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清作の妻(1965)

メディア映画
上映時間93分
製作国日本
公開情報劇場公開(大映)
初公開年月1965/06/25
ジャンルドラマ
清作の妻 [DVD]
参考価格:¥ 3,024
価格:¥ 1,982
USED価格:¥ 1,990
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清作の妻

【解説】
 吉田絃二郎の同名小説を、新藤兼人が脚色、増村保造が監督した。村田実のサイレント版(1924年)に続いて、2回目の映画化。戦争を背景とした差別や偏見の中で、たくましく生きていくヒロインの姿を描く。一家の生計を支えるため、お兼は老人の妾となっていた。老人は大金を残し他界。お兼は家族の待つ村へ戻るが、村人たちの目は冷たい。村の模範青年である清作と出会い、二人は周囲の反対を無視して結婚した。しかし日露戦争が勃発し、清作のもとに召集令状が届く。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
876 9.50
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【ユーザーコメント】
投稿者:黒美君彦投稿日:2017-05-07 22:14:29
【ネタバレ注意】

<あらすじ>一家の生計のため17歳で老人(殿山泰司)の囲い者となったお兼(若尾文子)は、老人の死で八千円の遺産を手にして母お牧(清川玉枝)と帰郷した。だが、村では囲い者のお兼たちは村八分にされる。そこに上梶清作(田村高廣)が軍隊から帰ってくる。模範青年の彼は、貯めた金で鐘を作り、毎朝いちばんにそれを鳴らして村人が早起きするよう奨励した。冷ややかにそれを見ていたお兼だったが、母親の急死の際に助けてもらった縁で清作と愛し合うようになる。周囲の反対を押し切って暮らし始めるとお兼は額に汗して働くようになるが、日露戦争勃発で清作は戦争へ。負傷して帰ってきた彼は、治癒すると再び戦場へ向かおうとする。お兼は五寸釘を手にすると…。

原作者の吉田絃二郎(1886〜1956)はもう忘れられた作家といっていいと思うが、早稲田大学で教鞭をとり、井伏鱒二らを教えたこともあるのだとか(タゴールの紹介者の先駆けでもあったんだ)。
この『清作の妻』は、実は1924年にも村田実監督、主演・浦辺粂子で映画化されているのだとか。
脚本が広島出身の新藤兼人だったこともあり、舞台は中国地方の山間地をイメージしている(架空の「西岡山郡池田村」という看板が劇中出てくる)。
若尾文子の存在がとにかく際立つ。彼女は長く老人の妾となった挙句に遺産をせしめた、村からすればいわば異物。働こうともせず、共同体からは弾き出されている。直情な彼女は、「模範青年」である田村高廣にも食ってかかる。「あんたのとこには鐘がきこえんようじゃのう」と嫌味をいう清作に、「あんまり図に乗らん方がいいよ。私らは私らで生きとるんじゃ。あんたの号令で生きとるんじゃない。模範青年面すんな!」と言い返す。
だが、母お牧が死んだ時に親身になって村を説得し、弔いまで出したのが清作で、ふたりはそれがきっかけで一気に男女の関係になる。
この辺りの若尾文子の表情は活き活きとして美しい。
しかし幸福な時間はさほど続かない。日露戦争が勃発し、清作は戦場に向かうのだ。
孤独と村の冷たい視線を浴びる日々を送ったお兼の元に清作が戻ってきたのは半年後。ところが彼は自ら決死隊に志願し、その結果重傷を負って一旦内地に戻ってきたので、回復すれば再び戦場に戻るという。
模範青年である清作は、今度こそ戦死するに違いない。そこでお兼がとった行動が、釘で清作の目を突き、盲目にすることだった。そうすればもう戦場に行く必要はない…。
「殺してやる」と呻いていた清作だったが、彼は刑務所からお兼が戻ってくるのを待っていた。彼は「嫁と共謀して、戦場に行くのを逃げた」と後ろ指を射されるようになっていた。
だが、彼は目が見えなくなって初めて見えてきたものがある、という。
他人にどう見られるかばかりを気にして生きてきた彼が、初めてお兼の真意に気づくのだ。そして逃げずにこの村でお兼と生きることを選ぶ。
共同体のなかでのじわじわ迫ってくる空気に流されるのはある意味楽だ。それに乗っかっていけば、賞賛され、時に名誉すら与えられる。だがそれは欺瞞ではないのか。真に生きているとはいえないのではないか。そんなメッセージが、ふしだらな女というレッテルを貼られたお兼から示されるのだ。
若尾文子、田村高廣はいずれも巧い。
増村保造の演出も淡々としているようで、細かいところまで行き届いている。
思わずうーんと唸らせる傑作である。

投稿者:イエガー投稿日:2016-05-12 22:35:11
日本の村社会というものがよく分かる映画。90
分くらいの映画なのに濃い映画だな。村八分とうものがゆくわかります。かなり重いですが・・・若尾文子が素敵です!
投稿者:hayate9投稿日:2015-09-09 20:53:16
確か若尾文子本人が印象に残っている映画でこの作品をあげていたかと記憶していますが、観てみて“なるほど。やるがいのある役で、女優が好みそう。”
と思いました。
でも、私にはちょっと重かったです。息苦しい。
投稿者:ちゃぷりん投稿日:2015-02-08 16:49:57
【ネタバレ注意】

