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異邦人(1968)

LO STRANIERO
THE STRANGER [米]

メディア映画
上映時間104分
製作国イタリア/フランス
公開情報劇場公開(PAR)
初公開年月1968/09/21
ジャンルドラマ/アート/文芸

【解説】
 母の死も、恋人の存在も、全てが皆虚しいと感じている平凡な男ムルソー。彼は“太陽がまぶしかったから”という理由で人を撃ち殺してしまう。やがて死刑の宣告を受けた時、ムルソーは初めて自由を、自分の存在を感じとった……。カミュの実存主義文学をヴィスコンティが映画化した野心作。難解ともされる原作を、映画文法によって噛み砕きフィルムに定着させる脚本・演出は、ともすれば原作に引き摺られるまま映画としての体を成さなくなるものであるが、このヴィスコンティの“解りやすさ”は、事例としてかなり貴重だ。
<allcinema>
評価
【ユーザー評価】
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110 10.00
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【ユーザーコメント】
投稿者:ルミちゃん投稿日:2016-05-07 08:09:49
【ネタバレ注意】

不満と満足
社長からパリへの転勤の話があった時、彼は学生時代までは野心を持っていたと言った.お金が続かなくなったためであろう、中退しなければならなくなって、自分の満足のいく将来が失われた時、満足を求めないと同時に不満も抱かない、言い換えれば何事にも感動を抱かない生き方をするようになったらしい.
おそらく、母親の生活力から学費が続かなくなって中退することになったのであろうが、彼は母親に不満を言っても無駄なことが良く分ったので、何も言わずに耐えたのだと思われる.
同様に、母親を養老院に入れたことに関しても、自分の稼ぎに合わせて出来るだけの事をしたのであり、その事に関して母親から不満を言われる筋合いはないと、彼は考えていた.
母親の稼ぎに合わせて学校を中退した、それが為に自分の稼ぎも限られることになったのであり、結果として、養老院に入れるしかなくなったことに不満を言われたとしたら筋違いであろう.裁判で検事は、母親を養老院に入れたことに対して、薄情者、親子の愛情がないと責めたてたが、だったら子供の学校を続けさせることが出来なかった母親も、子供への愛情がないと言わなければならない.

人は何時かは死ぬ、70まで生きても、30で死んでも同じ.本当にそうならば、30から70までは死んでるのと同じことに、生きている価値が無いことになる.今日一日が単に過ぎ去ればよい、彼は生きている価値を何も見いだすことが出来ない、そうした日々を過ごしていた.

母親が死んでも、別段悲しいとも感じなかった.なんでもいいから早く葬儀を済ませて家に帰りたかったのであろう.
好きな女が出来て身体を求め合っても、結婚生活の夢を抱くことは出来なかった.
彼は、悲しい感情も、楽しい感情も、どちらも押し殺して生きていた.それが為に、相手がナイフを構えて向かってこようとしたとき、何も考えることも無く、4発の銃弾を撃ってしまった.好きな女が出来ても楽しい結婚生活を想い描くことが出来なかったように、人を殺すことに対して、悲しい感情を抱くことが出来なかったと言ってよいであろう.

『最後に言うことはないか?』、裁判長に問われて、
『殺意はなかった』と、彼は言い張ったのだが.....

一番の有罪の決め手になったのは、友人の男に騙されて、娼婦の女に手紙を書いたことであろうか.この時も、彼は友人に騙されたとは言わなかった.あくまでも友人だと思っていると言った.

満足を求めない変わりに、決して不満も口にしない男だった.それが為に、死刑になってしまったと言ってよいであろう.
教誨師は嘘つきであった.『あんたが来たら明日は執行の日だ』と言うと、『きっと上告が認められる』と嘘を言った.そして、神を信じろ、死後の世界を信じろ、嘘を信じろと彼を責め立てた.が、彼は自分なりに真実を述べたけれど、死刑になろうとしているのである.そんな話は聞きたくない、帰ってくれと言って当然である.

彼は、真実を述べたにもかかわらず、検事、裁判官、教誨師、誰も彼を理解しようとしなかった.死刑の執行を待つ怯えた日々を過ごす内に、彼は真実を理解しようとしない者達に対して、押さえきれない不満を抱くようになっていた.その結果、同時に、生きることへの満足を求めるように、好きな女と一緒に暮したいという夢を抱くようになっていた.
彼の母親も同様であったようだ.死期が近づいていることを自覚する歳になって婚約者を見つけていた.生きる夢を抱いていた.もっと生きたいと望んだのだ.
おそらくは、彼が学校を中退したときから、彼の母親も、彼と同様に、無感動な日々を送ってきたのであろう.

さて、もう一度元に戻って.
彼は無感動な日々を過ごしていた.生きる望みを抱かない、生きる価値のない日々を過ごしていた.それが為に、何も考えることなく4発の銃弾によって殺人を行ってしまったのである.
その彼が、死刑執行を前にして、生きたいと望んだ.生きる価値を見つけ出した彼を殺そうとする、死刑とはそう言う行為であった.
http://blog.goo.ne.jp/sunaoni/e/90f0a5c25dbf33930c650da3adf5b714

投稿者:sachi823投稿日:2013-01-07 21:09:00
ずいぶん昔、地方テレビの洋画劇場で見ました。
マストロヤンニは原作のイメージと違うと言われましたが、
なかなかの力演で、特に終盤の自分の運命を受け入れる場面などは
大変見応えがあります。
不条理の作家カミュのファンには
愛されない作品かもしれませんが、
心の中で見たことを大切にしたい映画です。
投稿者:ホマキチ投稿日:2000-11-01 23:38:12
小さい頃、深夜のテレビ放送で見ました。とても感動しました。なぜ、この名作が
この時代にビデオ化されていないのか、とても不思議でなりません。映画ファンの一人として心からもう一度この作品を見たいです。
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