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ニンゲン合格(1999)

メディア映画
上映時間109分
製作国日本
公開情報劇場公開(松竹)
初公開年月1999/01/23
ジャンルドラマ
ニンゲン合格 [DVD]
参考価格:¥ 3,024
価格:¥ 1,982
USED価格:¥ 1,780
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【解説】
 14歳で事故に遭い、24歳になるまで意識不明に陥り、ある日ふと目覚めると家族は崩壊していた。主人公が目覚めたことで崩壊していた家族の関係が新たな展開を見せる様をリアルに描いたドラマ。14歳で交通事故に遭い、病院で10年間昏睡状態だった吉井豊。目覚めた彼のもとに父親の友人・藤森が10年分の雑誌やビデオを持って見舞いにきた。交通事故の加害者もやって来た。が、肝心の家族は誰一人来ない。両親は離婚し、一家はバラバラになっていたのだ。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
968 7.56
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【ユーザーコメント】
投稿者:クリモフ投稿日:2013-07-25 01:47:12
淡々としている演出で妙に冷めているし(まず主人公が)、どこにも力点がないようなストーリーですが、気付かないうちにその鋭さに息苦しくなるような感覚もある不思議な映画。
正直面白いのかは、かなり微妙で、劇中カタルシスを得るような場面はほぼないし、(的はずれながら)貧乏ならこうはいかない、という感想も持ってしまいかねません。
まぁ結局ラストなんですが、これは反則気味。でも何か「はっ」とさせる一枚のポストカード。見せない、ということをここまで武器にしてくるとは思いもよりませんでした。うーん、この後読感というか、余韻でこれまでの話が少し違って見えてくるから不思議。
決して好きな映画ではないですが、表面上は淡白なのに辛辣という、独特の演出が気になる作品でした。
投稿者:ピンクガンスモーキン投稿日:2010-06-21 12:38:26
【ネタバレ注意】

ああ、感動したなあ。
ラストの5分間、とくに。
それまでの100分間のシラケ・ムードが一度に覆され、ダルさの果てに思いがけない透明感が待ちうけている。
「余韻」というものを久しぶりに味わえ、ジンとしたものが内蔵から両腕に走りぬけた。

基本的には、非リアルな演出で、俳優たちの形式的な所作と、気持ちのこもっていないセリフまわしが特色だから、若干シラケながら観るのがちょうど良い(というか、それ以外に方法が無いだろう)。

画面を「黄色」で繋いでいるというのはバカでも気づくことだが(椅子、カーテン、Tシャツ、プリントゴッコ、リボン、自動車など)、全篇「緑」の多いロケーションが心を落ちつかせる。
黄色い被写体の連鎖を追いかけつつ、カウントしながらリズムを取り、「赤」を差し色にした抑揚の無いドラマを冷ややかに眺めていると、段々いい気分になってくる。
そして最後に、すっかり忘れていた「出会い」へと視聴者を送り返してみせるその手腕に、舌を巻くことになるのだった。
その感動は、うまく説明しにくいが、観りゃあ分かる。「この映画、どうやら感動は無さそうだな……」と虚脱しながら思いこんでいた「ロスタイム」の油断を突き、「いや、おまえ、『問い』を忘れてただろ?」と盲点だった「答」を突きつけられる痛快さ。「答」を見てから「問題」を思い出す瞬間が、貴重でたまらない(観りゃあ分かる)。

つまり、「回顧」というのは、解答を振り返るのではなく、問題を振り返る心理をいうのだ、といった逆説的な認識に到達させずにはいない作品。見終わった瞬間にジワリ頭が冴えてくるような、知的な味わいがある。
まあ、傑作に近い。

テーマ的には、擬似家族の礼賛で、象徴的に見れば、映画制作それ自体が一時的な人材(監督・俳優・裏方)の協力体制だから、「擬似家族」的でもある。だから、自己言及的な映画と言えなくも無い。
しかし、そんなことはどうでもいい。
「こんな恋愛映画、観たことねえぞ」という驚きのほうが重大である。
気配を消すことに成功している恋愛に直面する衝撃。
当事者がいなくなってから浮かび上がる、極めて稀薄な恋愛。
若者の恋愛をここまで「稀薄」にして見せる、というのはなかなかお目にかかれない。
(ぶっちゃけ、黒沢清の本質は少年的な要素・感性だ、とオレは感じた)。

(余談:「洗濯バサミ、取って」と言われた主人公がグッタリしている姿をカメラが捉えた瞬間、彼がふたたび昏睡状態に戻ったのだと「感動」させられそうになったのは、オレだけじゃあるまい。これは、そんなベタな感動を拒否している映画だ。)

