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影武者(1980)

メディア映画
上映時間179分
製作国日本
公開情報劇場公開(東宝)
初公開年月1980/04/26
ジャンル時代劇/ドラマ/アクション
黒澤明監督作品 AKIRA KUROSAWA THE MASTERWORKS Blu-ray CollectionI(7枚組)
参考価格:¥ 29,800
価格:¥ 30,038
USED価格:¥ 16,143
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【クレジット】
監督:黒澤明
製作総指揮:フランシス・F・コッポラ
ジョージ・ルーカス
プロデューサー:黒澤明
田中友幸
脚本:黒澤明
井手雅人
撮影:斎藤孝雄
上田正治
美術:村木与四郎
編集:黒澤明
音楽:池辺晋一郎
演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団
アドバイザー:橋本忍
監督助手:岡田文亮
監督部チーフ:本多猪四郎
撮影協力者:中井朝一
宮川一夫
指揮:佐藤功太郎
出演:仲代達矢武田信玄/影武者
山崎努武田信廉
萩原健一武田勝頼
根津甚八土屋宗八郎(近習)
大滝秀治山県昌景(侍大将)
隆大介織田信長
油井昌由樹徳川家康
桃井かおりお津弥の方(側室)
倍賞美津子於ゆうの方(側室)
室田日出男馬場信春(侍大将)
志浦隆之内藤昌豊(侍大将)
清水紘治跡部大炊助(侍大将)
清水のぼる原昌胤(侍大将)
山本亘小山田信茂(侍大将)
杉森修平高坂弾正(侍大将)
油井孝太武田竹丸
山中康仁森蘭丸
音羽久米子竹丸付き老女
山下哲夫丹波長秀
阿藤海雨宮善二郎(近習)
江幡高志托鉢僧(乱波)
島香裕原甚五郎(近習)
田辺年秋傀儡子(乱波)
井口成人温井平次
山口芳満塩売り(乱波)
金窪英一甘利おくら(小姓)
杉崎昭彦信玄を狙撃した足軽
宮崎雄吾友野又市(小姓)
栗山雅嗣泥武者(野田城)
松井範雄酒井忠次
矢吹二朗伝騎
土信田泰史石川数正
曽根徳本多平八郎
フランシスコ・セルク宣教師
アレキサンダー・カイリス宣教師
加藤敏光医師付きの小者
清水利比古上杉謙信
志村喬田口刑部
藤原釜足医師
浦田保利観世流
金子有隣鏑馬武田流司家
渡辺隆鏑馬武田流司家
伊藤栄八鏑馬武田流司家
梁瀬守弘鏑馬武田流司家
ポール大河鏑馬武田流司家
大村千吉鏑馬武田流司家
【解説】
 巨匠・黒澤明監督が「デルス・ウザーラ」以来5年ぶり(日本映画としては「どですかでん」以来10年ぶり)に製作した、戦国スペクタクル巨編。武田信玄の影武者として生きた男の悲喜劇を荘厳にして絢爛な映像で描く。戦国時代。家康の野田城攻めの折り、鉄砲で撃たれこの世を去った武田信玄。弟信廉は信玄死すの報を打ち消すため信玄の影武者を立てる。男は盗みの罪から処刑されるところを信玄と瓜二つだったことから助けられたのだった。だが男にとって戦国の雄・信玄として生きることはあまりにも過酷だった……。製作費の高騰で計画が頓挫しかかったり、当初主役だった勝新太郎が監督との意見の相違から途中降板するなどの話題にも事欠かなかった。カンヌ国際映画祭グランプリ受賞。
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【ユーザー評価】
投票数合計平均点
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【ユーザーコメント】
投稿者:アリョーシャ投稿日:2016-05-09 17:53:33
この作品を観終わって感じたのは、この主人公を演じるに適切だった俳優は、当初予定されていた勝新太郎でもなく、勝降板の穴を埋めた仲代達也でもない、三船敏郎だったのではないだろうか、ということである。三船が若ければ、黒澤明も彼を配役したのではないだろうか。この主人公のどこか間の抜けた剽軽さは、やはり勝や仲代では表現できない、三船特有のものだと思う。
投稿者:sachi823投稿日:2013-10-12 01:18:23
公開当時久しぶりの黒澤時代劇と言うことで
期待して見に行ったのですが、内容に
関しては、いささか期待外れでした。
個々の緊張感のある素晴らしい
場面はあるのですが、
その勢いが続かないのです。
一番がっかりしたのは、ラスト近くの
合戦のシーンです。
あの場面を巧みと褒めている評論家も
当時いましたが、やはりファンとしては
過去の作品のような豪快な合戦風景を
期待するわけであれでは
満足はできませんでした。
投稿者:こじか投稿日:2012-12-04 23:05:30
【ネタバレ注意】

