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白い風船(1995)

BADKONAK-E SAFID
THE WHITE BALLOON

メディア映画
上映時間85分
製作国イラン
公開情報劇場公開(パルコ)
初公開年月1996/03/23
ジャンルドラマ

【解説】
 「オリーブの林をぬけて」などのキアロスタミ作品で助監督を務めていたJ・パナヒが、P・ジャハージと共に原案を書き(シナリオはキアロスタミ)、師匠ゆずりの繊細かつおおらかなタッチで少女の一日を綴った愛すべき小品に仕上げている。
 イスラム暦の大晦日。新年のお飾り用に金魚を欲しがる少女ラジェ。だが母親は家の金魚で我慢しろの一点張り。お兄ちゃんのアリが母さんに掛け合ってやっとお小遣いをもらう事に成功した。喜びいさんで金魚鉢とお金を持って市場へ走るラジェ。途中、蛇売りのおじさんにつかまってお金を巻き上げられそうになったりもするが、なんとかお店へたどり着く。しかし、後生大事に持っていたはずのお金が無くなっている。店の人に言われるまま、来た道を戻るとお札が。けれど運悪くバイクが横を通った瞬間、お札は側溝から地下室へおっこちてしまう。一難去ってまた一難、困り果てたラジェを見て親切そうなおばさんが隣のクリーニング屋にかけあってくれるのだが……。
 金魚を買いに出かけた女の子という、大人から見れば何てことない話だが、当の子供にとってそれがいかな大冒険かということは、幼い頃の我が身に思いを馳せれば判る事。そんな小さな想い出を蘇らせてくれる作品だ。素人ばかりの出演者だが、白くヒレの大きい金魚を“花嫁のよう”と形容する主人公のラジェとお兄ちゃんアリをはじめ、端役にいたるまでそのリアリティと存在感は驚くばかり。
<allcinema>
評価
【関連作品】
オリーブの林をぬけて(1994)
【ユーザー評価】
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【ユーザーコメント】
投稿者:ちゃぷりん投稿日:2009-04-20 07:14:34
映像化という製作過程は「耳をすませば」に似ているな。でも師匠のパルムドール受賞作なんかよりこっちの方が好きだな。
投稿者:黒美君彦投稿日:2006-12-11 22:52:58
【ネタバレ注意】

アッバス・キアロスタミの薫陶を受けているということでジャファル・パナヒ監督のデビュー作はやはりキアロスタミの脚本でした。「友だちのうちはどこ?」(87年)を髣髴とさせる子供の目線の作品。お金を落としてしまってドキドキする子供の心境が伝わってくる。大人は何かと忙しそうで、ちっとも相手にしてくれない。一生懸命助けようとしてくれる兄だけが頼りなのだ。妹のために必死に駆け回る兄がまた健気なのだ。
とまあ、話そのものは何ということのないのだが、実はここには様々な背景が隠されているとか。
主人公の少女ラジエ(アイーダ・モハマッドカーニ)と兄は中流階級の子供であり、蛇使いを見たがる彼女に親切なおばさんは「あんなところへ寄ってはダメ」と説教する。どうやら蛇使いがいるあたりは、貧しい人々が住み治安の悪い区域らしい。ひとりでいるラジエに話しかけてくる若い兵隊は、新年に故郷に帰る金さえない。金魚を買うためにラジエに渡された500トマーン札があれば、彼は余裕で帰郷できるのに、それすらない。最後に札を溝からすくいあげるために、ガムまで買ってきてくれる少年は、帰る家もないアフガン難民だという。
誰もが公平に祝うべき新年を前にして、容赦ない現実を子供の世界のなかにそれとなく配置する監督のしたたかさがそこにある。当然のことながらイランではかなり表現の自由が制限されているが、その中でパナヒ監督は子供の目を通してイランの中の矛盾をあぶりだそうとしているのか。
そう考えるとタイトルの「白い風船」の意味も微妙に変わってくる。お札が溝から取り出せて金魚を買いに行く兄妹。言い争いながら通り過ぎる蛇使い。置き去りにされた風船売りの少年は、やがてふっと立ち上がる。新年とは無関係な難民の少年に戻って。
だが、そんなことまで考えなくとも、子供の瑞々しい目線と一緒にハラハラドキドキするだけでも十分楽しめる。美しい金魚が欲しいとだだをこねる女の子をみていると、子供の憧れるものは世の東西を問わないんだな、とつくづく思う。

投稿者:さち投稿日:2004-09-15 08:01:43
やられた。イラン映画恐るべし
投稿者:SYCO投稿日:2001-09-21 12:20:46
別に主人公の子供たちは、お腹を空かせているとか、親がいないとか、そんな大掛かりな苦労を背負っているわけじゃなく、ただ金魚が欲しい、それだけの話。
ストーリーは女の子がお母さんからお金を貰って金魚を買いに行くだけなのだけと、次々と起こるアキシデントで、なかなか目的の金魚が手に入らない。 目的地は見えるのになかなかたどり着けない、カフカの小説「城」のお子様版みたいな話。
それなのに、なぜこんなに、ハラハラドキドキしたり、解ってくれない大人たちに激しい怒りを覚えたり、イライラしたりするのだろうか?
それは、この映画を見る者は、完全に子供の目で世界を見てしまうからです。
子供の抱える問題は、ちょっとした大人の配慮で、いとも簡単に解決するのに大人はちっとも解ってくれない、というよりも大人の目には見えないのですね。
この映画は大人に子供の目で世界を見せてくれます。
子供の世界は不条理でいっぱいなのです。 大人になるとそれを忘れてしまうけど。
そして主人公の女の子、5歳ぐらいにしか見えないけれど、ものすごく演技が上手。 涙を目に浮かばせるところなんて演技にみえません。

http://www.popkmart.ne.jp/syco/
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
■ カメラ・ドールジャファール・パナヒ 
 ■ FIPRESCI(国際映画批評家連盟)賞ジャファール・パナヒ 
■ 外国映画賞 
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