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映画に愛をこめて アメリカの夜(1973)

LA NUIT AMERICAINE
DAY FOR NIGHT

メディア映画
上映時間117分
製作国フランス/イタリア
公開情報劇場公開(WB)
初公開年月1974/09/14
ジャンルドラマ
映倫G
映画を愛するファンのために限りない情熱を-- 名匠トリュフォーがつづる映像芸術の極致!
映画に愛をこめて アメリカの夜 特別版 [DVD]
参考価格:¥ 1,543
価格:¥ 880
USED価格:¥ 1,000
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映画に愛をこめて アメリカの夜

【解説】
 フェラン監督(F・トリュフォー)による映画が、ニースで撮影される。ノイローゼ気味のハリウッド女優や気難しい男優、妊娠がバレた新人など、問題あるスタッフをかかえて、監督の撮影もなかなかはかどらない……。映画撮影の風景というシチュエーションだけで、特にストーリーらしいストーリーも無いが、映画好きの人ならば良い気持ちになれる不思議な作品。タイトルの“アメリカの夜”とは、夜のシーンを昼間に撮るため、カメラにフィルターをつける撮影の技法のこと。
<allcinema>
評価
【おすすめ作品】
A=無難にチョイス B=チャレンジの価値アリ C=発見があるかも!?
[001]A大人は判ってくれない (1959)
[002]A華氏451 (1966)
[003]A男と女 (1966)
[004]A突然炎のごとく (1961)
[005]A甘い生活 (1959)
[006]Aアデルの恋の物語 (1975)
[007]A (1960)
[008]Aベニスに死す (1971)
[009]Aわが谷は緑なりき (1941)
[010]A冒険者たち (1967)
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
17141 8.29
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【ユーザーコメント】
投稿者:sachi823投稿日:2016-03-20 15:06:59
映画を撮った映画という趣向の作品は過去にもいくつかあり、
その多くが監督自身の映画制作への苦悩をテーマにしておりました。
本作品も夢のシーンなどで監督の心の奥を垣間見ることができますが
それらを必要以上に強調することなくそれよりも
映画に関わる人々の結びつきがきわめて繊細に綴られ
制作者や俳優の映画への愛が感じられるところがよかったと思います。
何気ないストーリーの積み重ねが心地よくトリュフォーの登場人物に対する
暖かく優しい眼差しが感じられてとてもいい気持ちで
全編を見ることができました。
ジャクリーン・ビセットは当時美しさの絶頂で魅力的です。
私生活は無茶苦茶な俳優たちの一瞬のフォトグラフィックな煌めきは
正にこのような仕事を天職として生まれた職業人を感じさせます。
投稿者:stevezi投稿日:2013-04-06 17:07:35
トリュフォーの素晴らしさを再認識させてくれる傑作。
映画への愛というか、映画とはこれほどまで人間味に溢れたものなのだと示している。
いや、人間とはこれほど、どうしようもなく、しょうもなく、しかし愛に溢れたものなのだということを表すことが出来るものこそ、『映画』であるということを、溢れかえるほど教えてくれる作品。
涙がとめどなく流れてしようがなかった。
投稿者:o.o投稿日:2012-05-07 00:46:22
わがままで、おしゃべりで、目を離すとすぐにセックスしようとする、それがフランス人というものなのでしょうか。そんなてんでばらばらの個人たちが映画作りという共通の目的で奮闘するうちに、何だかんだ言って結局は一つの映画ができてしまう不思議さというものを感じます。色恋沙汰は起こるは、大女優は精神的に不安定だは、スケジュールは押すは、挙句の果てには主役級の役者が途中で一人死んじゃうはと、トラブル続出の中でゴールに向けて奮闘する、一人真面目人間の監督がけなげです。

考えてみると、というか考えてみるまでもなく、このてんやわんやの撮影現場を撮影しているてんやわんやの撮影現場というものがあるわけで、その様子を具体的に想像しようとすると、何だか頭がくらくらしてきます。この映画の中で製作している映画の中の役を演じる役者の役を演じている役者。クレーン撮影をしているカメラマンをクレーン撮影しているカメラマン。スタッフ一同が次々と降りかかるトラブルを乗り越えていく姿を撮るために、次々と降りかかるトラブルを乗り越えていくスタッフ一同。本物の現場はどんな現場だったのでしょうか。

