トラ・トラ・トラ!(1970)TORA! TORA! TORA!
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【解説】 1941年12月8日の日本軍による真珠湾攻撃の全容を、日米合作オールスター・キャストで映画化した超大作。当初、日本側監督には黒澤明が予定されており、幻の“フライシャー=黒澤”作品に思いを馳せない訳ではないが、これはこれで重厚にまとまっている。日米間の情報戦を軸とした前半もダレる事はなく、いよいよ後半の戦闘シーンになると映画のテンションは最高潮となる。巨費(3300万ドル)を投じて再現した真珠湾攻撃の模様は、まさに圧倒的。戦争責任などはひとまず置いておき“破壊によるカタルシス”を存分に味わうがいい。この後、戦争映画やTVで、何度このフィルムが流用されたかを考えれば、このシーンの迫真性が判るというもの。日米では公開されたバージョンが異なり、当時のパンフレットによると日本公開版は155分であり、渥美清も出演している。 ![]() 【関連作品】
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「四方の海みな同胞と思う世になど波風の立ち騒ぐらん」なんて明治天皇の御歌、この映画で覚えちゃいました。
何度観ても大満足の日米合作戦争娯楽巨編。(ジェリー・ゴールドスミスのスコアも素晴らしい!)
はいまでも "sneak attack" いわゆる「騙まし討ち」と呼び、日本軍の卑劣さ
ひいては日本人のズルさを "Remmeber Pearl Harour" の掛け声よろしく、忘
れずにいようと心の奥底で叫んでいるようである。ふだんは日本人に対して悪
感情をもたない人たちでも、ひとたびアメリカ魂に触れるようなことになれば、
"Remember Pearl Harhour" はまたその鎌首をもたげるのである。踏絵ではな
いが、アメリカ人と一緒にこの映画を見るとよい。攻撃される自国軍を見て、
理由はともあれ憤慨するのがアメリカ人の「普通の人々」である。
黒澤明が「八月の狂詩曲」で、アメリカ人の原爆投下を非難したと、米国の
ジャーナリストや映画を見た一般市民は、こぞって日本のアジアに対する残虐
行為を無視した「隠蔽作品」となじりになじった。ヒロシマ、ナガサキに落ち
た原爆は、日本のアジア侵略に対する制裁などだと、インフルエンザにかかっ
たような子供だましの反響さえあった。
もし、黒澤が当初のフォックスが考えていたとおり、この映画を完成していた
らどんなことになっていたであろう?いや、それはごく一部の黒澤ファンの切
ない夢物語にすぎない。現実をみれば、黒澤があの映画を完成させることは不
可能であったと、日本側のスタッフさえ言うほど、撮影は困難を極めたことは
周知の事実になっている。デマやウソが飛び交うなか、黒澤は監督を事態表明
し、「黒澤版トラトラトラ」は幻となった。
しかし思う。実際の真珠湾は黒澤本人であったのではと。フォックス側、日本
側プロダクションの双方から攻撃をかけられ、巨大黒澤艦は轟沈した。壮大な
夢、映画史上屈指の作品が作られようとしていた。それはアメリカ人の威信を
完膚なきまでに叩き付けうるものであったろう。これはまったくの想像だが、
ひょっとすると、圧力がかかり、黒澤のホラー映画制作中止に踏み切ったので
はないか!??