冒頭から圧巻。素晴らしい。

投稿者:jb投稿日:2012-09-25 20:24:23
なんだかしっくりこず。
投稿者:マネキネマ投稿日:2011-03-26 00:21:15
仄聞するところによれば、黒澤監督本人は、これを次回作「乱」のリハーサル的意味を込めて撮ったというのですね。つまり「ホンイキ」じゃなかったと。

実際撮影は様々なトラブルに見舞われ、あわや「トラトラトラ」の悪夢再び、という雰囲気もあった中、よくぞここまでの作品に仕上げたものと改めて感服する次第。

スローの映像が冗長という声も聞こえるが、それは思うに池辺晋一郎のスコアにも責任があるように思える。何せ同じテーマを延々繰り返されてはこちらの主観時間もぐだぐだになろうというもの。もっとも池辺氏にしても、音楽監督降板を受けての突然の起用で時間も足りず、やや「やっつけ」気味だったことは考慮してあげなくちゃ不公平だろう。

影武者の悪夢のシーンなど、あそこをスローじゃなく通常のスピードで見せられたら、それこそコントになる。やはりスローは必然でしょう。後期黒澤作品を特徴づける強烈な色彩と不気味な「お館様」の亡霊。このシーンは仲代の見事な肉体演技を「ほほー」と感心しつつ眺める鷹揚さが欲しい。

ショーケンの演技についていろいろ言われているようですが、おそらく初期のリハーサルでは彼なりにいろいろこしらえていたと思うのですね。でもそれを許さないのが黒澤演出。オーディションの段階で、監督はあくまで「面構え」で選んでいたそうですし、役者が自分の感性でいろいろ付け足すのを絶対許さない人だった。(たぶん三船だけが例外だった)ショーケンの勝頼も、丸裸にされたあげくにああした形で定着したのものと思われます。

勝新の主演で観たかったという声もよく聞きますが、こればかりはそれこそ幻の企画倒れ。あの二人は絶対合わなかったはず。(そう感じた若山富三郎氏はオファーの段階で信廉役を断ってます)結果として代役を務めることになった仲代氏も、そういう批評のされ方は不愉快と申されています。プロとして当然と思います。そもそも仲代主演となったことで、全体の演出も俳優陣のアンサンブルも変更されているわけですから、これは考えるだけナンセンスかと。

総じて、音楽の間がややいただけないという点を除いては、下の方がおっしゃっているように「サスペンス大作」としても充分楽しめるものになっていますし、随所にはっとさせられる力のみなぎった絵が見られ楽しめます。

今ふと気付いたが、後記黒澤作品を楽しむコツは、まさに美術作品を鑑賞する姿勢で観ることだと思うのですな。前期のアクションやら重厚で緻密なヒューマンドラマやらにぐいぐい引っ張られる感覚、映画的興奮を期待するから、どうしても評点が辛くなるのでは?

