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ゆれる(2006)

メディア映画
上映時間119分
製作国日本
公開情報劇場公開(シネカノン)
初公開年月2006/07/08
ジャンルドラマ/サスペンス/ミステリー
あの橋を渡るまでは、兄弟でした。
ゆれる [DVD]
参考価格:¥ 4,104
価格:¥ 3,042
USED価格:¥ 66
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ゆれるゆれる

【クレジット】
監督:西川美和
製作:川城和実
重延浩
八木ケ谷昭次
企画:是枝裕和
安田匡裕
プロデューサー:熊谷喜一
原案:西川美和
脚本:西川美和
撮影:高瀬比呂志
美術:三ツ松けいこ
編集:宮島竜治
音楽:カリフラワーズ
主題歌:カリフラワーズ
『うちに帰ろう』
照明:小野晃
制作プロダクショ
ン:
テレビマンユニオン
録音:白取貢
助監督:久万真路
出演:オダギリジョー早川 猛
香川照之早川 稔
伊武雅刀早川 勇
新井浩文岡島洋平
真木よう子川端智恵子
木村祐一丸尾明人 検察官
ピエール瀧船木 警部補
田山涼成
河原さぶ
キタキマユ
田口トモロヲ裁判官
蟹江敬三早川 修
【解説】
 「蛇イチゴ」で注目を集めた新鋭・西川美和監督が、オダギリジョーと香川照之という実力派2人を迎えて贈る上質のミステリー・ドラマ。ある出来事をきっかけに対照的な兄弟の間に巻き起こる心理的葛藤が巧みな構成で緊張感いっぱいに描かれてゆく。
 東京で写真家として成功し、自由奔放に生きる弟・猛(タケル)。母の葬式にも顔を出さなかった彼は、その一周忌に久々に帰郷し、そこで父と共にガソリンスタンドを経営する兄・稔と再会する。猛は頑固な父とは折り合いが悪かったが、温厚な稔がいつも2人の間に入り取りなしていた。翌日、兄弟はガソリンスタンドで働く幼なじみの智恵子と3人で近くの渓谷に足をのばす。ところが、川に架かる細い吊り橋で、智恵子が眼下の渓流へと落下してしまう。そして、橋の上には呆然とする稔の姿が。橋の下にいた猛は惨事に気づき、動揺する稔のもとに駆け寄り落ち着かせる。兄弟の証言から、最初は不幸な転落事故と思われたが、数日後、稔が突然“自分が突き落とした”と自供したことから、事件の真相を巡って裁判へともつれ込む。猛は弁護士である伯父を立て、稔の無実を晴らそうと努めるが…。
<allcinema>
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【ユーザー評価】
投票数合計平均点
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【ユーザーコメント】
投稿者:ピースケ投稿日:2014-02-25 23:59:08
こんな面倒くせー兄弟おるんかね。
途中までの羅生門的な展開は面白かったけど、二転三転するあたりから
こじつけのような兄弟の関係性についていけなくなった。
投稿者:こじか投稿日:2012-11-25 01:49:48
【ネタバレ注意】

率直におもしろかった。最近の日本人監督、とてもがんばってらっしゃる。その中のひとりらしい西川美和。今後も期待。
しかしこれも率直に、ところどころのやり過ぎがとても気になった。不意に会話のリズム(或いはキャラクターの人物像)を壊す「作られた」キメ台詞調、そして観賞後にとっておきたい余白を詰めてしまったラスト。特に前者の不自然さは確信的とも取れず、この散見されたインパクトへわたしは過敏に反応してしまいました。これが字幕で観る洋画だったなら全く気にならなかっただろうけど、やはり母国語だからかな。ま、これがあるから素のまま観れる邦画はおもしろい。

投稿者:マジャール投稿日:2012-11-06 21:30:25
【ネタバレ注意】

じつは最近になって『歩いても歩いても』という映画の題名が、「ブルーライトヨコハマ」(懐かしの歌謡曲)の歌詞からとったということを知って興味を覚え、レンタル店で借りてみてみようと思い立ち、ついでに(といっては失礼だが)借りたのが、この『ゆれる』で、いまさらながらの鑑賞なわけです。
いやいや面白かったです。相当作り込まれてますね。しかも映画のためのオリジナル脚本、いい心掛けだと思います。
イケメン・ジョーが、車を転がす導入部から快調!(ここでの音楽もイイ)香川・兄の、小心で姑息でそれでいてどこかふてぶてしい人物造型も面白いです。根は善良なんだけどあさはかさが先に立ってしまう地方の若い女性像(真木よう子)なんかも良く出来てる。役者さんたちの演技も良かったし、台詞も一つひとつが凝ってますねぇ。
 「おまえがあの町のことを温かいなんて・・へんなの」
 「舌出せよ、舌」

でも残念ながらコレ、面白いけど、劇映画としては破綻してますね。(破綻してるけど面白い、とも言えるが)
オダギリはあのとき、確かに「目撃」した。だから息を切らせながら一目散に走っていった訳です。でも、つり橋まで来たところでわざとなんでもないふうをよそおって歩いて行きながら「お〜い、なにやってるの。ン、なにか見えるの?」なんて呑気そうな声をかけるんですねぇ。手が込んでますよ。
どうしてそんな態度をとったのか?自分が「ある事」を「目撃した」ということを香川・兄には知られたくなかったからでしょう。
じゃあその「ある事」ってどんなことだったのか?
 々畧遏Ψ擦女を橋から突き落とした。
 香川・兄と女がもみ合ううちにバランスを崩した女に手を差し出して、それでも落ちかかる女の手を捕らえたが掴みきれずに落ちた。
どう考えても,諒でしょう。たとえオダギリが、女との関係で兄に対して(女自身に対しても)後ろめたい想いを抱いていたとしても、ですよ。だいたい、この映画のなかでの弟くんってのが、嘘つくのは下手だし、とことんお気楽で即物的で、自分の言動を省みて後で悔やんだりとか、相手の心情に寄り添って考えたりとか、そういうことの出来ない人間像として実に鮮やかに示されていますからね。さらに香川自身が、チエちゃんを落と・・オレがチエちゃんを落・・・って、震えながら言おうとするのをオダギリは最後まで言わせようとしないですしね。これだけ手の込んだことをやっていながら、お終いの方でそれを全部うっちゃるんじゃ、この映画観て怒る人だっているでしょ、そりゃ。おまけに昔の8ミリ映写機なんかで、人の記憶なんてアテにならないものさ、みたいなダメ押しされちゃ頭抱えるしかないわけですよ。なんか思わせぶりな腕の引っ掻き傷だって、断末魔の被害者が思わず加害者にしがみつくなんてのもよくあることだし、何も聞かずにシャツの袖伸ばして傷を隠したオダギリ・弟もそんなふうに察したからなんじゃないでしょうか。(香川の腕の傷は、有罪・無罪どちらの証拠ともなりうる)
このようなわけで劇作品としては破綻している本作ですが、接見室での兄弟の対峙する場面や法廷でのシーンはやはり見応えがあって、なかなかに傑出していたと思います。
演じる役者さんたちも素晴らしく、特にオダギリジョーと田口トモロヲは、私が見たなかで(と言っても、それほど観てませんが)一番良かったんじゃないかってくらいでした。法廷で黙って口述筆記を執る地裁職員のおねえさんも印象的☆

 ラヴ、ラヴ、ラヴドッキュン!!

