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サンダカン八番娼館 望郷(1974)

メディア映画
上映時間121分
製作国日本
公開情報劇場公開(東宝)
初公開年月1974/11/02
ジャンルドラマ

【クレジット】
監督:熊井啓
製作:佐藤正之
椎野英之
原作:山崎朋子
『サンダカン八番娼館』
脚色:広沢栄
熊井啓
撮影:金宇満司
美術:木村威夫
編集:中静達治
音楽:伊福部昭
助監督:相沢徹
出演:栗原小巻三谷圭子
高橋洋子北川サキ(その若いとき)
田中絹代北川サキ(その晩年)
水の江滝子おキク
水原英子おフミ
藤堂陽子おヤエ
柳川由紀子おタケ
中川陽子おハナ
梅沢昌代ユキヨ
久住真理子女A
松本潤子女B
小沢栄太郎太郎造
神保共子モト(太郎造の女房)
山田孝子遣手婆
苅谷俊介現地人の男
田中健竹内秀夫
砂塚秀夫矢島(サンダカンの呉服屋)
江幡高志村田(サンダカンの写真屋)
清水幹生客の水兵(軍艦『夕張』の乗組員)
梅野泰靖余三郎(女衒)
信欣三一條実孝
中谷一郎山本(農業試験所技師)
岩崎加根子サト(サキの母)
浜田光夫矢須吉(サキの兄)
岸野小百合ハル(その妻)
井口恭子原田紀子(圭子の友人)
浅若芳太郎靹ノ津食堂の親爺
高山千草トミ(村の女)
牧よし子カネ(村の女)
岸輝子ナミ(吉徳商店の老婆)
秋好光果ヨシ(村の女)
山谷初男イッちゃん(大阪出身の行商)
野中マリキヨ
金内喜久夫徳松(サトの再婚した夫)
高山真樹ユキヨの母
平田守吉田先生(高校教師)
小林亘若い漁夫
菅井きんペナンから帰った女
桐島好夫
笹川二郎
谷本小夜子
【解説】
 南方の島へと売春の出稼ぎに渡った“からゆきさん”と呼ばれる日本人少女たちの、辛く波乱に満ちた実態を描き第4回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した山崎朋子の原作を、社会派・熊井啓監督が映画化。女性史研究家・三谷圭子は、“からゆきさん”のことを調べる過程で天草で小柄な老女サキと出会った。サキがからゆきさんと確信した圭子は、彼女が経験した過去を聞き出すため、共同生活を始める。やがて、サキはその重い口を少しずつ開いて、あまりにも衝撃的な生涯を語り始めるのだった……。本作が遺作となった日本映画を代表する女優・田中絹代が全霊をこめた演技で自らの最期を飾った。
<allcinema>
【ユーザー評価】
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【ユーザーコメント】
投稿者:68生男投稿日:2018-07-13 01:53:31
絹代、小巻、洋子、それぞれに良い。さすがは熊井監督だ。が。最後の、祖国に背を向けた墓、あれはどうしたことだろう。現実にあったのかもしれないから、絵としては、それでもいいと思うが、熊井氏が、「悪い日本人」「日本は悪い国」というような、短絡的な決めつけに落ちているのはどういうわけか。底が抜けたようで残念でならない。「望郷」というのは皮肉のつもりなのだろうか。
そこで問いたい。彼女たちを不幸にしたのは「国」だろうか。「国」を恨んだのだろうか。そして、他の大勢の「からゆき」も、祖国に背を向けたのだろうか。

久々に見直してみると、やはり「印象の操作」とも言われかねない作りになっている。まず脚本自体には「墓が逆を向く」というほどの説得力はない。では何があるかといえば、「論理の組み上げ」だ。「兵隊」と「からゆき」の「対比」だ。つまり「買う側」と「買われる側」をどう評価するかということだ。からゆきさん一人一人の「動機付け」の問題を、「集団対集団」の問題にすり替えて、見る人が一つの「答」に行き着くように構成してあるのだ。
娼館に若い兵隊たちが雪崩れ込んだ場面、それを思い出してこう思う。『双方苦役の只中にあり、どちらもつらい境遇ではあろう、しかし、ほどなく戦地に赴き死んでいったあの若者たちは、徴兵されたからといって、祖国に背を向けて死のうなどと思っただろうか……』
だがその考えを打ち砕くための「くさび」はもう打ち込まれている。終盤唐突に入れ込まれた「虐殺」だ。現実的にも映画的にも必然性のないあのくだりは、『軍も国家もしょせん「悪」であり、彼ら兵隊は時局に踊らされた古い愚か者(しかも色魔で人殺し)で、背中を向けた彼女たちこそ自我に目覚めて正当な抗議をなした人間』というような「構図」を、お土産にさせるためのものではないのか。
そうなのだ、あの「祖国に背を向けた墓」というのは、「靖国」を否定するための大道具、この作者の考える「正しい墓地のあり方」だったのだ。

