道(1954)LA STRADA
【クレジット】
【解説】 大力自慢の大道芸人ザンパノが、白痴の女ジェルソミーナを奴隷として買った。男の粗暴な振る舞いにも逆らわず、彼女は一緒に旅回りを続ける。やがて、彼女を捨てたザンパノは、ある町で彼女の口ずさんでいた歌を耳にする……。野卑な男が、僅かに残っていた人間性を蘇らせるまでを描いたフェリーニの名作。 ![]() 【ユーザー評価】
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自分がザンパノにとってどんな存在なのか、何度もその意味を問うジェルソミーナは有意味的な存在だ。それに対し、ザンパノは徹底的に答えを控え、無意味さに没しようとする。「芸」だといって見せる5ミリの鎖切りもすごいのだかなんだかよくわからない、いわば無意味の芸。
最終的に意味と無意味のこの戦いは、ジェルソミーナに「意味」を教えた男をザンパノが殺すことによって、終着点に。
追いつめられたザンパノはジェルソミーナから逃走を図るが、最後にふたたび「意味」につかまってしまう。
「意味」は勝利する、ということか。
この映画そのものはオーソドックスな説話法で、有意味に作られている。
後年のフェリーニは、この「道」という映画のパロディーかと思えるほど、無意味さに惹かれた映画を撮りはじめる。
それでいて無意味さに没入できなかったところが、有意味の呪縛(「道」という映画の呪縛)なのかもしれない。
ただ喧騒と静寂から来る孤独感はやはりすごい。 これは寂しい夢を見た時の感覚にとても似ている。
全ては映像と役者達のセリフ〜アクティングにあって、ストーリーは単なる状況である…って事。
…ただその状況を呼び込むのが人間なんだけどね。
必要とされる所で生きてゆくのは喜びと言って良いだろう。
ただ優しくされる中で生きてゆくのも悪くない事なのかも。
って程、他の女に手を出して、ほったらかし〜トランペットは吹けないし、殴られるし…
バレなきゃお宝を頂いても他人が嘆くのは知った事じゃないだろう。
何故か精神を逆なでする様な事を言わないと済まないヤツ…いるんだよね…
そこで殴る人間が逆なで男(神なのか?やはり神は傲慢だ)より低級な訳ではないと思うが。
人間は人間で良いんだよ!
ただそんなこんなを振り返る時、何か後悔の様なものが押し寄せてくる。
いやあそこで(自分を責める声の主を)置き去りにしなかったら、彼女は今も傍にいたかも?
それよりも自分が感情的な男でなかったら、アイツが死ぬ事もなかったかも?
今日も俺は鎖を切る芸をやってる…酒場で飲んだくれている…
アイツは幸せだったのか?〜俺は…そしてアイツは…
ただ言葉にならない慟哭を見守るのは永遠に続くかの如く打ち寄せる波。
人間性に目覚める?〜彼は初めから「人間」らしい男だったと思うのだが。
綱渡り芸人は神を象徴している。
そして神を信じない獣のような男を演じたアンソニー・クインは実にハマリ役だ。
ラストのせつなさは言葉では言い表せないのでみんな見て下さい!
別にケチつけるつもりじゃないんだけど(ってつけてるわね、ごめんなさいね)、ジュリエッタ・マシーナの演技、あれはそんなに絶賛に値するものなの?