投稿者:uptail投稿日:2011-09-15 09:59:49
真木よう子
投稿者:陸将投稿日:2011-09-14 15:17:43
【ネタバレ注意】

本作は女性が消失している映画だと思う。
そしてそんな出来事が、ある兄弟を引き寄せることになる。
母親の死により兄弟が久しぶりに再会し、幼馴染みの死により兄弟の心の揺れ動きが浮き彫りになっていく。

本作は兄と弟という、2人の男の映画である。
それを女性監督である、西川美和が撮っていることに意義がある。

主人公は弟に扮するオダギリジョーであろう。
田舎から都会に出てきて、成功した男。
カメラマンである彼の目に映る、故郷の田舎と、昔なじみの人間たち。

故郷や田舎という土地は、心休まる、優しくて温かい場所として認識されがちだ。
だが西川監督は、そんな固定観念をも揺れ動かす。

そこで息づく異様に見える人間たちと、以前のように付き合うことなど不可能である。
記憶の中での理想化された故郷と、現実の故郷は同質ではない。
そこはもはや、自分にとって場違いの場所にすぎない。

ただし、問題は他者たちだけではなく、主人公自身の心の中にもある。
そのバランス感覚が、西川監督の優れている点であろう。
良心の呵責、罪悪感、欲望や嫉妬、無責任な自己愛。
そのような人間の奥底に潜む闇に着眼し、じわじわと浮かび上がらせる。

世の中には、相対する2組のものが様々存在する。
自分と他者、都会と田舎、愛情と憎悪、善意と悪意、嘘と真。
本作では兄と弟も、そのように配置されている。

西川監督はそのどちらかに肩入れすることもなく、白黒つけようとする姿勢もさらさらない。
そのような態度は曖昧さが際立つだけで、観客は宙吊りにされている感覚を味わうことに嫌悪を感じるかもしれない。
特に本作の“嘘と真”の要素が曖昧なままで終わってしまう展開なら尚更であろう。

だが、そのグレーゾーンを的確に見つめることができるバランス感覚。
それは監督として素晴らしい能力であると思う。

自分の思想を無理に押し付けるのではなく、問題点を掬い取り、観客にその答えを委ねるということ。
それこそ映画作家に必要な視点であり、あるテーマに対する理想的な立ち位置であると思う。

投稿者:william投稿日:2011-06-24 01:50:11
激しく賛否が分かれる作品だろうけど、自分は好き。

人間の感情や記憶って本当に微妙なんだよね。

大好きだった人が一瞬で嫌いになったり、突然の衝撃的な現場を見てしまうと本当の記憶を異なる記憶とすり替えてしまう事は良く有る事。

本当の裁判だったら、きっと180度証言を変える人間がいる事はザラではないと思う。
投稿者:funkay投稿日:2011-06-10 18:50:53
【ネタバレ注意】

主演のオダギリ・ジョー、香川照之共に、彼らのキャリア中最高の作品ではないだろうか?そう思わせるほどこの壮絶な演技合戦は注目に値する。
兄弟間の見えない思いと確執、愛情他もろもろの感情が、二人の間合いの中で激しく燃焼し観る者を最後まで掴まえて離さない。
法廷シーンでの鬼気迫る役者達の言い回しとその佇まいにも十分過ぎるほどの緊張感が漲っていて素晴らしいと感じた。(キム兄が即死ものの演技を見せる!)

ラストシーン、バスの到着に遮られた稔(香川照之)の笑顔をどう解釈するのか?この部分に尽きると思う。

とにかく物凄い映画だ。


投稿者:秋彦投稿日:2010-06-20 18:13:28
【ネタバレ注意】

智恵子(真木よう子)の母親から勇(伊武雅刀)に渡して欲しいと制服を返された猛(オダギリジョー)が制服の間に隠された現金入りの封筒を見つける場面。人様の子どもを死なせてしまったお詫びとして送ったお金を、貰えないと波風立て無いように返してきたのだが、「娘が死んで使わなくなった服を返す」と言う描写は女性監督らしい細やかさだなと思いながら見ていたら、それが「お金を返す」という本当の目的から目を逸らすためのミスディレクションだったのでちよっと驚いた。
描写や台詞が話を説明するためだけの退屈なものにならない様に意識して演出されているなと感じた。
稔(香川照之)、猛、智恵子の3人で行った渓谷で稔だけはしゃぐ、そのはしゃぎ方が微妙にちょっとワザとらしい、前夜、猛と智恵子は彼女のアパートで寝ている、稔はそのことに気付いてるのじゃないか。稔の態度に智恵子は不安になる。
香川照之が心から楽しそうには見えないが、といって一人になると急に暗い目をしたり唇を歪めたりといった判り易いこともしない微妙な演技を見る。
男としてはさえないが、真面目でいい人で「稔さんが居ないと」と描れるように仕事はできるからその事にプライドを持っている、がプライドがあるからこそ「さえない」「いい人でいるしかない」自分に屈折し、内面に歪みを抱えている。そういうキャラクター(自分を見るようだ)を、「いい人」にも「歪み」にも偏る事なく演じる(普通は「歪み」の部分を拡大して演じたく成るんじゃないか)、この映画の香川照之は素晴らしい。
以前に見た「シンプル・プラン」(サム・ライミ監督)でダメな兄貴役のビリー・ボブ・ソーントンが良かったがそれに並ぶのではと思う。

男性陣はみんな良いが父親役の伊武雅刀が特に良かった、昔のイメージで「怪演」する人と思っていたがこんな自然な演技が出来る人だったとは(雪の中で洗濯物を取り込む場面がいい)逆に女性はイマイチ、真木よう子がオダギリジョーに声を掛けようと手を伸ばしかけてやめる場面とか上手くないなと思う(が何故か稔(香川照之)にしがみつかれて「触らないで!」と叫ぶ場面だけナマナマしいので本当に拒絶された感じになる、稔がカッ!となって突き飛ばした気持ちが分かる)、監督自身「私、女が書けないんですよ」と言っているらしい。

良く出来た映画と思うが、疑問もある。ラスト近くでオダギリジョーが事件の真相を思い出して回想シーンになる、その回想が正しいとすると(嘘だと思う理由も無いし)彼が以前裁判でした証言と矛盾するのではないかと思うがその説明が無いまま映画が終ってしまう、それが無いとオダギリジョーが何を考えて証言したのか、それに対し香川照之がどう反応したのか、観客として、想像する手掛かりも無いまま放り出されてしまう。最後の最後に少し勿体無かったと思う。


投稿者:ピンクガンスモーキン投稿日:2010-01-15 13:58:07
【ネタバレ注意】

最近やたら話題の西川美和。1本目『蛇イチゴ』はたぶん「ヘビー地獄」のシャレだと思うくらいクソつまらなかったが、今回の『ゆれる』も、「あれれ」か何かの間違いじゃねえか、と。
まあ、それはともかく。

こんなキャスト(オダギリ、ピエール、木村祐一)じゃ、どう頑張っても「5点」を超える映画は作れないな……と分かりそうなものだが(腹を括ればかえって「7〜8点」に到達してしまうような「ブレーク・スルー」もありうるが)、そうした認識は現場に欠けていたようだ。

