バーバー(2001)THE MAN WHO WASN'T THERE
【クレジット】
【解説】 「ミラーズ・クロッシング」「ファーゴ」のコーエン兄弟が、フィルム・ノワールを思わせる渋味の効いた演出で、ふとしたことから歯車の狂い始めた男の辿る皮肉な運命を描いたオフビートな味わいの悲喜劇。主演のビリー・ボブ・ソーントンをはじめ、「ザ・ソプラノズ」のジェームズ・ガンドルフィーニら芸達者が顔を揃える。なお、全編モノクロの本作は、もともとカラーフィルムで撮影したのち、モノクロフィルムに焼き付けるという方法で完成されたとのこと。 1949年、カリフォルニアの片田舎サンタローザで床屋を営む無口な男エド・クレイン。平凡な毎日を送るエドだったが、ふとしたことから妻ドリスと彼女の上司デイブの浮気を疑い始める。そんなある日、店に来た客の一人からドライクリーニングの商売を始めるために資金を出してくれる人を探している、との話を聞かされたエド。この話にすっかり乗り気になった彼は必要な資金を得るために、ドリスとの不倫をネタに相手のデイブを恐喝することを思いつく。一時は思い通りに事が運んだかに見えたエドだったが、やがて事態は予想もしない方向へと転がり始めた……。 【ウェブリンク】 【おすすめ作品】
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原題は「THE MAN WHO WASN\'T THERE」(=そこにいなかった男)。自分の仕事ぶりが形として残らない理容師という仕事(整髪しても髪は伸び続ける)、雇われ理容師になった経緯、結婚にいたった経緯、寡黙な仕事振り、彼の目の前でいちゃつく女房とその浮気相手‥いてもいなくてもよい存在という主人公像を巧みに作り上げます。唯一、彼がそこにいるとわかるのは彼の周りで常に漂っているタバコの煙のおかげでしょうか。
そんな主人公を演じるビリー・ボブ・ソーントンは、存在感のないキャラクターを、自らの存在感でバランスをとりながら、映画として観ることができる主人公に仕立て上げています。
物語は、そんな主人公の自らの存在を示そうと起こした行動が、彼の周りの人間関係の歯車を狂わせながら皮肉な結果へ、と展開していきます。特にヒッチコック映画で有名な巻き込まれ型サスペンスに対してこの映画は巻き込み型サスペンスとでも言ったらいいでしょうか。事件の中心にいながらも、存在感がないために、その頭越しに話が展開していく様子が面白いです。
ビリー・ボブ・ソーントンが良い味わい、巧いね、このおっさん。
ただ作りこみすぎというか、もうちょっと観客に余裕を与えて欲しいかな。
まぁ面白いんですけどね
ヨハンソンはこの時からスターの片鱗を覗かせてたが、アメリカ娘にするのは無理があったと思う。あのセールスマンを殺したのは誰?デイヴ?とにかくちゃんと話が繋がってないのがダメ。
というキャラクターの造型は映画史上に類例の無いものだろう。聡明さと馬鹿ら
しさ。寡黙と饒舌。複雑さと単純さ。ヒロイズムとアンチヒロイズム。とても格
好良く同時にとても格好悪い。そして何よりもとても愛おしい。
コーエンの演出は技巧的にはもう安定しきっていてマンネリズムを感じなくも
ない。車が中空を飛び、転げ落ちたホイールキャップのイメージでシーンを繋ぐ
処理なんかもコーエンらし過ぎて鼻白む感がある。しかし、この映画では配役と
アクターズ・ディレクションでキャラクターに新鮮味をもたらすお手本のような
演出を目の当たりにすることができる。ビリー・ボブ・ソーントン以外にも、フ
ランシス・マクドーマンドのある種の妖艶な美しさ。また、『ギャラクシー・ク
エスト』ではとぼけた技術主任チェン役だったトニー・シャローブの敏腕弁護士
ぶりにも驚嘆する。そしてピアノを弾く娘として登場するスカーレット・ヨハン
ソンの扱い方!事故のシーンの後に彼女を登場させないところがコーエンの倫理
感か。
主演のビリー・ボブ・ソーントンを筆頭に役者陣が巧み。そして(ベートーベン効果だろうか)、理不尽な物語なのに、見終わった後、不思議と透明で静謐な気分に浸れる。
カンヌを制しただけのことはある。秀逸の一語に尽きる作品。
この映画に「俯瞰」はなかったけどね。
面白い映画でした。
主人公が無口な床屋ってのがいい。
周りから見ると何を考えてるのかわからない。
観てる間は首をかしげることが多くて、変な面白さだな、と思ってました。
無口な主人公の腹の中が語られながら話が進み
紆余曲折があって、最後は裁かれちゃって終わり。あっけない。
エンドロールにコーエン兄弟の名前。
このサイトでジャンルを確認すると、ドラマ/犯罪/コメディ。