どう見たって、あれは舞台女優の演技よ。ジュリエッタ・マシーナ以外はみんなうまいのよ。でもジュリエッタ・マシーナだけが大根なの。ジェルソミーナは、一応オツムが弱いという設定なんだけど、全然そんな風に見えない。登場した最初だけね。途中からは「演技してま〜す!」というのがミエミエで、さらには時々、素のジュリエッタ・マシーナになっちゃうのよ。大体、ジェルソミーナって少女なわけでしょう。どこをどうしたらあのオバサン顔が少女に見えるわけ? あたし最初「えっ正司歌江が出てるの?」って思ったくらいよ。
表情が面白いようにくるくる変化して見飽きないジェルソミーナは、ラッパも吹いていることだし、ザンパノに天から遣わされた天使だったと思えば思えなくもありません。イタリア式なのか知りませんが、別れの際に手のひらを結んでは開く仕草が妙に好きです。ザンパノは、確かに粗暴な男かもしれませんが、その顔に何とも言えない魅力があります。だからこそ女にももてるのだと思います。ジェルソミーナの末路を聞いている時の表情が実によく、また何ともせつないです。
綱渡り芸人も不思議です。ザンパノと別れ自分と一緒に来ないかとジェルソミーナを誘うシーンで、それまでおふざけ気味だったのが、「この世に無駄なものなどひとつもない」と、突如知恵ある言葉を喋りだした彼もまた、空中に浮かんで暮らしていることだし、あるいはジェルソミーナに遣わされた天使だったのかもしれません。この世にいてもよいと承認してくれた「天使」が消え、ジェルミソーナも消えた。同じように天使を失ったザンパノも、もうそれほど長くは生きてはいられないだろう。自分はそう思います。
波打ち際で始まり、波打ち際で終わる映画でした。夜の海に浮かんでは消える白い波頭が、たまらなく美しいと思った次第です。
ローザとジェルソミーナを亡くした時の感情の違いって何なんだろうね 交わして来た会話の違いかね、やっぱり(ローザは描かれてないからわからんけど) ザンパーノにも説明のつかない感情なのかもしれん それにしても彼には私が必要と思ってたのに捨てられるなんて結構キツイだろうね まるで捨て犬のように・・・狂わんばかりに感情が弾けてそれこそどうにかなっちゃうだろうね
とりわけ冒頭の、自分が旅芸人のもとに金に売られるのをしって、海に駆け、海を見つめ、なにかを決心するように微笑むジェルソミーナは、あまりにも天使的だ。
この『道』と『甘い生活』は、名作だと思います。
2.最初の晩、幌(荷台)の中に入れと言うザンパノに、「明日の晩から」と答えるが、強引に押し込まれてしまうジェルソミーナ。翌朝、まだ眠っているザンパノの横顔を眺めるジェルソミーナの表情は、画面が暗くてよくわからなかったものの、恥らいつつも幸福そうだった。
3.町の食堂で、知人に声をかけられたザンパノは、ジェルソミーナを「俺の女房だ」と紹介する。「嘘をつけ。新しい女だろ」と知人。すぐ別の女に声を掛けるザンパノの横で、彼女なりに<貞淑で控え目な妻>を演じているように見えるジェルソミーナ。
4.「ここで待っていろ」と言い置いて、バイクで女と出掛けてしまうザンパノ。翌朝になってもそこで待っていたジェルソミーナは、町外れの畑で男が寝ているという話を聞くと、町の人が親切でくれたスープにも手をつけずに、町外れへ走り出す。
5.バイクを運転するザンパノに、荷台から話しかけるジェルソミーナ。「あなた女遊びするのね。ローザのときもしたの? あなた悪い人ね」。「俺と一緒にいたければ、俺のすることに口出しするな」とザンパノから言われ、黙り込んでしまう。
人は、一人でいるから孤独を感じるのではない。ラストシーンで渚にうずくまり、嗚咽を漏らすザンパノの姿は、孤独という感情を持て余す男のそれだ。けもののような生き方をしてきた男は、自分のことしか考えてこなかった。彼は初めて他人という存在を知り、同時にそれを失ったことを知ったのだ。孤独を知る
主演のジュリエッタ・マシーナは本当に素晴らしい演技で、ジェルソミーナを完璧に演じきっています。
アンソニー・クインもハマり役で、何とも嫌な役ですが、ラストの彼の姿は胸に迫ります。
白黒にもかかわらず、本当に美しい映像と俳優の演技で引き込まれるし、何度見ても新鮮さを失いません!
何一つ無駄がなく、フェリーニ作品の中でも最高ランクに入ると確信しています。
ただし、ジェルソミーナへの罪の意識は、決して彼の心の奥底からは消えることは無いだろう。それは一種、「愛情に似た感情」として、彼の心にとどまり続けるはずだから。
「1度捨てた者は、もう2度と帰ってこないのだよ。」 (※2)
そんなメッセージをこの映画から受け取った。
ジェルソミーナは、家族が貧しくて無理矢理旅芸人に奴隷というか助手として売られた。しかし、同行する旅芸人ザンパノを純粋に愛するようになっていった。野蛮で女癖が悪くて、自分を大事にしてくれないのに、それでも愛していた。逃げ出したり、戻ったり、・・・。一生懸命、芸を覚えた。