まとめる。
仝渓に、物語がつまらないしズルい(5分ごとに休憩を要した)。
映像的に良いシーンが無い。
1薺擦寒い(セリフも観念的)。

以下もう少し。
西川美和には「知識」はあっても「教養」がないようだ。上品か下品かで言えば「下品」。光に対する興奮も無いと思われる。
あいかわらず構図ばっかり。構図マニアかよ。
斜めアングルで奥行きのある構図を選んで、長回しのカメラで撮りたがる。照明は少なく、陰気、汚い(総じてリアリズム志向)。
ロングショットが好きかというとそうでもないらしく、不安定な手持ちカメラで顔に接近し、アドリブっぽい演技を欲しがる(甘えられる役者も大変だ)。

一部のレビュアも指摘するミス・キャストな俳優の安芝居が、長回しのためにゴマカシが利かない(とくに前回の宮迫と同様、今回の木村、ピエール。ハッキリ言って全員)。
一番上手いはずの香川照之も、必死だが、上滑り。オダギリと2人して、逆切れる演技が多すぎる。紋切り型でウソ臭い物語(法事で大騒ぎとか、美人過ぎるGSのバイト女もありえないし、弟の元カノジョを知らずに取ろうとするマジメ兄も変だ)を正当化するのが困難で(いっそ紋切り型のコミカル・アクションでカバーすべきじゃねえのか?)、西川が「深い内容」と信じているらしいバカバカしいこだわりのせいで、「家族の葛藤、気まずさ、和解の兆し」のほうへと演技を収斂させていかなければならないから、残酷だ(笑)。いっつもコレだな(笑)。

観念的な女の書いたストーリーという気がするね。
三角関係の渦中にあった女が死にました、さて事故でしょうか、殺人でしょうか?
知らねえよ、どーでもいいよ。

自由心証にゆだねられる裁判官同様、視聴者も「有罪」と判断するしかない画面構成で、最後に、じつは弟が偽証してました、兄は無実なんです、という卑劣なやり方。
こんな汚い手口の映画、マジ呆れる。

前作もそうだったが、くだらないサスペンスというか謎掛けでべたべた視聴者に甘えてくる姿勢が気持ち悪いんだよ。その上、自作のクソ脚本の尻拭いをさせるため、俳優の演技力にもどんだけ甘えてんだ?

臭いセリフも多過ぎる。「チエは殺されるような子だったんでしょうか?」と問う母親。「兄弟喧嘩はヒマなときにしろよ!」と必死で親を怒鳴る息子。「それであなたは何を手に入れたんです?」と他人から捨て台詞を吐かれる男。全部、紋切り型。何事も無かったかのようにスルーしなきゃいけないゲームか?

冴えない話だな、と5分毎にストップボタンを押して観たが、こんなのを高く評価するバカは冗談でやっているんだろ?

(余談:天海氏のコメントは非常に味がある。敷衍すれば、「クサい映画」と言われても、監督は、最後まで「違います」って反論しそうだからな。)

投稿者:quiet man投稿日:2009-10-09 18:13:41
「ディア・ドクター」を観てからは「ゆれる」がかなり気になる作品だった
が、BSで放映されたので、録画してじっくりと鑑賞した。
こんなにも心揺さぶられた邦画は、ここ10年記憶にない。いや、20年か。兄弟、親子を取り巻く共同体の空気、閉塞感をなんともうまく描いている。
誰でもこころの片隅だか本筋に持っていそうな、他者への嫉妬、羨望、まといつきそうなものからの逃避を、自分自身が抉られているような居心地の悪さも感じた。
これらの感情をすべてのセリフに込めて、無駄も違和感も感じさせず、一つ一つのシーンが緊張感をはらみ、地方出身者たちの「若者のすべて」を見事に描いている。
多くの映画の宣伝コピーに使われる「息つく間もないサスペンス!」なんていう惹句は、この作品にこそ使いたいほどに迫ってきた。

「ディア・ドクター」の八千草薫を観た時も、彼女をそれまで下手な女優と思い込んでいたので、その見事な演技に感心したのだが、この映画の出演者もみんなうまい。香川照之はもちろん伊武雅刀、蟹江敬三、真木よう子、特にオダギリジョーがこんなにいい役者なんてはじめて知った。智恵子の部屋に置いてあった自分の写真集を見つけた時の、嫌悪感を秘めた酷薄な表情の演技には感心した。
オリジナル脚本から作り上げた、この若い西川美和監督の手腕の凄さには敬服する。

余談だが、昔ラジオから流れてきて以来、ずーっと頭の片隅に留まっていた伊武雅刀の「子供たちを責めないで」を是非聞きたくなってアマゾンに注文してしまった。
投稿者:たまきち投稿日:2009-09-18 15:01:21
【ネタバレ注意】

賛否別れるようですが、私は否です。
最初から弟は兄が彼女を助ける所を見ていた(最後で分かる)わけですから、弟が「苦悩の末に兄の罪を証言した」という話自体が成立しない。
無実を知りながら「兄がやった」と落とし入れるほどの兄弟間の確執があるのかと言えばそうでも無い。
それとも兄が彼女を助けようとした所の記憶だけ最後の最後まで忘れてたのか?
たった何日か前の一番大事な部分ですよ?
あるいは彼女が下戸なのに酒飲みのように話して、弟をひっかけた兄がそれ程許せなかったのか?(最後、真実に気付いた【?】弟が号泣しているのでこれもあり得ない)
助ける・突き落とそうとしていた・の「解釈の仕方」という考えもある様ですが、昔の8ミリビデオを見るまでも無くあれはどう見ても助けようとしてるでしょ。
役者さんや映像・音響などがとても良かったので、最後の「なんじゃこりゃ」が非常に大きかった映画です。

投稿者:さち投稿日:2009-07-08 21:27:33
名作
投稿者:QUNIO投稿日:2009-06-26 21:15:09
展開が恐ろしく不自然でわざとらしいヘンダーランドみたいな映画。色々瞑想に耽る事は可能。例えば「あっ、ここはあの映画を意識してる!」とか「あっ!この展開はアレだね、あのヨーロッパ映画!」という感じで粗探しに夢中になってしまって肝心の映画の内容が御座なりに・・・・。

それ以上にずっこけたのは木村祐一の演技だった。とんでもないミスキャスト。この映画は一見すると文学的な高度な知性を持った内容だが、それは単に監督の趣味の範疇であって映画的な工夫も創意も何も無い。『レインマン』や『スウィート・ヒア・アフター』や『パリ、テキサス』といった監督のリスペクトぶりは無邪気で好感は持てるが・・・・。

別に悪口ばっかり言いたいワケではない。ただこの映画が何故これほど高評価なのかサッパリ理解不能なわけで。意欲的な映画が必ずしも傑作になるとは限らない。深刻な話にすれば評価に結び付くのも間違い。少なくとも映画史的見地から見てここまで頓珍漢な要素の揃った名作も結構珍しいかも・・・・。大体タイトルからして変だと思いません? 何だよ『ゆれる』って! も、もうワケわからん!
投稿者:すけ投稿日:2009-03-04 14:07:35
奥深い映画
投稿者:天海投稿日:2008-11-12 09:12:26
 昔、ある雑誌か何かを読んでいたら、取調室での男女の違いというのが書いてあって、なかなか興味深かった。捜査官がいろいろな状況証拠をならべて、論理的に容疑者を問い詰めてゆく。そういう理詰めの話の果てに、犯人はたまらなくなって自白にいたるが、(もちろん自分に覚えがあるから自白するのだが)、こういうのは大てい男性なのだそうだ。ところが、女の場合は、最後の最後で「でも、私はやっていない」というセリフが飛び出すらしい。
 