評価は7ですが、これはあくまで「乱」を10としてのポイントです。
投稿者:uptail投稿日:2009-05-22 10:15:18
仲代達矢
投稿者:まりっくりん投稿日:2009-05-17 23:02:25
【ネタバレ注意】

討ち死にを覚悟した大滝秀治たちが「風よ」「山よ」(…だったかな?)と言って別れを惜しむ場面がとっても恥ずかしいです。長篠の合戦をショーケンのリアクションだけで表現しようとする場面はコントのようでもあります。映画館で見ればまた違うかもしれませんが…。これがカンヌのグランプリとは…。

投稿者:verkhovensky投稿日:2009-03-15 21:13:38
【ネタバレ注意】

「影武者」はドラマとしてよく出来てゐるとは申せません。盗人が影武者になつてから、用済みで追ひ出されるまで、信玄の死を隠し通す苦心のエピソードを羅列する構成であり、劇的な組み立てが弱いからです。それにこの主人公は、まさしく単なる信玄の影法師で、観客を惹きつける特徴も魅力もなく、それがそのまま作品の欠点になつてしまつてゐます。

監督の意図は、やうやく意に適ふ表現が可能になつたカラーフィルムにより、武将や女人の絢爛たる衣裳、豪壮な構への城郭、重厚な内部の造作、贅をつくした調度品、作戦の評定、騎馬や足軽の整然とした進軍、凄まじい突撃...つまり戦国時代の文化を再現することにあつたのでせう。能の鑑賞、信長と家康が酌み交はすワイン、信長の有名な幸若舞など、本筋とは全く関係のない描写こそ、この映画の狙ひであリ、大変緩いテンポになるのもかまはず、くどくどとディテールにこだはつてゐます。高天神城の攻防戦などは、観客が期待する戦闘描写とも、黒澤の過去の作品とも懸け離れた、まるで閲兵か何かのやうな、ものものしい儀式と化してをります。

思へばルキノ・ヴィスコンティ監督の「ルートヴィヒ」も、狂王のエピソードを羅列する傍ら(影武者よりはまだしも描き甲斐のある人間ではあります)、19世紀のバイエルン文化を徹底的に描いた作品でした。冒頭の戴冠式の壮麗さは他に類を見ないでせう。そして「影武者」同様…通して観るのは苦痛です。10分やそこら、1枚の絵を見つめるならともかく、2〜4時間の時間芸術をかういふ調子でやられるのは堪りません。今はDVDのおかげで、休憩しながら観られるのが救ひです。

「影武者」の初公開時、萩原健一はスターでしたが、こんなに声量が乏しく、発音不明瞭なのかと私はびつくりしたものです。機器がデジタル化した今も、相変はらず出演者中ただ一人、台詞が聞き取れません。役者としては致命的です。これで歌手だつたのだから驚きです。

投稿者:ピンクガンスモーキン投稿日:2009-01-03 14:20:09
【ネタバレ注意】

たとえ何百件レビューが投稿されても、まず一人として「サスペンス映画」という決定的フレーズを呟きそうにないので、オレが書いておく。
これを鑑賞中、たった一人でも自力で「サスペンス」という言葉に辿りついた人間が居れば、その眼力に信頼を置きたい。
とにかく、見事なサスペンス映画だった(言ってしまえば、当たり前すぎるけどさ)。

もう少し正確に名付けるなら「身分差サスペンス」。
まあ、そもそも身分の高い人間が影武者役なら全然問題ないのであって(実際以前は弟の武田信廉がやっていたというストーリー)、身分の低いヤツを影武者に仕立ててしまったから、ハラハラドキドキさせるわけだ。そして、仲代達也の信玄だからこそ、安っぽくも重々しくも見える“両義性”を体現できた。ゆえに、一部(え?多数派?)レビュアーの「勝新太郎のほうが良かった」という感想には、断じて同意できない。
シナリオ的に見ても、この繊細な設定こそが最大のポイントで、黒澤明の才能の賜物だと思う(ぶっちゃけ『王子と乞食』のヴァリエーションなんだけどさ。だからカンヌでも受けたか?)。

映像的には、合戦シーンを含め、切り合いの絵が一つもない。センスを感じる。終盤、猛烈な銃弾を浴びせられる勝頼の騎馬軍団、すべてサウンドだけで表現している。馬の被弾シーンは全くない。そういうセンスが特徴的。
ただ、スローモーションを使っている部分が全部ダメ、とは言えるね――具体的には1時間50分頃の抽象的すぎる悪夢のシーン、ラストの死屍累々の現場のシーン。スロー要らねーだろ!!