確かに、社会にも、郷里にも、家族にさえ、悪党はいるし、悪い役人もいる。悪い制度もある。庶民感情が行き過ぎることもある。だからといって「国が悪い」「悪い国」というように、簡単につなげていいものではない。つなげてはいけないし、そうはつながらないものでもある。だが本作では見事につながってしまうのだ。つながるように作ってあるからだ。
彼女たちが絶望した理由、それが真には解明されないまま、ただ都合よく「図式化」されてしまっている。

現実、最終の問題は、女性の味方であるはずの、当の女性たちが、同じ女性であるにもかかわらず、その「身の上」そのものを恥ずべきものとして、「からゆき」たちを排斥したことではなかったろうか。この救いのなさこそが決定打なのではないか。理解されるべきものに理解されず、愛されるはずのものに愛されなかったという「結果」だ。女性、つまりは「母」という存在に見捨てられたということだ。
どんなに男から非道い目にあわされようと、どんなに政治が理不尽でも、それイコール祖国とはならない。体が「国土」を去ることはあっても、魂として「祖国」を去るまでのことにはならないはずだ。祖国とは父母の霊魂なのだ。生まれ来る者たちの命でもある。相応以上の理由がなければ 見限ることなどできない。
いつの時代にも、女性の本当の敵は「女性」だ。この作者は、そこをぼかしたかったのかもしれない。「男対女性」「国対女性」という「旗印」のために、得た材料を取捨したか。「祖国の墓」あるいは「祖国に向かう墓」に眠ったであろう大勢の「からゆき」たちの、その声は捨てられたのか。

ついでだが、青年諸氏には「従軍慰安婦」、特に「従軍」などという言葉を、安易に使わないでほしいものだ。手近なところでは、Wikipediaでも概要は見ることができる。よく知ってから得心するが正常かと思う。聞きかじりでは情けない。広く書物から学んでもらいたい。
どんなに戦争を憎んでも、父祖を卑しめるなどあってはならない。それこそ生きながらに自らの墓を裏返すようなことだ。祖国を裏切るは、表面何主義であろうと、深層「自分の感情第一主義」なのだ。「正義のためには不正も止む無し」などと考えていないか。胸に手を当ててほしい。「正義」は「義侠心」とは違うのだ。
卑しくも、自国を卑しめる目的で「ねつ造」をする者までいるというが、この作品にも多少その疑いがある。

