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奴隷戦艦(1962)

BILLY BUDD

メディア映画
上映時間112分
製作国イギリス/アメリカ
公開情報劇場公開(AA)
初公開年月1962/11/27
ジャンル文芸

【解説】
 戦艦に新しく乗り込んだビリー・バッドは、善良で気の良い若者だった。だが、彼を理由もなく憎悪する水兵長が、ビリーに殴られて死んでしまうという事件が起きる。ビリーに同情的な艦長は、彼を救おうと努力するが、軍法会議で死刑が確定する……。俳優P・ユスティノフが脚本・監督を手掛け、戦艦という限定された舞台で展開する人間ドラマを描いた意欲作。
<allcinema>
評価
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【ユーザーコメント】
投稿者:noir fleak投稿日:2013-11-02 08:56:51
という意味にも取れる。一方で bad と同じ発音。ここにハーマンメルヴィルは何かの皮肉を込めたのだろうか。
演出、俳優、ストーりー、撮影の総てが素晴らしい名作だ。些細なことながら、船内の場面でも必ず揺れている! 本当に船の中にいるような気分になる。Pユスチノフ監督に脱帽だ。演技のほうは言うまでもない。
これが映画デビューらしいTスタンプも見事だ。どもる時といいほほ笑む時といい、忘れ難い。最後に叫ぶことばと、それに衝撃を受けるユスチノフ船長。
これは映画史上まれな名場面と思う。
大英帝国海軍の栄光と悲惨、、、、、こんな思いでアメリカ人のメルヴィルは
本を書いたのだろうか? もちろんバッドは若く純朴なアメリカで、悪のRライアンと規律のユスチノフが英国の象徴だ。
投稿者:クマサン投稿日:2008-06-18 23:41:25
『白鯨』でも高名なハーマン・メルビルによる小説『ビリー・バッド』を『クォ・ヴァディス』などで好演したイギリスの名優ピーター・ユスティノフ自らがメガホンをとり完全映画化した作品です。18世紀末のナポレオン帝政時代に大西洋上にあったイギリス戦艦を舞台に、終わり無き善と悪との葛藤というテーマを掘り下げた力作です。

ピーター・ユスティノフ自身とデウィット・ボーディーンが共同執筆した脚本は機知に富み、実に意味深な台詞を登場人物に語らせ、フィルムの味わい深い文学性を引き出すことに成功しています。航海の途中で遭遇した商船から引き抜かれ、戦艦にやってきた青年ビリー。若き日の怪優テレンス・スタンプが颯爽と純粋無垢な好青年を演じます。これが映画デビュー作とは思えないほどすがすがしく堂々たる演技で心優しいビリー・バッドになり切り、過酷な労働を強いられた船員たちに光を照らします。善意の象徴ビリーの前に立ちはだかるのが悪魔のようなクラガート水兵長。この役を長きにわたって欲していた演技巧者ロバート・ライアンが、壮絶な過去により人間不信に陥ってしまったからなのか、世界の全てを憎悪する悪意の象徴たる人物を不気味に、そしてある時はほのかな寂しさを加味して名演。「ロバート・ライアンは悪の所業さえも神聖化することに成功した」とある評論家に言わしめたほどで、クラガートの心情描写や行動がこのフィルムの一つの要になっています。当然のごとく、屈折したクラガートは健全なるビリーをいつしか憎み、陥れようとするのです。この二人の間に座長でもあるピーター・ユスティノフ扮するベレ船長が割って入ります。ユスティノフはいつもどおりの彼らしい曖昧模糊とした腹芸を披露しますが、それが善悪の判定という本編の途方も無いテーマをさらに途方も無いものに仕立て上げているあたりが逆に興味をひきます。他に老船員ダンスカーに扮した名優メルビン・ダグラスが老獪な長老といったキャラクターの持ち味をうまく表現して印象に残ります。

ビリーとクラガートの対立を発端として巻き起こる乗組員たちの心の葛藤がロバート・クラスカーの撮影により、雄大な海原と天空を背景として映し出されるさまは、ただ固唾を飲んでその美しさと恐ろしさに見入るほかはないほどの素晴らしい仕上がりです。はたしてビリーの善は、クラガートの悪に勝るのか。悪意に満ちたクラガートをビリーの善意は癒し救済することができるのか。ベレ船長と戦艦の幹部たちは壮大なモラルの問題を前にして的確な判断を下すことができるのか。そもそも善悪とは何を基準に判定されるべきものなのか。こうした人間に特化した複雑な心の問題を気品高く描いた本編には、決して大袈裟な言い方ではなく全体に神聖な雰囲気さえ漂います。この格調高い神聖なオーラこそ、船上の舞台劇といった面持ちの本編を風格ある映像芸術たらしめている大きな要因の一つです。

善と悪の是非について、これほど真摯に取り組んだ品格あるフィルムがかつてあったでしょうか。そしてこれだけ、人の本質を善意も悪意もふくめ多角度から見つめようとした大作があったでしょうか。製作から50年近く経った今も『奴隷戦艦』は複雑な現代社会に生きる我々にとっても、誰もが知ろうと欲する、しかし曖昧な人間の根幹を考えさせてくれる聖なる物語の具現化なのです。
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
□ 助演男優賞テレンス・スタンプ 
□ 作品賞(総合) 
 □ 作品賞(国内) 
 □ 男優賞(国外)ロバート・ライアン 
 □ 脚本賞ドゥウィット・ボディーン 
  ピーター・ユスティノフ 
 □ 新人賞テレンス・スタンプ 
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