他の特徴としては、全篇、バタバタ駆け回る馬のシーン(&ノイズ)を、シリアスな会話シーンと交代させ、緩急のリズムを作っている。何分おきに馬がバタつくか、統計的にグラフを描いてみれば、タメになると思うぜ。誰か研究してみれば?

とにかく、無能な「影武者」が、序盤は、戦地でバレないように、中盤は、帰還後の館の中でバレないように、重臣たちが目を光らせて監督し、幸い側室たちにもバレず、孫にもバレなかったのに、結局、愛馬に振り落とされてバレちゃう、というコミカルなお話。

あとの長篠の合戦シーンは、オマケだね(日本人は結末を知っており、サスペンス・ゼロ)。

ちなみに蓮実重彦は、この映画を1980年のワースト10位に放りこんでいる(分かる気がする)。

投稿者:NYY投稿日:2008-12-27 14:09:05
【ネタバレ注意】

映像は良いんだけど、テンポが悪いな。
そーゆー「間」を狙った芸術作品なのかもしれないが、そーゆーの
は『蜘蛛巣城』でお腹いっぱいだから。
もっと娯楽色を出した戦国物を見たかった。
誰が誰だか分らんから、役者をもっとアップにして欲しい。
合戦の場面も暗くて何やってるのか分からんし、勝ったのか負けた
のかもよく分からん。
これ、芸術としても娯楽としても、中途半端なんだわ。
 
「とっとと失せろ」って、テメエラから頼まれたからハゲ武者じゃ
なくて、影武者やってやったんじゃねーか、ふざけんな!
あーゆーキン●マの小せえ奴等だから、後で大敗するんだよ。
 
ボンクラな勝頼を、ショーケンがやってるのは良かったかも。
あの役は、今なら中村獅童かな。
 
ラストの長篠の合戦は良かったと思うんだけど、そこに至るまでが
長い長い。
子分達が皆、玉砕したんで、信玄を演じてる内に信玄になりきって
しまって乗り移るレベルにまで達していた仲代達矢は、体が動いち
ゃったんだね。
 
戦国武将と小姓ってホモ関係だったらしいから、小姓が迫ってきた
ら怖いね。
側室の女とかは、ヤッちゃえば良かったのに〜。
それくらいは影武者の人には、オプションでついてくるご褒美で
しょう。
側室とヤラせてもらえないのに、バカで救いようのない子分達と
一緒に死んじゃうなんて、まさに悲劇。
 

投稿者:にゃんにゃん投稿日:2008-12-21 13:36:27
個人的には黒澤の中でワースト3に入るかもしれない。
投稿者:民謡から演歌まで投稿日:2008-11-08 15:41:51
【ネタバレ注意】

「影」として連れてきた犯罪者な男は、ただお屋形様に姿形が似ているばかりでなく、結構な「役者」だった。
冒頭の舞台劇〜「静」の世界ですね。格調高いです。
何気に映し出される風景…窓を開けたら外は雪…こんな空ありえない…ってカットとか、美しいです。

この物語は「影」が如何に贋者とばれないでおれるかって所が、結構な緊張感…孫を手なずけ、夜のお勤めは病み上がりを理由にパスし…まさか「落馬#2」でバレるとは…いや刀傷を付けるんじゃないか?って内心ハラハラしてましたが…そこまでは強いなかった様で。どうせ体を見られたら他の特徴等でバレるのは間違いないからね。
ただキレ者、織田信長を3年に渡ってたばかった「功績」はでかいです。そう勝負は完全に彼の勝利です。
高天神城を力攻めで攻めきる勝頼…いや仲代達矢の演技も凄いのだが、この萩原健一が結構良いんだよね。

元々3年喪を秘すなどという遺言に従う気がさらさらない彼…戦えば強いか知らんが暴走します。そこには日本で最も偉大な戦略家の影が…そして家臣の制止も聞かず遂に長篠の戦いへ。

戦国最強の武田騎馬軍団二万五千が信長の「罠」の前に「消滅」する姿は(あの高天神城攻めで影武者を守って死んでいった少年の姿もそうなんだが)涙を禁じえません。何かの情報を入手して戦略を変えろよ…ひょっとして脳細胞も筋肉なのか?(結構良い事を言って慰める奴が傍にいたのに…それもマズいんだろうね)〜って悪夢と戦い守ろうとしたものが消えてゆく中で槍を掴んで一矢を報いようとする影武者…ってもう床机にいないし…