 何となく本作の西川美和監督は、これをやってしまっているような気がする。
投稿者:痛風投稿日:2008-10-09 23:32:12
落そうとしたのか助けようとしたのかという一瞬は昔からのテーマの一つ。同じ動作に見えて見る人の心理に影響されるから。兄弟の微妙な心は描けているがリアルさは薄い。キャスティングは秀逸。
投稿者:クリモフ投稿日:2008-09-26 02:06:34
この映画も傑作みたいな評価に落ち着いてるんだけど、全然ぴんときませんでしたね。そんなにいいか?っていうのが素直な感想。冒頭のオダギリが出てきてカッコいい音楽をバックに車を転がしているシーンは期待をしたんですけど、ドンドンとトーンダウン。なんか狙いすぎな感じがモロでテンションを下げる。同じシーンの再現とか、フィルムとか。まぁ兄弟そのものの設定事態がうさんくさい。物語を進めるためにこういう設定にしましたって感じ。
キャストはまぁ好演でしょう。香川さんが凄くてオダギリが若干一本調子に見えるものの、ふたりとも役に合っています。二人のファンなら満足かな。
なんか評価が先行して世間が追随している感じに思えます。
投稿者:SHELTER PEOPLE投稿日:2008-08-03 11:22:06
なかなか面白かった。
賛否両論がはっきり分かれる映画だろうな。
投稿者:雀鬼野郎投稿日:2008-05-25 13:39:47
【ネタバレ注意】

自分の兄貴がこんなことになったらと思いながら見てたら、なんだか気分が悪くなった。
でもエンディングの兄と出会った時の笑顔をみたら、気持ちがスッキリしたよ。

でも俺だったら、兄を刑務所には入れないかな。突き落としてしまったとしても、やっぱりかばっちゃうかな、智恵子の両親が兄をどう思うかを考えたら、、
てか突き落としたのか助けようとして落ちたのかよくわかんないな。
助けようとして落ちたなら、刑務所から出た時普通なら怒るしな、
それに嘘をついてまでなんで刑務所に入れたんだ、、?
落ちてしまったのは結局兄のせいだから罪をつぐなえというのか、それとも喧嘩した勢いでか、、、??
でも一時的にやけになっている兄と喧嘩し、勢いでそこまでするかな・・・
やっぱり突き落としたのかな、、、それで後半の助けようとして落ちたシーンはなんなんだ、
助けようとしたということにして、自分の中で兄を許したのか、、、

まあその答えは自分で考えろと監督はいいたいのだろ。



投稿者:NYY投稿日:2008-05-07 17:45:42
【ネタバレ注意】

公開時には見に行かず、少し遅れて名画座で見た時に泣いてしま
って・・・
何故泣けたのか説明できなかったんで、その時はコメントしなか
ったんだけど。
最近、レンタルで見直してみたら・・・
やっぱり、泣いてしまったw。   ( ;Д;)
 
吊り橋で起きたことは、事故なのか?、事件なのか?
真相がどうだったのかは、結局、分からなかったんじゃないかと
思う。
真相が分からないことなんて、世の中にはいっぱいある。
いや、真相なんかどうだって良いんだ!と言い切ってしまうw。

ラストシーンのオダギリは、紆余曲折の末にお兄さんを信じたん
だよ。
根拠はないけど、否、根拠がないからこそ信じるという境地に、
時間はかかったけど、達したんだと思う(根拠があるのなら、信
じるとは言わないからね)。
たとえ、女の子を突き落としたんだとしても、俺は信じてるって
気持ちで呼び掛けた。
そしたら、お兄さんが笑顔で応えた。
気持ちが通じたように見えた。
そこが泣けたんだ。
 
人間が生きるとは、つまり、根拠なんか無くても誰かを信頼でき
るような関係を持つことだと思うんですよ。
そーゆー関係を持ってない人は、生きていても死んでるに等しい。
 
お兄さんのことを信じるのは、自分のお兄さんだから。
それが全て。
この作品には、自分にとって大切な関係を一度捨てちゃったアホ
な奴が、捨てちゃったものを最後に少し取り戻すところが描かれ
ていたんだと思う。
最近の邦画では、あり得ないくらいの奇跡のような傑作だと感じ
ました。

 
勿論、「オレオレ〜」なんていう電話とかは、信じてはいけませ
んよw。

ただ、死んだ女の子はちょっと可哀想だったね。

投稿者:fuji3776投稿日:2008-03-02 12:21:45
【ネタバレ注意】

 この映画の最大の悪いところは「後出しじゃんけん」であることだ。隠された話、隠した事実を、残念だが監督は知っている。そして、残念だが後出しされた物語を、観客は知らない。・・・3/10点。

 この手の隠蔽工作が多すぎる。・・・古い8mm映画に残された子供時代の兄と弟、渓谷のつり橋で足を踏み外した弟を、手をすりむいて支えた兄の映像が写っていたら、しかも弟はまだ小さすぎて、当時の記憶がなく・・・。
 正直、ストーリ−が始まると同時にいやになった、田舎に帰る、親父と言い争い、しかも兄貴の好きだった女と寝る(女も女だけど、オダギリじゃあしょうがないか)。陳腐さにあきれる。そのうちに何か始まるかもしれない興味も起きて、しばらくは新しく湧き出る話にうなずきながらも、でも拭い切れない苛立ちは何か隠されている、隠していると云うことだった。

「すべて写っている」けれど見る者によって違う、欲望と懺悔、肝心なそこの話がない。

 つり橋の上での出来事がどの人物からの視点でもいい、最後まで写っていないのだ。支えられながら落ちたのか、突き落とされたのか、手の傷はなぜついたのかをはっきり写し、その後に兄弟と転落した女性の心の内側を描いて欲しかった。
 裁判が開かれる中で、観客と監督が「同時」に、真実を知っていかなければ面白くない。それでこそ推理と新たな展開に驚き楽しむことが出来る。・・・隠してどうなる。

 この違和感どこから来るのか?黒沢作品と比較するのが主ではありません、「天国と地獄」「羅生門」「悪い奴ほど・・・」三作見る、「天国・・」サスペンスドラマには多面的な推理が不可欠で、一人の脚本では恋愛物と違って無理がある。自己満足な情熱だけでは、客観視が重要な良い推理映画にならない・・見落としが多すぎると思う。
 それらしい事件を排除して単純な恋愛映画か憎悪の話にすれば良かった。

 TVで女性視聴者の答えるオダギリの評判があまりに良いので、「狸御殿」以来、一つ見てみようかと、この作品を見た次第。それにしても「生け面」に勝る物なし、です。
 香川の演じる兄は確かに抜群で、弟に対する愛情がかなりうまく描かれた。「鬼が来た」でその演技にはほとほとまいっていたのだが、改めて感心いたします。香川によって映画は重厚な物になった。・・・映画には色々な見方があって、多方面から勝手な感想があって、勿論そのほうが楽しくて・・・よいと思う。

