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あらくれ(1969)

メディア映画
上映時間86分
製作国日本
公開情報劇場公開(日活)
初公開年月1969/06/14
ジャンル任侠・ヤクザ/アクション

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投稿者:シネマA投稿日:2006-11-08 13:00:59
 1969年の日活の任侠やくざ映画。東映の任侠ものとは毛色が違っていて、これはこれでおもしろい。娯楽映画ファンなら、一見に値するでしょう。小林旭主演、山崎巌脚本。といえば、〈渡り鳥〉〈流れ者〉といった往年の日活アクション映画の人気シリーズがまっさきに思い浮かぶはず。

 本作がその延長線上に生まれた作品であるのは確か。プロットは複雑化してるけど、骨子は従来からの使いまわし。組織の抗争。銃の撃ち合い。ダイナマイトの爆破。地方でロケして土地のお祭り風景が挿まれる。お決まりのパターン。だが、かつてのアキラ映画のような清廉潔白なヒーローが主人公ではない。なかなかの悪党。時代が変わった。娯楽映画もまた時代に合わせて変化していく。

 一匹狼の流れ者、鬼頭善吉(小林旭)は都落ちして北陸の小松を訪れる。頼りにしていた弟分の結城太郎(藤竜也)は粟津温泉のストリップ小屋で情けないヒモ暮らし。鬼善は新興関西やくざのスミレ会と地元の庄田組との土地の利権をめぐる抗争に目をつける。太郎と組んで、どさくさまぎれにスミレ会の金庫を破って大金を山分けにする算段だったが……。

 小林旭は例によってスタントマンなしの活劇をこなしています。走って、よじ登って、跳んで、格闘する。藤竜也が旭に劣らず身体を張った演技で魅了します。チンピラ風の兄ちゃん。ダメ男。小悪党だけど、じつは妹思い。しょぼくれた表情が絶妙。場面によっては旭を喰っていたかも。それぐらい重要な役だった。旅館の仲居をしている妹の美樹に扮した和泉雅子もピチピチしていた。兄妹の関係は、松竹映画のフーテンの寅と妹さくらにも一脈通じるものがありますね。

 脇役陣も揃っていた。松吉役の谷村昌彦。コメディリリーフ。鬼善のあとを金魚のフンのようにくっついてまわる子分。食堂でいつもざるそばを食べている。抗争の仲裁に入った関東俵一家の村木ハナを演じた清川虹子。出番は少ないが、さすがの貫禄をみせた。関西やくざの用心棒に宍戸錠。台詞なし。カメオ出演にちかい。だが、存在感におもわず唸った。非情な殺し屋。

 演出は長谷部安春(1932〜 )。鈴木清順監督の薫陶をうけた弟子筋にあたるが、娯楽に徹した活劇の職人。私は昔からのファンです。カットの端々に不思議なセンスが鏤められているのが特徴。意表をついた遊び心。ケレン味のある色遣い。カットのつながりが若干よろしくないときもあるが、展開は速い。本作でもタイトルが出るまえに、すでに立ち回りと主人公のキャラクター紹介が済んでしまう。1970年代後半以降はTVの仕事が目立つようだが、日活アクションやロマンポルノで長谷部が撮った旧作の数々は正当に再評価されてもいいんじゃないか。埋もれた娯楽映画の逸品がまだまだあるはず。再上映とDVD化を鶴首して待ちたい。

 ちなみに本作は長谷部作品としてはまあ並み程度の出来かとおもいます。ちょっと窮屈に詰め込みすぎたかも。人物造形が概して平板。とはいえ、娯楽映画としては及第点。一気に引き込まれる。観て損はないのでは?
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