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港の女(1928)

SADIE THOMPSON

メディア映画
上映時間97分
製作国アメリカ
公開情報劇場公開(劇場公開)
初公開年月1929/11/

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投稿者:Ikeda投稿日:2012-07-04 12:24:20
雨が降り続く南洋の島パゴパゴに、宣教師デビッドソン(ライオネル・バリモア)や若い女性サディ(グロリア・スワンソン)達が上陸する。デビッドソンは、その島の浄化を目的としていたが、サディが駐屯している兵士達にもてはやされて騒いでいるのを見て、彼女をサンフランシスコに帰させようとする。所が彼女は、親しくなったティム軍曹(ラオール・ウォルシュ)にシドニーに行こうと持ちかけられた事もあってデビッドソンに反発する。しかし、デビッドソンの執拗な説得によりサディは祈ることを知り、自分が救われたと考えるようになるが・・・。

狂信的とも思える牧師を演ずるバリモアが流石だと思いましたが、それに反抗するスワンソンの熱演が凄く、アカデミー賞にノミネートされたのも頷けます。またウォルシュが出演しているのが珍しく「國民の創生」にも出ていましたが、目立つ役ではなかったので、この映画は貴重です。この人は監督の傍らの出演も多かったようですが、これは13年ぶりの出演です。それに、この後、自動車事故で右目を失ったため、これが出演としては最後になってしまいました。
また、このサマセット・モームの原作は、これ以降3本映画化されていますが、「雨」(1932)と「雨に濡れた欲情」(1953) の二本が日本に紹介されています。
投稿者:はこまる投稿日:2007-04-17 22:35:51
DVD グロリア・スワンソン・コレクション Disk:5に収録。

オリジナル版は97分になっていますが、現存しているフィルムは最後の一巻が失われており、本DVDのラン二ングタイムは82分くらい。失われた部分は字幕とスチール写真で構成されています。

1926年、当時27歳のグロリアは、パラマウントとの契約最終年度には週給7千ドルを稼ぎ、私生活でも侯爵夫人の称号を手に入れ、名実ともにハリウッドを代表する女王として天上に君臨します。
しかし、作られたスターである呵責に耐えかね(その為に子供さえ堕胎した)、疲れ果てた彼女は、同年に行われたパ社との契約更新において、週給2万2千ドルを提示されたにもかかわらず新天地を求め、7月にチャップリンやピックフォードがいたユナイテッド・アーティス(会長はジョセフ・スケンク)に参加。独立プロ、グロリア・スワンソン・プロダクションを立ち上げます。一年一作、6本の契約です。

最初の作品は、歌ものの『五つの魂を持つ女』(27年)。東部のランドルフ・ハーストがマリオン・デイビスのために作った道楽スタジオで制作しN・Yで公開。しかし、この作品は興行的に失敗、出足で躓く形になります。
レベル的に衰退していた東部での撮影は無理だと判断したグロリアは、こっそりとハリウッドに帰還、次回作の準備に入り、『栄光』(26年)で確かな腕前を見せたウォルシュに目を付け、声をかけます。
当時、フォックスと契約していたウォルシュですが、グロリアと意気投合、内容的に映画化不可能と言われていたサマセット・モーム原作の「雨」を企画します。

しかし、盤石を誇っていたヘイズコードに触れる作品であることは明らかだった為、まず、グロリアは巧妙に元締めであるウィル・ヘイズ自身に接近を計りこれを懐柔、密かに版権も契約の隙間をぬって手に入れ製作に着手します。

出し抜かれ、怒ったモーグル(タイクーン)たちの様々な妨害に会いながら、撮影は進んで行きますが、まずキャメラマンとして起用したジョージ・バーンズがゴールドウィンに呼び戻され一週間で離脱、代わりに体が開いていたチャールズ・ロシャーを代役に立てますが、軟調だったバーンズの画調とマッチせず、撮り直しがきかなかったためこれを断念、MGMに泣きついてオリヴァー・マーシュを借りてなんとか撮影を続行します。
このように決してスムースではなかった撮影の為に、予算は大幅に超過、スワンソンは自身が所有していたニューヨークの不動産を売却するなどして追加資金を作り、なんとか撮影を完了させます。
その後、執拗なヘイズ・オフィスのチェックを受けながらも、1928年2月に映画は公開されることとなります。

少し前置きが長くなりましたが、こうしてグロリアが苦労して完成させた本作ですが、ウォルシュの激しい演出が彼女の個性と上手く混ざり合い、気迫のこもった見応えのあるものとなっています。
キャメロン・メンジーズが担当した、雨に濡れ風に揺れるパゴパゴ島の雰囲気は見事に作り出されており、ここはサイレント映画を忘れさせる強靭な迫力です。また、ウォルシュのスター演出についても、何度か繰り返されるクロースアップの角度には、厳しさの中に繊細さが溢れており、二人の相性の良さが際立ちます。

そして、当時女ざかりだったグロリアも、パラマウント時代のイメージをかなぐり捨てた大胆なキャラクター作りを見せ、女優根性を見せています。スポークンタイトルでは、当時の女性としてはかなりきつい言葉使いがサディのものとして出てきますが、彼女の中にあるスターとしての輝きと、女優であることのプライドが主人公を単純なキャラクターとはしていません。

意外だったのは、相手役としてかなり出番が多い役者ウォルシュとの絡みが上手くいっている点です。この頃のウォルシュにはまだ両目がありますが、ボギーとパット・オブライエンを混ぜたような個性でハンサム・オハラを熱く演じています。髪も黒くしています。実際8年振りだったこのウォルシュの演技に、相手をしたグロリア自身が一番驚いたそうです。

難産の末に生まれた本作ですが、公開されると大評判となり、グロリアの新たな代表作となります。ちなみに受賞は逃しますが、第一回のアカデミー賞で主演女優賞のノミネートを受けています。
なお、グロリアの映画はこれ以降トーキーに入っていきますが、これ以降彼女は野心家ジョセフ・ケネディ(J・F・Kの父)とパートナーシップを結びます。そして、終わりゆくサイレント映画時代最後の餞(はなむけ)として、シュトロハイムと共に巨大な打ち上げ花火に挑むことになるのです。(この項続く)
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
□ 主演女優賞グロリア・スワンソン 
 □ 撮影賞ジョージ・バーンズ<撮影> 
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