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Funny Felix (愉快なフェリックス)<未>(1999)

FUNNY FELIX
DROLE DE FELIX
THE ADVENTURES OF FELIX

メディア映画
上映時間95分
製作国フランス
公開情報劇場未公開・シネフィルイマジカで放映
ジャンルドラマ/コメディ

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投稿者:ヴォーゲル投稿日:2006-12-02 12:35:00
【ネタバレ注意】



商業的にはアメリカ映画が席巻する中、ヨーロッパに住んでいて、見知ったところが舞台になっている映画があればそれを見る。

今日は世界中のエイズ撲滅日だったらしくニュースでもそのキャンペーンが写され、テレビガイドにもトム・ハンクスの「フィラデルフィア」が放映されるのを見ていたら深夜映画でフランスの北アフリカ系ゲイの若者がノルマンディーの町ディェップからマルセーユまでまだ見ぬ父に会うためにヒッチハイクで出かけるロードムービー仕立てのコメディーがあったので見るともなくビールを片手に観はじめた。

対岸イギリスのドーバー海峡の白い崖と同じような、古くからパリからくる夏の避暑客で賑わう港町の初夏の海岸を自転車で走る若者の後ろに流れるブロッサム・デアリーの歌声で意外な思いがした。 アメリカ白人ジャズ・ヴォーカルの中で今でも若い男心をくすぐる歌声のキュートな女性の60年代の録音と思われるものに魅かれて観続けたというのが大きな理由だ。

このあたりを旅したのはもう随分昔で、そのあとこの若者がルーアンで殺人事件にからまれ犯人におどされ命からがら逃れてロワール、その南、リヨンのあたりとあちこちでヒッチハイクをしてゲイはゲイを呼ぶ、のたとえか高校生、鉄道の補修員らと関係を持ちながら南下するのだが、ゲイではない自分の前であからさまな男同士の絡みをみせつけられてそういうことには慣れていない身、少々居心地のわるい思いがしたのだが美しい景色と静かな佇まいの中ではそうそう気持ちの悪いというものでもない。 更に、この若者はエイズ患者で毎朝目覚めてすぐ3種類のカプセルを飲んでぴんぴんした健康を保つのだが、こういった一般的に厳しい病気も日常の中でさらっとながしており、定期的に通う病院の待合室でも他の男女の患者と医師の見立て、療法のことを面白おかしく喋りあうのも挿入されている。 

私事、明日は義母の姉が80歳の誕生日を祝うのだが、このオーストラリアに移住した叔母はほぼ17,8年ほど前に息子をエイズで失っている。 私もこの20代初めの細身の若者に会ったことがあり間接的に不治の病に冒されているとは聞いていたもののオランダからオーストラリアに帰国後程なくして亡くなったと知らされている。

当時と比べればエイズに対する医療は格段に進歩している事情はこの映画でも重い気分は全く見せず、たまたま止めてもらった悠々自適のおばあさんの家で朝食のテーブルで婆さんはどっさりいろいろな持病のカプセルを、この若者は自分のカプセルを水で二人で乾杯しながら喉を通す、といったところにも現れている。

今、オランダの重く鉛色の冬が始まりそうなとき、このような景色の美しいロードムービーを見るのはもう7,8年前のドルドーニュ、そのあとのローヌ河畔のワイン畑の中の村、南仏アルプスの村のヴァカンスを思わせる景色が出てきて何のとりえもない高速道路の工事現場にしても広大な麦畑にしてもヴァカンスに誘われるような気分になる。

この映画の、それぞれ各地で出会う人たちとのエピソードにはそのつど、家族を示す、母、妹、父、兄弟などの副題がでて直接には関係ないものの旅の気軽さ、対話の温かみに繋がって、すごろくの上がり、とでも言うべきマルセーユで恋人と再会して地中海の旅に出る終わりで再度、ブロッサム・デアリーの歌で〆る、なるほどフランス映画の軽妙さだなあと微笑みでテレビのスイッチを切ったのだった。 

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