中盤からの凄惨な展開に驚いた。

投稿者:こじか投稿日:2014-10-30 21:56:50
【ネタバレ注意】

冒頭は説明臭い台詞が多かったけど、国や組織、村や家族など他の増村作品より作品世界に奥行きがある。やっぱり素敵な増村保造、安心のクオリティでした。

投稿者:uptail投稿日:2013-11-08 13:16:52
若尾文子
投稿者:モリタマン投稿日:2013-10-23 21:18:38
村や壮行会のエキストラまで含め、作品全体を包むすべてが、
この作品を昇華させる目的のために、きっちりとひとつに向いている。
決して、その役割で主張しすぎてはみ出したりもせず、また主張はおろか
演ずることもできないまま、数合わせに終わってしまうこともなく。
作品の中に、様々な思いを持った人たちがきちんと生きている。
そこが凄いと感じました。
もちろん↓みなさんのように、当然論ずるべき映画ではありますが、リアリティー
をどう表現するかの、当たり前のことであり、しかし製作側の諸問題、演出力、
において描き切れていない数多くの邦画が存在する昨今、たくさんの映画人に
見て感じて欲しいと思えた作品でした。
スクリーンで見られたことに感謝です。早稲田松竹さんありがとう!
投稿者:堕落者投稿日:2004-12-18 17:04:55
表向きは名誉の戦死なる,実質的には犬死を強要する閉鎖的な農村社会・共同体と国家,それに真向から対抗出来んが為に夫を戦死させんが為にこれ一点に於いて,これまた理不尽な対応によって,それらと対立せんとする女の凄まじさ。日本的共同体の建前と本音の激しい乖離,それ故に祭り上げられた英雄は一瞬にして非国民・売国奴にもなりえる。(だから,鬼畜米英が一夜にしてアメリカさんありがとうに変貌する)その実体は個人なる横の力を徹底的に排除した抑圧と見せ掛けの秩序という基盤に支えられた危い対人・社会関係,降り注ぐ不条理にして国家が乱用し,蔓延する縦の力の欺瞞,これらを己の情念によって露呈させた女の恐ろしさと美しさ,個人と国家を対比した彼岸にある真実の相克。こういう所に埋もれた人間が存在している。それを敢えて弱者と言うには気が引けるが,主人公の夫である清作も目を失って(失明して)から初めて,今まで目が見えた時には決して見えてこなかった事実を見たと言える。目で見えるものだけが事実ではないと暗示してるのだ。正に毒には毒を皮肉である。
戦前はこうであろうが,戦後はこれらの真逆であり,詰まる所,横の力が蔓延し,縦の力を喪失した逆の意味で同様に問題点が多い社会である事を本作を観れば容易に理解出来るだろう。そして,ここに三島由紀夫が「ヨコ」の会ではなく,「タテ」(楯)の会を作らなければならなかった必然性と時代の象徴性がある。今こそ,日本人は戦前の鬼畜米英と戦後のアメリカさんありがとうは表裏一体である事に気づけ!
本作は単なる反戦映画を超えた傑作であるし,増村は日本人しては珍しく個人主義が身に付いている監督と言えますね。
投稿者:ご飯投稿日:2004-03-17 21:45:07
【ネタバレ注意】

老人の妾だった若尾文子が、老人の死後、母親とともに村へ帰る。村人は彼女を白眼視。だが、村の模範青年・田村高広と愛し合い結婚する。ところが、日露戦争のために負傷して戻ってくる。ヒロインは周囲から嫌われているが、それをはねのけて自分の愛を貫くためにだけ生きる。エゴイズムなんだが、そのために夫の目を潰して2度と戦場に行けないようにする。その情熱の強烈さを色っぽい若尾文子が熱演する。自分の愛のためには国家の体制にも背を向けて生きるというところから、反戦映画の趣もある。でも、増村保造監督は国家の体制に反発してやるという気持ちから描いたのかも。戦争に代表される男性が作り上げた国家の枠組みなんか信じられないよという気持ちか。また、田舎の人々の乱暴さも描いていて、他人の家に押しかけて飲み食いしながら、そこの住人を戦死しろ、と暴言をはいたり、からかったりする。そして目を潰したヒロインを捕まえてひっぱたく、蹴るといった暴力の激しさにびっくり。ヒロインのエゴと村人の野性的な激しさのぶつかりあいを強烈に描き出していく。それだけにラストで、ヒロインが畑を耕しているそばで目に包帯を巻いて座っている夫の姿に、自分の愛を勝ち取った女性の勝利が観ているこちらの気持ちをホッとさせて終わるのはうまい。愛し合うふたりが一緒にいられたらそれで良い、周囲はどうであれ知らんよというところか。「髪結いの亭主」をヒロイン側から凄まじく描いたらこうなるという感じかな。かのフランス映画の傑作は甘いファンタジーに仕立てたけど、これは情念の強さを熱く搾り出したというところ。

【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
■ 主演女優賞若尾文子 「波影」に対しても
【ソフト】
  商品名  発売日  税抜価格  
 【DVD】清作の妻2014/06/27\2,800amazon.co.jpへ
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