ザンパノには、芸人仲間の悪友がいた。会えば、いつもからかわれる。ザンパノは旅の途中、彼に腹を立ててしまい警察に捕まる。そんな時、励ましてくれる人がいた。警察署まで送ってくれる人がいた。それが、ザンパノに会えば理由もなく、彼をいつもからかう悪友だった。
ジェルソミーナは言う。「私は生きている意味が無い。何もできない。」
しかし、ザンパノの悪友は優しく言う。
「この世に意味のないものなんてない。石ころだって何かは分からないけどきっと何かの役に立っている。神様ならそれが分かる。」
「彼が、なんで君を離さないのか分かるかい?君のことが好きだからだよ。」
ザンパノは警察署から出て、旅を始める。その悪友と、再会してしまう。再会するやいなや、彼をぶん殴る。彼は死んでしまう。彼の励ましのお陰でザンパノに付いていくことを決意したジェルソミーナは悲嘆にくれる。精神的におかしくなる。ザンパノはジェルソミーナを捨てる。ラッパと共に。
数年後、旅芸の途中の町で、聞き覚えのある鼻歌が聞こえてきた。ジェルソミーナが奏でていたラッパの曲だ。鼻歌を歌っている婦人から、この町にジェルソミーナが来たこと、その曲をいつも弾いていたこと、・・・・・・・・・そして、彼女が死んだことを聞かされる。 ( 冒頭 ※1、2 へ ↑ )
とっても心に響く映画だった。自らを、「イコール映画」だと言い切ったフェリーニ。素晴らしい作品を残してくれて、ありがとう。
次の日から放浪の旅にでも出ていっちゃったんじゃないかと思いました。
それくらい心の底をエグルような作品です。
そしてエグッたところでどうしようもない「道」を、
人間はどうしても切り開いて生きていかなければならない運命なんだって、
サーカス小屋でのワンシーンで、
「この小石もきっと何かの役にたっている。」ってセリフがやたらシンボリックなんですが、
そう、何かの役に立っていなければ喜びも悲しみも生まれないし、
孤独を感じることやそれを一時外に追いやることもできない。
フェリーニ自身が、「映画は私だ!」ってスパッと言っているのだし、
本国イタリアは彼の生涯を称え国葬にしました。
映画によって人の道を説き、世界がそれに称賛した。
不朽の名作っていうのは、
やっぱり人間が人間にどうしても伝えたくて伝えきれない、
でも伝えなくてはならないっていうところから放出した
魂以外の何ものでもないんだなって、
つくづくそう思うのです★
Sekino☆そら
http://blog.goo.ne.jp/anndarusia2000/
人が気づいているんでしょう???登場シーンからイエスと重ねてられてます
し、天からの者であることを暗に表している羽根のついた衣装、有名な石の台
詞は石の台詞はイエスが「自分は捨てられた親石」であるとおっしゃったマタ
イ21章42節をふまえてのものであることなどなど・・。
「キ」印がジェルソミーナに「自分についてくるかい?」と尋ねるのは、
イエスが使徒に「私についてくるか?」と尋ねたことを思い起こさせます。
ザンパノとジェルソミーナがとった行動は多くの人がイエス・キリストにと
った行動と同じものでした。罪深き人間の姿です。そしてその報いをこの
映画は描いています。
本来の映画の意味から離れてこの作品が多くの“ジェルソミーナ信仰者”
を生み出してしまっていることが残念でなりません。
彼女はイエスを退けて、その報いを受ける、一人の罪深き人間にすぎない
のですから。
私が死んだら悲しい、少し言い換えれば、私が居なくなったら悲しい、つまりは、私と一緒に居たいか、と聞いたのです.逃げ出したジェルソミーナをサンパノは迎えに来ました.それは一緒に居たいと思ったからに他なりません.
好きならば一緒に居たい、嫌いならば一緒に居たくない、これは人の最も自然な感情です.ジェルソミーナは「旅芸人は好きだけど、あんたが嫌いだ」、こう言って逃げ出しました.この様に考える時、喧嘩騒ぎの後なぜサンパノと一緒に行くことにしたのか考える必要が出て来ます.サーカスの一団は、「来たかったら一緒に来ても良い」、この様な言い方をしました.この点は軽業師も同じようなもので、「おまえが逃げ出しても、おれはほっておく」、この様に言いました.ジェルソミーナは軽業師にとって居ても居なくてもどちらでも良い存在だった.
それに対して、サンパノは逃げ出した自分を迎えに来た.この事実はサンパノがジェルソミーナを必要としているからに他ならない.美人ではない、男を喜ばせるのは好きか?、料理は.....ジェルソミーナ自身が、自分がなんの取り柄もない女であることをよく知っていた.その自分をサンパノは迎えに来た.それは、なんの打算も無い、純粋にジェルソミーナを好きな心がサンパノにあるからであり、ジェルソミーナはこの様に理解したからこそ、それまで嫌で嫌でならなかったサンパノと一緒に行く事にした.
