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肉体の冠(1951)

CASQUE D'OR
GOLDEN HELMET

メディア映画
上映時間98分
製作国フランス
公開情報劇場公開(新外映=NCC)
初公開年月1953/02/02
リバイバル→デラ-95.12
ジャンルドラマ
肉体の冠 [DVD]
参考価格:¥ 5,040
価格:¥ 5,040
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【解説】
 原題は“黄金の兜”の意で、主役のシニョレの娼婦マリーが、ブロンドの髪を兜型に結って、そのあだ名で呼ばれるところによる。主人公は娼婦であるが、純愛映画と呼んで差し支えない内容で、一見するだけだと、全く淡白な印象を与えるかもしれない。舞台は19世紀末のパリ。郊外で仲間とボート遊びに興じていたマリーは、カフェで修繕の仕事をしていた大工マンダに惹かれ、ちょうど気まずくなっていた与太者の情夫ロランへの当てつけに彼と踊る。怒って殴りかかったロランを逆にのして、マンダは彼の恨みを買う。日曜日の憩の内に起こった不安な胸騒ぎ。無駄のない素晴らしい滑り出しで、以下、ある程度予想のつく展開ながら、そのつど、語り口の鋭さに感心してしまう。酒場に出かけ、ロランと決闘する羽目になったマンダは彼を殺してしまうが、マリーと共に田舎の百姓家に逃げ落ち、そこで愛の日々を送る。が、マリーを横取りしようという親分ルカの奸計で、マンダの親友レモンがロラン殺しの下手人として挙げられ、義侠心に溢れたマンダは自首して出るが、これがルカの罠と知って、共に護送されたレモンと、刑務所の前で待ち受けたマリーの馬車に飛び乗って逃げるが……。感傷に流されないそのラスト・シーンを始め、ベッケルのあっさりした写実の背後にある逞しいデッサン力と、映画的アクションの組み立ての天才的うまさには嫉妬さえ感じ、シニョレの超然的な、“女性”そのものの魅力には脱帽するほかない。
<allcinema>
評価
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
430 7.50
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【ユーザーコメント】
投稿者:ルミちゃん投稿日:2008-06-25 21:28:27
【ネタバレ注意】

悪から足を洗い、大工になって堅気の世界で生きていたマンダだったのだけど、マリーに一目惚れしてしまった彼は、好きになった女を決闘によって自分のものにする、悪の道を選んだ.マンダとマリーは出会ったときから相思相愛、それに対してマリーとロランは仲が悪く、かつロランはどうもいただけない男なので、マリーがロランを嫌っているので、マンダはロランと決闘したように思えるのだけど、金でけりをつけるのか、それとも、と言うことで、単に悪の世界の掟に従って決闘したをしたに過ぎないのね.
ルカは、惚れた女を自分の者にするために、自分の子分であり、マンダの友人であるレイモンを警察に殺人犯であると無実の密告し、その結果、脱走を図ったレイモンは撃たれて命を落とすことになった.
復讐をするため、マンダはルカの家に行き、マリーがおそらく自分を救うためであろう、ルカに身を任せたことを知る.マンダはルカを追い詰め、ルカは警察に逃げ込んだ.
ルカは、決闘を警察に知らせたことで、酒場の男を殺してしまった.それだけでなく、女を自分のものにするためにレイモンを無実の罪で密告した.そのルカが、警察署で「(マンダを)逮捕しろ」と叫んだ.それを聞いたマンダは、警察署にあったピストルを手にする.
彼はピストルを持ってルカを追い詰めたのではない.マンダはおそらくロランの時と同じように、決闘によって決着をつけるつもりで、ルカを追い求めた、と考えるのが自然なはず.
たとえ理不尽であっても、決闘によって決着をつけるのが、裏の世界の掟なのでしょう.けれども、警察と癒着したルカは、警察を利用して自分の身を守ろうとした.
確かに、マンダは表の世界から見れば悪人である.では、ルカはと言えば、表の世界から見ても、裏の世界から見ても悪人である.そのルカが、表の世界でも裁かれず、裏の世界でも裁くことが出来ないとしたらおかしい.今ここで自分が捕まってしまったら、ルカを裁くことが出来ない.だから、悪の世界の掟にしたがって生きる道を選んだマンダが、警察のピストルを借りてルカを撃ち殺した.
警察署で殺人を犯したマンダは、当然のように死刑になる.けれども、ルカは警察と癒着していた.表の世界の法律で裁くことが出来ない悪人を撃ち殺したマンダが、なぜ死刑にならなければならないのか.
この映画、誰にでも割り切れなさ、遣りきれなさを残すはず.それがなぜかと言えば、最後の断頭台のシーンであるのは間違いないでしょう.死刑さえなければ.....
重ねて書けば、マンダは、悪の世界の掟に従い決闘によって女を奪い取る道を選んだ人殺し、悪人である.けれども、彼は死刑に相当する犯罪を犯したのか.本来ならルカは、警察が裁くべき人間のはず.それが裁かれないので撃ち殺した.(裁かれないと知って撃ち殺した)