壮大、華麗…典雅に美、そして様々な人間の感情に成り代わり喜悲劇が絡んで…結構な面白さです。

投稿者:o.o投稿日:2008-10-06 00:45:28
10 億円以上の製作費を掛けたということで、さすがに普通の時代物とは映像の厚みが違いました (同じだったら問題でしょうが)。単純な自分はそれだけで満足してしまいます。他の武将とは明らかに異なる、体にフィットした西洋風の甲冑を着た信長が、実に颯爽としてかっこよく、彼を主人公にして映画を作ってもらいたいぐらいです。「風林火山」の意味を家臣から聞かされた主人公が、「山は動かない」を一つ覚えに難局を切り抜ける演出も楽しめました。

ところで、後半からの影武者の行動は、いくら何でも異常に過ぎるのではないでしょうか。ある時から、次第に自分のことを信玄だと思い込み始めているように見えます。竹丸のことも、実の孫だと思っているとしか思えません (「竹丸に会いたい。会って別れが言いたい」「竹丸だと、何を偉そうに!」)。それに、最後のあの行動は何なのでしょうか。気が狂ったのだとして、なぜあそこまで狂わなければならないのでしょうか。信玄公への想いだけでは到底説明できないと思います。

納得できる説明はたった一つしかない、すなわち、今は亡き武田信玄が現れた「夢の場面」をおそらくは境として、信玄の霊体が影武者の肉体を乗っ取り始めたということです (「さながら親方様が乗り移ったとしか思えん」)。少なくとも自分にはそうとしか考えられません。だとするなら、死人としか思えぬ顔色で、胸を掻きむしりながら武田家滅亡の様子を見つめ、武田家の家臣と馬がのたうち回る中を、織田軍に一人向かっていったあの男がいったい「誰」なのか、もはや言うまでもありません。

あの川は、信玄の亡骸が沈められた湖に、どこかでつながっているのではないでしょうか。欺かれることなかれ、あれは影武者なんかじゃない、という感想です。
投稿者:wanderer投稿日:2007-01-08 15:28:12
 冒頭、いきなり武田信廉が信玄に影武者を紹介するシーンで、ひきつけられます。武田信廉自信が影武者であり、他の影武者を紹介しているのです(史実でも信廉が影武者だったと言われているようです)。だから、同じ格好の3人が同じ衣装で画面には映っています。このシーンが5分ほど続いた後、タイトルが映されます。
 過去にどこかで見たような黒澤映画らしさが随所に見られます。信長が馬から飛び降りたり、城の石段をすごいスピードで駆け下りたりする泥だらけの武者。また効果音だったりします。

 しかし、ロケは北海道のようで(海外かと思った)、広大さ、スケールの大きさはもちろんありますが、それが天正二年の高天神城の戦いだったりすると、ちょっとイメージからかけ離れてしまいます。実際の高天神城は、山城で、広大な荒野を馬が駆け巡るような戦いはなかったでしょう。他にも、馬が走り回るシーンがありますが、どうも、その広大さと、釣り合わないのです。それはたぶん旗の大きさだったり、隊列の組み方だったりするのかもしれません。規模が大きければいいというものではないのでしょう。製作費が高くなって計画が中止になりかけたなんてエピソードもあったようです。