どこか心を軽くしてくれるマジックを持った映画でした。それまで一緒に働いていたスタッフたちが、それじゃあまたと挨拶しながらそれぞれの方角へと散らばっていく姿を空撮で捉えたラスト シーンに、何とも言えない解放感と自由さを感じた次第です。
投稿者:gapper投稿日:2012-03-16 22:21:41
 リリアン・ギッシュ姉妹に贈られた映画作成の物語。

 タイトルの左に普段は音としてしか接することの無いサウンドトラックが、映像として映し出される。
 これがこの作品を象徴している様に思う。
 普段見ることの出来ない、映画が出来上がる過程を映像化している。

 同様の作品にフェリーニの「インテルビスタ(1987)」があるが、この「アメリカの夜」の方が随分楽しめた。
 フェリーニは好きではないが、トリュフォーも好きではないからえこひいきではない。

 タイトル音楽のヘンデルが作曲した様な曲が全編流れるが、これが印象を良くしている。
 タイム・キーパーのジョエル(ナタリー・バイ)やリリアン(ダニ)、ヘアメークのオディール(ニケ・アリギ)などの助手がやたらとセクシー美女だと思ったらサービスカットを担当している。
 こういった楽しませる精神があるので「インテルビスタ(1987)」より楽しめたのだと思う。

 基本的に特異な撮影方法や技法は使用されない。
 まさに普通の人とは異なる映画人の日常で、そういった意味では「インテルビスタ(1987)」と大きくは変わらない。

 何度かフィルムが流れるシーンが見られるが、どうやら片方は音声用の磁気テープのようである。
 同期させる為だろうが、フィルムと同じ形状で送り穴が開いていた。
 デジタル化が進む現在では、もう見られない光景だろう。
http://gapper.web.fc2.com/
投稿者:Bill McCreary投稿日:2011-01-03 20:50:20
映画監督は、誰でもこのような映画を1回は撮りたくなるんでしょうね。だから、撮影所を舞台にした映画はいろいろある。で、この映画は、この種の映画では一番有名で成功した映画でしょうね。

はるか昔、この映画を見たことがあって、「午前十時の映画祭」で上映されたので本当にしばらくぶりに鑑賞しました。わがままな俳優、どうしようもない俳優、いろいろな実在のモデルがいるみたいですが(wikipedia参照)、私が印象に残ったのは、映画の本が出てくるところで、ヒッチコックやベルイマンとともにゴダールの本もでてきたこと。トリュフォーはゴダールとケンカして絶交したのですが、これはかなり貴重なトリュフォーのゴダールへのシグナルだったのかもしれません。それから、ジャクリーン・ビセットは、ほんとうに美しくとらえられていますね。けっして演技派女優でなかった彼女の、ひとつの頂点だったかも。http://blog.goo.ne.jp/mccreary
投稿者:陸将投稿日:2010-11-06 15:32:38
【ネタバレ注意】