投稿者:pn投稿日:2009-09-25 21:42:18
作り手のあざとさが目についてしまって
どうしても受け付けませんでした。
残念!
投稿者:QUNIO投稿日:2009-03-18 17:03:35
青山真治が今村昌平の『うなぎ』について「あれは妻を殺害して警察に出頭するところで映画は終わってる。あとは全部余白で出来ているような映画。まあそこがあの映画のいいところでもあるんですけどね。」と樋口泰人との対談で語っていましたが、本作も然り。あるいは死後の世界で生きる意味を見出す若者の寓話とも思える。西島秀俊の飄々としたオーラが何ともいえない爽やかさを醸し出している。ダンボール箱パコパコはこの監督の主義主張のようで少しうるさくもあるが(それが映画的興奮だと言う人はさて置き)独特な世界観を作り上げていて巧い。
投稿者:ロシアンブルー投稿日:2007-06-25 16:40:54
【ネタバレ注意】

これは一人の幸薄い青年の悲しい物語なのでしょうか、こん睡状態の青年が見た夢なのでしょうか。邯鄲夢の枕のような不思議な話なのです。藤森が出て行って一家が戻ってくるシーケンスが主人公の空想のようでもあります(母と妹が去ったあと台所に残るフライパンは彼女らが来る前に主人公が自炊していたシーンのすぐ後のようにも見える)。前半部分の嫌がる豊を藤森が引きずっていく(この映画に何度も現れるイメージ。神代辰巳の『青春の蹉跌』を思い出す)シーケンスで、飲み屋で飲んでいる藤森のところに豊がやってきて、藤森があることについての首尾を訊くのですが、前後のいきさつから同窓会のことと思われたのです。ところが実はそうではなく実際のところナゾなのです。まさか性的なイニシェーションを受けさせたということでもないだろうと思うのですが?後に出てくる同窓会後友達と古書店を襲うシーケンスが豊の妄想と考えれば、つじつまがあうかもしれません。豊が出会う歌手の赤いドレスは『CURE』や『叫』にも出現し、ある種の甘美な喪失感とでもいったものを演出しているように思えます。主人公がいまわのきわに「これは夢なのか?自分は本当に存在したのか?」と問うことで、それまでの物語世界が一気に瓦解するところが凄いのです。

投稿者:かっこう投稿日:2007-05-13 21:05:57
家族が離散するにしても、普通なら徐々にそれがおこる。豊の場合は、仲のよい家族だった10年前から、一気にバラバラ状態になったために、あまりにもショックが大きかったろう。設定がうまい。
淡々としすぎている豊の受け答えには少々イライラしたが、藤森に抱きつくシーンを見て、色んな感情を我慢しているのを感じた。
前半は退屈で正直見ていて辛かったが、段々と引き込まれていった。
投稿者:8397MT投稿日:2006-10-09 02:51:03
【ネタバレ注意】

DVDのパッケージに家族を題材にしたと書いてあったが、違うように思えた。

なんだか非常におさえられた感じのする演出で、無駄な意味をすべて切り捨てようとしているようだと思った。でてくる役者も主要メンバーは有名な人だけども目立たせまいという努力があるように感じられた。途中出てくる歌もなんだか微妙で印象に残らない。

おもしろいと感じられたのは吉井君の感情が伝わってくるようなところ。こういうところがなければ見続けるのはつらいものだったろうと思う。

過去についての話だと思った。それだけじゃないと思うけど。
乱雑に物をダンボールに詰め込まれた捨てられた部屋や、産業廃棄物の山は頭の中の記憶を意味しているように思えた。
多くの人は過去の記憶はいいことも悪いこともゴミのように捨ててしまう。そのなかで十年寝てた吉井君は昔のよかったことを覚えていてその中で生きようとする。
馬とか牧場が出てくるのは、西部劇かなんかと関係あるように思える。
しかしやっぱり過去の中では生きられないなということで旅立とうとするが、死んでしまう。
死んでしまうのは過去の一部である馬を連れて行こうとしたからかなあと思った。

過去と完全に決別しようという監督の意思のように感じられた。

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追記
サム・ペキンパー監督の「砂漠の流れ者」という映画を見たらこの映画に似たところが色々とあった。休憩所的なものをつくるところとそれからラスト。DVDのオーディオコメンタリーに収録されていたペキンパー研究家の話しによると主人公が死ぬことで寓話が完成するとのこと。

