雪に願うこと(2005)
【クレジット】
【解説】 「透光の樹」の根岸吉太郎監督が、鳴海章原作の『輓馬』を映画化した感動ドラマ。人生に挫折した一人の若者が、何百キロものソリを曳き障害を越える輓馬(ばんば)のレース“ばんえい競馬”と出会い、再生していく姿を描く。主演は「CASSHERN」の伊勢谷友介。2005年の東京国際映画祭で史上初の4冠を獲得。 東京で一度は成功を手にしたものの、経営していた貿易会社が倒産、妻にも友人たちにも去られてしまった矢崎学。彼はやむを得ず、兄・威夫を頼って故郷の北海道帯広へと戻ってきた。そして、威夫が運営する“ばんえい競馬”の厩舎で見習いとして働き始める学。彼はそこで、まるで自分と同じようにお払い箱になる寸前の馬、ウンリュウと出会うのだった…。 <allcinema> 【ユーザー評価】
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そんなコンセプトで撮った映画なんだろう。
が、一つ一つのエピソード(兄と主人公の関係とか女性騎手との恋愛とか主人公の母親の話、何より主人公とウンリュウとの交流)が弱い。掘り下げが浅い。中途半端だ。
当然、話の展開に説得力が欠けるという状態に陥る。
特にラストのウンリュウのレース。何故主人公がレースを観戦しに行かなかったのかが疑問で仕方がない。???で頭がいっぱいになった。スッキリしない終わり方だったなあ。
ま、個人的には競馬ファンなので馬が観れたのはよかったけどね・・・
この映画に出てくる〔ウンリュウ〕号よりもハッキリとした茶色(鹿毛)の馬体と
より白い鬣(たてがみ)が印象的で、走る姿が非常に強烈な馬だった。
ただG1レースには勝てなかった。そこまでの実力もなかった。
にわかなファンや、当てもののギャンブルとしか思えない人達には分からないと思う。
大体、レースを見ただけでは競馬なんか面白くも無い。でも・・・
裏には良くも悪くもドラマが存在している。たった1頭の馬にも多くの人達が関わる。
厩務員をしていた人の息子さんがいた。息子と言っても40歳くらいだ。
彼はその生活が嫌で堪らなかったと言う。汚く臭い父親。仕事も朝早くきつい。
彼は馬の話など興味がなかった。競馬が嫌いだった。馬券なども買ったことがない。
より地味でローカルなばんえい競馬の幼少時代を、飛び出して行った主人公の気持ちが
なんとなく分かる。一般的な成功とは無縁といっていい世界。
北海道、厩舎の生活など反吐が出ると言っていたのに、戻るしかなかった。ここしかなかった。
心を取り戻す一番の方法は、汚い下働きをして自分を見つめ直すのがいいというのを
聞いたことがある。それに太陽の光、自然の香り、時間を忘れる空間・・・
馬が好きという者もいるだろうが、行き場のない人達もいるだろう、
いろんな人が一塊になって『馬』で生活している。やり直しなんて出来るもんじゃないが
じっくりとじっくりとエネルギーが蓄えられていく。心が洗われて見つめ直すことも
出来た。これは出直しのドラマ。―基本的には好きなテーマと言える。
エピソードの繋ぎがわざとらしくもなく、恋愛話などを抑えて好感が持てる。
ただ最後が弱い気がする。あそこでカメラを、編集を止めてはいけないと思う。
ありきたりだけれど、カメラを車に乗せ主人公の学と同じ速さで斜め前から追って欲しい。
強い意志、リフレッシュされた晴々した顔を撮ってほしい。力強い歩きを撮って欲しい。
ウンリュウ号はきっと勝っただろうが、どうでもいいこと・・・その後を撮って欲しい。
出直そうと出て行った者を祝し、刺激も受けたであろう厩舎の人達。