取り引き相手は無意味にゲイだし、取り引きは妙に簡単にいくし
弁護士は他人の話聞かないし、女子高生はチャック下ろすし
その辺全部突っ込み所みたい。
コーエン兄弟は愛すべき捻くれ者なんだろうと思いました。
なんか優等生っぽい感覚だったのが残念。
主人公の悲劇は、同情も感情移入もできるものじゃないけど、客観的になって見届けることすらも出来なかった。
無口でさえない男だが、
物事に動じないクールなキャラでもある。
床屋にしとくのもったいない。
いるタイトルはないと見終わってそう思いました。
どのシーンも印象深いし、かめばかむほど味がでてくるスルメのよう。
ビリー・ボブ、「バンデッツ」といい、「チョコレート」といい、
今度もすごかった。これからも楽しみです。
人の感情の細やかな動きが映像で表現されることってあまりない。徹底してモノトーンを貫くこの映画で、かすかに色を感じさせるシーンがそれにあたる。ほとんど表情を変えないビリー・ボブ(やフランシス・マクドーマンド)からそれを読み取るのがこの映画の楽しみだ。酒にも煙草にも女にも溺れないこの無口な男、一言で言うとなったら、やっぱり、バーバー、としか言いようがない気がするから不思議だ。7
『ファーゴ』と『ミラーズ・クロッシング』を足して割ったような印象でした。
物語が進行するごとに本筋からズレてきて、最後には取り返しがつかなくなっちゃう、っていう流れは嫌いじゃないんですよ。
でもどうせだったら、オチは全くあさっての方向に行ってしまうくらいのハチャメチャさがあっても良かったんでは?
良くまとまってるぶん、新鮮味は薄かった気がします。
と言っても、常に違うテイストの作品を作り続けるなんてどんな巨匠にとっても困難だろうし、クオリティという意味では非常に高い作品を創造し続けているコーエン兄弟は、やはり偉大な作家だと思いますけど。
とりあえずソーントンの演技は、「人生に疲れちゃいました」的な哀愁が漂ってて、すごく良かったと思います。
しかしやはり、浅はかな犯罪計画といい、後始末のヘタくそさといい、その駄目男ぶりはファーゴのウィリアム・H・メイシーとまったく同じレベルでした。
そして、それにまとわりつく格キャラクターも、やはり駄目な奴ばかり。
全編に漂う渋い雰囲気は、絶対パロディだと思います。
だって、ほんとのハードボイルドの世界だったら、女子高生にズボンのチャックを下ろされて、あわてて車をがけから滑らすなんてギャグを入れないでしょう?
私はあそこで大笑いをしました。
http://hp3.popkmart.ne.jp/syco3/
コーエン兄弟の映画は、小さい嘘や、出来心のような裏切りや、思い違いや、タイミングのずれや、たまたまのような偶然が、主人公の運命を意外な方意外な方へ狂わせていく。
次はどうなるんだろう式ストーリーが好きな私は、モロにハメられて、この映画終わんないといいなあ、とか思ってました。
コーエン兄弟がTVシリーズとか作ったらヤバいね。ハマるね。登場人物全員裏切りまくりっていう。
一見ダンディーでニヒルな床屋のエド、でも実は情けないダメ男そこらへんをビリーボブソートンが見事に演じていた。こんな人は世の中に一杯いる。そんなに本当にニヒルでダンディーな人はそうはいない。
そして彼がふとした事からどんどん坂を転がり落ちていく。本当はちょっとだけ人生を変えたかっただけなのに。彼が床屋と言う職業に飽き飽きしていて違った人生にしたかった、願望がひしひしと伝わってきて、その為に本人も予期しないような展開になっていくあたりの描写が見事な映画だった。
世の中自分の人生に充分満足している人のほうが少ないだろう。だからこの映画は観ていて恐いな〜と思ったし、平凡でも小さな幸せに満足することが本当の幸せかな、などと思ってしまった。
コーエン兄弟はこういった人間の悲哀を演出するのがうまいですね。この作品は間違いなく代表作になると思う。
はぁー、それにしてもビリー・ボブ・ソーントンがホントステキ。表情がたまらないわ。
2002.05.15観賞 6点
違った顔を見せてくれて、毎回楽しみです。モノクロの映像も、とても
綺麗でした。ほんのちょっとの行き違いが、あんなふうに転がっていくとは
思いもよらなかった! おもしろかったです。
ほんと久しぶりにタバコをふかす姿がキマッてる役者を見た感じがする
随所に出る人生観を語るセリフも微妙なユーモアが入っていてもう絶妙!
特にお気に入りは刑務所で夜、空を見上げ「あるもの」を見てうなずくシーン!
いやぁ渋おもろい.ハ〜〜〜ドボイルド(笑)
これは見る価値ありますね
これこそ本来のアメリカらしい映画だよ
ハリウッドは目を覚ましてほしいなぁ