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ドクトル・マブゼ(1922)

DR. MABUSE, DER SPIELER IMFERNO

メディア映画
上映時間187分
製作国ドイツ
公開情報劇場公開(劇場公開)
初公開年月1923/05/
ジャンル犯罪
フリッツ・ラング コレクション/クリティカル・エディション ドクトル・マブゼ [DVD]
参考価格:¥ 8,424
価格:¥ 35,000
USED価格:¥ 29,999
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【解説】
 オリジナル版は約4時間半に渡るラング初期の傑作で、「大博打師」と「犯罪地獄」の二部から成る。ドイツとスイス間の経済協定書を盗み出し、配下の組織を操りながら偽札犯罪を目論む狂人的な百面相の催眠術師、怪人マブゼ博士が繰り広げる犯罪模様を描く。ある意味ファンタジックとも取れる本作は、その後多くの類作品を生み、ラング自身も後に続編的な作品として「怪人マブゼ博士」(32)、(60)の二作を手掛けている。
<allcinema>
評価
【関連作品】
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【ユーザー評価】
投票数合計平均点
645 7.50
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【ユーザーコメント】
投稿者:o.o投稿日:2019-01-28 04:13:38
クラシック シリーズと称し、古いものから映画を順に見ている者ですが、サイレント映画もついにここまできたかという思いです。それなりに複雑で、長い (1 部と 2 部合わせて 4 時間 30 分) 物語を飽きさせずに見せるための様々な技法が使われていて、これまで見てきた映画より格段と進歩しているように思えます。ただこの作品、挿入される字幕がかなり長いものとなっています。それを見ると、内容の充実に対してサイレント映画という形式に限界が近づいているのかなとも思いました。

カリスマ犯罪者マブゼと、彼を執拗に追う検事フォン・ヴェンクの対決の物語な訳ですが、なかなかにスリリングな展開で、当時の人はそりゃ熱中したろうと納得です。武装して猛烈な抵抗を見せるマブゼ一味のアジトに、もはや警察では手に負えないと、軍隊を突入させるクライマックスには、ちょっと驚いてしまうくらい迫力がありました。正直、マブゼにはそれほどのカリスマ性を感じることはできませんでしたが、そのライバルで、常に沈着冷静なフォン・ヴェンクの方はすごくかっこよかったと思います。

当時 (1922 年) のドイツのブルジョワ社会がどんなものであったかを感じられる映画でもありました。株式市場への熱狂、違法賭博の横行、精神分析の流行 (マブゼは精神分析医)、交霊術などのオカルト ブーム、表現主義やアフリカ美術への関心といったアートの動向などなど。「欲望などない。力への意思があるだけだ」なんてセリフがありましたが、これって「ニーチェの思想」ってことなんでしょうな。反抗のための反抗としか思えないほどに体制に反抗し続けるマブゼは「力への意思」の発現だということでしょうか。たしかに、金や富のためというにはあまりにも不合理です。

全体的に不穏な空気に満たされた映画でした。1920 年代のドイツでは「堕落したブルジョワ文化」に対する批判が様々な立場から唱えられていたそうです。この退廃の中から何か「とんでもないもの」が台頭しつつある。そんなことを予言しているように思えた次第です。
投稿者:uptail投稿日:2013-11-04 11:13:04
フリッツ・ラング
投稿者:gapper投稿日:2010-03-23 21:30:41
 長いのがラングの欠点な作品。
 マブゼは能力ありすぎで、ここがこの作品の重要なポイントでこれを受け入れなければ面白くない。
 ラングらしくアートなセットなど良いところも多いが時代的に仕方ないが甘いところも多い。
 例えばマブゼの弱点の、能力を使った後の疲れをうまく使えていない。

 犯罪者と判事の対決など後の犯罪物のお手本であると思うが、追いつめられつ感じが弱い。
 マブゼの憎々しさを強調し判事の正義感の爽快さを強調すればもっと魅力が増したはず。
 ラングは映像効果を連発する割りに適切に使えているのだが、ラスト付近の判事の行き先を文字で現すのは不適切だろう。

