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旅芸人の記録(1975)

O THIASSOS
THE TRAVELLING PLAYERS

メディア映画
上映時間232分
製作国ギリシャ
公開情報劇場公開(フランス映画社)
初公開年月1979/08/11
ジャンルドラマ
旅芸人の記録 [DVD]
参考価格:¥ 6,264
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【解説】
 軍事政権下、ある時には作品内容を前世紀の田園劇(それは実際に劇中劇として演じられる芝居“羊飼いの少女ゴルフォ”)と偽って--ちょうどナチ占領下のフランスの「天井桟敷の人々」のように--製作された、旅一座の家族を通じギリシア現代史をパノラミックに総括した壮大な映画の叙事詩。一家の物語はそのままアトレウス家の古代神話--戦争から帰ったアガメムノンが妻とアイギストスに殺され、やがて息子オレステスがその復讐を姉エレクトラと共に果す--をもじっている。これを39年のメタクサス将軍の極右独裁体制の開始から、ムッソリーニの侵攻、42年の独軍占領、44年の国民統一戦線(共産党系の国民解放軍と亡命した国王の復讐を望む王党派の民主国民同盟の連立政府)の勝利、戦後のゲリラ下部組織の掃討から共産派弾圧、52年のパパゴス元帥の軍事政権の誕生までの歴史事実を生々しく介在させ、政治の荒波に翻弄される画面外の民衆の息吹すら感じさせる偉大な作品。ひたすら曇天下での計算され尽くした路上のシークェンス・ショットは、古典劇の重みの中に過去の迫真の蘇りがみられ、幾度も息を呑んで見守ってしまうはずだ。
<allcinema>
評価
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
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【ユーザーコメント】
投稿者:きらきら投稿日:2016-03-21 19:01:56
演劇的な演出のされた作品は苦手です。
ここでいう「演劇的な演出のされた作品」というのは、
舞台設定という土台に、脚本と俳優という建物をのっけて出来上がり、という作品のことです。
もちろんおもしろい作品もなくはないのですが、
セリフ中心の映画が多く、
また演劇をただコピーしただけのような感じで、映像が単なる添え物のように見えちゃうんですよね。

この『旅芸人の記録』もまた演劇的な演出のされた作品です。
そして例外的に好きな作品です。
と同時に、演出をしたアンゲロプロスも好きです。

ヨルゴス・アルヴァニテスのカメラが直線運動から回転運動へ、横から縦へと、実によく動きます。
それもゆっくりと。
その動きによって、どこからどこまでが舞台なのかわからなくなるくらいで、それがこの作品の魅力にもつながります。

また同じシーンでも、(登場人物たちが画面から消え、新たに街宣車が登場したりすることで)時代(時間)も移動するような演出が施され(この移行もゆっくりとです)、実にポリリックな作りになっている作品です。

つまりアンゲロプロスは実は演劇的な演出をする作家というよりは、
演劇を映画に自分の流儀で「導入」した作家なのです。
(ある意味、映画に演劇を再発見したとも言えるかもしれません。)

物語は第二次世界大戦と内戦に揺れるギリシャを舞台に、
時代の揺れ動きを、旅芸人たちを軸に描いたもの。

特筆すべきは、たくさんのエキストラたちに、きちんと作品を語らせていること。
(レジスタンスが一時的な勝利を得て、なだれ込むシーン)

またたくさんの音楽が街角に流れ、登場人物たち(エキストラも含め)が歌うのも、
ただBGMとしての音楽というよりは、音楽にきちんとひとつの役を与えたという感じがおもしろいです。
(ホール内でのレジスタンスと軍部派との歌合戦は好きなシーンです)

ともすれば、こうした演出は登場人物たちを希薄にして、作品の力を弱めてしまうときもありますが、
この作品はそののバランス感覚が絶妙で、ぴんと張った緊張感がゆっくりと続くのもこの作品の魅力です。

まだ若かった頃に見た映画(30年前くらい??ww)。
細部など忘れてしまったので、また見ました。
もちろん昔より今の方がこの映画を分かるようになった、とは言いません。
とは言え、「ああ、やっぱり映画は良いなあ」と思えた作品です。

