病巣があぶり出され、不可解な犯人像が浮かび上がってくる。この犯人像の人物背景を描くことを黒澤が拒んだことには大きな意味があり「夏は暑くて眠れない。冬は寒くて眠れない」境遇にある竹内の、理由なき権藤に対する羨望が憎しみへと転化する理不尽さが、その人物描写をより秀逸なものとしている。竹内の動揺が露呈する「人間像」に至っては、複雑極まりない。そして三船の背中とシャッターが降りる見事なエンディングの見せ方。尺の長さはあまり気にはならないのは、役者揃いなエンタテインメント性も含んだ点にあるのだろう。
こういった作り手の姿を、あまたの映像作家も「爪の垢を煎じて飲む」つもりで、見ると良い。



投稿者:リEガン投稿日:2007-02-20 10:48:35
こんなに唸らされた映画はない。
投稿者:K&M投稿日:2007-02-10 22:10:29
【ネタバレ注意】

黒澤明はサスペンスでも一級の腕前の証。特に前半の三船扮する
権藤が身代金を払うと決意するまでの葛藤と周辺の人々の姿、
場面変わって、身代金受け渡しシーンがスリル満点に描かれて
いる。しかしこの映画、根底に流れるテーマは少々重く、ラスト
シーンの犯人山崎努の絶叫も凄絶。まあタイトルが「天国と地獄」
なのだから、当然といえば当然だが。

投稿者:ナラント投稿日:2007-02-09 15:36:35
 「さすが!」の黒澤演出。1950〜60年代前半の頃の黒澤はその絶頂期だったのだなあ、とつくづく思う。
 権藤邸内で繰広げられる前半部が素晴らしく、リビングの造形と空間演出が出色。「天国」と「地獄」という2項対立を説話論的にも主題論的にも張り巡らせるさまが、よく練られているし、緻密な構想力だと思う。
 が、そこがまさに黒澤明らしいとこではあるが、図式的で画一的でもある。キャラクターの類型化がなにぶん凡庸で、それが演出につながってしまっているのだ。同じ日本が誇る映画作家でも、その点において小津や溝口より黒澤が決定的に劣るところだとは思うが・・・
 キャメラがよく、後半部、湘南の坂の勾配を捉えた構図や、暑さを感じさせる画面作りが素晴らしい。マルチカメラによる演出はあまり好きではないが、映像そのものは素晴らしいと思う。
投稿者:だいちゃん投稿日:2007-01-11 21:45:40
三船が、裏切った部下の三橋達也に、
「オレは、今からからがオレなんだ。お前はまだお前という人間になっていない」と吐き捨てるセリフが頭に残りました。
軽蔑しているのに、どこか救いを混ぜてるとこが、長年の上司部下の情みたいなものを感じさせますね。
投稿者:龍勝利投稿日:2006-09-27 13:12:31
黒澤明監督を神様と感じたサスペンス映画の金字塔。『冬は寒くて眠れない。夏は暑くて眠れない。』って、いいなぁ。
投稿者:tanukun投稿日:2005-12-05 01:41:57
カラー映画が不可能だった当時、斬新な方法で重要な場面で1色だけ、ある色が(技術困難な中)使われています。(内容をご存じない方のためにここでは触れません)それと若かった山崎努の怪演。綺麗だった香川京子(今もお綺麗です⇒天国の本屋 恋火 に特別出演)、ハンサム青年だった仲代達也、忘れてはいけない主役のミフネの超演。ミフネ抜きにはこの映画は語れません(まぁ、黒澤映画自体が語れませんが)。江ノ島・腰越付近が別荘地帯だったというのも今となっては貴重な映像。映像といえば「明日の特急第2こだまに乗れ」と犯人に指示されて、場面はこだまの車内へ。これは知る人ぞ知るなのですが、国鉄のこだま号(新幹線ができる前のお話しです)を走行する形で一編成そっくりそのまま借り切ってNG不可能一発撮影されました。すごいですねぇ、チャンスは1度ですよ。CGなんて夢にも思えなかった時代ですものねぇ。余談ですが、以前国鉄時代の優等列車の番号は今のように「下りは奇数号、上りは偶数号」ではありませんでした。ですからここの「第2こだま」というのは「東京をその日2番目に出るこだま」ということになります。狩人のヒット曲「あずさ2号」も同じ理屈ですね。東京紅團という方のサイトにこの映画のロケ地詳細があります。ものすごく執念のあるサイトです。一見の価値ありです。
投稿者:tomason投稿日:2005-10-24 13:01:59
完璧です、脱帽。この映画を観ていると映画って進歩しているのだろうかと思ってしまう。
投稿者:Bava44投稿日:2005-10-11 21:16:49
【ネタバレ注意】

犯人の描写が素晴らしい。人間の暗部をよくここまで描写したと感心した。
発作を起こすシーンは「白痴」同様素晴らし過ぎる!鳥肌が立った。
黒澤の人間を見つめる視線は確かだと思う。