熊井氏は、この原作に、踊らされたか一緒に踊ったか、汚点を残した。功罪半ばといいたいが、若干罪の方が大きいように思われる。
投稿者:sachi823投稿日:2014-12-03 17:39:13
この作品が公開された後だったでしょうか。
「からゆきさん」に対して東南アジア方面から
日本に来る女性を指す「ジャパゆきさん」なる
言葉が行き交っていたことを憶えています。
日本にも過去にこのような時代があったのですね。
後に舞台でも鑑賞しましたが、悲惨な環境の中で
女性の生きる逞しさに感銘を受けました。
映画の方も出演者の名演を得て力作だと思います。
投稿者:呑気呆亭投稿日:2014-09-18 12:13:13
「神韻縹渺」という言葉がある。あえてこの難しい漢語を使いたくなるほどにこの映画での女優・田中絹代の演技は奇跡的なオ−ラを放っていた。栗原小巻という女優さんはワタクシ的にはあまり好きなタイプではないのだが、この映画では彼女の“鼻がウソをついている”顔が、監督の熊井啓はその意図をもってキャステイングしたのかと疑うほどに、作意を持ってサキに近づこうとするインテリ女史・圭子に合っていた。その栗原が猫と得体の知れぬ虫が跋扈するサキのボロ屋にもじもじと尻を落ち着けることを一歩として、泊まり込んでサキの話を聞き出し聴き入り記録する課程で、その話の力によって人としてのリアリティを取り戻して行き、ラストで己の作意を告白し、サキに受け入れられ、その“からゆきさん”の物語を紡ぐ資格を持つ女となる。付け加えて言っておかねばならぬのは、サキの若き日を演じた高橋洋子の好演と、“からゆきさん”たちの母でありボスでもあったおキクさんを演じた水の江滝子の圧倒的な存在感があったからこそ、サキの生涯を物語る女優・田中絹代の演技にあれだけの凄みが備わったのだろうと思う。それにしてもおキクさんと“からゆきさん”たちの祖国ニッポンに背を向けて建てられた無言の墓は何度見ても衝撃的である。http://d.hatena.ne.jp/nanjakuteituisho/
投稿者:ymo1191投稿日:2012-10-14 20:35:21
本作は”からゆきさん”について書かれた山崎朋子さんの小説を社会派作品で知られる熊井啓氏が映画化したもので、栗原小巻さんは女性史研究家として主演。元からゆきだった老女の役が、本作が遺作となった日本映画を代表する女優・田中絹代さんで”全霊をこめた演技で自らの最期を飾った。”とあるが、ボロヤ暮らしの設定の割には、きれいな老婆過ぎた感じがあった(白い歯とかも立派過ぎ)。で、からゆきとしての現役時代は高橋洋子さんが演じていて、男社会の不条理の中、健気に生きる女を演じていました。栗原さん29歳、知的な容貌が、この社会派ドラマで田中さんに負けず頑張っていました。
投稿者:ちゃぷりん投稿日:2009-02-05 23:21:53
全体的に総集編のような仕上がりになっていて、技術的にもおかしな所(構成やおキクの出し方や、ジャングルでのからゆきさんの再供養の描写不足など)が少なくないが、題材と田中絹代の演技が本作を今でも通用する物にしていた。
投稿者:Bava44投稿日:2008-01-25 13:33:56
「栗原がボルネオに行く現代」・「田中絹代に出会い彼女から話を聞く、その三年前」・「田中絹代の回想」。この三つが混乱することなく混ざり合い、実に面白く作られている。冒頭の栗原が何も残っていないボルネオまで来たこと。その意義が徐々に明らかにされていく過程を納得いく形で描いている。それが観客にとってもボルネオ(or作品内の真実)に至るような感じなのだ。


作品的には、当時のボルネオの資料がほとんど残ってなくて、美術の木村威夫にとって一世一代の仕事だったらしい。日本映画としては黒澤の『赤ひげ』以来の巨大セットを作ったとか。確かに八番館の屋内はなかなか良い。(そういえば、最近見た『父と暮せば』も木村威夫の美術で、さりげなくポイント高くしている映画だった。)

栗原小巻が当時の現代的な女性を好演。(原作者の女性もこんな雰囲気の女性でした。)彼女は70年代の邦画を(表向き)代表する女優の一人だったが、「70年代」という男臭い時代のなかで埋もれた感じ。『モスクワわが愛』『白夜の調べ』『エア・パニック』『未来への伝言』と4本のソ連映画に出演している。何故、ソ連映画に出演しているのだろうと思ってIMDb見たら『忍ぶ川』が、73年のモスクワ映画祭に出品されていました。