題名にもある「アメリカの夜」とはカメラに赤いフィルターをつける事で、昼間でも夜のシーンを撮影することを可能にする手法だそうだ。現実世界は昼なのに、スクリーン上の世界は夜。本作はそんな“現実と虚構”や“真と嘘”といったものを扱っている。というより、映画自体が全てこのテーマを含んだ媒体なのである。映画冒頭、ある街で行き交う人々の様子が映し出される。「どんな物語が始まるのか」と思わせておいて、不意に「カット!」という大きな声が響き渡る。映画冒頭から、映画は作り物であるということを観客に意識させる。映画と観客との間に、ある程度距離を置かせることで、作り手側の視点に近づけさせるのである。そんな映画人、さらには映画業界という作り手の世界を本作では描いている。映画は嘘の世界を作り上げて、人々に夢を売る商売である。キャストやスタッフは実際には観客と同じ人間であり、我々と同じように私生活もある。ただ、本作で描かれる作り手たちは皆、様々な問題を抱えている、一癖も二癖もある人々ばかりである。そこが面白い。観客からすれば、彼らの私生活を見ても、自分たちと同じ人間とは思えない。映画界は変人だらけという印象を持つ。むしろスクリーン上の役の方が、まだリアルのような気さえしてくる。真実よりも、真実らしさの方がより真実味があるという逆説が生まれてくるのである。そしてそれは、本作に限らず、映画という媒体の永遠のテーマだと思う。トリュフォーの映画愛によって、そんなテーマが作品全体から提示されている。そして、役者や監督だけでなく、編集や照明、脚本、音楽、メイク、小道具、スタントやプロデューサーといった裏方にまでスポットライトを当てているのも彼の映画愛ゆえである。嘘の世界を作るのにどれだけの苦労と労力がかかるのか、嫌でも思い知らされる。しかし、個人的には本作と観客との間にある距離感が最後まで気になってしまった。それは第三者的な視点から映画を観るという感じではなく、隔たる壁のように感じてしまった。映画という嘘の世界にのめり込みたい。そう思わずにはいられなかった。

投稿者:リEガン投稿日:2010-07-02 11:53:36
監督が女優に演出をつけているカットのポスター・ビジュアルに惹かれ鑑賞した映画。予想を上回るジャクリーン・ビセットの美しさに驚嘆し、早速小遣いを貯めて芳賀書店のシネアルバムを買い求めたことが懐かしい。もちろん本編も素晴らかしかった。「野性の少年」と並んで特に好きなフランソワ・トリュフォー監督(出演)作品だ。至福の高揚感をもたらすジョルジュ・ドルリューの音楽も忘れられない。35年余りを経て久しぶりに福岡天神の映画館で再会を果たしたが、当時の記憶と感動に少しのブレはなく、古さも感じず2時間近くを堪能。映画を観る喜びをあらためて認識させてくれた。感謝である。
投稿者:uptail投稿日:2009-06-12 18:19:33
ジャクリーン・ビセット
投稿者:NYY投稿日:2008-05-09 18:05:22
【ネタバレ注意】

映画を描く映画。メタ映画か・・・
映画を撮るには、困難と楽しさとがあって。
テンポよく困難に襲われたりもするけれどw、やっぱり映画は楽
しいものだと。
それも撮影が終わるまでの限られたものだから、様々な人が集ま
って過ごす時間は、とても貴重なものに思えた。 
 
よく知らなかったんだけど、La Nuit americaine→「アメリカの
夜」とは、昼間に夜のシーンを撮る技法のことなんだそうで、夢
のシーン等で実際使ってたのかも知れないけど・・・
トリュフォーは、「アメリカの夜」を比喩的な意味で肯定してる
んだと思いますね。
つまり、作り物の夜(映画)は、本物の夜(現実)より愛おしい
と。
監督の役で「君や私のような者には、幸福は仕事(映画?)にし
かない。」って語ってたし。 
現実よりも映画が好きなんだって感じがした。
夢の中でも映画の写真盗んでたしw。
 
 
「恐ろしいことに気付いた。軽蔑してる女を夢中で愛せるという
事実に。」
「愛してる女を軽蔑するのは、自分を軽蔑することよ。」
「女は魔物だろ?」
「男も女も生きているだけ。」
このへんの会話、いいな。
この後は、やっぱり、ベッドインですよね〜。
そうこなくっちゃ!
そこが現実より素晴らしい、映画ってもんです。
        (・∀・)   
 
あと、スタッフの役で出てた、ナタリー・バイが凄くいー女だっ
た。
「映画は廃業だ!」
「名案ね、そうしなさい。」ってw。
子供をあしらうみたいに流したりして、最高。
って、この人『キャッチ・ミー・イフ〜』のデカプリオのお母さ
んじゃん。 
        (;・□・)
うーん、若い・・・
 