 もう一つ惜しいのは、マブゼの犯罪を犯す理由が弱いこと。
 「欲望だけだ」とい言葉があるが、その欲望はどうやって生まれるのか?犯罪を犯すこと自体が欲望のようだが、それならなぜ犯罪を犯したいのか?
 2人の対決の根底を5時間弱あるのだからもっと語っていればもう一段上がっていたように思う。
投稿者:黒津 明二郎投稿日:2007-09-17 17:32:30
いわゆる‘シリアル‘つまり連続活劇の大作バージョンという感じか。ストーリーだけとってみれば、怪人二十面相レベルの荒唐無稽さである。あるいは、古臭い大時代的な講談といえばいいか。
しかし、カールホフマン・エーリヒニチュマンの夢幻的なキャメラ、そしてオットーフンテら美術陣の独創的なセットの数々!それを束ねて、とんでもない黒魔術的なスペクタクルに仕立て上げたラングによって、忘れられない映画になった。
もちろん、この超自然的な展開にはハルボウの功績も多分にあるのは言うまでもない。何にしても当時のドイツ映画の実力にはハリウッドに負けないくらい大したものがあったのだ。
それにしても、表現主義について聞かれたマブゼの「表現主義は遊戯だ」というセリフにはニヤリ。
演技陣。ロッゲはもちろん、リヒター・アーベルが印象に残った。
投稿者:はこまる投稿日:2007-04-24 22:19:05
紀伊國屋書店発売、DVDクリティカル・エディション・シリーズで鑑賞。
第一部 大賭博師・時代の肖像(全6幕、2時間35分)第二部 地獄・現代人のゲーム(全6幕、1時間55分)全4時間30分、2000年ベルリン/ミュンヘン復元版。
先に同レーベルより発売された『メトロポリス』(27年)同様に素晴らしいプリントからDVD化されています。伴奏音楽はオリジナルスコアが存在していない為、アリョーシャ・ツィンマーマンが担当。この犯罪巨編に不吉な彩りを添えています。

紀伊國屋レーベル恒例の豪華解説リーフレットは、映画史家の小松弘氏(字幕も)による「権力への意志 ドクトル・マブゼ」と同、小川佐和子女史による「原作者ノーベルト・ジャックの人物像」及び、詳細なスタッフ・キャストのプロフィール/フィルモグラフィーが収録。特に原作者についての記述は、その人物がほとんど知られていない為かなり貴重です。これは今後日本では唯一無二の資料となることでしょう。

本国ドイツでの公開は1922年4月と5月。日本での封切りは翌年の大正12年(1923年)5月1日。当初は完全版の21巻で輸入されていますが、封切り時には15巻に短縮されています。
が、しかし、いくら短くなったといっても15巻。同時期に日本で公開されていた洋邦問わず一般普通映画の約3倍の長さです。例外として、同じ頃に輸入された怪物シュトロハイムの『愚かなる妻』(22年)の15巻や、この時期まだ公開されていた連続活劇(シリアル)が全巻トータルして15巻というのがあるものの、その他のパラマウントやユニバーサルの映画でさえせいぜい6巻ぐらいです。『ドクトル・マブゼ』の突出が際立ちます。

ちなみに、この年(大正12年)日本映画界がどういう状況だったかというと、年間の封切り本数が約240本(外国輸入映画は480本)ぐらい、大正14年から始まる大量生産時代(翌年の大正13年には一気に460本と倍増、以後、戦時体制に入る昭和15年間までの15年間、年500本〜600本で推移)直前の時代です。(2006年、活況を呈したといわれた日本映画は417本公開)
栗島すみ子人気により、ようやく女形(衣笠貞之助など)が廃止に向かいつつあった時期であり、この年の関東大震災で消滅する日活向島や、まだ脚本家だった伊藤大輔が在籍していた松竹蒲田がおおよそ4巻から5巻の映画を家内工業的に製造しています。日活の田中栄三が日本映画初期のエポックといわれる『京屋襟店』(8巻 22年 12月封切り)を放ち、彼の弟子だった溝口健二が23歳で一本立ちして2月に『愛に甦る日』(6巻 23年 2月封切り)でデビューしています。

