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ぼくの伯父さんの休暇(1952)

LES VACANCES DE MONSIEUR HULOT
MR. HULOT'S HOLIDAY [米]
MONSIEUR HULOT'S HOLIDAY [英]

メディア映画
上映時間87分
製作国フランス
公開情報劇場公開(ヘラルド)
初公開年月1963/08/03
ジャンルコメディ
ジャック・タチ「ぼくの伯父さんの休暇」【Blu-ray】
参考価格:¥ 5,076
価格:¥ 9,980
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【解説】
 「ぼくの伯父さん」以前の作品(長篇第二作)で、タチの商標であるユロ氏初登場の作品だが、日本では紹介の順番が逆になり、従ってここでは“誰の伯父さんでもない”にも関わらず、この題名となった。誰もが海へと繰り出すヴァカンス時、汽車もバスもスシ詰めで旅行客を運ぶ。我らがユロ氏もまた小さなボロ車で海辺を目指す(そのヨタヨタした走りっぷりで彼が乗っていると分かる出だしはすこぶる快調)。リゾート・ホテルの扉を開けると、まさに一陣の風が吹き込み、彼がいかに“招かれざる客”であるかも分かるというもの。その宿泊客の生活の軽いスケッチをつみ重ねてくすりと笑わす術も巧みで、いつも仏頂面の支配人もおかしい。常にパイプを咥え、妙にひしゃげた帽子を被っているのがユロ氏の特徴で、自分の名前くらいしか言葉は口にしない彼のパントマイム芸でギャグを作っていく無声映画のよさがタチの喜劇の持ち味だが、ゆえに音の使い方(レコード室や車の騒音)も絶妙。そして、乗り物ギャグがまたうまい。乗っている小舟が突然真っ二つに折れ、鮫の顎のようになって海水浴客を驚かす所などキートンも顔負けだ。そして、そこはかとなく漂う詩情――例えば、アイスクリーム・コーンを二つ買う小さな坊やをずっと追って、そいつを落としやしないかと映画的スリルを醸し、実に微笑ましくオトしてみせる技はただものではない――もゆたか。最後、みなが握手で別れの挨拶を交わす中、迷惑男のユロ氏のみ仲間はずれなのだが、彼とはなぜか波調が合うと思い込んでいる英国婦人と、おっかないカミさんの尻に敷かれながら彼の様子を好ましく見つめていた老紳士だけがそっと声をかけ、色々あった夏の休暇も終わる。そして、クロージング・ショットの浜辺の風景がそのまま絵葉書になる終わらせ方など実にシャレてもいる、味わい深いコメディだ。
<allcinema>
評価
【関連作品】
ぼくの伯父さん(1958)
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
645 7.50
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【ユーザーコメント】
投稿者:william投稿日:2010-09-25 11:04:21
こういう小ネタが利いたコメディは逆に新鮮。
単なるドタバタだけじゃなく、リゾート地ののんびり感も心を穏やかにさせてくれる。
現代でも十分通用しうる作品だと思う。
投稿者:ピンクガンスモーキン投稿日:2010-06-21 12:31:52
『ユロ氏の休暇』。
妙に大柄というだけで、すでに「収まりの悪さ」を感じさせるユロ=ジャック・タチ(監督兼主演)が、「空気を読まない」行動で(本人は控え目にしているのだが)、夏の海辺のホテルを騒がせる、というよりも、彼に悪意を増幅させていく周囲の人々を描いた作品。
無論ミスター・ビーンのような「奇行」を期待するのは大まちがい。
温厚でおとなしい巨体の男が、小道具に振り回され、世間から敵意の眼差しを浴びる物語である。

Ikeda氏も言うとおり「殆どストーリー性がなく、どこから見出しても同じ様な映画なので」、星新一の短編小説集同様、1本通して鑑賞する必要があるのか、という疑問はあるし、ドッカンドッカン笑いを取るシーンなど皆無に近いが、品の良さは抜群で、NHK教育の「ピタゴラスイッチ」的な装置の連動ぶりを眺めるのに似た、風流な快感が得られる。
(ただし、残り15分で1回眠気が来るかもしれない。その後は派手だが…)

テニスラケットという物体が、(使用されるされないを問わず)やけに目に残るというのは、ジャン・ルノワール『大いなる幻影』でも感じたが、ここでもやはり、テニスラケットは映画における特権的な被写体だ、と認識させられた。
「手に持つことのできる円形の物体」としては、ほかにも、(Ikeda氏も指摘する)ハンドルや、給仕の運ぶ白い皿、宿泊客たちの帽子、レコード盤、ボール、スペアタイヤなどが続々と登場する。
しかし、どういうわけか、テニスラケットほど視覚的に印象的なものはないと感じた(なお、監督は、上記全部をギャグのために活用している)。

序盤、(法則1)「汚い車を使った映画にハズレは少ない」、(法則2)「汚い犬の出る映画にハズレは少ない」というセオリーをそれぞれ確認できる上、開始5分、その車と犬が遭遇する(まさに映画的な)瞬間は、法則を知りかつ観た者だけが味わえる高級な数十秒の至福のはずだ。

ちなみに、この「休暇」は5泊6日(夜のシーンが5回ある)。
(だから、話が余計に断片化するわけだ)

宮川大助・花子の大助、または、オール阪神巨人の巨人あたりを使って、セリフの少ない『ぼくの日本の伯父さん』を製作してみせる監督がいれば、なかなか面白いだろう。
投稿者:こじか投稿日:2010-05-21 02:18:40
物語がなんてことなく、
退屈してしまいました。
日本公開順と同様こちらを後に観ちゃったし(汗
既出のレビューが的確ですね。
投稿者:Ikeda投稿日:2006-08-21 16:23:42
駅のアナウンスから始まり、ハンドルから首を出す子供、そしてオンボロ自動車とコメディと言っても滑稽という言葉がピッたりする映画です。そしてサイレントを意識したと思われる音の強弱をうまく使っての流れは初期のルネ・クレールの感覚です。ギャグの点ではチャップリンを書き換えて新しくした感じで、海辺で背中の後にある柱を拭くシーンなどは特にそう思いました。
タチのコミカルな演技を含め、新しいドタバタとも言えて、彼の本領を発揮した作品です。但し、それぞれが断片的で、殆どストーリー性がなく、どこから見出しても同じ様な映画なので、この作品の評価は人によって大分差がでるのではないかと思います。
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
□ 脚本賞ジャック・タチ 
  アンリ・マルケ 
■ FIPRESCI(国際映画批評家連盟)賞ジャック・タチ 
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