プライドの高い誠実な人間ほど破滅するのが早いというのは事実だね。
刑事ドラマとしてはこの尺は気にならないが、確かに長いかも。
しかし、ああいう状況の時って女、子供はムカツクね〜。

投稿者:inamura投稿日:2005-09-28 04:16:51
【ネタバレ注意】

もう何度か見てるけど、見始めると結末を知っていても、どんどん引き込まれていきますね。特に身代金受け渡しのシーンは物凄い緊迫感があります。ただ前に書いている人もいますが、あの中毒者達の描写だけが、なんかこの作品から浮いちゃってる様な気がします。

投稿者:さち投稿日:2005-01-20 20:26:51
素晴らしい流石です
投稿者:ひさや投稿日:2004-08-16 01:01:32
【ネタバレ注意】

三船が住んでいる所は天国。そこから見下ろされる感じがする地獄。
山崎努が実に良い感じがするし追い詰めていく感じは素晴らしい。

ここは個人的な好みになってしまうが、あんなに薬物中毒者がたむろできるだろうか。
おそらく、できるはずが無い。
あそこまでリアルに作っていっているのに”地獄”を見せたいがために、
あのような設定にしたように思ってしまう。

そこは減点するが後は全く問題ない。

投稿者:イドの怪物投稿日:2004-08-01 18:05:23
25年位前に映画館でリバイバル上映した時以来に見た。そして煙突の煙でジーンと来た。やはりこの映画は傑作だ。何といっても筋運びが秀逸で、ユーモア有り、サスペンス有りで邦画の金字塔。
投稿者:凸坊投稿日:2003-05-21 14:01:41
40年の歳月は生活様式をガラリと変えているのでまだるっこしいところが出るのは致し方ない、三船の妙な力み方が気になるが是は演出だろうか、それを除けば無理のない論理的な話の運びで、矢張り上等の映画だ、当時はどうなのか分からないが、隅々まで名優を揃えているのに感心した
投稿者:yanco投稿日:2003-02-11 18:18:51
とにかく権藤邸内のドラマ作り。権藤のジレンマを縦軸に、計算しつくした人物の出入りによって筋が展開、これを長回し中心で見せる演出技術は映画史に残る。権藤が取引に応じる決意をカバンの細工で示すシーンは、黒澤映画のヒューマニズム表現としてはハードボイルドの類であり、最良のものと思う。
投稿者:KOU投稿日:2003-02-05 10:47:31
そのまま現代を舞台にリメイクもできますね。
実際、リメイクの話もあるようです。ただ、脚本だけでは…… 黒澤レベルの演出がないと… 越えられないでしょうね。http://face.ruru.ne.jp/harekura/
投稿者:篭瀬山投稿日:2002-09-19 21:26:16
まず、子供の安否をサスペンスの素材として使わない黒澤とスタッフの姿勢に、高い道徳観というか、映画人としての矜持を感じる。今のTV人、新聞人、出版人も、爪の垢をせんじて(以下略)。

竹内(山崎)は、自分を世間の規範を超越して平然としていられる存在だと思いたかったのに、他人の前で身体の震えを見せてしまったことで、どこにでもいるちっぽけな人間だと思われることが耐えられなかったのだろう。それを見せられて、かける言葉もなかった権藤(三船)の姿が、かえって痛々しい。
投稿者:長春投稿日:2002-09-04 10:14:24
捜査、尾行の細部の描写が行き届いていて、面白かった。また、横浜の飲食店に外国人が沢山いて、当時の横浜はこんなだったのかと思った。黄金町(現在もチョンノ間売春が行われているようだ)の麻薬街も出てきて、こんなに凄かったのかと驚いてしまった。
投稿者:桃太郎投稿日:2002-09-02 23:36:13
【ネタバレ注意】

 この映画はサスペンスなのだがそれ以上に人間ドラマとして素晴らしい出来だと思う。
 社内の権力抗争から始まり父親、人間としての苦悩、家族との絆、そんなものを観ている者に切々と感じさせてくれる。特に身代金を払うか払わないかについて警察と婦人で話している時の三船敏郎の立ち位置、カメラアングルなど彼の追い込まれた心理的、経済的状況を痛感させてくれる。。また白黒映画なのだが犯人逮捕につながる煙突からの煙にだけ色をつけた辺りは鮮明に焼きつき映画自体非常に印象深くしている。
 観終わった後も決してハッピーではなく、社会の病的な部分を心の中に焼き付けられたような感じでなんとも重たい作品。

投稿者:yomoyama投稿日:2002-03-18 19:04:33
【ネタバレ注意】

こどもの姿を一瞬、見失って、また誘拐されたのかとドキッとさせる.
庭の荒れた真夏の明るい日差しの中で、ココダと一軒家を指さしている.
雨戸が一枚だけはずれて、暗い蚊帳の陰から死臭がたしかに漂ってくる.
たしかそんな情景.
「野良犬」でも似たようなシーンがあったが、死臭を漂わせることはできなかった.トマトでなんとか血生臭さをだすにとどまっていた.

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