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ゴンドラ(1987)

メディア映画
上映時間112分
製作国日本
初公開年月1987/10/12
リバイバル→キューカンバー-2017.1.28
ジャンル青春/ドラマ

ゴンドラ

(C)2016 Teamゴンドラ All rights reserved


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【解説】
 伊藤智生の第一回監督作品。詩人の谷川俊太郎や記録映画作家の羽田澄子などから支持され、内外の賞を多数受賞した。伊藤智生はその後“TOHJIRO”という名前で、アダルトビデオの世界で活躍。
 良は毎日ゴンドラに乗って東京のビルを掃除していた。小学校5年生のかがりは学校のプールの時間に初潮を迎え、同級生からからかわれる。マンションに帰ったかがりは、飼っていた文鳥が傷ついていることに気づいた。ちょうどマンションの窓を掃除していた良は、かがりと動物病院へ行き治療費を払う。しかし文鳥は死に、死骸を母親に捨てられたかがりは家を出た。文鳥の死骸を探し出したかがりと再会した良は、彼女を自分の故郷である下北半島へ連れて行くことにする。
<allcinema>
【ユーザー評価】
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【ユーザーコメント】
投稿者:Katsumi_Egi投稿日:2017-05-20 23:38:51
 高層ビルの窓拭きのゴンドラ。ゴンドラからの街の大俯瞰カットに、海の波をオーヴァーラップする。街頭シーン等で水中から撮ったようなエフェクトをかけた画面がある。あるいは、ミルクを飲んだコップを覗いて、コップの底越しに見える部屋。その他、真俯瞰でカメラを回転させたり、走る少女を手持ちのカメラで追いかけたのであろう見事な移動撮影等、撮影と画面の技巧がちょっと吃驚するぐらい凝っている。少々古めかしさ(というか幼さというか)を感じる部分もあるが、映画を撮る喜びが伝わってきて、見ている私も嬉しくなる。

 また、ゴンドラ、エレベータ、小舟、といった宙ぶらりんの乗り物のイメージ。ゴンドラの昇降装置、自動開閉するブラインドカーテン、レストランの配膳ロボットといった自動化を志向する非人間的な機械のイメージ。あるいは、白と赤の色の主題(初潮、ミルクの白、白い洗剤、白い文鳥、文鳥の羽の出血など)。これらの隠喩も、青臭さを感じもするが、しかし、画面の面白さに繋がっており興味を引っ張られた。

 そしてもう一つ嬉しくなるのは、主人公の少女「かがり」の描き方が、前半と後半でかなり変わるのだが、その変貌ぶり、成長ぶりの対比がとても良い、というか、見ていて嬉しくなる趣向なのだ。さらに、木内みどりと佐々木すみ江に、共に風呂場のシーンがあり、いずれも「脱ぐ必然」等という事柄を一顧だにしなかっただろうと思えるぐらい、あっさりと胸をさらけ出すのにも感動する。

 そしてそして、あゝこのカットで終わればいい、というカットで終わる。それは多くのプロットを「宙ぶらりん」にしながらなのだが、そこがいいのだ。
http://www.page.sannet.ne.jp/egi/
投稿者:黒美君彦投稿日:2017-05-08 00:31:49
【ネタバレ注意】

リバイバル公開で拝見。1987年がもうそんなに過去の彼方に流れ去ってしまったのかとうろたえもしたし、この作品の無防備なまでの若さに赤面したりもしたのだが。
小学5年のかがりを演じた上村佳子を、87年当時谷川俊太郎は「不機嫌な少女」と称した。初潮を迎えた彼女は、映画の中でも少しずつ成長しているのが窺われる。そんな少女のエロスもこの作品の特徴である。
この作品では過去がいろんな形で描かれる。母親(木内みどり)の唯一の思い出の品である弁当箱に小鳥の死骸を入れられたことに対する怒り。良(界健太)が故郷に持つ過去の家族のありよう。舟を再建し、海に送り出す風景。
そしてタイトルのゴンドラから見下ろしたような俯瞰が多いのも特徴的だ。
表情のクローズアップが多く、さらに青森という極北の地に流れ着く、というところにはNHKの佐々木昭一郎のドラマの影響を感じないではない(もしかすると関係ないかもしれないが)。
とはいえ、ところどころ印象に残るシーンがあるものの個人的にはさほどのめり込めない作品でもあった。確かにあの時代の映像空間の形がここにはあるのだが…。だから寧ろ、この映画が作られた80年代半ばの「過去」感の方が印象的だった。若い観客が先入観なしでこの作品を観たら、どんな感想を抱くのか、そっちの方に興味はある。
ある種ファンタジーとして受け止めた方がいいのかもしれない、と思ったがどうなのだろう。

ところでどうでもいいことだが、TVでプロ野球が放送されているシーンがある。これは多分1985年7月18日の巨人−大洋14回戦。12-0と巨人が圧勝した試合みたい。西本が勝ち投手で、原、山倉が本塁打を打っている。映画の中のリアル、だ。

投稿者:4531731投稿日:2008-10-05 02:19:47
カゴの鳥は古典的なメタファーであるが、初潮が始まったという背景が
「純白の文鳥と戯れる少女」という図にエロチックな響きを加えている。

そして青森から東京に出稼ぎに来て、ビルの窓拭きで生計を立てている青年。
呪いのように付きまとう都会で生きる人々の生活の基本、どんなに近づいても遠いままの隔たり。
青年が窓をはさんで見つめる職員たちは幽霊のようであり、窓の外にいる青年もまるで幽霊のようである。
親が別居したのが原因で転校し、まだ友達もいない少女と出稼ぎにきた青年の生活を通して
都会の中の孤独がスマートに表現されている。
80年代の日本に突如として出現した「アントニオーニの衣鉢を継ぐ作家」と呼んでいいほど
伊藤智生の人間を見る目は洗練されており、同時に映画に対する志の高さと熱意を感じる。
当時、詩人の谷岡俊太郎が絶賛したほどだ。

心の声を語るためのロケハンも非常に入念で、チョイスされた景色はまるでこの映画のために生まれたようである。
実際の少女と青年の会話も詩情に富んでおり、うならされる。
リリカルかつ、瑞々しい再生の物語。

伊藤監督は現在はTOHJIROとしてAV業界でカリスマ的な監督として活躍している。
彼によるいくつかのAV作品はこの「ゴンドラ」の根底に流れていたモノを踏襲しており、興味深いが、
ぜひ映画界に戻ってきて映画を撮って欲しいものだ。
http://blogs.yahoo.co.jp/kristiancirkusjoe
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