黒澤は死にかけたが、生き返った。映画「乱」の冒頭シーンを思い出していた
だきたい。馬上に佇み、静かに獲物を待つ侍大将たち。この「トラトラトラ」
の冒頭シーンに酷似している。尚、「トラトラトラ」のラストシーンは、燃え
るハワイのアメリカ海軍艦隊にクレジットが流れるが、これは、映画化されな
かった黒澤脚本「達磨寺のドイツ人」のラストによく似ている。浅間の爆発を
見た主人公のドツ人ランゲの「アサマハ、イマノ、ニホン」と銃後の日本を予
想させる不穏な響きで終わる。黒澤は、自分が描けなかったシーンを必ずいつ
か描いてみせる映画作家であった。一度死んだ映画が再び生き返ることになっ
た「乱」はトラトラトラの遺骨をみせているようだ。
監督は降板、日本側の俳優陣も大きく変わったが、黒澤の魂がズタズタに切り
裂かれた屍である以上、襟を正さずこの映画を見るわけにはゆかない。
最後に、アメリカ軍の描き方が甘いという指摘があったが、真珠湾攻撃シーン
はともかく、アメリカ人演技指導は、黒澤が総指揮をしていれば、監督交替に
つながりかねないほど、頼りない。あのジェイソン・ロバーツが、"civil
population" をまともに発音できないのである。やはり黒澤には奇襲攻撃をか
ける敵が多すぎた。
両国の腹の探り合いは何ともスリリングです。日本の軍人がカッコよく描かれてるのはいいのですが、それに比べて米軍のルーズさがコメディみたいに見えてしまうのはご愛嬌でしょうか。音声解説によると、このルーズさも史実に忠実らしいです。
米公開版は145分。少々長めですが、全く退屈しません。ラストの奇襲シーンも大迫力でございます。この時代にこれだけ撮れていれば十分でしょう。フォックスはこの作品のリメイクを作って、『パール・ハーバー』を笑い飛ばしてほしいところです。現代の技術で撮りましょうよ、いい作品を。
[2006-9-4]
久しぶりに再見しました。今回は日本語字幕なので落ち着いて見られましたが、かなり事実に近い感じがしました。何よりスタッフ・キャストに日本人が参加しているため、洋画によく見られる下手な日本語や行動がないことが良いです。
また前回はそれほど感じませんでしたが「海行かば」「海」のメロディが懐かしく、きびきびした日本兵が出てきますので、戦争中に見た「ハワイ・マレー沖海戦」をもう一度見てみたくなりました。
また、冒頭の字幕で「日米開戦が2次大戦の始まり」としているのに気がつきました。この作品でも、まさか自分の領土が直接攻撃されるとは思っていなかったアメリカ人の悠長な態度が多く見られるように、そう考えるのも当然だと思いました。
でも出演者の殆どに素人を当てるっていうクレイジーぶりだけで見たくなるってもんだよな。結局はそんなクレイジーさが積もり積もって降板という結果になってしまったわけですが。
でもどうせ金をかけるなら、あのパール・・・何とかとかいう映画みたくマジメに撮ってクレイジーな映画になるより、クレイジーに撮ってマジメな映画になった方がよかったのではないか?まぁ黒澤だからって決していいモノが出来たかどうかってのは今となってはわかりませんが、脚本に小国英雄と菊島隆三の名があるから余計に気になる。
でも、そんなこんなで出来た完成版も何とかハーバーの何百倍もいいモノではあります。
何かと引き合いに出されるパールハーバーもかわいそうではありますが・・・
でもこういったマクロ戦争映画も久しく作られていないなぁ。
さらに日本の最後通牒の遅れの描き方も実に上手く、それと同時に、最後通牒は行われていると信じ作戦を遂行したパイロットたちの気高い姿も充分に描けているし、はたまた高次元な作戦を頭の中で描いていた山本司令長官と、それに戸惑いを覚え、山本についていけなかった南雲中将の目に見えぬ対立のようなものも暗示しているし、戦前・戦中の日本海軍の心理的状況もしっかり捉えられていると思います。
要するにこの作品は、日米両側の様々な要素をバランスよく的確に用いており、変に「日本は奇襲を仕掛けた悪者」だとか、「アメリカは日本を意図的に窮地に追い込もうとしていた」などという意識を観客に持たせないという点で好感が持てます。それでも両軍の姿に納得がいかない場合は、自分で調べるなりして答えを探せばいいでしょう。
作品のスタンスばかりに筆が向いてしまいましたが、真珠湾以前の両国の動きを、前半90分を用い、尋常ではない緊張感をもって描いており、ボルテージがあがり切ったところで真珠湾攻撃のシーンに映る。朝日をバックにした飛行機の出撃シーンは息を呑むほど美しく、ハワイ基地での大規模な空襲シーンには圧倒されます。役者では、上層部に足を引っ張られつづけたキンメル将軍を演じていたマーティン・バルサムがよかったかな。