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ロランとの決闘ではマンダが勝ち、マリーの希望がかなったけれど、もし、マンダが負けていたら、こう考えれば裏の世界の考え方の間違いはすぐ分かります.
同様に、裏の世界で密告を悪とするとき、警察と癒着したルカを警察に密告することは、裏の世界の掟に反することになる.この男は警察に嘘の密告をしていると、警察に言うことも密告であって、結局、撃ち殺すかなかった.
間違ったものの考え方の結末として、人殺しが行われる.そして、死刑は、悪の掟の結末に等しい行為である.

投稿者:ピンクガンスモーキン投稿日:2007-09-08 07:46:46
【ネタバレ注意】

観終わるとダメージが残る。かなりのダメージ。
誰も救われず、愛すべき者たちは皆死んで、思い出だけが微かに残る、そういうツラい話。

精神的なダメージゆえに、あまりコメントする気にもならないが……(『ピアニストを撃て』の鑑賞後にも似た感情だ)。
とにかく、主人公の娼婦の四角い顔、その心の余裕、凛々しさ、男への視線の鋭さ、恋愛衝動の激しさ、それらすべてが強く印象に残った。
恋の駆け引きや恥じらいから、プイと目をそむけたりするようなことは、断じてない女。
職業柄、つねにシビアな態度で生きているが、一旦気を許すと、男の子っぽくなる瞬間がある女。
じつに魅力的ではないか。
かといって、「可愛い」という形容は彼女に失礼であろうし、不当でもあろう。

また、彼女と対比されている、痩せてヒステリックな、大工の娘。
その不機嫌そうな顔つき。これもまた印象に残った。
頭の堅い、真面目な、魅力に乏しい女だ。イイ意味での「子供っぽさ」がないのだよ、まるで、そういう女には。

さらに、職人や船乗りがたむろする安酒場に、一種の好奇心だろうか、馬車で乗りつける紳氏淑女たち。そのハシャギっぷり。
そのテンションの差異・ノリの対比も見どころだ。
遊び人の男がワルツの相手に誘うと、躊躇しつつ応じる可愛い顔立ちのお嬢様に、ちょうど来店した主人公が横から「そいつはタチの悪い男だよ」と警告するシーン。
じつにリアルだった。

ちょっと荒んでいるときの男っぽさと、ゾッコン惚れているときの男っぽさが、交代する。そうした女の魅力。
そして、頼るものもなく、どうしようもない苦境で見せる涙、そこにつけこむヤクザのボス、ベッドに押し倒されたときの、主人公のハッとした弱さの表情が忘れられない。

極めて感動的だったのは、刑務所送りになった愛人の護送を待ち伏せている彼女のひとつひとつの仕種、言葉、表情であった。
彼が送り出される警察署の前で待ち伏せ、「お菓子とタバコを届けさせてよ」と訴え、警官に拒まれるや、愛人に飛びついて別れのキスをする。すぐに断ち切られるそのバタバタした雰囲気に、決して満足せず、彼が送りこまれる刑務所の前に先回りして、立っている。
石畳と高い外壁に区切られた空間を、覗きこむような寒々とした画面、その片隅に彼女が立っている。
そこから先は、もう胸騒ぎが止まらなかった。見ていて泣くんじゃないか、という予感がして、緊張し、震えそうなほどだった。
泣きたいような気持ちが湧き上がるが、予期に反して、しずかに淡々と進む物語は、すべてを控えめに提示する。
泣くに泣けないまま、エンディングは来た。

