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無法の拳銃<未>(1959)

DAY OF THE OUTLAW

メディア映画
上映時間91分
製作国アメリカ
公開情報劇場未公開・TV放映
ジャンル西部劇

【ユーザー評価】
投票数合計平均点
321 7.00
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【ユーザーコメント】
投稿者:gapper投稿日:2010-08-28 22:36:44
 陰の西部劇。

 ジョン・ウェインの「リオ・ブラボー(1959)」が陽の作品とすれば、この作品は陰の作品で暗く静かで感情も薄く冷たい。
 その陰の中、雪に閉ざされた町に分けありの町の立役者ブライス(ロバート・ライアン)。
 ロバート・ライアンは、少し分からない感じのする役者でまさに適役。

 この物語は、ワイオミングの小さな町で保安官であってもおかしくないブライスが住民の有刺鉄線に文句を言うところから始まる。
 この理由が不倫に根ざしていて、これの物語かと思ったところに落ちぶれた英雄と思われるブルン大尉(バール・アイヴス)が登場する。
 7人の荒くれを率い軍の金を強奪し騎兵隊に追われていると言う。
 この話の転換も上手く言っていて物語に引き込まれる。

 終始押し殺したような重苦しさがあり通常は見たくない雰囲気であるのに舞台や役者、設定が上手く組み合わさり見たくさせるアンドレ・ド・トス監督の手腕はなかなか。
 多くのものが理由を持ち、単純に進まず、閉塞感が生まれ物語を面白くする。
 異色ではなく、異質な西部劇だ。
投稿者:クマサン投稿日:2008-06-15 18:03:04
【ネタバレ注意】

やっとDVDがアメリカで出たということで日の目をあび再評価著しい異色ウェスタン。ハンガリー出身のアンドレ・ド・トス監督の最高傑作とも評される本編は、映画製作者シドニー・ハーモンと脚本家フィリップ・ヨーダンが設立した独立プロダクション、セキュリティが低予算で製作したもの。低予算ぶりが随所に見られるものの、ド・トス監督はそのハンデを最大限利用して逆に全編に渡って寒々しい雰囲気をかもし出すことに成功しています。

雪に閉ざされたワイオミングの寒村に凶悪な無法者たちがやってきた・・。それまで所有地をめぐって内輪もめをしていた住人たちもそれどころでは無くなります。ロバート・ライアンとバール・アイブスといった一緒の画面に出るだけで迫力満点の重量級の役者が揃います。ド・トス監督の目論んだオリジナリティに富む異色西部劇を撮り上げるためには二人のような複雑で屈折したキャラクターを演じられる役者がどうしても必要だったのでしょう。そして、その狙いどおり、二人はただのヒーローとも悪漢とも簡単には分類できない迷える主人公たちの姿を見事に表現。他者を蹴落としてまで意地を貫き通そうとした自らの良心を問う孤独な牧場主ブレイズ・スターレットを演じたライアン、生命の限界を知りつつも威厳を保ち続けようとする無法者の首領ジャック・ブルンを演じたアイブス。どちらも過去を背負った男の悲しさを象徴する忘れがたい存在。特にライアンの苦悩を湛えながらの抑えた演技と、悲しいヒロイズムを感じさせる後姿が極めて印象的です。

アンドレ・ド・トスがこだわった豪雪地における野外撮影。当初、製作者側はより人間ドラマ重視の西部劇を想定していたため、スタジオでのセット撮りを考えていたそうです。しかし監督はクルーを雪の山間地に引っ張り出して、なかば強引に撮影を挙行。これには関係者から非難の嵐がおこりました。しかし完成したフィルムを見れば、いかにド・トス監督の判断が正しかったかがわかります。それほど素晴らしい雪原のシークエンス。白銀の不気味な修羅場で人馬が共に白い息に包まれて悶絶する残酷さ、寒々しさ。『リオ・ブラボー』の名カメラマン、ラッセル・ハーランの独壇場がここに。恐ろしい雪と氷の世界に『宇宙大作戦』シリーズで知られるアレキサンダー・クーリッジ作曲による悲壮感漂うスコアが響き渡ります。

1対3の理不尽な氷上の決闘、めまぐるしく回転する残虐なダンスシーン、ガンファイトより自然対人間の構図を強調した行く当ての無い雪原の行進など、数々の伝説の場面がこの極寒の地を舞台としたシビアなウェスタンをいっそう忘れ難いものにしています。見終わった後に残るなんとも言いがたい虚無感は西部劇にはめずらしいすっきりしないもの。しかし、それでだけにこのフィルムの存在感は絶大。言ってみればこれは、罪と罰と魂の贖罪とをテーマとした芸術性高い氷のウェスタン。それもこれもこの作品をユニークなフィルムたらしめようとしたアンドレ・ド・トス監督の異才の賜物なのです。

