マーフィの戦い(1971)MURPHY'S WAR
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【解説】 物語はいたってシンプル。第二次大戦中の南米を舞台に、独軍の凶悪なUボートに仲間を皆殺しにされた英軍の整備兵が、たった一機残った水上機グラマンJ2Fで孤独な復讐を挑むと言うお話。が、「夜の大捜査線」「タワーリング・インフェルノ」等の名ライター、S・シリファントが見事な脚本を書き上げ、また、当時「ブリット」「ホット・ロック」と次々にホームランをかっ飛ばしていたP・イエーツが監督しただけに、切れ味鋭い戦争映画の秀作に仕上がった。さえない整備兵の個人的な復讐と言う視点が実に味わい深いし、彼が苦労して修理したオンボロのグラマンが、南米の汚れた大河から初めて離水するシーンのド迫力は語り草となっている。茶と青を基調にしたD・スローカムの撮影も南米独特の風景を鮮やかに表現し(彼は後にインディ・ジョーンズ三作も担当)、P・オトゥールの静かな好演とともに長く記憶に残る作品である。必見。 ![]() 【関連作品】
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前に書き込まれてました"戦争映画の魔力に魅せられた擬似アメリカ人"の如く、僕も画面に映る戦争映画を娯楽に見る事を厭わない人間なんです。
それでも言い訳の一つもして置きたいところで、先般観た「ヴィーナス」のピーター・オトゥールから本作を思い出した。 痛快戦争アクションからでも、僕らの方へ寄せられるものが在る作品として何かあげられないかと考えてみたのだ。
本作は男優として世に出たからには誰しもこなしておきたい(と思うものらしい)戦争の英雄譚として始まります。
第二次大戦中、南米の河でUボートに撃沈された英国軍艦が先ず映り、隠密作戦中の潜水艦艦長は避難した水兵を皆殺しにするが、その修羅場からマーフィー(オトゥール)只一人が助かる。 彼はフランス人のルイに協力してもらい残った飛行艇で復讐を果たそうと決意する。
主人公が飛行艇の操縦を特訓するくだりは宮崎駿が作品の参考にしたのはつとに有名ですが、僕は本作はTVでの鑑賞なので一度スクリーンで見てみたいんですよ、このシーン。
このマーフィーと言う男は斜に構えた感じの人間で、助かっていた上官に不遜な態度取ったり、かと言って熱血漢でも無くて、ただの一兵卒でちょっとヒネている、思いっきり普通の男です。 と、そこで仲間の敵討ちと言う大義名分も出来て武器も揃って、英雄になれるチャンスを掴んだ。 だから見ている方も一緒に高揚してくるんですね。
いよいよ観る側の思いも乗せて飛行艇を発進、手製爆弾を見事Uボートに命中させ意気揚々と引き上げて来たマーフィー、"これでオレもヒーローだ、どんなもんだ"と得意になっていた、その矢先に艦長以下乗組員が現れて飛行艇ごと村を焼き払ってしまう。 嗚呼、利かなかったか特大火炎瓶。
さあ、面目丸潰れになったマーフィーがどうしたか、もうやけくそでクレーン船で特攻をかける。 丁度この時潜水艦内ではドイツ敗戦の報が入り、艦長が拡声器で戦う必要が無い事を呼びかけするがマーフィーは止まらない、制止を促すルイにこう言う"これは俺の戦争だ"、まさに「Murphys ,War」なのです。 英雄から滑り落ちた男がメンツを取り戻したいだけの無意味な私闘、確かに狂気じみてる。 けれど、こんなヤケの感情を僕らは誰でも持ち合わせているんじゃないか。
戦いの帰結は潜水艦と共に水中へ没してしまうマーフィーの最後で閉じますが、彼らを飲み込んだ大河はいつも通りの流れになって、フラミンゴが飛んで、これまでの話しを早くも"以前、ここでマーフィーと言う男が…"と言う昔話にしてしまった。 そんな静かな終わり方がまた好きなんです。
蛇足ながらキャストについて、
Uボート艦長のホルスト・ヤンソンはその後ハマー製ホラーの未公開作「吸血鬼ハンター キャプテン・クロノス」で再会するのですが、この早すぎたバンパイヤ・キラーは、あろうことか当時"にっかつ"で出したビデオパッケージに主役がブサイクだの吸血鬼を何度も殺そうとする所が笑えるなどと書かれていて正当な評価を受けてません。
女医のシアン・フィリップはこの作品が縁でオトゥールと結婚して、僕も感じ良い女優さんだな、と思いましたが、後年「砂の惑星」で頭と眉毛を剃った能面みたいな顔で現れた時は、変わり果てた姿に眩暈がしました。
咥えタバコ姿もカッコいいな。
確かに後味悪い感じもしないではないが、理屈では解釈できない男の意地を感じた。
作品としては粗い作りっすけど、娯楽性は抜群で全く退屈することはないっすよ。
ラストをのんきな曲でしめてしまうそのセンスも好きっす。