雲のむこう、約束の場所(2004)The Place Promised in Our Early Days
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【解説】 たった一人で作り上げたフルデジタルアニメ「ほしのこえ」で鮮烈なデビューを飾った新海誠監督の初長編アニメーション。日本が南北に分断された戦後というもうひとつの世界を舞台に、謎の病にかかった憧れのヒロインを救うため、2人の少年が奮闘する姿を描いた青春冒険ストーリー。声の出演は吉岡秀隆と萩原聖人。 戦後、日本は津軽海峡を挟んで南北に分断された。米軍統治下の青森に暮らす2人の少年、ヒロキとタクヤ。彼らは2人とも同級生のサユリに憧れを抱いていた。そんな2人はある日、津軽海峡の向こう側、ユニオン占領下の北海道に建設された、謎の巨大な“塔”を見ながら、いつか自分たちの力であの塔まで飛ぼうと約束、小型飛行機を組み立て始めるのだった。ところが中学3年の夏、サユリが突然東京に転校してしまう。虚脱感に襲われた2人はいつしか飛行機作りも投げ出してしまい、高校進学を境に別々の道を歩み始めるのだったが…。 【ウェブリンク】 【ユーザー評価】
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それにしても、何だか、よく分からない映画でした。
というより、正直なところ、観ていてだんだん恥ずかしくなってしまいました。
全体的に浅はかな感じがします。
例えば作中では、「平行世界の実存を証明した」とか何とか言っていました。
こういう場合は「実在を証明した」と言うべきでしょう。
「実存」は、通常は「本質」と対比的に用いられる言葉です。
こういうちょっとした言い回しにも、ある種のアニメにあるペダンティシズムが感じられます。
つまり、大した内容でもないものを、ちょっと小難しい言い回しを用いてみることで、さももっともらしいものに見せかけるというやり方です。
私、実は大学では(院では別の方面に行きましたが)、可能世界論(多世界論)なんかの勉強をしていました。
この映画では「平行世界」とか言っていましたが、まあ、同じようなものでしょう。
多世界論は、基本的には可能性や必然性という概念を外延化してとらえるための方法論なので、別に「夢」とは何の関係もありません。
ヒロインの夢と他世界とがどうつながるのかが、どうもよく理解できませんでした。
第一、完全に世界が「書きかえ」られた場合、もはやそこに「私」は存在しません。
「私」は「この世界」に存在している以上、「この世界」が他世界に変われば、そこにどんなに「私」のそっくりさんが存在していたとしても、もはやそれは「この世界」に存在していた「私」とは別物です。
つまり、世界を「書きかえた」侵略者自身も消滅してしまうというわけです。
一体、何が面白くてユニオンとやらは、自分自身さえも消滅してしまうような侵略をしていたのでしょう。
とっても謎です。
作中で最も描かなければならなかったのは、初恋のはずです。
その部分を疎かにして、塔だの平行世界だのと言われても、退屈で仕方がありません。
例えば、筒井原作の『時を翔ける少女』ではSFチックな小道具が出てくるものの、それは飽くまで小道具であって、芯の部分では少女期の揺れる心理がしっかりと描きこまれている。
そういうものがなければ、結局のところ、絵は綺麗だけど、何だかよく分からない頭の悪そうな作品ができてしまうだけのことです。
前の「ほしのこえ」は短編だったから、主役の少女が女子高生ルックのままロボットの操縦席に座るといったトンデモな設定にケチつける気にならなかったけど、今回は多少のリアリティが求められる戦争を題材にしてるだけに、高校生が高性能の飛行機を手作りで仕上げるという設定に決定的な無理が生じている。あと動きの表現に稚拙な所があり、水の描写で手を抜いているカットがあったな。今のアニメで水のリアルな表現はCG以上に重要な部分なのに。
塔の存在理由も少女との因果関係も全く説得力が無い上にオリジナリティも無い(中年の二人まで飛行機青年だったなんて・・・)。その上小難しい宇宙エネルギー理論(本当にそんな物あるの?)まで持ち出して世界観をこんぐらかして、最後に二人を飛行機で飛ばして綺麗な絵でごまかそうとしている。
次回作も観ると思うが、この監督はこれからもシナリオの勉強をする事無くアニメ作りを続けて行くんだろうな。
特にノスタルジックな回想シーンの光や空気、雲、駅や廃屋、学校のもつ雰囲気は素晴らしい。
アクションやド派手なメカよりも、自然の描写の方に心惹かれた。
声優を知らないまま観ていて、「独白が『北の国から』っぽいなー」と思ったら、何だ、まんま吉岡秀隆クンではないですか。