 長篠の戦いなど史実に倣ったところもいくつかありますが、決定的に違うのは、この映画のテーマでもある影武者でしょう。逆さ磔にされようとしている泥棒を救って、影武者に仕立てるなんて設定になっていますし、しかも、それが単なる敵の目をくらます的変わりというわけでなく、身内すらもだますような「影」というより「表」にも顔をさらすほどの「代理」なのです。もちろん、これこそがこの映画の狙いで、そのギャップが見どころと言えます。その滑稽さはまさに黒澤映画らしいのでしょうが、チャップリンの映画も頭に浮かびました。
 謙信と信玄の川中島の戦いを描いた『天と地と』が、史実(あるいは小説)に基づいて、ナレーションまで入れて作っているのとは対照的です。
http://homepage1.nifty.com/mt_hayashi/movies.html
投稿者:魚篭投稿日:2005-09-10 02:13:46
「影武者」の公開をどれだけ映画ファンは待ち望んだことでしょう。この映画が
公開された当時の熱気を忘れることが出来ない。「デルス・ウザーラ」から5年
ぶりの「国産」作品である。撮影進行と平行して飛びこんでくる様々なトラブル。そんなことは映画を見るものにとって、完成してくれれば大した問題ではない。
主役交代劇の裏舞台も、どれが真実かわからない俗説が横行する「藪の中」、
作品は完成した。会場はどよめいていた。黒澤が戻ってきた、あの黒澤が。
托鉢の坊主が三人、そのままの佇まいで席につくのを見た。みな、待っていた
のだ。
ビデオ版、DVD版の「影武者」を見て、映画の評価をするのは自由です。しかし、
映画には自ずと時事性が含まれている側面を忘れるわけにはゆきません。売れる
映画とはある程度時流にのっているわけです。黒澤は年をとりすぎてパワーがな
くなった、というのは当時を知らない者の言い分だ。黒澤は常に世界を見渡し、
自分の言いたいことを「映像」で語ってきた。戦後のドサクサ混乱期をものの見
事に映像化したといわれる「酔いどれ天使」「野良犬」は、絵でいえば「産業ポ
スター」に近い。その時代で映画の持つ真価が昇華され、時代とともに消えてゆ
く。そのドサクサを後世まで残る形にしたのが「羅生門」である。いつの時代に
も「藪の中」はあるものだ。
「影武者」は部類として前者に入るものだろう。黒澤は常に日本の政治を憂いて
いた。カンヌで「日本の総理大臣にも影武者」がいるのか、という質問に、命を
狙われるようなことをしない人間に影武者はいない、と胸の内を吐いた。武田の
重臣をもっとも強く描きたかったという監督は、「せめてこれくらいのスケール
をもつ大臣がいてしかるべき」と日本政治の理想郷を謳ったのかもしれない。し
かし現実から目をそむくことは許されない。行きつくところは滅亡なのだ。
評論家などは「乱」と共に「悲壮美」とこの映画を呼ぶが、黒澤は忠実に当時の
時事状況を戦国の世にすりかえ、盗人が戦国の勇猛武将の影武者としてその一生
を終えるドラマをサラサラと描いている。「七人の侍」のような油彩画、「蜘蛛
巣城」のような金箔墨絵、「どん底」のようなモルタイ・メディア・デッサンと
はひと味ちがう水彩画特大タブローを「影武者」は思わせてくれる。水彩画だから、下地の紙が少し見えるのは技術というものだろう。ただ、水彩絵の具は「退色」しやすい。油彩画のように長くもたないのはしかたのないことだろう。
投稿者:Stingr@y投稿日:2005-09-04 14:58:44
 黒澤は歌舞伎志向だったのだろうが,「様式美」と言う訳のわからぬ価値観で,映画をつまらぬ舞台作品のようなものにまで引き下げた。東洋美を信奉する外人にはうけるのかも知れないが,「型に嵌まった」映画ほど退屈なものはない。ストーリーは予定調和的に進行し,役者の演技も,時代劇ということを差し引いても型どおりだ。

 降板した勝新太郎が言うには(※),「信玄本人は全くダメな武将で,影こそ本当に優れた武将として描いた方が面白い作品になるはずだ,という自分の意見が黒澤と対立した原因だった」と。つまり,「信玄死す」と報じられた優秀な信玄は実は影で,あとにはダメな信玄本人が残り,本人なのに影にされてしまう,と言うことなのだろう。このどんでん返しが,玄人受けした黒澤と,庶民受けした勝の違いである。この映画を観るたびに,勝の意見が正しいと認識される。そして勝の意見でのみ、城を追い出される仲代(信玄本人である)の未練がましい最後が、より納得の行くものとなる。