2009年に映画批評ウエブサイト「They Shoot Pictures, Don't They?」が発表した厳選2001作品からなる「古典フィルムリスト」へのエントリーを果たしました。

投稿者:黒美君彦投稿日:2007-10-04 12:17:55
【ネタバレ注意】

<あらすじ>ワイオミングの開拓地の街。牧場を持つブレーズ・スターレット(ロバート・ライアン)は、牧場の牛から農場を守るために柵を設けようとするハル・クレーン(アラン・マーシャル)と対立していた。スターレットはクレーンの美貌の妻ヘレン(ティナ・ルイーズ)を奪いたいという欲望もあったのだ。いよいよ決闘かというとき、7人組の悪党が街を襲う。ジャック・ブルーン大尉(バール・アイブス)率いる彼らは、合衆国軍の金を奪い、騎馬隊から逃れてやってきたのだ。狼藉を働こうとする部下を、ブルーンは何とか抑えていたが、彼も重傷を負っていた。スターレットは、一計を案じ、山を越える道があると偽って、吹雪の山に彼らを案内する…。

西部劇というよりは心理劇、というべき秀作。真冬のワイオミングがこんなに寒いとは知らなかった(真冬は最低気温が氷点下15度にもなるらしく、年によっては山間部を中心に積雪も結構あるようだ)。
開拓地の街を守ってきたという自負のある男が、後からやって来た住民から嫌われる。一方で若い人妻を愛し、その夫を殺したいという思いに囚われている。銃で自らを立ててきた中年男が、疎まれる現実。
そこに現れた悪党たち。しかし、でっぷりした大尉(バール・アイブス)は紳士的な面も持ち合わせ、部下たちの狼藉を許さない。しかしスターレットは大尉と若いジーン(デヴィッド・ネルソン)以外は、いつ凶暴になるかわからないとみていた。ブルーンもまた死期が近いことを知り、街を守ろうとするスターレットの計画に敢えて乗る。
不帰の案内人を決意したスターレットは、ヘレンに対しこう言う。「夫を守るために自分の寝室を訪ねてきたあと、鏡に映った自分の姿を見てぞっとした。そこには街に侵入してきた悪党と同じように、欲望だけの男が映っていたんだ」。

雪のシーンはなかなか壮絶。ほんっとに寒そう。雪中行軍を続ける馬が可哀想(涙)。凍死してしまうような山中で、スターレットだけが元気な理由がよくわからないが(苦笑)、なかなか迫力のある雪山のシーンだった。
ロバート・ライアンはどことなくブッシュ(子)大統領をイメージさせる相貌。バール・アイブスが存在感を示している。ティナ・ルイーズは色気むんむん。ジーンと恋に落ちるヴェネッタ・スティーブンソンも綺麗。
監督のアンドレ・ド・トス(1912〜2002)はハンガリー出身の隻眼の映画監督で、彼の作品は初見だったが、人間心理に焦点をあてたこの作品はなかなか面白く拝見した。秀作である。

投稿者:Katsumi_Egi投稿日:2006-07-12 22:24:37
 なんと美しい雪の西部劇。雪でぬかるんだ町の情景や後半の雪山を騎馬で進むシーン等、屋外シーンの画面の端整さは特筆ものだが、室内でも窓や鏡、或いは階段といった道具立ての演出が見事だ。またパール・アイブスが登場するカットでシチュエーションをがらりとギアシフトする手法も滅法格好良い。それは何よりも酒場のカウンターの演出が格好良いからだ。そしてまさに狂気的と云うべき夜のダンスパーティのシーン。このダンスシーンの撮影と演出はちょっと凄い感覚。全体にラッセル・ハーランの撮影が大きく貢献しているのは確かだとしてもアンドレ・ド・トスの演出は第一級だ。
http://cinema.intercritique.com/user.cgi?u=3449
投稿者:Ikeda投稿日:2006-06-12 12:12:03
タイトルバックで農民と牧畜民の対立が明示され、ついでロバート・ライアンとティナ・ルイーズの不倫が描かれる。更に軍の金を盗んだバール・アイヴィスが部下と共に現れ、町を乗っ取る。
それからの話が本筋ですが、西部劇としては雪の中のシーンが多く出てくるのは新しい試みにしても、ほとんどの出演者の心の動きが最後まで素直に受け止められない映画でした。アイヴィスは唄ってはいませんが、すっかり映画俳優になっているなと思いました。ライアンの方は演出のせいもあって、ただ役をこなしただけの感じです。
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