投稿者:シネマA投稿日:2006-03-01 11:23:53
 俗に、ジャック・ベッケル監督にはずれなし、ともいいます。少なくとも私が観た何本かはすべてあたりでした。
 フランス映画ならではの滋味があふれています。これも、そんな1本。
 私はこれでシモーヌ・シニョレのファンになりました。微笑みも涙も天下一品。抑えがきいた感情表現がすてき。けっして騒がない。声をださずに涙をながす。うつくしい。スチール写真では魅力がなかなか伝わらない演技派の名女優ですよ。
 娼婦マリーと大工のマンダ。暗黒街の親分、子分、そして親友、市井の人びと。なんだか日本のやくざ映画の世界と相通じるものがあるなあ。おもしろい。
 でも、学生時代にはじめて観たときは正直よくわかんなかった。あとで、じわじわとすばらしさがこみあげてくる。ハリウッドの尺度が映画をはかる万能じゃないんだ、と教えてくれた作品。ときどき無性にまた観たくなるのさ。
 演出も撮影も超一流。端正で辛口。明暗、静と動の対比が完璧すぎる。おもわず息をのむ。あらためて名場面の宝庫だとおどろかされる。
 DVDが廃盤になるまえに購入することをおすすめします。って余計なお世話でしたか。ごめんね。
投稿者:Ikeda投稿日:2005-07-04 14:14:53
古いフランス映画の香りがする作品で、オープニングなど「我等の仲間」を思い出す音楽とシーンです。カメラも良くて、ベテランらしくモノクロの良さを充分出しています。エンディングも最高とは言えないまでも、アメリカ映画にはない雰囲気があります。
セルジュ・レジアニは、あまりうまい役者とは思えませんが、シモーヌ・シニョレが名演ですし、助演陣も好演だと思います。後半少し乱れ気味の所がありますが、前半から中盤にかけては演出も非常に良いと思いました。
ビンタが度々出てきますが、親分のクロード・ドーファンが金をくすねた子分に往復ビンタを張るシーンが印象に残ります。戦争中には、これを食った事がある人も多いと思いますが、これを片手でやっているので、「復」の方は張る方も張られる方も、かなり痛いのではないかと、余計な心配をしました。
投稿者:Bava44投稿日:2005-06-23 16:58:15
【ネタバレ注意】

断頭台なのは、さすがフランスって感じ。よくあるパターンだが、あのラストショットがないと辛いよね。
恋愛モノと見てもいいけど、男の友情みたいなこともさりげなくあってよかった。(まあ、走れメロスか…)

前年に作られたオフュルスの輪舞では、初めの方の地味な役で共演していたレジアニとシニョレの主演作ですが
二人とも今作では輝いていてよかったです。
特にシニョレはごつい女だけれど、髪を解いた時に、女の子みたいで可愛かった。

投稿者:Katsumi Egi投稿日:2001-09-30 20:22:29
 良いシーンは沢山あるが、なんといっても川辺で横になるセルジュ・レジアニ
と小船でやってくるシモーヌ・シニョレのシーンは吃驚仰天するくらい艶めかし
い演出だ。レジアニの大工職人としての作業場のドアと窓も良いですよ。ドアや
窓の内外を異空間として演出する術に監督の才能の有り無しが如実に現れるのだ。
川辺(水)やドアや窓の映画的な使い方といった部分はベッケルがジャン・ルノワ
ールの弟子であることを痛感する。

 『現金に手を出すな』でジャンヌ・モローがビンタをくらうシーンも相当痛い
シーンだったが、この映画のシニョレが張り手でぶん殴られるシーンの方が上だ
ろう。殴り倒される様が見事です。またこの映画ではレジアニがシニョレにビン
タされるシーンもあり、映画で人を殴る演出っていうのはこういうものなのだと
感心させられる。
http://www.page.sannet.ne.jp/egi/
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
□ 作品賞(総合) 
 ■ 女優賞(国外)シモーヌ・シニョレ 
【ソフト】
  商品名  発売日  税抜価格  
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