 黒澤は,良く言えば孤高という,人の意見に耳貸さぬうぬぼれ屋なのだろうが,黒澤が勝に対して「天皇は二人要らない」と言い放ったことは有名。これは,「黒澤自信は天皇で,勝も天皇である。が,二人も要らない」ということだから,自分自身を天皇だと豪語したうぬぼれ屋の黒澤が,勝も天皇であると認めた言葉である。

 映画は歌舞伎じゃないんだよ,黒澤君!君自身も若い頃にはよく解かっていたと思うが…。

※“本当の降板理由”がどうあれ,この勝の言葉は,彼自身が語ったというウラが取れているものです。
投稿者:4531731投稿日:2005-03-27 23:34:30
 脇の演技がひどすぎる。影武者を追い出すとこの演技なんて目を見張るほどへぼい。学芸会か。興ざめした。黒澤は文句言わなかったのかな。中盤までは最高だったのに。
 音楽もTVのスポコンもののBGMみたいで軽すぎ。まあ作曲家はコナンの音楽やってた人みたいで、コナンの音楽好きだからあまり言いたくないが。やっぱり軽い。
投稿者:ご飯投稿日:2004-11-22 09:25:59
黒澤明の作品を映画館で観たのはこれが初めてのことである。高校生の頃だけど、フジテレビで黒澤作品が数本放映されていて、小さい画面ながら世界一の監督の作品が観られて嬉しかったし、評判どおりの面白さにすっかり魅了された。しかし、大画面でみる黒澤作品はテレビで放映されたものとはまったくの異質、しかも重苦しくがっかりした。よく言われることだけど、勝新太郎が降板したときに、三船敏郎が演じていればもう少し面白くなったかも。これ以降、遺作の「まあだだよ」まで映画館で観たけど、映画館で鑑賞した黒澤作品ではこれが一番面白くなかったのだった。もちろん、画面に張る緊張感は、凡庸な監督ではなかなか作ることの出来ないものだけど、この緊張感が、作品を硬直したものにしてしまったように思うけれど。黒澤監督の三船敏郎以外のもうひとつの「顔」、志村喬が少しだけ出ていてこれが最後の出演になってしまった。
投稿者:phantom投稿日:2004-11-21 20:36:47
【ネタバレ注意】

私にとってこの作品は非常にすばらしかったのですが、どうしても監督のカット割りと撮影に
不満が少し残りました。また全てではありませんが役者陣の演技は大変すばらしかった。特に信玄、影武者の仲代達矢さん、信廉の山崎努さん、信長の隆大介さん、勝頼の萩原健一さん。仲代さんは姿形が酷似していたという理由だけで巡り会う内面の全く異なる2人の人物を非常にうまく演じられていたと思います。影武者に仕立て上げられた盗賊上がりの男が武田家の悲痛な思いと、自ら押さえる事の出来なくなった思いに一命を懸ける事を決意し、日に日に信玄その人の威厳を極限の緊張の中体現してゆき、また竹丸との交流を通して人間としての幸せを感じるまでに至り、遂にはその天晴れな影武者ぶりで戦国の大大名達を翻弄する。しかし、自らを信玄その人と無意識の内に錯覚したその一瞬の油断が自身が影武者であった現実を自身の手によって暴く結果となる...。この作品のお話は私にとって非常に重厚で、さすがは黒沢監督と思いました。最後のシーンで影武者だった男が息も絶え絶えに不動の風林火山の旗印が倒れて川に沈んでいるのを見つけ、取りすがり立て直そうとして叶わず落命する所は、武田家の滅亡を防げなかった信玄と影武者に一命を懸けた男の無念さを表しているようでした。

投稿者:さち投稿日:2004-08-24 13:42:28
正直他の黒澤映画より数段劣る。画面の緊張感もないし、人物との距離がかなりあったように感じる。まあそれでもいい映画には違いないんですが。年をとるというのは才能さえも奪ってしまうのか?俳優も仲代以外は明らかに見劣りして大根。
投稿者:ゆんず投稿日:2004-07-06 16:57:47
【ネタバレ注意】

