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告訴せず(1975)

メディア映画
上映時間90分
製作国日本
公開情報劇場公開(東宝)
初公開年月1975/02/01
ジャンルドラマ
告訴せず [DVD]
参考価格:¥ 4,860
価格:¥ 3,937
USED価格:¥ 4,500
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【ユーザー評価】
投票数合計平均点
18 8.00
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【ユーザーコメント】
投稿者:流氷一滴投稿日:2018-06-10 18:57:06
【ネタバレ注意】

選挙の買収資金3000万円の運搬役を頼まれた青島幸雄演じる木谷省吾。入り婿のため今まで散々嫁やその親戚からこき使われていることへの「反感」もあって、持ち逃げする。潜伏先の伊香保温泉で、旅館の仲居(江波杏子演じるお篠)と仲よくなるが、旅館で盗難事件があったことから鞄に隠した3000万円のことが警察にばれ、神妙に供述する。むろん、資金を提供した大臣は「そんな金は知らん」と相手にせず、自由の身となる。これが1回目の「告訴せず」。

お篠と二人で東京に逃走するが、ここでなんと小豆先物取引に手を出し、ビギナーズラックで大儲けする。お篠は「色仕掛け」を加速させて、念願のモーテルを開店させる。ところが「不審火」で火傷を負って入院している間に、モーテルも残りの預金もすべてお篠に取られる。実は小豆先物取引の担当やその関係者とお篠は「ぐる」だった!こんなこと警察に言えない。これが2回目の「告訴せず」。

さらに金を持ち逃げされた大臣が黙っているわけがなく、刺客を送られて木谷省吾は河に浮かぶはめになる。結局、自分で楽しめたのは極小額。最後は命まで取られた。

選挙や先物相場取引の内幕、「女」の恐さをいやというほど見せられた。主人公を青島幸男が演じているので一見コメディーであるが、恐ろしい映画である。

投稿者:半熟卵投稿日:2010-01-03 18:32:46
青島幸男
投稿者:シネマA投稿日:2006-12-18 10:49:48
 1975年の東宝映画。原作は松本清張の同名小説(文春文庫刊)。堀川弘通監督の手による清張作品の映画化といえば、むろん『黒い画集 あるサラリーマンの証言』(1960) にとどめを刺す。あれほどの傑作とはいわないまでも、これもまた掘り出し物ではないか。辛口のピカレスク映画。社会経験を積んで目の肥えた大人の観客の鑑賞に堪えるはず。最近の邦画では滅多にお目にかかれない社会派エンターテインメント、という気がする。

 木谷省吾(青島幸男)は大衆食堂の主人。妻の春子(悠木千帆)の尻に敷かれて黙々と働く中年男。衆院選の追い込みのさなかに、岡山県地方区の保守党候補者である義兄の芳太(渡辺文雄)の頼みで、永田町の某大臣の事務所から三千万円の軍資金を地元に持ち帰ることになり、急遽上京。しかし、現金入りのアタッシュケースとともに行方を絶つ。

 省吾は偽名を使って伊香保温泉に逗留していた。義兄が当選して国会議員になったと知り、旅館の仲居のお篠(江波杏子)と深い仲になる。が、素性は明かさない。裏金の発覚を怖れる先方から横領罪で告訴される可能性はなくなったとはいえ、身の危険と不安に怯える日々がつづく……。

 と、ここまではまだ序の口。その後のストーリーは予想外の急転をみせる。ネタバレにならないよう曖昧にしておきますが、選挙資金の拐帯犯の逃避行のスリルとサスペンス、運命の女との出会い、古来から伝わる神社の太占(ふとまに)から得た金儲けのヒント、商品取引の小豆相場での大博打のかけひき、ラブホテル経営の内情、といったぐあいに、複雑に色と欲のからんだ物語が展開していく。おもわず興奮。これはおもしろい。すこぶる奇妙な話ですよ。さすが、社会派ミステリの巨匠の原作ならでは。山田信夫脚本。佐藤勝の音楽も洒脱。

 堀川弘通(1916〜 )。長らく黒澤明の助監督を務めていた。地味な職人肌と評されることが多い映画監督。派手好みでないのは事実だが、入念な演技指導が感じられる。内容は暗いはずなのに重くならない。胃にもたれない。快いテンポを堅持。要所でのカットの割りかたは渋くて繊細。軽妙な省略も。福沢康道撮影。ただし、ラブシーンでのストップモーションの連発は浮いていた。やり過ぎでしょう。

 主役に青島幸男(1932〜2006)を起用したのは成功。後年ひょんなことから東京都知事になったこともある有名人。そのまた昔にはTVドラマの『意地悪ばあさん』(1967〜68)でタイトルロールを演じて大人気を博した時期もあった。小柄。俳優としては決して器用とはいえないけれど、飄々とした個性に味わいがある。これは適役。

 江波杏子にも注目。初登場の場面から悪女にしか見えないのが難? いや、いわばフィルムノワールにおけるファムファタールのような役どころだから、これはこれでよろしい。和服が似合う玄人を演じさせると、ほんとに達者な女優。自然な立ち居振舞い。鋭い眼光。水商売特有のオーラ。濡れ場も普通にこなす。ベッドで平然と胸をはだけてみせる気風の良さ。女はしたたか。後が怖い。

 脇をかためる役者たち。適材適所。渡辺文雄と悠木千帆(現・樹木希林)の兄妹、土建屋の親分の西村晃、大臣の小沢栄太郎、警察署長の稲葉義男、宮司の浜村純、神官の天本英世、不動産屋の小松方正、等々。特に強烈なのは、やはり、加藤嘉の怪老人ですか。穀物仲買の営業マンに扮した村井国夫も光っていたなあ。とにかく、登場人物が悪党ぞろい。これが社会の現実なのか。

 最後のほうは駆け足で収束。やや説明不足か。だけど、一見の価値は優にあり、だ。これだけの内容を詰め込んで、たったの90分とは。やっぱり、なかなかの作品。再評価されてよい。現在の東宝ならば、まず即座に却下しそうな企画、でしょうか。
【ソフト】
  商品名  発売日  税抜価格  
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