ジャクリーン・ビセットがあまり好みじゃないんで、個人的には
「若き日のナタリー・バイに愛をこめて」って感じの作品w。 
映画の中の女性は、いつまでも美しくて・・・ 
やはり映画は、現実よりも愛おしいものなのかも知れないと思っ
たw。

投稿者:Ikeda投稿日:2008-03-08 10:53:25
映画製作についてのシーンがもっと、あると思って見出しましたが、かなりストーリーがあったのが意外でした。ただ映画人の情事に関するものが多いので、小道具係の奥さんが「あきれた業界、誰とでも気軽に寝て、嘘八百、異常よ」と叫ぶあたりが真実のようにも思えるのが皮肉です。
最初にリリアンとドロシー・ギッシュの映像が出てきて、その後も夢で「市民ケーン」のスティール写真を盗む夢や、「ゲームの規則」の料理人と同じ主義だというような台詞が出てくるのは、確かにトリュフォーの映画好きの一面が出ています。しかし、この作品で彼が狙ったと思われる、自分のの監督としての悩みが、それほど出ていないのが、物足りません。映画好きだから特に良いなと思うほどの作品ではないと思いました
投稿者:イドの怪物投稿日:2008-02-21 12:35:36
前解説で「映画好きにはたまらない、、」というのがあったが、まさしくその通り。映画製作の楽屋を面白く茶化しているし、所々で「ゴッドファーザー」「ブリット」「ヒッチコック」とかのくすぐりも入っていて、これも楽しい。
この映画はストーリに起伏があるわけではなく、きわめて平凡なテンポなのだが、年に一作くらいならこの様なのも大歓迎。
なおジャクリーン・ビセットはもう少しわがままな役柄かと思いきや以外にも善人で拍子抜けした。
まぁ一人位はハリウッド女優がいた方がみる方も抵抗が無いというものか。
投稿者:SHELTER PEOPLE投稿日:2008-01-27 12:01:44
好き嫌いは分かれるところだと思うが…
個人的には好きだ。
楽しく観られた。
投稿者:wonderwall投稿日:2007-10-19 17:57:42
最高!今まで観た中で一番好き。
ジャン・ピエール・レオー万歳!!
投稿者:ちゃぷりん投稿日:2007-07-23 16:12:33
邦題は「アメリカ映画に愛をこめて」の方が良かったと思う。
今観ても面白いが、トラブルの幾つかが「ために」用意された物に見えてしまうのが惜しい。ラブコメとも言えるが、「笑い」の演出が硬いので、更に古典的に見えてしまうのも時代の仇花という事か。今作るとしたら、コメディー色が更に強くなるのは間違いない。
恐らくそれ程時間を掛けて書いたシナリオではなかったのだろうが、それでもちゃんと一本の映画にしてしまう所がトリュフォーの技量という事か。と言いつつ彼の映画は他に2本しか観てないけど。
投稿者:龍勝利投稿日:2006-09-13 15:08:58
9月13日が誕生日。ジャクリーン・ビセットを好きになった映画。ジョルジュ・ドルリューの音楽が素晴らしい。
投稿者:さち投稿日:2006-03-06 10:43:05
退屈
投稿者:アリエアー投稿日:2005-03-09 23:34:24
【ネタバレ注意】

肩の力が抜けてて、でもみんなで一つの映画つくってるんだぞっていう連帯感が心地よい。
心に残るのはアメリカの夜シーンではなくて、最後の洗剤泡の雪シーン。地味な音楽が胸に響く。
すったもんだの末、撮影は終了したんだな、と。
解散、そしてまた新たなる映画へと。

投稿者:エバ投稿日:2005-02-16 17:44:01
監督の苦悩、撮影スタッフ、俳優陣など愛すべき登場人物たちの
私生活と仕事とのからみが見ていてたまらないほど面白い。
街頭にちりばめる雪、嫉妬妻の監視、カチンコの音とともに動き出す
通行人の群れ…小さな銃、窓だけのセット…市民ケーンのチラシ。
どのシーンひとつでも映画への愛にあふれてる。
こういう映画を見ると、「ほんとに私って映画好きだなぁ」としみじみ
思わされる。そしてそれが心地よかったりして。
ジャン・ピエールくんの「ツルゲーネフの『初恋』かぁ。
失恋を癒すために、この撮影に日本にいくよ」のセリフにもニヤリ。
映画好きの心をくすぐるなんて、憎い演出!!