サーカスの一団が去った後の、軽業師とジェルソミーナの会話は理解しにくいものがありますが、誰かの役に立ちたい、あるいは誰かに必要とされたい、こうした生き甲斐という意識がものすごく重要なものであるのを語っています.軽業師はジェルソミーナに生きる夢、希望を与えた結果、心の支えとなった軽業師をジェルソミーナは好きになったと言って良い.そして、その夢、希望は、目に見える形になって現れる、荘園でのトランペットなのですね.更に続ければ、サンパノは雪山にジェルソミーナを置き去りにする時、そのトランペットを置いてくるのです.夢、希望は人を好きにさせる、あるいは、好きな心を導き出すと言って良いのでしょう.
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と、私はこんなふうに考えてきたのだけど、これは、間違っていると思う.
仕事の場合で言えば、自分を必要とする仕事に生きがいを見いだす.これが、一見正しいように思うのだけど(私は、そう思ってきた).例えば、野球で言えば、大リーグへ行けるような実力のある選手は、当然、日本の球団で必要とされる.必要とされるからと言って、そこにとどまっている事が、正しい生き方かどうかと言えば?.人それぞれなのかもしれないけれど.
軽業師か、サンパノか、迷ったジェルソミーナ.たとえ捨てられても、自分に夢、希望を与えてくれた、トランペットを教えてくれた、軽業師について行くのが正解ではないのか.
男女が一緒に暮らすことにとって、互いに優しく接する事が一番大切.いつまでも好きで居るということは、相手に優しく接する心を失わないこと.
こう考えると、この映画、男女が一緒に暮らす上で最も大切な、優しさをごまかして描いている.私は、ジュリエッタ・マシーナの見事な演技にごまかされて来たと思える.
美人ではない、男を喜ばせるのは好きか?、料理は.....つまりは、なんのとりえのないおまえを必要とするのは、サンパノだけだ、この言葉はこう言っている.冷たい言葉なのね.
フェリーニの映画は、どれをとっても、冷たい.
ザンパノはどうしようもない悪党なんだけどその背中にはいつも寂しげな空気が漂っている。
そしてラストは圧巻だった。
これほどまで「人間」というものを克明に浮かび上がらせることができるのか。
ジェルソミーナの純真無垢な表情と雰囲気
マイナス要素がない傑作
自分はこの映画の10年後くらいに生まれましたが防空壕の後が近所に残っていて戦後の雰囲気はまだありました。
下にコメントされた方もいらっしゃいますが、私の祖父も妻である祖母を怒鳴ってばかり。近頃は耳も遠くなってなおさら怒鳴る声が大きい・・・。
ザンパノってあれでもジェルソミーナを愛していたのですね。戦争のためにか廃墟の村で、自分がつけた飯の味にまずいといい、ジェルソミーナの味付けに満足する。映画の出だしからザンパノは確かに変化したのだ。ジェルソミーナだっていつの間にか前向きに生きることを始め、ザンパノを愛し、トランペットや料理もできるようになったのだ。それは助言した軽業師のおかげだった。
それでもザンパノは生きるためにジェルソミーナを捨ててしまう。最後は浜で泣き叫ぶが、タフな彼のことだから3日もすれば忘れると思うな。
海から始まり、海で終わる、それまでの道を描くという事は
まさしく、人の生きる道を描いているのでしょうか?
この映画には色んな比喩や思想が盛り込んであるようでとても興味深かった
です。ザンパノの道、ジェルソミーナの道、それぞれの道があっても、
旅は続くのですね...。深すぎる。やっぱり、フェリーニはすごい。
ほんのちょっとおかしなジェルソミーナ。でもなぜか、親近感が沸いてしまうんだよね。表情や仕草なんか本当に可愛らしいし。こういう魅力のあるキャラクターって他にない。マシーナに魅せられました。
それからラスト。すべてを失ってしまった自分へのやるせなさ、むなしさ…いなくなってから分かる人の重さ、さびしさ…
いろんな思いが、彼をおしつつみ、無骨で強情な男は、心底くやみ泣く…。それが見事にでてたと思う。
ザンパノはどうしようもない男だったけど、このシーンでは何かに共感してしまった。
正直、泣きました。いい映画です。
これくらい説明しにくい映画は無い。説明しないほうがいいのでしょう。
ザンパノは自分の祖父に似たものを感じ、ジェルソミーナや軽業師(キ印
と呼んでいた。)にも感情移入がたやすかった。
自分の家庭はそんなに裕福でなく、他にも結構特殊な家庭だった事も、この映画を感覚的に理解しやすくしていた。
今、思うのはここに出ているのは生身の人間、建前や見得や誇りがあまり意味の無い世界にいる(選択してではなく否応なく)人間。