投稿者:ちゃぷりん投稿日:2008-01-14 06:37:41
良心的な作品だとは思うが、良さが解ったのはオダギリが家族旅行の八ミリ映像を観る所で、それだけ時間が掛かったくらい、緊迫感や深みに欠けていた。下の人も書いてるように、田舎の窮屈さやキャラクターの心理に裏打ちされた物が無いからだな。だから監督に特に才能は感じなかった。
香川の演技は微妙だし(手首の傷がイマイチ解らんかった)、木村祐一のヘタさは繊細さが皆無なので余計腹が立った。伊武さんもミスキャストだったし、ピエールやトモロヲも彼等でなくてはいけない理由が見つからなかった。
ただ裁判シーンでは検察側と弁護側の言い分の中に含まれるエゴが、「人を裁く事の根本的な欠陥」が見えて興味深かった。今頃になって。

投稿者:OoA投稿日:2007-12-11 18:20:52
【ネタバレ注意】

 それこそ監督の夢の中へと連れて行かれて、そこに置き去りにされてしまった様な気がして、とても不快な気分に陥りました。
 連れて行くテクニックに優れている。でもそこへ連れて行かれて何か新しい発見を出来たかと言われれば、何か役に立つモノを見いだす事が出来たかと言われれば、そうでもないという人が多いのではないでしょうか?「映画を作る前に、映画を生きろ」このセオリー、一体いつの話ですか?
 「あなたの言う通り、自分はとてもひどい人間だった。それはあなたも同じなのかもしれない。だからこそ、みんなで家に帰ろう」そんな皮肉で終わる映画を、この時代に作る事に一体どんな意味があるのでしょうか?それとも本当に帰れると、そう考えているのでしょうか?
 あのですね、女の人が目の前で裸になったら、特に男はそれを観ずにはいられないのです。連れて行くための力強い方法だけを讃える為に様々な賞を獲得させてしまったのであれば、これはもう日本映画全体の、とても大きな問題だと思います。

投稿者:yu-saku投稿日:2007-08-27 15:22:09
兄弟だからこその愛情や嫉妬心、そんなものを鋭く突いた作品ではないでしょうか?
コンプレックスを抱いていたのは紛れもなく弟の方だったのでしょう。
どこの真実があるのかを問題にするよりも、一人の人間の心理描写を見事に表現した秀作といえる。

それにしても、オダギリジョーの声は渋いね!!
投稿者:マーティン投稿日:2007-08-19 15:58:46
【ネタバレ注意】

私も遅ればせながらDVDで観ました。
男の兄弟の性格・心理・愛憎を描いたものでしょうが、
この主人公の父親の兄弟もそうでしょうが、男の兄弟は難しい。
家族だがライバルでもある。それが小さい時から経験され積み重ねられている。

またこの映画は「羅生門」も連想されます。
三人三様の心理があり、解釈がある。

ただ最初と最後に出ていた兄の腕の引っ掻き傷はどうなんでしょう。
あれだけ画面に出ていたのなら裁判でどうして問題にしないのでしょう。
あれは被害者の爪の跡でしょう。爪の皮膚を採取すれば分かるでしょう。
突き落とした者が腕を伸ばすでしょうか。
救おうとして手を伸ばしているのでしょう。
これもひとつの証拠になるでしょう。

しかしこの映画は緊迫感があり、現代の都会と田舎を描いていて、
構成が良いし脚本が良い。
久しぶりに出演者が少ないながら、人間の心理を良く描いた映画だと思います。


投稿者:投稿日:2007-06-12 08:59:11
ということばが、この映画を見て、はじめてこわいと思った。
フロイトの不気味なもの=un-homelikeを丁寧に描いて、胸に痛い作品でした。
投稿者:晴れ男投稿日:2007-05-13 22:45:46
【ネタバレ注意】

真相は、監督の中にしかないので、分かりませんが、
難解な映画なので、僕が解説したいと思います。

弟は、前日、兄が好意を抱いていた女性と関係をもった。
それを兄が遠まわしに探っていたため、不信感を抱いていた。

つり橋に行った当日、弟は、兄が女性と一緒につり橋を
渡ろうとするのを目撃した。その後に起きる事件を
弟は目撃しなかった。でも、物音を聞きつけていた弟は
二人の関係を怪しんでいた兄が彼女を突き落としたと考えた。

それから、弟は、犯罪者である兄を守ろうと、
叔父の弁護士を頼りにする。

ところが、法廷で兄は予想外のことを言い始める。
自分は、突き落としていない。あれは事故だと。

弟は兄がやったと確信していたので、
兄への不信感が、ますます増大していく。
そんなとき、兄は法廷で、女性が弟と
前日に肉体関係を持ったことを知る。
やけになった兄は、弟に自分が二人の関係に
気づいていたことを告白する。

何をやってもうまくいかない自分の人生に
いやけをさした、兄は、弟にどうせお前は
おれの無実を信じてないんだろうと嘆く。
感情的になっていた、弟は信じてるに決まっているというが
信じていないという本心をつかれ、逆上する。

そして、次の法廷で、見てもいないのに弟は
兄が殺したと偽の証言をする。
(やりとりの声がやたらと聞こえるのが、その証拠!)

数年後、兄がようやく刑務所から出てくる前に
弟は、昔のフィルムを見る。
弟を助けようと手を伸ばす、映像を見ながら、
つり橋で事件が起こった日のことを思い出す。
あのときに、兄の腕についていた傷は
彼女を助けようとした、証拠だったと気づく。
兄は、昔と変らず、いつでも正直な人間だったとわかり、
兄にしてしまった、自分の行為をはじて、涙を流す。

弟は兄を迎えに行く。兄は、最後に弟を笑顔で迎える。

というのが僕の考えたあらすじです。
異論がある方はおっしゃってください。
(いろいろなご意見があると思うので)

兄は、弟に信じてほしかったんだと思います。
でも、弟は信じてくれなかった。
そこで、兄は賭けに出たんだと思う。
心から愛している弟が、自分を信じてくれるかどうかを、
試したんでしょう。その結果、彼は裏切られて、
刑務所へと送られた。

出所した後、弟に向けた笑顔は
弟がやっと自分の無実に気づいてくれた。
信じてくれたという喜びの笑顔だったのかもしれません。
兄はずっと・・・、ただただ正直に生きてきただけなのだから。



投稿者:rin投稿日:2007-05-10 00:12:52
誰かの立場になって考えたりすると、いろんな感情がわき上がります。とても切ない内容なので。ただ、この作品の全体的な時間の流れ方が好きです。新井浩文は本当にいい役者ですね。今後が気になってしかたないです。香川照之も文句無しでいいですね。
投稿者:映画で元気投稿日:2007-03-12 20:13:30
昔流行ったニヒリズム、ナルシズム、こういうのは好きになれない。
とんでもない弟を持ったために精神も人生もズタズタにされた兄貴。
たとえ最後に主人公の弟が後悔して涙を流そうが、とても感情移入などできない。
主人公の一人よがり、一人で悩んで一人で傷ついて、しかし本当に迷惑したのは周りの者たちだけ。
こういうのを文学というのだろうけど、私は嫌いだ。
投稿者:ぺん投稿日:2007-02-28 02:39:44
【ネタバレ注意】

