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亀も空を飛ぶ(2004)

TURTLES CAN FLY

メディア映画
上映時間97分
製作国イラク
公開情報劇場公開(オフィスサンマルサン)
初公開年月2005/09/17
ジャンルドラマ/戦争
亀も空を飛ぶ [DVD]
参考価格:¥ 5,184
価格:¥ 12,000
USED価格:¥ 8,569
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【解説】
 「酔っぱらった馬の時間」「わが故郷の歌」のバフマン・ゴバディ監督が、アメリカによるイラク侵攻を背景に、イラク北部のクルディスタンで過酷な状況の中たくましく生きる子どもたちの姿を、リアリズムと幻想的表現を混在させつつ力強く描き出した衝撃のドラマ。世界各地の映画祭で高い評価を受け、数多くの賞を受賞。
 アメリカ軍のイラク侵攻が目前に迫る2003年春。幾多の戦争で荒廃したイラク北部クルディスタン地方の小さな村。ここに、サテライトと呼ばれる戦争孤児の利発な少年がいた。機械類に詳しい彼は便利屋として大人たちに重宝にされていた。また、子どもたちを使って地雷除去のアルバイトを取り仕切るなど持ち前の才覚を発揮して抜け目なく立ち回っていた。そんなある日、サテライトは目の見えない赤ちゃんを連れた難民の少女アグリンに出会い一目惚れする。少女には両腕のない兄ヘンゴウがいた。やがてサテライトはヘンゴウに不思議な予知能力があることを知るだった…。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
438 9.50
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【ユーザーコメント】
投稿者:陸将投稿日:2011-03-07 19:59:40
【ネタバレ注意】

アメリカによるイラク侵攻を描きながら、押し付けがましい政治色は全く感じない。
それでいて、ゴバディ監督が伝えたいメッセージは痛いほどよく分かる。
題材への距離の取りかた、そして物語の進めかたや焦点の当てかた。
全てにおいて完璧な大傑作だと思う。

焦点が当てられているのは、イラクで逞しく生き抜く、大人よりも“大人”らしい子供である。
しかし彼らは、好きで“大人”になったわけではない。
親を失った彼らは、生き延びるために、そうならざるを得なかったのである。

大人びているわけではない。
外見も間違いなく子供であり、内面もまた間違いなく子供である。
むしろ子供が大人ぶっているような、可愛らしい背伸び感も上手く描けている。
そして、第三者からは悲惨で過酷な状況に置かれているように見え、思わず憐れみの目を送りたくなるのだが、子供たちは全く悲観するそぶりを見せない。

それは、純粋無垢ゆえの逞しさである。
大人の都合によって、政治や国際関係によって、自分たちがこのような状況に陥っていることを、小さな子供たちは知る由もない。
自分たちが生まれ育ったこの環境が当たり前であり、自分たちが逞しく生きているという大それた自覚もない。
目の前の1日1日を当たり前のように生き抜くこと。
それが、地雷除去という死が隣り合わせの仕事でも、それをやらないと生きられないのである。

日常生活の中にも、戦争の影がひたひたと迫っているのがさりげなく表されているが、子供たちはその意味がよく分からない。
地雷を売って生活し、戦車を住居にし、そしてガスマスクを抱いて赤ん坊はスヤスヤと眠りに落ちる。
子供たちが無知で純粋だからこそ、より大人たちの愚かさが浮き彫りになってくる。

アメリカに憧れる、村の子供をまとめるリーダー的な子供が印象的だ。迷彩帽を被り、カタコトの英語を話し、除去する地雷はアメリカ製のものと決めている少年。
そんな憧れであったアメリカがフセインを倒して、自分たちの住んでいるところへ侵攻してくる。
しかし、それで何が変わったのか。

ラストシーンで、廃墟と化した家々をバックに一本の道路をアメリカ兵が次々と進んでいく。そんな姿を呆然と眺め、松葉杖をつきながら弱々しく彼らとは逆の方向へと進んでいく少年。クルド人を抑圧していたフセインが倒れた後の現実。

そこには夢や希望や平和などという言葉は見当たらない。
その現実を実感したとき、子供たちは真の“大人”になってしまったのではないか。

投稿者:irony投稿日:2009-04-12 12:35:06
【ネタバレ注意】

予知能力うんぬんで図書館で借りて観たら戦争ドラマでした・・。
二人とも地雷でBOMBしてよく生きてたなぁ  原題も日本語タイトルもどんな意味合いがあるのだろう? 