投稿者:まー投稿日:2005-04-17 16:20:25
設定はかなり奇をてらっているし、かなり妙な話ではあると思う。でも、脚本がとても淡々としているので+−ゼロ?な感じですっと話に入っていけた。
監督さんの傾向や、哲学?的なことはよく分かりませんが、映画としてみたときに最後まで画面にひきつけられたので、面白かったと思います。
日本映画も捨てたもんじゃないですね。めっちゃ心に残るというよりは心にひっかかる映画でした。でも、好きです。
投稿者:堕落者投稿日:2004-08-15 23:29:01
絶望のない所に希望はない。その逆も然り。
所詮,幾ら血の繋がった家族と言えども結局は他人にしか過ぎないし,血が繋がってるとか,家族だからだとか,そんなのは全て幻想に過ぎないですね。やはりみんなバラバラなんです。だから,家族が崩壊したってしょうがないし,無理矢理引っ付いていく意味もホントはない。そこで世間では世間体や単なる形だけを求める中身のない議論や何の意味もない危機が語られたりする。重要なのは人間としての視点だろうに・・・。誰も疑わない所を誰も疑がっていない様に思える。その無意味さ。そういう奴らは人間失格なのです。人間として失格の奴らに人間の事が語れる訳がないでしょう。笑 もう全ては目の前で起きている事なんですからね。
模範的?な家族はこうだとか,立派?な家族はこうだとか,本来のあるべき姿?はこうだとか,黒沢はそういう事を崩壊した家族を通して言わないし,そういう見え透いた手を使ったりしない。黒沢は絶望を語る事で希望を語っているのだろう。それって凄く大切だし,安心しますね。
投稿者:民生1973投稿日:2004-07-12 03:27:15
生理的に自分とは合わない作品。
なので、良いとか悪いとかは論じられない……。
投稿者:アリエアー投稿日:2004-06-11 02:24:56
【ネタバレ注意】

タイトルとかパッケージはいかにも感動を押し付けそうな感じだけど、全然そんなことない。とてもよかった。
淡々とした描写の中に宿る、淡々とした悲しみ。これといって美しいシーンは出てこないのに、そのどれもが心の片隅にとどまっている。(ただし、チェーンソーン振り回すとこと、豊が藤森と抱き合うとこは唐突であまり感情移入できない)
ラストにふっと音楽が流れた時は少し面食らったけど、後々じんわりくる。
結局皆、豊には関心なくて自分のことしか考えていない。豊は無関心を装いつつも、みんなのことをずっと忘れずに思っていた。
それが、悲しくも美しい。

投稿者:theoria投稿日:2003-03-03 20:42:01
自動車の過失事故によって昏睡していた少年期の10年間を、無駄にされたというよりは、その覚醒する迄の苦悩の現実から遮断されていたことを謙虚に、且つ幸いだったと受けとめるべきだという見解を、この導入部を見るだけで、大凡の観客は抱くであろう。その知らぬ10年の歳月での出来事に次第に気付き、その重圧に打ちひしがれ、自暴自棄になっていくであろう展開は大抵の観客には察しがつく訳だ。主人公の吉井豊(西島秀俊)のリアクションは、黒沢清という巧妙な職人の手に掛かれば“さもあらん”という感じで描写され、果たしてどんな風なラストが待ち受けているのか・・・とハラハラさせられる。手に汗を握らせるという“勘所”をこの強かな監督は弁えているのだ。そんな彼はやってしまった。『悪魔のいけにえ』のレザーフェイスだか、『13日の金曜日』のジェイソンよりも心理的に煽ってチェーンソーを振り回して恨みを晴らそうとする加害者の室田(大杉漣)の復讐劇。室田の気持ちは痛いほど理解できるのでウ〜ム。ある意味、ジェイソンより真に迫っているだけに恐い。しかし、それを巻き返すユタカ君。ここら辺の演出は実に見事だ。こうきましたか・・・と。姑息ではあるが“ヤラレタ”と思った。しかし、職人面をひけらかし過ぎている弊害なのか、臭い“仕掛け”が目立つ。やたらとダンボール箱やら、釣り堀のプール、トラックの荷台、スクラップの冷蔵庫etc・・・といった“箱型”のイメージを調子に乗って誇張して「死」=「四」のシンボライズ(?)だかに見立てさせるのは、余りにもクサイ。心理学的な言い訳も全く通用しまい。この監督の作品は確かに“つい観たくなる”魅力があり、その何れにもマンマと嵌められるのだが、本質的にはそれ程、人間の本性を掘り下げた作品として成立し得てはいないように思える。監督ご自身が“金のなる木”たる客を意識し過ぎて、本当はそれを理解しているにも拘らず意図的に“やっている”可能性は充分にあろうが・・・。しかし、少なくとも彼の大半の作品については、彼のマジックというか“運転”に終始、身を委ねていれば、極めて面白い。変化に富む景勝地に連れて行ってくれる。ただ、一旦、懐疑的に、そして直截に観てしまうと、立ち所に腰が砕け、実は異様に作為的で、タダの近年の邦画に共通の凡作であったことが白日の下に晒される。細かい指摘ではあるが、本作ではV字路でユタカと出くわしたエロエロ歌手の洞口依子だが、あんな役など全く不必要。しかもド下手クソな洞口依子の歌など黒板を爪で引っ掻く不快感を伴ったのみ。“カナメ”に役所広司を擁して、黒沢清は現代日本の映画人としては期待できるのだろうが、ホンモノの一級の職人ならば過剰な自負は禁物であろう。『回路』など観ていると“めまい”がして吐き気を催す。
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
■ 主演男優賞西島秀俊 
 ■ ベスト10第4位
【ソフト】
  商品名  発売日  税抜価格  
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