一番の見所は裁判シーンのオダギリの「死んだ魚の目」ですな。オダギリっ
て、こんな技を使いこなせるとは知らんかった。脱帽っす。
全体的に、見所満載で楽しかった。オープニングから暫くは、「アート系」
的なシーケンスが続き、”いけ好かない映画かな”(僕はアート系映画と呼ば
れるものに暫く凝った後、嫌いになりました(笑))と思ったけど、中々どう
して、良い感じで嬉しかった。全体的に既視感のある映像・カット及び
ストーリーなのは、監督がタランティーノ的な人なんでは?と予想します。
ま、映画ヲタク?(笑)。ストーリーの大枠が、ワンス・アポン・ア・タイム
・イン・アメリカなのはそのせいなような気がする。勿論、兄弟の心の葛藤
なんかを監督なりに解釈をしたんだろうけど、これはリアルな兄弟的な葛藤
ではなくて、凄く映画的で、映画的に凄くリアルなんで、凄く納得いく。
全体的に、マカロニ的な印象を得るが、やっぱそこは日本風に再解釈されて
いる点が、この監督の腕の良さなんだろうね。7.5点。次回作が楽しみ。

投稿者:放置映画投稿日:2007-02-27 02:10:24
【ネタバレ注意】

結論として、ディテールをあまり描かず解釈を観客へとゆだねる形をとってしまったわけだが、この劇で最も重要な”弟の証言時の心理”と”弟の事件時の記憶”においてはもっと明確な描写が必要だったと思う。

弟の証言シーンはこの映画のクライマックスである。ずっとかばおうとしてきたにも関わらず、なぜ突如として弟が真実(この時点ではそう思っている)を語ってしまったのか・・・。

---良心の呵責もあるだろう。心の奥底を見透かさしているような兄の言動もあるだろう。智恵子との関係に気づいてるはずなのに、何も言ってくれない負い目からくるものもあるだろう。兄と弟の感情のすれ違いもあるだろう。---

理屈は色々と浮かんでくるが、拘置所でのやりとりがかばい続けた兄を監獄へと追いやるだけの説得力に足る"事件"と言えるだろうか。積み重ねの真実描写もないことから、根拠のさらに根拠にいたるまで行間を読む作業が必要だが、好意的なスタンスに解釈するにはあまりに負の要素が強すぎる。結局、兄が思いを寄せる女性を寝取りながら、「兄だけは信じられたし、兄とだけは繋がっていたんです」と証言してしまう身勝手極まりない人間がいた事実だけは強く残る作品であった。

そういうメリハリとバランスには欠けていたが、台詞に新味は見られたし、小物の使い方から芝居のつけ方にも目を見張るものがあった。とりわけ高いサスペンス感を得られたのは高瀬カメラマンの技術力に他ならないだろう。

投稿者:トウショウファルコ投稿日:2007-02-26 01:34:15
【ネタバレ注意】

今なら『嫌われ松子の一生』のような映画が好きかな。
映画を観たという実感と疲労感、これ以上あざとくなってはいけない
バランスで成り立っていた。

かつて全観賞の8割弱の映画を、レンタルも衛星放送もない学生時代に、
かなりのペースで観ていた。きっと、その時代、このような映画が好きだった
ような気がする。

兄弟は本質的な部分で考え方などは似通っているが、許せない部分も他人以上に
根強く残っているものかもしれない。
兄は弟のあいまいな所、ルーズさが許せなかったり、
弟は兄の気のいい、とろさが堪らなく嫌だったりする。
弟はまた、どんなに腹が立っても、兄には手を出せない。
兄は喧嘩をしても、絶対に弟には負けるわけにはいけないと思う。

分かり合い過ぎるから、互いに無意識に調整してバランスを保っている。
それが兄弟の暗黙のいたわりというか、兄弟愛というものだろうか。

ラストシーンで、車道を挟んで、大きな声で兄を呼ぶ。
今は普通にあっさりと「兄貴」と呼んでいる自分にも、小さい頃「お兄ちゃん!」と
少し甘えた言い方で呼んでいた兄がいた。映画と同じに・・・
何故か何故か・・・無性に涙が流れてしまった・・・。
兄の立場で観た人はどう思うのだろう・・・


裁判で証人として発した最後の言葉があまりに深く重い。
弟である自分には結構きつい映画だった・・・。

兄弟を演じた2人の男優にプラス1点謙譲。

かつて『事件』という傑作があったが、これは誰かの評のように『羅生門』的と
感じますね。

《ネタバレ特に注意》

兄は弟の何を知っていたのか?
弟が確信してしまったのは何だったのか?

兄をかばいながら、実は、ずっとずっと疑っていた弟。
女の事、最初の面会時の兄の嫉妬、次の面会時の兄の釈放時の夢・・・
きっと、兄の夢を聞かされた時に、弟の疑いは確信に変わったに違いない。
「本当は、どうなの?」 兄は絶句するしかなかった。それは怒りに変わった。

もっとも信じて欲しかった弟。繋がっていたと思っていた弟。
兄は有罪・無罪を弟に委ねた。もうどちらでもよかった。信じてくれないなら。
弟に委ねよう・・・弟を取り戻すために・・・

7年後、出所の日。偶然に子供時代の映画を見る。差し伸べられた兄の手。
ここで思い出してしまう。判決が下り、手錠を掛けられた手には傷があったことを。
それは助けようと差し伸べて、橋の木の部分でついた傷であることを察する。

疑っていた弟は、ここで子供時代の純粋な弟に戻ることが出来たのだ。
しかし、兄の行方は定かでない・・・

作者が観客の心のゆれを愉しんで、試しているかのようだった。
また違った解釈があるのかもしれない・・・

投稿者:えりか投稿日:2006-11-13 10:43:53
最後の最後まで食い入るように見入ってしまった。
兄弟とは言え、誰にでも心のどこかに持っている、嫌らしさや嫉妬等をうまく表現されていて、私にも姉がいるがこの映画を見ていて共感する部分があり、怖くなった。
人間の心理描写を捕らえた良い作品だったと思う。
弟役のオダギリジョーと兄役の香川照之の迫真の演技は素晴らしかった。
投稿者:FFF投稿日:2006-10-11 23:55:53
あらゆる演出が見事に映画として結実しており感動的。
その為に主演3人の不快な部分を全部さらけだしているのであって主人公に共感する必要なし。俺は人間が出来てないせいか3人全員に共感した。ラストの余韻も見事。これしかありえなキャストのバランスも絶妙。
後半号泣しましたがそれがなにか?
投稿者:8397MT投稿日:2006-10-09 22:45:12
良くないと思う。

この作品エンターテイメントではないと思う。
ではなんなのか?家族の関係を描き出すようなドラマというようなことが監督の意図だろうと思う。
だとしても全然うまく描けてはいない。というか逃げている。

たかが兄弟の関係を描き出すためだけに一人の人が死ぬというような大げさな事件を持ってこなければならないのかということ。
最後に感動するなどということがあるとしたら、それは途中で死んだ女の子に実に失礼だと思う。ほんとに。

