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浜辺の女(1946)

THE WOMAN ON THE BEACH

メディア映画
上映時間71分
製作国アメリカ
公開情報劇場公開(IP)
初公開年月1988/04/23
ジャンルドラマ
浜辺の女《IVC BEST SELECTION》 [DVD]
価格:¥ 1,050
USED価格:¥ 1,250
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【解説】
 久しく未公開であったが、ハリウッド期のルノワールの再評価の気運に乗って製作から40年を経て日本でも陽の目を見た、フィルム・ノワールの異色作だ。ルノワールはナチを逃れアメリカに渡り、本作を最後に母国フランスへ帰った。全篇、悪夢のような捉えどころのない語りと映像で、画家の妻ぺギー(ベネット)に惹かれた沿岸警備隊員バーネット(ライアン)の恋と、彼女の盲目となった夫トッドとの葛藤が描かれる。ミステリアスな水や炎の表現に優れており、話を追うより、ただ陶然と眺めていたいような映画だ。
<allcinema>
評価
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
317 5.67
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【ユーザーコメント】
投稿者:gapper投稿日:2013-12-03 19:24:02
 ニューロティック・ノワール。

 この作品が作られたのは、「失われた週末(1945)」や「白い恐怖(1945) 」でニューロティック作品が話題を集めた翌年でありフィルム・ノワールと言うよりはニューロティック作品であろう。
 犯罪がメインの題材ではなくスコット(ロバート・ライアン)の悪夢やトッド(チャールズ・ビックフォード)の取り付かれが、メインの題材だ。

 なんと言っても見どころは、ペグ(ジョーン・ベネット)だろう。
 当初は、薄幸の聖女の様な印象だが徐々に本性が見えてくる。
 トッドの傲慢さを主張しスコット取り込みながらもトッド本人には親密な態度だったり、絵を売れば自由にどこでも行けると再三訴える。
 ベビーフェイスの美人でありながらハスキーボイスのベネットにピッタリの役柄だ。

 浜辺と言うより砂浜と難破船が印象的に出てくるが、内容的にはさほど必要性がない。
 映画なので映像的に美しいのは良いのだが、ルノワールとしては消化不良な感じもする。
 ペグがスコットに”似た者同士”と言うが、むしろ似ているのはトッドとスコットだ。
 この辺が、引っかかってもう一歩と言う感じに終わってしまった。
投稿者:noir fleak投稿日:2010-10-02 09:10:33
大監督による隠れフィルムノワールと期待したが、私には平凡なメロドラマとしか見えなかった。
公開にあたって3分の1もカットを余儀なくされたそうだし、ルノワール自身アメリカ時代の彼の映画については不満しか残らなかったようだ。
サスペンスとしてもロマンスとしても中途半端、というのが私の印象だ。
投稿者:uptail投稿日:2010-02-01 21:22:17
ジョーン・ベネット
投稿者:クマサン投稿日:2008-07-23 14:51:00
第二次世界大戦中の混乱を避け、アメリカに新天地を見出したフランス映画界の巨匠ジャン・ルノワール。その彼のアメリカ時代の最後の作品がこの『浜辺の女』です。ルノワール監督といえば『大いなる幻影』や『ゲームの規則』などのよく知られた傑作にみられるヒューマニズムに溢れる作風が有名ですが、一見フリッツ・ラング監督作品ばりの暗さと一種の異常さを湛えた本編はルノワール作品らしからぬという理由もあり真剣に受け止められませんでした。いや、そればかりか「もやもやして曖昧すぎる」、「意味がわからない」などといった酷評の嵐にさらされてしまったのです。

荒波押し寄せる海岸沿いのとある町。どこにも逃げ場所がないような閉塞感漂う浜辺で沿岸警備隊のバーネット中尉は妖艶な魅力を持つ人妻ペギーと出会います。訳ありの過去を持つ者同士互いに惹かれあう二人・・・。しかし、ペギーには事故から光を失ってしまった元画家である夫トッドがおり、惹かれ合う二人の間に割って入ろうと画策する・・・。この三人の三角関係とその顛末がこのフィルムのエッセンス。しかし、ルノワールが凡庸なメロドラマを撮るはずは無く、そこにはトラウマ、欲望、悪夢、独占欲、不安、疑惑、後悔など深い人間洞察に基づく深刻な要素が絡みつきます。そして、それらの要素が荒波打ち寄せる海や、それに関連付けられた各種モチーフと象徴的一体化をなして観る者に迫りくるさまは圧巻。シュールな悪夢、不気味な難破船、そびえ立つ険しい崖、砂浜に延々と続く素足による足跡、叫びながら天空を舞うカモメ・・。レオ・トーバーによる明暗のコントラスト著しい美しいカメラワークが意味深なシンボリズムを含んだ画面を次から次へと創出していきます。またハンス・アインスラー作曲による強烈な音響とムーディな静けさを併せ持った前衛的な音楽も強いインパクトを各場面に付しています。

「物語はそれこそからっぽの、完全に抽象風の背景の中で進行した」とルノワール自身が述べているように、一見意味不明で難解な展開。しかし、登場人物の過去やそれによる後遺症、そして互いの関係を把握していくにつけ、人間にこそ似つかわしい曖昧さの中で懸命に自分自身を見出していこうとする、これも人間ならではの極めて生命力溢れる行動のロジックを整然と見出していくことが可能になります。こうした味わい深さをかもし出すのに貢献しているのが、癖のある主演陣。バーネット中尉のロバート・ライアン、ペギーのジョーン・ベネット、トッドのチャールズ・ビックフォード。それぞれが人間の言いようの無い苦悩と、なかなか表現することの難しい精神面における曖昧さを見事に演じ切って注目に値します。この三人の絶妙な表現力と熱意のおかげで抽象性の高いプロットに魂が付され、全編を通してヴァイタリティに富み魅惑に満ちた映像芸術としての芯が一本通っています。