物語は淡々と進んでいくのに
監督を襲う数々の難題で、ヘタなサスペンス映画以上のハラハラ感もある。
とにかく、映画を愛する人には絶対オススメ。
投稿者:D.T投稿日:2004-06-30 23:56:26
【ネタバレ注意】

映画中の登場人物が“映画狂”という設定って少なからずありますよね。

『アメリカの夜』(1973)という映画は、ニースの撮影所を主舞台に“パメラを紹介します”という謂わば映画中映画の撮影がクランク・アップするまでが、映画監督、プロデューサー、女性スクリプター、化粧係、小道具係、往年の大女優、主演男女優、共演者、また、助監督、撮影監督、画面には姿が現れぬ“ジョルジュ”(―彼のその姿無き存在感は映画に絶妙のアクセントを生み、その旋律は映画人たちの営みすべてを慈しむかのような甘美さで映画を包み込む…)等々…のさまざまなレヴェルで映画から離れられないキャラクターたちを擁して紡がれて行く。

劇中最大の映画狂はトリュフォー扮するフェラン監督その人でしょう。

ただ、ナタリー・バイ扮するスクリプターの映画熱、仕事熱が侮れませんし、助監督始めスタッフ、俳優たちが撮影に心身を捧げる姿の悉くが愛おしい。
もう、トリュフォーの映画熱、映画愛は『アメリカの夜』全編に於いて遍在する訳です。

この映画を端的に表すこと、あるいは、詳細に言葉で綴ることは困難かもしれません。
一方で、ほんのひとつの切り口でお喋りが尽きなくなるようにも感じます。(※例えば、僕がこの映画のヒロインであるジュリー/パメラに扮するジャクリーン・ビセットの美しさ、優しさ、可愛さ、性的魅力などを語り出せば単に止め処が無くなるばかりに違いない…。)

------

さて、
僕が「いいなぁ」、「美しいなぁ」、「堪らないなぁ」と思う部分を三つ挙げると、

―まず、オープニング・クレジットが流れる画面。

ここでは、画面一杯をサウンドトラックフィルムの如くに見立て、左側にサウンドトラックを示す2本の縦線が示され、右側にクレジットが流れて行く。左側2本の縦線は音楽や人の声や雑音にシンクロしさまざまに形、太さを変えて行く。

そう、オープニング・クレジット中の映画音(サウンドトラック)が発生する現場(―おそらく、“ジョルジュ”指揮下の音合わせの現場)は映さず、オーケストラが奏でる音、そして、“ジョルジュ”がオーケストラにあれこれ指示を飛ばしている声や指揮棒で譜面台を叩いていると思しき音等が、件のサウンドトラックを示す縦線を震わせ形を変えて示されて行く訳です。

オープニング・クレジットが流れ終わると、唐突に、一丁の拳銃を眼前にした若い娘が大写しとなったモノクロスチルが示され、キャメラがズーム・アウトするとそのモノクロスチルが全貌を現す。そこに在るのは、何者かに拳銃を突き出されて恐怖に身を固めながらもその兇器を両手で取り押さえんとするかのようなドロシー、そして、部屋の隅で息を潜めてうずくまるリリアンの姿であり、また、ギッシュ姉妹が共演したサイレント映画中の一場面であることに間違いないでしょう。

この観る者の瞳に焼き付くかの如き力が迸(ほとばし)っているモノクロスチルが示されて行く無音の数秒間の最後に“リリアン及びドロシー・ギッシュに捧げる”というトリュフォーの署名入りの献辞が示される。それは、その声が画面を震わすことの無かった、しかし、その姿がトリュフォーの心を繰り返し歓喜、感銘に震わせたであろう、サイレント映画に在る可憐なリリアン、ドロシー姉妹への狂おしくも純粋な讃辞だと思います。