途中に何度となく出てくる大声で感情を露にするような家族の会話も不快なだけだ。また裁判のシーンの証言も。こういったケンカ腰の会話は普段あまり行われない。こういった会話で隠された家族の関係が明かされるだろうか?まあそういったこともありえるだろうが、そんな幼稚な手法で明かされる関係なんてたいしたことのないものだ。しかもこの映画の人物は性格が破綻しているのでなおさら何も伝わらず、見ていて不快なだけだ。

一番不誠実だと思うのは色々はっきりさせないこと。
結局女の子は殺されたのか?勝手に落ちたのか?
最後兄と弟は和解したのかどうか?
見ていてもどっちかわからん。どっちともとれる。わからないように作るのは逃げでしかないと思う。そこらへんゆれるような要素を作るべきでない思う。

なんかゆれるものの映像→オダギリジョーの顔、というシーンが何箇所かあった。見ている事物が感情を代弁するようなことはまあありえるとはおもうが使いすぎだし、話自体がうまくできていないのでそんな力を持つことはない。
投稿者:yaskaz投稿日:2006-09-24 23:37:10
【ネタバレ注意】

素晴らしい!言葉で言うのが軽々しく聞こえてしまうけど、とにかく素晴らしい!鳥肌が立った!自分の35年の映画歴の中でも日本映画のベスト10に入る。オダギリジョーと香川照之の演技も素晴らしいが、西川美和の演出は繊細できっちり的を得ていて非の打ち所がない。
オダギリジョー扮するカメラマンの如く、一瞬ですべてを観客に分からせる西川美和監督の技量、力量。開けっ放しの冷蔵庫、そっと伸ばした指、ドタドタ歩く足音、零れたお酒を拭く兄、8mm映写機、煙草の箱、切られたトマト、揺れるブランコ、洗濯物を畳む兄、会話、何もしなかった父が回す洗濯機、面会室のガラスに映る顔、顔、赤い電車に、札の入った封筒、そして吊り橋、花・・・もうすべてのシーンが鮮やかに蘇えってくる。そしてそれらの物や出来事はちゃんと二度目があって、時に対比されるが、ちゃんと説明をつけ、完結している。完結しないのは、そう兄弟の、親子の、人間の心。ぼくの採点は揺れません!そう満点です!

投稿者:かっこう投稿日:2006-09-18 22:44:01
【ネタバレ注意】

面白い題材を使用したミステリーだと期待して見に行ったら、思っていた以上に、話の本質は揺れる人間の心についてだった。
真面目な兄の誠実さは取り繕われた偽善であり、そんな兄をかばう弟こそが真の誠実さを持っていた。そう思った。なのに、あのラスト。やはり兄は最後まで誠実だったのであり、弟が偽証していたのだととれる。なんと衝撃的。面白い。
だが、助けるシーンを見ていたのなら、何故最初から見たと言わない?隠していたのは、やはり突き落とすのを見たからではないか?
弟は記憶すらも揺れていた。ちょっとした疑念が膨らみ、記憶すら捻じ曲がっていく。弟は偽証していたことにすら気がついていなかったのではないか?
ま、色んな風にとれる映画だと思う。

投稿者:龍勝利投稿日:2006-08-29 16:01:41
人の記憶は想いに裂かれ、ゆらりゆられて藪の中。香川照之はうまいなぁ。キム兄、ネクタイちゃんとしよう。
投稿者:ぼくは伯父さん投稿日:2006-08-22 00:25:02
【ネタバレ注意】

弟は現場を見ていたのですね。てっきり、本当は見ていなかったのに、偽証をしたのだと思っていました(直後に、橋の上で兄に声をかけた時も普通だったし)。どうも、監督の意図を根本的に理解できていなかったようです。DVDが出たら、また見てみます。

投稿者:猫亭投稿日:2006-08-18 21:22:36
【ネタバレ注意】

時に、記憶はとても曖昧なものだ。目の前に見えている一瞬、それは確かに事実なのに、直後には曖昧な「記憶」に落ちてしまう。
記憶は、感情によっても形を変えてしまう。
本当の真実は、感情によって左右されるあやうい「記憶」の中で、あやふやに溶けてしまう。
疑念、葛藤、嘘、愛情、が、「誰の目にも明らか」な真実を隠してしまう。
おそらく、それを語った彼本人からも、真実を隠してしまったのだと、思った。

この映画は、その彼……「兄」と「弟」の、それぞれをみせてくれる、非情に優れた映像でした。
自分の嘘、に気がついたのは、兄、弟、それぞれいつだったのか?
それを考えてみるものまた、面白いと思います。

投稿者:敦煌投稿日:2006-08-07 21:39:19
【ネタバレ注意】

 これはストーリーテリングの順番を誤りましたね。
 真相を曖昧にしたまま複数の人間の視点で語るというタイプの作品ですが、作り手が観
客に最低限伝えなければならなかったこと(あるいは伝えたかったこと)は、
a)弟は兄が女性を助けようと手を差しのべるのを見ていた。
b)にもかからわず、兄が不審な言動を取るので、兄が女性を橋に導いたのは良からぬ意
図があってのことではないかと、弟は疑った。
c)そんな精神状態の時に兄から「お前は人を疑うことしかしない奴だ」と蔑まれ、弟は
偽証することでその意趣返しをした。
d)しかし昔の8ミリを見て、弟は兄が嘘のない男だと改めて知った。
・・・というところでしょう。この順番で語られていれば、問題はなかったのです。興味
深く、また説得力のある作品になっていたでしょう。
 ところが作品中では、a)がどん詰まりのエンディングに回されてしまっているため、
観客はまったく違った鑑賞後感を抱いてしまうのです。すなわち、「なんだ、見てたんじ
ゃん」と。弟は兄が女性を助けようと手を差しのべるのを見ていた。だったら兄の殺意を
疑う必然性はないではないか、と。ましてやあんな偽証をするなんてこの弟はひどい奴だ
な、と、a)を最後に回すとそれだけの話になってしまうのです。
 脚本と監督を兼ねた西川さんが客観的な視点を失ってしまうのは仕方がないとして、周
囲のスタッフやプロデューサーはどうして気づいてあげなかったのでしょうか。あるいは
指摘を受けていながら西川さんが突っぱねたのでしょうか。http://homepage3.nifty.com/atsuo-m

投稿者:じゃんじゃん小僧投稿日:2006-08-07 18:58:42
良質ではあるが、まあふつうの映画というのが率直な感想。信頼しあっていたはずの兄弟が事件を機にすれ違い、記憶もあいまいになっていく、そして再び和解に向かうという過程が丁寧に描かれている。役者陣の演技も悪くない。ただ、全体的に映画を見る前の想像を超えるほどのものはない。橋という舞台と「揺れる」というモチーフに沿って進行していくストーリーが凡庸で面白みにかける気がする。

投稿者:黒美君彦投稿日:2006-07-29 23:25:53
【ネタバレ注意】

とにかく凄い映画である。およそ2時間、私はスクリーンから片時も目を離すことが出来なかった。凄まじい緊張感に支えられた119分の悦楽。
男と男の嫉妬、憎しみ、愛情、しかもそれらは兄弟であるが故に底知れず深いものとなる。田舎と都会、もてない兄ともてまくる弟、実直な仕事と華麗な職業・・・兄弟は複雑な感情を抱いて大人になる。私自身兄が一人いて、ここまでではないにせよどこかに屈折した感情を抱いている(仲はいいんですよ、念のため。笑)。そんな関係を見事に映像で描き切った監督がまだ32歳の女性と知って、改めて驚愕する。繰り返すがここにある男同士の感情のぶつかり合いは、実に鋭い。それを女性である西川美和監督が想像力で感得したとしたら、これはもう恐ろしいほどの才能である。