そのままの淡い色合いもいいですが、テレビの「彩度」をいじって白黒画像にして観ると、それはそれですごくきれいですよ。
作品の意図から外れた邪道な楽しみ方ですが、ご興味のある方は一度お試しあれ。

東宝の国内配給版より、20世紀FOXの世界配給版の方が、短く刈り込まれたぶんだけ全体が引き締まって、出来が良くなっているように思います。

細かいツッコミ:正体のバレた影武者を追い払う武田の郎党、石の投げ方が野球っぽい。http://www.hi-net.ne.jp/~shoyu/

投稿者:タリー投稿日:2004-05-16 10:40:32
オールドな黒澤ファンは、当時の黒澤氏に何を求めていたのでしょうか?モノクロ時代の黒澤映画を引き合いに出してきて、「あの頃は良かった」だとか。カラー時代の黒澤映画が嫌いなら、永久に、白黒の画面の過去の黒澤映画を観ててください。

それはそうと、この映画でよく出て来る話と言えば、勝新の降板。
しかし、自分は仲代氏で良かったと思います。晩年の信玄は結核でふっくらとはしておらず、頬がこけ目の仲代の方が、信玄に近い。
それだけではありません。仲代氏の独特の演技は、映画と言うより演劇のような雰囲気を持っています。端正な顔つきから生まれる大げさなお芝居が良い味を出しています。
特に冒頭の3人の信玄が話している場面。あの場面こそがこの映画のクライマックスだと思います。まるで目の前で行われている1つの舞台劇を見ているような気分でした。ちなみに、影武者の影だけが壁に大きく浮かび上がってるのが印象的でした(この演出の細かさこそ黒澤映画の真骨頂!)。

あと、この映画の登場人物は全て自分の思い描いている歴史上の人物のイメージに近いです。特に信長のイメージは、他のどの時代劇の信長よりも信長らしかったです。(演じていた方は当時22歳!蘭丸役の人とほとんど変わらない!)
投稿者:座間投稿日:2003-07-30 20:24:09
影武者を最初に観たのはかなり年齢が低い当時でした.その時の印象は,「期
待ハズレ」だったのですが,それとなく繰り返し観ていると,いろいろな発見
があり,その度毎に印象が変わっていったのが印象的でした.まあ,配役のイ
メージは実にはまっており,人物の描き方も,パッと目にはわからないけれど
も実に細かく設定されているのに驚きが増していった点が特に良かったと思っ
ています.最初は,隆大介の印象しか残らなかったのに,最近では,萩原健一
のつたない演技すら,役所に合っている気さえしています.
私的には観る度に,評価が上がった作品の5指に数えています.
※映像化されない設定がわからない(観たまんまが面白くなくてはダメという)
 向きには,つまらないかもしれませんが….
投稿者:cinemax投稿日:2002-08-05 01:05:42
◆ 前半は素晴らしい。特に影武者信玄が閲兵中に調子に乗って馬に鞭打ち、隊列の前を颯爽と走り抜けるシーンは、池辺晋一郎の軽快な音楽と相まって鳥肌が立つ名場面。土屋宗八郎(根津甚八)たちにたしなめられ、“これならどうだ”と親方様に変身してゆくシーンも涙腺が緩む。鷹天神城攻めのくだりから終局までは、様式美にこだわりすぎて眠気をもよおさせるものの、日本のホースメンを世界に知らしめた功績は大きい。
投稿者:古参兵投稿日:2002-03-22 09:54:20
評判はよろしくないようですが、私は好きです。ただ、確かに中途半端な面があったように思えます。黒澤監督が「もっと制作費と役者をくれー!」と叫んでいるような気がします。
投稿者:投稿日:2002-01-29 02:21:32
まったくもって面白くない。
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
□ 外国語映画賞 
 □ 美術監督・装置村木与四郎美術
■ パルム・ドール黒澤明 
□ 作品賞 
 ■ 監督賞黒澤明 
 □ 撮影賞斎藤孝雄 
  上田正治 
 ■ 衣装デザイン賞 
■ 作品賞 
 ■ 主演男優賞仲代達矢 「二百三高地」に対しても
■ 外国映画賞黒澤明 
【ニュース】
訃報、室田日出男2002/06/17
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