それにしてもなんで映画界はフィルムを棄ててしまったのでしょうか?
自殺行為です。
投稿者:Marie&Marilyn投稿日:2014-12-08 03:40:53
健さんや文太兄ぃが、亡くなったことより、フランス映画社が倒産したことのほうが、ショック、といえば、まぁ、ウソになるかもしれんけど、なぁ。
お世話になりましたな。この映画とか、「木靴の樹」とか。
合掌。
投稿者:uptail投稿日:2014-10-14 10:06:24
演出:8
演技:8
脚本:7
音響:8
投稿者:sachi823投稿日:2014-02-01 01:38:27
まことに立派な作品で、
偉大なるギリシアの近代史の勉強を
させていただきました。
只自分の中での好みとなると、
あまり夢中になれた作品ではありません。
後に見た「ユリシーズの瞳」とかのほうが好きです。
投稿者:Normandie投稿日:2011-10-28 22:20:15
あっという間の数時間でした。素晴らしい映画は時間関係ないもの。
ほんと一人でも多くの人に見てほしいです。
薄味だけどダシは効いてるからジャンク好きな人でも大丈夫ですよ。
投稿者:ちゃぷりん投稿日:2009-09-21 18:56:48
トライしたのは今の所この一本だけ。まだ「木靴の樹」の方が見所があった。再見しようと3倍で録ったVHSテープは8年間部屋に放置したまま。
投稿者:QUNIO投稿日:2009-09-21 18:10:23
非常に重厚な作りで見ていてしんどい。映像の気迫は凄いが見る前にしっかり歴史を勉強しないと内容が全く把握できないので辛いものがある。これと『去年マリエンバートで』と『Z』と『アントニオ・ダス・モルテス』は面白いとかそういう枠組みに入らない。感想としては「難しくて分からん」。それだけだった。やっぱり映画は楽しいほうがいい。
投稿者:投稿日:2009-03-23 05:53:10
10代の終わりに、まだ視聴率競争に参加していないテレビ朝日系列の地方局の放送で見た記憶がうっすらと。今になって『永遠と一日』で心が揺れ、思い切って再見した。
作品では数多くの行進が描かれる。親ナチスの若者、軍事政権を支持する人々、駐留イギリス兵、アメリカの支援を受ける王党派の勢力、反政府の投降したゲリラも隊列を組まされ連行される。
そんななか、旅芸人たちは各自が曖昧な距離を保ち、ぼんやりとした固まりとなって歩き、国内を移動していく。眠りを奪われたまま。
内実を理解することは難渋だが、4時間近い長さを感じないスリリングな経験をした。
ちなみに黒澤明監督の作品にも行進の描写が散見される。『一番美しく』『七人の侍』『デルス・ウザーラ』『影武者』『夢』『まあだだよ』。画として面白いだけではない何かがありそうな。
もう少しテオ・アンゲロプロスの作品を見直してみようと、考えた。
投稿者:三葉十四郎投稿日:2009-01-10 00:21:53
【ネタバレ注意】

名声名高い作品として時々再映されているが、アンゲロプロスが描く映画の長編抒情詩、なんて紹介を見るにつけ簡単には行き難い。 
でも、ここは今年一発目、と気合を入れて早稲田松竹へ、 

それでですね。 途中でまなこが落ちちゃいまして、どの辺りかと言うと、主人公のエレクトラが兵士に慰安婦みたいな扱いされて部屋に連れ込まれる場面、野郎の素っ裸が得意の長回し。 でイチモツの所にモザイク代わりにフィルムに傷入れて作った光点がチラチラしてましてね。 眺めている内に意識を10分程失った、と。 
翌日再チャレンジ、欠落箇所も埋まって理解も進んだ。 うん見直しておいて良かったですよ。 怪我の功名。 誰が誰やら見当つけづらくて、人物は殆ど点景、男優のヒゲ面は進むにつれて濃くなるばかり。 初見だけで済ませてたらコメント書く気にはならなかったでしょう。 
ギリシャの古典『オレスティア』や『エレクトラ』を頭に入れておけば理解が深まるそうだけど、そういうのはどうかな。 

この監督の映画で評価されているワンシーン=ワンカットの手法。 これはギリシャの風土や様相を、リアリズムを基調に撮った上で舞台化を図ったものである。 
、て何言ってんだか判らないって思われるんでしょうけど、実は自分でも良く判って無い。 ちょっと例に出して説明してみると、
 
1、宿の廊下に並んだ旅芸人の面々、彼らの視線の先へカメラがゆっくりパンしていくと、その中庭で芝居の稽古中の当人達が映る。
 
2、1952年、パパゴス元帥への投票を呼び掛けする街宣車が画面を横切って去ると、直後に同方向からベンツ。 道先には1942年のドイツ歩哨所が在る。
 
3、ドイツ軍撤退。 自国と連合側の旗で埋まる歓喜の広場に銃声が響くと人々は四散。 その内の一方からデモ行進して来た人たちが再び集結すると旗は赤旗だけになっている。 