自分自身もそういう世界に住んでいたはずが、今は違う世界に住んでいる。
でも虚しいことが凄く多い。
今の俺はザンパノの最後のシーンの心情が分かりすぎる。彼が虐げ虐げられる人生を送って、愛を自覚できないまま出会い別れ、そして孤独に死んでいくだろう事に... そんなに今の人間も変わっていない。孤独なのは。
アンソニー・クインは一番好きな俳優。(彼がインタビューとかNHKでやっていて、凄くインテリジェンスあふれていて魅力的な人でした。)亡くなってしまったのが凄く悲しい。この映画も一番好きです。
理屈っぽく言えば、キリスト教に関するテーマなど説明できますが、そういった映画へのアプローチって往々にして虚しい場合があります。
要はうまいストーリーで泣かす映画なのだろうと決め付けていたわけだ。しかしこの映画、リアルさにかけては天下一品ではないだろうか。二発なぐっただけで男が死ぬ辺りは別として。(ちなみに人を殺したことを物語の転機にするのは好きではないが)自分はザンパノに人間性を感じないということはなかった。これがリアルな人間ではないだろうか?世の中ほとんどの人が自分の思ってる以上に利己主義じゃないだろうか?しかし、それは孤独と隣り合わせなんだということ。結局ジェルソミーナを捨てて孤独を選んでしまうザンパノ。そして孤独を体現したラストのシーンのザンパノ。全くといっていいほどロマンスを感じないこの作品は観てて別に泣けはしないが、泣く以上につらい。こんな悲しい映画をフェリーニは何の為につくったんだろうと思うが、こんな映画をつくるのはフェリーニくらいいかなきゃ無理だろうな。
だからなおさらラストシーンが心に染みる。
「この世に意味のないものなんか何もない、道端の石ころにも意味がある」というセリフに感動!
同じ時期に「甘い生活」も見てて、あの「傑作」と比較した結果、この映画が
兎に角「ダメ」に見えた。今でもそのときの感想は心に刷り込まれている。
でも、あれから10年経って今見返すと、「ダメ」なのになぜか泣けてしまう。
年をとって、優しくならなければならない、というのを知ったからなのだろうか。
今「ダメ」だと思っている人も、いつかまた見返して欲しい映画だと思います。
再見のスパンが長いほど、冒頭からの涙腺が緩むと思います。
孤独な二人を描き、最後のとても切なく終わってしまう。気になったのが字幕。突然ジェルソミナの言葉が乱雑になったり、それも意図的?ジェルソミナの笑顔も僕には理解できない。
でもある意味リアルな人間を描いてると思いました。ザンパノみたいな人間は多いと思います。
近年の映画の様にエンターテイメント的ではなく、より人間の真の姿を見れた気はします。ジェルソミナの母親なんかの最悪でしょ!でもこの映画をみて「清清しい」とか「良い映画だ!」とは思えない。僕もまだまだです。
確かに映画としては名作だと思いますが感覚的に観るのが辛い。
どっちかといえば、フェリーニの明るい感じの作品が好き。
ラスト、ザンパノの涙について。彼が泣いた訳はなんだろう。考えられる理由の一つは、ザンパノが、人間性を甦らせたことによって過去の愚行(直接的にはジェルソミーナへの愚行)に気付き悔恨したから。そしてもう一つは、ジェルソミーナを愛していたからだと推測される。この論拠とするところは、彼が改心したのは一人目でも二人目でもなくて、ジェルソミーナの死からという点である。なぜ彼女の死が、非道な彼の心をそれ程揺さぶったのか。ここから、ジェルソミーナに特別な想いをよせていたという理由が類推できるのだ。とすると、彼女への粗暴な態度全ては「愛情の裏返し」ということになる。ということは、本作は奥手男ザンパノの「純愛物語」とみれないこともない(笑)。もしそうだとしても、愛する者が死ななきゃ分からない彼の愚鈍さに同情の念は沸かないが。
また他に浮かんだ疑問。一人の人間が理性・モラルを取り戻すのに果たして3名もの死が必要なのか。二人目を死なせても改心の気持ちが起こらないのか。人間というものは、本質・内面に狂気を抱いていても同時に理性と反省能力も内在しているものである。それらに抑止されて外見・外面が形成されてゆくのだから、
ザンパノのような結末に辿り付く事は常識的にはありえない。(いささか観念論的ですけど、普通みんなそうでしょ)だから私は彼の姿をみてリアルさを感じることはなかった。過ちを繰り返す人は大嫌いです。
まあなんにせよ、私がこう余計な推察をするのは、ザンパノの修身の態度が余りにも遅すぎるとみてとったからである。権利の自由を謳いながら、いつまでも自らの言動を律することの出来ない彼には、必然の末路の一端だと思う。
この作品は今見てもとてもすばらしいと思います。
言葉では上手くいえないけれど。