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エボリ(1979)

CRISTO SI E FERMATO A EBORI

メディア映画
上映時間151分
製作国イタリア/フランス
公開情報劇場公開(フランス映画社)
初公開年月1983/03/
ジャンルドラマ

【解説】
 原題は“キリストはエボリにとどまった”の意。ムッソリーニ政権下、救世主すら避けて通るという荒廃した南イタリアの土地に流刑となった反ファシズムのコミュニスト作家レービの苛酷な、しかし実り多い体験を通じ、未だ南北格差の激しいイタリアの現状を照射する、社会派ロージが真骨頂を見せた作品。村人の自分への偏見を静かに正していく主人公の忍耐強さが印象深い。演ずるは、マカロニ・ウェスタンの雄ヴォロンテ。反骨の作家の頑強な知性を確かに感じさせる渋い名演だ。乾いた風景の厳かな美しさ、村人たちとの淡々とした交流の描写の中に、それまで感じさせることのなかった詩情を見せるロージ演出は、テオ・アンゲロプロスにも近いものがある。
<allcinema>
評価
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【ユーザーコメント】
投稿者:Bava44投稿日:2010-11-26 20:03:13
左翼作家レーヴィの原作を、左派監督ロージが映画化し、当時のモスクワ映画祭でグランプリを受賞した力作。

原題の「キリストはエボリに止まりぬ」には、ややっこしいが反語的ニュアンスが含まれている。エボリからさらに離れた寒村を舞台に、村人たちの「キリストはエボリで止まった。文明はこの村まで来なかった。」という嘆きに対して、作者は「キリストはエボリで止まらなかった。ここまで来たのだ」と、ヒューマンな主張をしているわけ。
要するに、生真面目なインテリが、村人を温かい視線で見つめるという話である。

そう書くと敬遠しそうであるが、芸術にとって大切なのは題材をどう活かすかである。ロージぐらいのレベルの芸術家は、それを、イデオロギーを超えた普遍的な物語として成立させるだけの能力がある。例えばヴィスコンティの『揺れる大地』だって実はかなり左翼的な傾向の映画なのだが、今どきそれを指摘する人はいない。それと同様、この映画も魅力的な作品になっていると思う。

本作は、もともとテレビ放映用なので画面が安定しているが、この頃のロージーは荒々しいドキュメンタリー・タッチよりも構図の美しさを重視するようになっていたので、(多少画面の窮屈さは感じるが)問題はない。イタリア映画らしく、音楽の良さによって作品の深みが増しているのも良い。シンプルながら印象に残る作品だった。
83年キネ旬ベストテン第4位
投稿者:マジャール投稿日:2007-02-13 22:15:53
リアルなタッチの社会告発映画を身上とするフランチェスコ・ロージ監督の異色作。リアルな中にもリリカルさをたたえた好編。劇場で観て感動しました。
よく、こういう題材を映画にしたなあと思います。流刑地の生活というには、あまりに平穏な日々の暮らし、村人との交流、のどかな時間が流れていく。主演のジャン・マリア・ヴォロンテの好演が胸に沁みます。

徴税吏が吹くクラリネットの曲が印象的でした。
投稿者:Stingr@y投稿日:2003-03-07 18:44:52
 原題は「キリストはエボリに止(とど)まった」つまり,「エボリには来たが,その先へは行かなかった」の意。ここの解説には『キリストはエボリに来なかったの意』とあるが,間違い。レービの流刑地はエボリの先のガリアーノである。

 当然だが,キリストがイタリアに来たはずはなく,原題の「キリスト」とは「文明」の意味。「文明(civilization)」とは「未開地の異教徒にキリスト教を広めること」,つまり「教化する(civilize)こと」である。

 ということで,この映画は「文明人が未開人と交流して未開人の尊敬を受ける」という米英映画ではお馴染みの在り来たりのストーリー。演技はいいけど「それでなに?」ってな映画です。

※2015/1/2追記
 原題直訳の「キリストはエボリに止まった」を、日本語として思いを巡らせて、結局考え違いをしている人がいるようだ。英語題の「Christ Stopped at Eboli」を見ても、「エボリに止まった」という“単純な過去形”で、「エボリに止まっていたならば…」というような、過去の事実に反する仮定を表す“仮定法過去完了形”ではない。“時制”の概念のない日本語で考えるより、英文法を習ったのであれば、せめて英語題で考えてほしい。ちなみに、とてもひどいコメントをしている人に「何てすばらしいコメントなんだろう」というのが反語で、反語の根源は、反語を言う人の感情である。本作の題名は反語にすらなっていない。
投稿者:yomoyama投稿日:2003-03-06 11:17:04
上半分だけフィルタをかけて、空を青く見せないのが、島流しの心情を漂わせている.村人もイタリアの青い空なんか見上げたりしない.
投稿者:GRIFFIN投稿日:2003-03-01 21:57:10
 少しでも本人の絵が出てきて、当時の心象でも垣間見られれば、深みもましたかなぁと思う。なんせ自伝らしいのに、その本人について私は何もしらないのだから。直接的に感じてみたかった。 でも、人間が人間らしく大らかに生活していく村民の姿と、一人の男が交流する心が、丁寧に描かれていて繊細に伝わってくる。
 ラストの陽射しは格別の美しさ!
投稿者:hs0077投稿日:2000-09-29 18:00:07
本当に良い役者だったと思う。この作品の彼はその慈愛に満ちたまなざし、
喜怒哀楽のいろんな表情が印象的だ。けっこう長い映画だけれど、ストーリー
を追わなくてもジャン・マリア・ヴォロンテさんを見ているだけで幸せな
気分になれる。もちろんお話自体も胸にしみいる訳だけどね。
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
■ 外国語映画賞 
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