1は時系列や時間は交錯させてます、と言うサジェスチョン。 2は帝国主義の同一性を端的に示した描写。 3は大戦後のギリシャの政情動向の簡略表現なのだけど、何れも舞台袖を意識させるもので。 カメラフレームの外で慌しく移動する俳優や道具類の準備、進行や段取りが行われている事の想像を隠していない撮り方と言えるんです。 

それから古典悲劇に沿った姉弟の物語は、父親殺しと彼と不倫する母への復讐譚だが、しかし周囲の状況はそれ所じゃ無い程に凄惨な訳で、これはストーリーラインは監督の映画作りの目標に無いなと、 
ギリシャと言う国は、いつも列強国の脅威に晒されて戦乱や内乱が絶えない現実にある舞台である、と。 そしてギリシャ人はそこで古典として伝わる悲劇を代を経ても繰り返しているのだ、と。 その宿命や不条理を、1939年から52年までを繰り返して厚塗りに描きだしたのが本作なのだと僕は考えたんです。 加えて本作でのイギリス軍の描かれ様はナチスとまるで一緒で、連合側の旧悪を指弾した点でもこの映画は評価が高いのでしょう。 

さて、これらを踏まえて敢えてなのですが、僕、この映画が素晴らしい作品と感じられないんです。 一座の彷徨の場面には胸を打つシーンも有ったし、作品意義も立派だと思うんです。 でもやはり見るのにしんどさが先に立った。 
で、またちょっと考えてみたのですが、じゃあもう見なくて良いや、って事では、これはマズイ。 例えば絵画などは、僕が見てゴッホやピカソの欲しい絵なんて一つも無いけれど、でも世界中に高額積んでも買いたい人は多いワケじゃないですか。 これは僕にものを見る目が無いんです。 

だからまた機会を見てチャレンジしてみますよ。 そうそう、そう言えばこの映画の初公開は岩波ホールだったはずだけど、僕が始めて行った90年代に在ってこの劇場は学校の視聴覚室みたいな造作で、椅子もとんでも無く座り心地が悪かった。 あそこに4時間座っていたのだから昔の観客はエラいよね。 
今回の劇場は快適だったし、そのうち4時間座っても未だもの足りないぐらいの、揉み玉六個ぐらい付けた座席の映画館なんて出来るかも知れないじゃないですか。 映画の環境も見る僕らも一緒に進歩していけば良いんですよ。

投稿者:さち投稿日:2005-06-07 12:22:06
maamaa
投稿者:Tom投稿日:2005-04-14 10:34:37
下の人は大袈裟というかこの監督が影響を受けた他の映画を全然見てないのか知らないが、よっぽど感動したんだろう。テオはまさに現代映画史のtheo(神)のような存在だね。
ただ、海外でこの作品の評価が分かれるのはわかるような気がする。
忘れられないシーンはたくさんあるが、圧倒されるのはルノワールの映画を彷彿とさせる酒場での唄によるイデオロギー対立かな。暗部の歴史だがその根底には監督のギリシャと民衆への限りない愛情がある。同志を葬るシーンも感動的すらある。
投稿者:ヤース投稿日:2003-03-12 04:28:34
また観直したいものの筆頭に立つ映画だ。映画館で架かるなんて多分後百年はないだろうから、これだけデジタル媒体が不足している時代なんだし、こういう「本物」をがんがんDVD化(高品質で)するというのが商売じゃないのだろうか(かつアメリカの販売会社に負けないように安価で)と考えるが、日本の映画関係の奴らはホント商売下手ばかりなので、このへん、言うといたらんとアカンな。
投稿者:seiji投稿日:2001-11-01 17:12:37
ギリシャといえば(一度だけ行っただけですが)青い空と白く輝く家、、、
しかしまるで意表を突かれました。この映画ではいつもどんより曇っている。
人物を決してアップで捉えず、光景全体あるいは舞台そのものに物語を語らせる、
この監督のそんなドラマツルギーが感じられました。
ぐるっと回転するカメラにも驚いたもんです。http://www5b.biglobe.ne.jp/~movie
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
■ FIPRESCI(国際映画批評家連盟)賞テオ・アンゲロプロス 
【ソフト】
  商品名  発売日  税抜価格  
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