当時としてはその極度の前衛性から評価が二分されたいわくつきのフィルム。『ニューヨーカー』誌のパウリーン・カエルは「興味深い失敗作」と述べ、またレオナルド・マルティンは「ばかばかしい台詞を有す愚作」とそれぞれ酷評。しかし、『ネイション』誌のマニー・ファーバーや『カイエ・デュ・シネマ』誌のジャック・リヴェット、『タイムアウト』誌のトム・ミルンらは本編を芸術性豊かな傑作として賞賛しています。ジャン・ルノワール研究で有名な伝記作家ロナルド・バーガンも「40年代ハリウッドの暗黒映画(フィルム・ノワール)の魅力的な好例であり続けている」とこのフィルムを称えていますし、かのフランソワ・トリュフォーも「興味深く面白みのある作品で、台詞よりも登場人物の行動こそが全てを物語る純粋なフィルムであることに魅力を感じる」と評価しています。フィルム・ノワールの批評を得意とするロジャー・ウェストコムは「時が経ち、人々の物事に対する受け取り方も変容していくなかで、ルノワール監督に対するさらなる理解も深まり、『浜辺の女』が持つ恒久的な妥当性と力強さも見出されるようになった」と評していますが、まったく同感です。

深い人間洞察をライフワークとしたジャン・ルノワール。その意味で、『浜辺の女』は彼の他のどのフィルムにも負けないほど、曖昧でいながらそれゆえに奥深い人間の深層に切り込んだ、まさしくルノワール的作品の最たる存在の一つであると言えるでしょう。何度でも見たくなるアバンギャルド精神に満ちた至高のカルト・フィルム、それがこの『浜辺の女』。
投稿者:Ikeda投稿日:2005-11-03 16:10:31
アメリカ映画ですが、ルノワールの演出なので音楽を除けば、まったくフランス映画的です。二次大戦後は戦勝国アメリカでも、異常心理を描いた映画が増えて、これもその一つで、戦争による精神的影響が見逃せません。
短い作品ですが、カメラを含めて全体的に迫力がある映画です。特に最初から不気味な雰囲気を出しているチャールズ・ビックフォードの名演が光ります。決して楽しい映画ではありませんが、ラストも切れ味が良く佳作と言っても良いと思います。
投稿者:ルミちゃん投稿日:2004-06-05 02:57:10
【ネタバレ注意】

妄執、この言葉を辞書を引くように描いた作品です.
妄執を辞書で引くと、
迷った心で、物事に深く執着すること.
迷った心で、物事に深くとらわれること.

迷うを念のため国語辞典でひくと、
(1)道がわからなくなる(自分が分からなくなる)
(2)あれこれと思いなやみ、決断がつかなくなる
(3)まぎれこむ(これは関係なさそう)
(4)誘惑などに心をまどわす

バーネット中尉.彼は海難事故の悪夢に取り付かれている.迷った心で物事に深くとらわれている、と言ってよく、その恐怖から逃れたい一心で、恋人のイブとの結婚を急ぐのだけど、浜辺で出会ったペギーの誘惑に心を惑わす.結婚を約束したイブとペギーの関係、ペギーの怪しい魅力に取り付かれて、バトラーへの不信から崖へ誘い出す出来事など、ペギーとの出会いは、彼にとって妄執をより深めていったと言ってよい.
浜辺の女、ペギー.自分の過失により夫を失明させた良心の呵責に苦しみながらも、辺ぴな片田舎で暮らす寂しさから、若い男を誘惑する.良心の呵責から逃れることができない分、なおさら女として自由を求める心の迷いも深い.やはり妄執と言ってよいのでしょう.
画家のバトラー.絵への未練、妻に対する束縛、どちらにも深い執着があり、妻の肖像画を自分の一番の傑作として持ち続けている.
バーネットは幽霊が怖い.ペギーは自分を娼婦だという.画家のバトラーもまた、失明した画家の苦しみを、自ら認めることになった.三人三様の妄執、不可解な意味合いを含む会話、その会話を通して互いに互いの腹の中を探り合いながらも、次第に皆が本心をさらけ出して行った.確かにその本心はバトラーがペギーに言ったように、腐った心であったかもしれないけれど.

ペギーに対する愛の争い、釣りに出かけた小舟の上でバーネットはバトラーと自分の本心をさらけ出し対決する.「彼女を自由にしろ」「あの女は、自分以外は愛せない」
バーネットはペギーと一緒になりたいからバドラーを殺すのではなく、ペギーを単に自由にしたい、それだけの想いからの決断だった.
妄執とは、迷った心で、物事に深く執着すること.それから逃れるには、諦めて決断すればよい.ここまでは、国語辞典にあるとおり.
さて問題は、この後の成り行き.海難事故の恐怖、船が沈没して溺れ死にそうになった恐怖から来る妄執から逃れることのできないバーネットが、銛で舟底に穴を開け、船を沈めてバトラーと共に死のうとした.そして、漂流しているところを助けられ、バーネットは溺ぼれ死にそうになった妄執から逃れていた.至極ごもっとも、国語辞典も真っ青の筋書きなのね.

さて、妄執.
迷った心で、物事に深く執着すること.
この様に辞書で引いても、この言葉は解らない.
今一度、描かれたものを、しっかり考えること.

投稿者:投稿日:2003-01-24 02:34:57
PTSDがもたらした妄執と言えるでしょう。
トラウマによる情緒不安定が誰も近づこうとしない難破船に二人を導いていたと。
でも海から始まり難破船に向かっていた足跡は不思議でした。
あの燃える家をタルコフスキーも見たのでしょうかね。
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