キャスティングがまた素晴らしい。その才能を既に開花させているオダギリジョーはともかく、以前から注目していた香川照之の存在感がとにかく凄まじい。瞳の表情、筋肉のこわばり方、話し方、その全てが「これぞ俳優」という迫力でせまってくる。イケメンだというだけで有利なはずのオダギリジョーに、見事に真っ向から対抗できているのは、香川照之だからこそだと思う。
香川照之は脚本を読み、「僕が演じる役の稔が、あまりにも僕自身だった」ことに驚いたという。氷山の下に悪意を隠している真面目な男。それは香川照之の衝撃でもあり、観客の私の驚きでもあった。
その他、説明的に過ぎないカット割りやノイズの使い方、ラストの「てくてくてくと/ウチに帰ろう」のエンディングテーマといい、全く隙のない映画に仕上がっている。癇癪持ちの伊武雅刀、垢抜けない美人真木よう子、弁護士の蟹江敬三、検事の木村祐一、それぞれ個性的な面々もでしゃばり過ぎず、しかしその役柄を見事に演じている。

西川監督は、ある晩みた夢にインスパイアされ、この作品を作り上げたという。「ゆれる」橋の上で起きたことは「ゆれる」感情の発露であり、確かに目撃したはずの記憶さえも「ゆれる」。嫉妬や怒りや憎しみが記憶を捏造することもある。
兄に頼っていた幼少の8mm映像を観て、彼は真実を見つけたのか。そもそも何が真実なのか。
稔の弟へのラストの笑顔は、「許し」とかいった高次の意識レベルによるものではないように私は受けとめた。彼は弟が子どもの頃のように「兄ちゃん、ウチに帰ろう」と呼びかけたことに対し、無意識に「兄」として応えたのではなかったか。兄弟とは、そんなものである。

ただ一点だけ違和感があったことを告白しなければならない。それは、事故にせよ事件にせよ、死んでしまった智恵子(真木よう子)の“不在”である。猛(オダギリ)に至っては、死体を見た後吐いた程度で、彼女に対する意識は兄弟ともに実に薄い。何だか彼女がとても可哀想に思えた。
でもとにかく凄い映画。邦画の豊かな現在を示す作品であることは確かだ。

投稿者:投稿日:2006-07-15 03:43:18
【ネタバレ注意】

 素晴らしい!!傑作!!!この作品は、2006年日本映画界の最大の収穫となることだろう。それにしても32歳西川美和監督の恐るべき才能の前には言葉もない。あまりに凄いので逆に彼女の行く末に不安を感じてしまうほどだ。

 つり橋での転落について猛(オダギリジョー)が見たとおりの証言をして稔(香川照之)の有罪が確定するわけだが、最終的に挿入されるつり橋のシーンが客観的なものだとしたら、猛の見た記憶も誤っていたということになるのか?「蓮実渓谷」に小さい時兄弟で行ったことがない、という猛の記憶が誤りであるように。

 ラストシーン、稔の微笑は猛への許しを意味すると捉えたのだが、甘いだろうか?むしろ兄弟の決定的な隔たりを意味するのだとしたら、あまりに救いが無いように思うのだが。
 いずれにせよ、長く記憶に残る名シーンであることは間違いない。

 オダギリジョーの演技が素晴らしい。主演男優賞に値する名演技だと思う。香川照之に関しては、評価を留保したい。ほとんどの人が褒めているようだが、どこかしっくり来ないところがあるような気がするのだ。他の出演者はすべてが上手い。伊武雅刀、蟹江敬三、木村祐一、新井浩文が特に良かった。監督の演出力によるところも大きいだろう。

投稿者:Longisland投稿日:2006-07-13 01:56:31
06年唯一日本映画としてカンヌ映画祭監督週間選出は納得、良く出来た脚本・構成の良作。
実際は何が起こっていたのか?まるで『羅生門』を思わせる構成、見事に描かれた登場人物、主演陣のオダギリ・ジョー・香川照之演技は繊細、それを支える蟹江敬三・真木よう子・伊武雅刀、そしてなにより新井浩文が素晴らしい。
最近乱造気味の邦画、特に原作物が多い中、オリジナル脚本でそう監督経験が多くない西川美和監督がこれほどまで完成されている作品を撮ったとは…マジで畏敬の念を感じました。

追記 07-01-08
 自分の06年邦画NO.3でした
投稿者:バルドネッキア投稿日:2006-07-11 17:00:37
【ネタバレ注意】

オダギリ・ジョーが「兄ぃ〜〜ちゃ〜〜ぁ〜〜んっ!!」と叫ぶシーン、あの声が今だに耳から離れない。
あれこそ、魂の叫びだ。迫力を大いに感じた。

私も、個人的なことで恐縮だが2人兄弟だ。老いぼれた父親との3人家族ということまで一緒だった。
男3人の家庭内の人間関係や心理バランスがどんなもんかを、この作品は正確に表現していた。とても生々しい。

現実によくありがちな状況設定であるにもかかわらず、登場人物間の心模様のもつれ合いが適切に整理されて受け取りやすくなっているのは、監督の演出力が冴えているから。

投稿者:bolivar投稿日:2006-07-11 08:31:16
俳優の演技はよかったです。ただ、ストーリーにはリアリティの欠如があり、すんなり受け入れられませんでした。田舎と都会、オトコとオンナ、成長期と成熟期の対立構造が歴史性に裏付けられておらず、「ちがうんだよなぁ」と思ってしまいました。所詮映画ということなんでしょうか。
投稿者:nick投稿日:2006-06-08 01:44:39
血の繋がりという実は不確かなもので結ばれている家族の絆について深く考えさせられる力作です。しかし、重いだけの映画と思いきや、ジャズ・ファンクをフューチャーした70年代風のスタイリッシュな演出、繊細で情緒に溢れた映像処理、きれいごとばかりではない人間の深層心理を赤裸々にえぐった痛々しいセリフ、非常にインテリジェントなドラマに仕上がっています。
オダギリジョーのある種ナルシスティックな演技も自然にドラマに溶け込んでいるし、脇役の俳優も非常にきめ細かいリアルな演技を見せていて秀逸。中でも、被告の感情をあえて逆なでしようとする執念深い検察官を演じる木村祐一の演技には驚かされる。こんな巧い役者だとは思わなかった。しかし、やっぱり一番凄いのは香川照之。いい人を演じ続けてこなければいけなかった長男の苦悩、その仮面の下で抑圧されていた嫉妬、劣等感といったドロドロとした感情をさらけ出す生々しさ。凄い役者ですね、この人。見直しました。
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
□ 主演男優賞オダギリジョー 
 □ 助演男優賞香川照之 
■ 助演男優賞香川照之 「出口のない海」「明日の記憶」の演技に対しても
 ■ 監督賞西川美和 
■ 監督賞西川美和 
 ■ ベスト10第2位
【ソフト】
  商品名  発売日  税抜価格  
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