さて、ものすごく前置きが長くなりましたが、『ドクトル・マブゼ』です。
オープニングのオランダ/スイスの秘密商業協定書をめぐる大混乱を描く第1部・第1幕から、マブゼが偽札の中で発狂する第2部・第6幕まで、テンポよく迫力満点。ラングによる4時間30分の大いなる交響曲を堪能できます。
この描写の強靭さは尋常ではなく、大陸の文化のみが持ち得る重厚かつ強固なスケールに圧倒されます。キャメラはカール・ホフマン、美術はオットー・フンテ他、表現主義を咀嚼した細部には揺るぎがありません。

退廃、堕落、混乱、無秩序。明らかにラングはこの映画を撮る為にその身を暗黒の世界に置いています。
人間の欲望がそのまま動き回っているかのようなマブゼ博士。彼は人生に退屈しきったトルド伯爵夫人に向かって不敵に言います。

「愛など存在しない。あるのは欲求だけだ。力への意志だけだ。人間とその人間の運命を弄ぶのだ。」

野暮に見える検事ヴェンク以外、出てくるのはほぼすべて悪人や、非生産的な人ばかりですが、ただここでの悪人というのは、別に「悪いことをする人」というわけではなく、反社会的な行為をすることにより生きる力を得ている人々のことを言います。

「破滅」、この言葉がラングの魔法「意志の力」にかかると魅惑的な黒い光を放ち、人々を魅了せずにはいられません。
また、現在、新世紀を迎えても、なお混迷の度合いを深め、争いに明け暮れる世界を見るにつけ、マブゼは現在もいたるところで暗躍し続けているのでしょう。

そして、このフリッツ・ラングという偉大な映画監督は、1976年のその死より約30年後、21世紀のここ日本において復活を果たします。『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』(05年)に主要なキャストとして堂々登場し、「私はドラゴンを見なければならぬのだ・・・」と嘯くことになりるのです。
この優れた日本製アニメには、ラングとウーファスタジオ、そして『ドクトル・マブゼ』が作られた時期、ヒトラーの影に覆われようとするドイツの状況がよく描かれているので、興味のある方はどうぞ。
投稿者:ミュジドラ投稿日:2006-05-12 19:20:40
 ラングのドイツ時代の作品の常連、ルドルフ・クライン・ロッゲの熱演は見物。様々な人物に変装して悪事の限りを尽くすというストーリーは、『ファントマ』の影響を受けているように思えるが、この作品にはあちらのような無邪気な荒唐無稽さはない。冒頭の株式市場を混乱させたり、偽ドル札を作らせたりするシーンなどを見ていると、催眠術を使うかどうかは別にして、マブゼのような人物は実在するかもしれないと思えてくる。
投稿者:Ikeda投稿日:2004-05-24 08:46:03
1922年に作られた犯罪映画の大作なので、これ以後の作品に大きな影響を与えたのではないかと思います。催眠術師のマブゼに扮するルドルフ・クライン=ロッゲが、偽札、株式操作、窃盗、誘拐、殺人など、あらゆる悪事を働きますが、フリッツ・ラングはそれらを全体のストーリーの中に、うまく組み合わせて、不自然ではないようにしているのは流石です。サイレントなので、各役者の動きや表情がオーバーですが、特にルドルフの暗示をかける時の形相はすさまじいものがあります。警視になるフォン・ベンクにしても、それと解るマスクです。マブゼは催眠術師といっても、超能力的な事もやりますが、幻想的な場面で偽札にまみれるラストシーンも強烈です。
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