―ふたつめは、フェランが“パメラを紹介します”中の仮装舞踏会の場面で使うための曲を電話口で聴くシーン。

ここで、フェランは受話器を片手に中々ご満悦な素振りで“ジョルジュ”が電話向こうから流す録音テープに聴き入り、同時に、空いているもう一方の手で小包を開き中身を机に積み上げて行く。

小包から姿を現すものは、ブニュエル、ドライヤー(Carl Theodor Dreyer)、ルビッチ(Ernst Lubitsch)、ベルイマン、ゴダール、ヒッチコック、ロッセリーニ、ホークス、ブレッソン等の名を冠した書籍群。

フェラン/トリュフォーは盟友たる“ジョルジュ”/ジョルジュ・ドルリューの奏でる音楽にこれら映画作家たちへの尽きせぬ愛情を重ね、こぼれんばかりに発露させている。

ハードワーク続きで心身の休まらぬフェランに刹那現れた至福のひと時は、その、音と映像が溶け合う甘美を以って僕を浄化させてくれる。

―さらに、3度に分けて劇中に挿入されるフェラン監督の夢のシーン。

その中身は伏せますが、3度目で、フェランが撮影期間中ベッドで魘(うな)されるように見ている夢の全貌があきらかになる。その瞬間は映画が大切な者ほど胸を衝かれてしまう瞬間かもしれません。

映画終幕、撮影が終わり撮影所から去って行く人々が示される。
この頃には夢か現かの如き心地良さに浸りきっていた自分自身に気づく。
映画が終わって行くという現実にただひたすら切なくもなっているのです…。


■http://ohwell.exblog.jp/

投稿者:caboss投稿日:2004-03-17 23:18:59
公開前に試写会で観た映画です。
当時、高校生でしたが、今のように潤沢に情報が溢れている時代ではなく、
試写会ということもあり、ほとんど中身を知らずに観た作品でした。
公開時のコピーすら知りませんでしたが、試写会を見終わって感じたのは、
これは、映画が好きな人の為の映画だ〜、としみじみ感じました。
映画が好きな人であれば、是非観ておくべき作品です。
投稿者:ポッパー見習い投稿日:2003-11-19 17:07:41
昔はそう言われていたらしいのです。にも関わらず周りの人々の知名度の低さにはびっくりです。
更に言うと同世代でトリュフォー知ってる人なんて今までいなかったし(汗
(因みに僕は10代、髪の毛立てて渋谷歩いてるようなガキです)
コレほど「映画ファン」の為の「映画」は無いと言っていいかもしれません。
DVDが最近ワーナーから発売されたようなので、これを機会にレンタルをオススメ
します。
投稿者:夢追人投稿日:2002-04-30 00:34:58
いつまでも少年の初々しい心を忘れなかったトリュフォー。その彼が役者の我がままなどの紆余曲折を乗り越えて一つの作品が仕上がるまでを丹念に、しかも淡々と綴った制作記録。しかしドルリューのバロック風の音楽を聞く度にジ〜ンとくるのは、その哀歓をこめたメロディーのせいだけだろうか?
投稿者:ぴかりん投稿日:2002-03-18 10:51:45
映画が完成するまでの内幕を楽しく拝見しました。
また監督の映画に対する愛情がとてもよく伝わってきました。
私も映画が好きだから、この作品、とっても好きです。
投稿者:sonic投稿日:2002-03-17 14:00:57
特別面白いとは思えない。ただ“映画”っていいなーと思える作品。ということは、やはりいい作品なのかも。
投稿者:longisland投稿日:2001-02-24 02:30:44
F・トリフォー監督作品の中で一番好きな作品
個人的には、映画に対する思い、映画が好きな人が映画監督・映像作家であって欲しい、トリフォー監督の映画に対する愛情がすごく感じられる作品。
ただし、英語吹き替えビデオは最悪!! 口元と合わない英語吹替がこんなに作品を歪めるのかと知りました。←勉強にはなったが
初めて見る人は注意してね、新しいのは大丈夫。
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