それから田中絹代は地でやっているのじゃないかというくらい演技が上手かった。遺作かよ。高橋洋子が汚れ役の分、感動的な部分は栗原と田中絹代が持ってったのね(笑)。

題材的に時代を感じさせるし、部分的に変な演出があるが、それでもなかなかの力作だと思う。でも、私は『望郷』というタイトルが、あのラストと反するような気がするけど。
74年キネ旬第1位
投稿者:スペルバウンド投稿日:2007-07-31 14:35:29
高橋洋子の魅力はおもにテレビで発揮されたと考えている。女子大卒の刑事役とか、じつに魅力的。「北の家族」はいまいちはまってなかった気もするが。映画とは異なりきびきびした演技、真面目で清潔な印象もあった。本作も期待したが、まあまあといったところ……。しかし主役は高橋洋子。田中絹代、栗原小巻は明らかに脇役だ。うーむ、それにしても「従軍慰安婦」の主体は統計通り、やはり日本人なのだなあ。水木しげるの戦争漫画とかを見ると、朝鮮人慰安婦ばかり出てくるのだが……。
投稿者:レッド・キング投稿日:2006-10-17 13:53:55
いいかげんに、日本人を顔を黒塗りにして、はい!現地の人!
って言うのやめてほしい!ゴジラ映画の南海の島の人々でたくさんです、
こんな真面目な映画でも、こんなくだらない事やってたんだ・・・・
役者さんもやっててみじめだったにちがいない・・・・
投稿者:篭瀬山投稿日:2005-11-21 23:14:35
 顔の作りは不細工でも魅力的な女優さんてのがいるもんだが、栗原小巻にはそのいずれもない。だから彼女の主演作というだけで私にとっては大きく減点。ただ彼女の魅力というのは学級委員的真面目さにあるのだろうか、どの作品でもそんな役をやっている。ここでもそうだが、私はこの手の話をそういう観点で語られるのが嫌いなのだ。ここも減点だが彼女のせいではない。

 田中絹代が幼稚園児のお遊戯みたいにはしゃいでいて見苦しかった。実際、幼稚園児みたいに可愛らしかったが、彼女の長いキャリアを考えれば、映画をブチ壊すためにやったのだとしか思えないし事実ブチ壊していた。どういうつもりだったのだろう。今もう一度見てみたいと思うのは彼女の演技だけである。

 話の中身はすっかり忘れてしまったので何も言えない。きっととてつもなく素晴らしい物語だったに違いない。2
投稿者:野島回投稿日:2005-08-16 13:31:12
自分が「男」であることになんともいえぬ感情を抱かせた作品。言語化しようにも、そう簡単には出来ない。(最初の方での北川サキの「男というもんは悪かもんだ。どぎゃんよか男でも本気でほれるもんじゃなか。本気でほれると身ばあやまるけんな。男ちゅうもんはみーんなおんなじばい。わしゃ骨身にしみるごつわかっとる」との言葉に何と応じることが出来るのだろうか。)

あとは、現場での聞き取りすることのジレンマを良く描いている。

思わず泣いてしまった。
投稿者:さち投稿日:2005-02-18 17:01:23
名作です
投稿者:Stingr@y投稿日:2003-03-08 18:39:18
 栗原小巻は綺麗なんだろうけど演技は実に下手糞。栗原が演じる圭子,こんなよそよそしい雰囲気の女に「かつての“からゆきさん”」が自分の過去を話すとは思えない。それにしても,田中絹代の演技のうまいこと,ただし綺麗過ぎたか? 水の江滝子も多分最後の映画だろう,堂々としている。

 「かつての“からゆきさん”」を発見した原作のノンフィクションは衝撃的である。三谷圭子つまり原作者山崎朋子が偽善者だとは思わない。小巻の演技が下手糞なだけである。

 異国で,また帰国後も,生きることが悲しいことだった「かつての“からゆきさん”」は,原作の中だけで生き続けるのだろう。この映画が,ボルネオ島のジャングルに埋もれて眠る女達の墓に思いをはせる契機となれば……。 多分,この映画に携わった者たち全員の願いであろう。
投稿者:GRIFFIN投稿日:2002-10-19 16:44:59
 いつの時代にも、誰の境遇においても、忘れられない記憶はある。だがそれが歴史の中で、記録として残すべきものになるのは、そう多くは無い。(個人との相対でだが)
 今作で描かれる“からゆきさん”は、今では従軍慰安婦のようなカタチでしか思い出せない気もする。全く異なるものなのだが・・・(こちらは出稼ぎだし)
 本作のチカラは女性によるものであり、強く、たくましく、そして悲しく生き抜いてきた人生を描いてみせたことだと思う。生々しい残酷な戦争描写がないのも救いだった。http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Cinema/8205/
投稿者:ASH投稿日:2002-10-16 21:37:28
【ネタバレ注意】

 女優の映画だ。田中絹代という女優は正直よく知らないが、素晴らしい名演を見せている。が、俺の興味は彼女の若い頃を演じた高橋洋子の方。圧倒的な存在感はここでも健在だわな。でも、主演の2人は評価されているのにアワード関連では、高橋洋子だけ外されているんだろうか? 回想シーンでの登場というのは分が悪いんだろうかね、なかなかの好演だと思うんだがね。

【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
□ 外国語映画賞 
■ 女優賞田中絹代 
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