青春SFアニメ(「世界系」っていうんですか。知らなかった)のジャンルなのだろうが、今一歩入りきれなかった。
舞台の背景そのものが、既に「南北分裂した日本」というパラレルワールド。さらにそこで重要な役割を果たすのが「平行世界」。パラレルワールドの中にパラレルワールドが生まれ、まさに入れ子細工のよう。
平行世界のどこかに、我々のこの世界がつながっているのでは?とも思ったが、深読みしすぎたか(苦笑)。
この世界を「書き替え」した結果とはどのようなものなのか。「書き替え」ることが兵器となり得るのか。
その辺がもうひとつ説明不足で、何だかキツネにつままれたような感じがした。
短いシーンがことごとく暗転するのもどうだろうか。何だかそれぞれのシーンを別々に作ってつなぎました、ようにも感じられ、集中力を妨げられたような気がした。
ただ、新海誠も含め、スタッフがみな若い!才気溢れる今後にますます期待したい。
途中から巨大な塔に関する話で物理学の難しい話が出てくるのも、一般人にはちょっと理解しにくい。出来れば、TVで2クール以上の放送で一般人にも分かりやすく丁寧に時間をかけて説明してほしいと思った。
そうすれば、かなりよい作品に出来上がったのではないかと思う。
正直1時間30分で語りつくされるような作品ではないと思う。ので、部分的に消化不良の感がある。
巨大な塔の話についてはあまり説明が無いので、ここを突くときりが無いと思うが、「何のために建てたのか?」ということがやはり気になるし、北軍の人間についてはまったく描かれていないのでここの部分で薄っぺらいものとなってしまっているように思う。
しかし、以上のことを除けば物語はなかなかで、それなりに感動した。
声優に関しては少年2人は個人的にミスキャストだと思う。田舎の少年の素朴さは出ていたが、声がくぐもっていて時折聞きづらいところがあった。
もう少し声に張りがある声優を使った方が良かったと思う。
しかし、萩原聖人に関して言えば”闘牌伝説アカギ”の主人公アカギは絶妙で、陰のある人物にぴったりの声をしている。なので実力という面では、申し分ないと思う。
この映画は「映像」や「物語」よりも、
「雰囲気」「空気」を大切にしており、
動きの少ない、または動きの無いものは出来るだけ細かく描き込み、
ストーリー展開を考えるよりはキャラクターを掘り下げている。
だからなのか、静止画がスクロールするだけでも
目を見張るようなシーンがあり、
他の大作アニメと比べて動きの少ないキャラクター達は、
イメージ通りの声と台詞、無駄の無い動きにより、
むしろ大作アニメのキャラクターよりも生き生きとしている。
(ヒロインが多少、「萌え」系なのは好みが分かれると思うけど…)
戦闘が絡んでくるシーンもあるが、
アップテンポな曲やハードロックなどの曲は一切使われておらず、
作品を通してスローテンポで静かめの曲が多く、作品の統一性を損なっていない。
それら素晴らしい出来に加えて、作る事に関して一切の妥協を許さなかった
作り手の気持ちが画面を通して伝わってくる。
映像に関しては、少人数体制なのでもちろんスチームボーイなどには
画力の面でかなわないし、
CGに至っては、デビルマンの方がまだマシなんじゃないか?
と思うくらい安っぽかったが、
そんな事は何度も見なければ分からないくらいに
作品全体としての完成度が高い。
宣伝がほとんどなかったためか、あまり世間の話題に触れる事もなく
劇場公開を終了したが、未だかつて「見るのが心地良かった」アニメは
この作品以外に出会った事はない。
色んな人に見てほしいと心からそう思った。
ました。ノスタルジックな小説を読んでいるような描写と、美しい景色。あ
いかわらずの新海スタイルがとても心地よかったです。あの塔に関する理論
武装が不足で、「を?」と思うところもあり、逆に話の面白みを削ってしま
っている気がしないでもないです。が、それを差し引いてもボクの好みであ
ることは変わりません。あの美しい空はスクリーンに観にいけばよかった。
いいです。8点
よいです。
普段は押井作品のような暗い作品ばかり観ている私でも素直に感動しました。
癒された気分です♪
上映が終わるまでにもう一度観たい。
その次は「ベルヴィル・ランデブー」を観よう・・・
少年時代多くの人が持っていたであろう未知のものに対する憧れ、未知であるにもかかわらず感じるノスタルジー。
そして前作でも見られた、新海監督独特の、美しく書き込まれたディティールが際立っています。青空を横切る飛行機雲、学校の古い教室、廃駅の木張りの廊下、、
そして拙いながらも真摯なラブストーリー。
とにかく背景が美しく、また想像力を刺激するプロットも併せ持った映画です。