投稿者:えてふえて投稿日:2008-01-15 00:54:25
【ネタバレ注意】

大国の思惑に翻弄され軍事的に利用される国境地帯の少数民族。
イラン、イラク、トルコの国境山岳地帯にまたがるクルドの人々も
その例にもれないようです。村々を渡り歩く、"サテライト(衛星放送
アンテナ)"のあだ名で呼ばれている主人公ソラン少年。
映画はある短い"フラッシュ・フォワード"シーンの後、少年に指示され
アンテナを動かして衛星電波の方角を調整する子供達の様子から
始まります。私は人々の置かれている状況を端的に表わしたこの
シーンにまず虚をつかれました。バフマン監督は、テレビを通して
戦争を見、論議している私達にボールを投げてきているんだと。
気がつけば私はスクリーンの向こう側へ引き出され薬莢や戦車の
残骸、硝煙と石油の臭いが漂う村の大地に立たされています。
そして過酷な境遇の中でそれでも生きていく難民の子と村の子らに
混じってさまようことになります。
子供らは村の周辺に散在する地雷を堀り出し国連機関に買い取らせる
怪しい人物から日銭を稼いでいます。ソランは彼らを仕切るリーダー
であり価格の交渉役を自ら果たす一方、新たな開戦の噂を確かめようと
焦る大人に代わってどこで覚えたかパラボラアンテナの購入取り付けをも
請け負っています。アメリカの文化に憧れる少年の怪しい英語が、
敗戦直後の?須賀に育った私にはほろ苦いものがあります。
戦の中をうまく生き延びることはできても、戦がもたらす、死や心身の
傷は取り返しがつきません。クルドに毒ガスを使用したとされるフセイン
政権が崩壊し念願の自由を手にしたかにみえるソラン少年も彼が
失った大切なものは永久に戻ってはこないのです。
砂埃を上げて次々と通過する"戦勝国"米軍の装甲車と重武装の
米軍兵士達の傍らに、呆然と立ちつくす少年の想いが痛いほどに
伝わってきます。
これはイランから政権崩壊直後のイラクに入国し、生々しい戦場の
痕を実写しながら映画の構想が進められていくという、監督やスタッフの
命がけの熱い想いがなければ生まれえなかった作品でしょう。撮影を
開始したスタッフもその後のイラク情勢を見ても分かるとおり、自爆テロ
そのほかの不安に耐えながらの日々だったといいます。
人々の悲しみと憎しみ、安堵と恐怖、希望と絶望を真っ直ぐに受け
止めて出来上がったこの硬質のボールは私達に向けて放たれました。
この映画の価値は受け止める私達の行動によって決まるといっても
いいでしょう。
日々の生活に追われる庶民は政権を委ねた支配者の大義名分に
乗せられやすく戦端を開こうとする計算されたメディア操作や
社会組織の圧力と軍隊の動きに抵抗する術を持ちません。
気づいた時には互いに"敵"というレッテルを貼りあった庶民同士が
重火器を振り回しのぞみもしない殺し合いを演じさせられてしまう
ことになります。後に残るものは守るつもりだった愛する人々の
傷つき斃れた身体と環境、破壊された生活と失われた団らん
でしかない。どうすればこんな悲劇の連鎖から抜け出せるのか、
それはほかでもない毎日当たり前のように茶の間のテレビで流される
爆撃や武力衝突のニュースを漫然と見ている私達にも全く同じことが
言えると、私は感じました。
Myムービーjuppensya19

【ソフト】
  商品名  発売日  税抜価格  
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