まだ陽が上がらない時間に、汗を流し働き、新たな一日を生きる人達を撮って欲しかった。
ハリウッド的は派手さはないが、邦画の持ち味というのはこうなんじゃないかと感じる作品で悪くはないと思う。
東京で起こした会社が失敗して、兄のつてを頼って北海道の実家に帰ってきた男が、兄の運営するばんえい競馬の厩舎の仕事をしながら再び立ち直ってく話。
主演の伊勢谷君は「キャシャーン」よりも自分の背丈に合った役をうまく演じている気がしました。
ただ、映画としてみるならもっと話に起伏がないと厳しいなあと思います。
東京から地元帯広に帰ってきた主人公に対して、最初いい印象を持っておらず、騎手になろうとしてるトミーというキャラがいて、吹石一恵が演じる名騎手だったが突如いなくなった父といつも比較されることにコンプレックスを持ってるヒロインに少し気があるという設定があるなら、そのヒロインとデートしたりする主人公と三角関係になるとか、もう少しドラマを盛り上げる工夫がないと2時間を飽きさせずに見せるのは厳しいし、ヤマがたくさんあるハリウッド映画になれた観客には退屈に映るかも。
また、落ちこぼれ馬ウンリュウのレースにみんなそれぞれの思いを賭けてるクライマックスであるのに、そこが比較的淡々と描かれていたのも原作の小説ならともかく、映像がある映画ではそこにむかって盛り上げてくように作るべきではないかと思いました。
個人的に印象が残っているのは、主人公が地元に帰ってきてからずっと会いたいと思っていた老人ホーム暮らしの母親にあいに行くシーンで、再会したもののボケが進んでいて自分の記憶がなくなっていたところです。
PS.冬の北海道を舞台にしてるのに、上映時期が夏というのは何か季節はずれ な気がする。
ラストはちょっと弱かったかなあ・・・残念だが。
佐藤浩市と吹石一恵は上手いね。
原作は帯広在住の作家、鳴海章の小説『輓馬』。ばんえい競馬の厩舎を舞台に、調教師の兄、東京から逃れてきた弟と周辺の人々が織りなす人間ドラマだ。
馬たちの白い息が霧のように漂う早朝の馬場や、湖に沈んでいることの多い崩れたアーチ橋(上士幌町にあるらしいが)…美しい風景にふっと息を呑む。
個人的に大ファンの佐藤浩市をはじめ俳優陣も充実。吹石一恵のお嬢様系を超える頑張りもよかった。
…ではあるが、物語が予告編を超えなかった、というところに若干不満が。
破綻のない予定調和については賛否両論あるように思うが、予告編のままというのもどうかと(苦笑)。
地方の厳しい現実もまた散りばめて欲しかった気もするのだ。北海道の文化遺産を見せるだけでなく、都会に暮してきた男の苛立ちをもっと地元の人間にぶつけて欲しかったような…。
決して悪くはないのだが、その意味で惜しい作品でもある。
力強い馬たちの姿ー馬の体から立ち上る湯気と北海道の厳寒の風景が混じり合ってなんとも幻想的な映像が忘れられません。
佐藤浩市さんの兄と伊勢谷友介さんの弟を中心に淡々と進むお話。観客を驚かすようなハデな出来事があるわけじゃないんです。終わり方も「あれ?これでいいの?」と思ったんですが、なんと後からじわじわと思い出し、心の中をぐるぐる掻き回しました。
人間には色んな生き方があり、色々な人間がいる・・・自分は?
私にとって忘れられない美しい一本の映画になりました。
演出、映像、構成力、どれもベテラン監督の上手さを感じるものの、観終わった後すぐ忘れてしまいそうな端麗な作品。
観客の感情を打つ力が感じられなかった。
現在夥しく制作・公開される邦画群の中では良作に分類されるんだろうが、
東京国際映画祭コンペ作品賞&監督賞受賞・・・個人的には?
舞台となった北海道先行上映なんだ(笑 東京では今年の夏公開。