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隠された記憶(2005)

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メディア映画
上映時間119分
製作国フランス/オーストリア/ドイツ/イタリア
公開情報劇場公開(ムービーアイ=タキコーポレーション)
初公開年月2006/04/29
ジャンルサスペンス/ドラマ/ミステリー
映倫PG-12
送られてきた1本のビデオテープ

それは記憶の底に隠された
無邪気な悪意
隠された記憶 [DVD]
参考価格:¥ 4,104
価格:¥ 5,980
USED価格:¥ 1,698
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【解説】
 「ファニーゲーム」「ピアニスト」の奇才ミヒャエル・ハネケ監督が、現代の社会問題をミステリー仕立ての巧みな語りでスリリングに描いた衝撃のサスペンス・ドラマ。カンヌ映画祭では監督賞を含む3部門を受賞。出演は「メルシィ!人生」「八日目」のダニエル・オートゥイユと「イングリッシュ・ペイシェント」「ショコラ」のジュリエット・ビノシュ。
 テレビ局の人気キャスター、ジョルジュは美しい妻アンと一人息子のピエロと幸せな日々を送っていた。そんなある日、彼のもとに送り主不明のビデオテープが届く。そこにはジョルジュの家を正面から隠し撮りした映像が映っていた。テープは何度も送られてきて、内容も回を追うごとにプライベートな領域へとエスカレートしていく。次第に恐怖が高まり、家族の間に亀裂が生じ始める。そんな中、やがてジョルジュの中で、少年時代のある記憶が呼び起こされていく…。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
18108 6.00
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【ユーザーコメント】
投稿者:いまそのとき投稿日:2014-04-14 18:38:42
今回もハネケ。次々とボールを投げて来るが誰も打ち返せない。我々は自問自答しながら、ますます不安の渦に陥ってしまうという設定だ。ビノシュやオートゥイユたちだけが悩んでるわけではない。ハネケの映像不可思議。謎を解明しないまま、沈黙の時間を創造する巧みさが際立っている。これって我々が生きていく中で感じる不安という心理そのものじゃないかと思う。無音という独創的な映像は、さらに不安をかき立ててゆく。
投稿者:UFO投稿日:2013-11-07 12:20:56
割と好き。
投稿者:jb投稿日:2012-07-25 01:42:44
割と好きな作品。
投稿者:TNO投稿日:2011-04-10 23:05:55
先進国資産階級の人々の罪を暴くというミヒャエル・ハネケの試みは、続く。この映画の主題は、ビデオ撮影の犯人探しではなく(ハネケ監督インタビュー)、この人気TVキャスター(ダニエル・オートゥイユ)の贖罪にある。このキャスターの人種差別的偏見は、大人となった今も変わることはない。子供の頃、ニセの言付けによって家を追い出したアラブ人の若い息子に諭されても、全く受け入れることはしない。妻(ジュリエット・ビノシュ)は、子に不倫の疑惑を持たれて、愛する子に突き飛ばされる。ハネケ監督にとっては、この誠実そうな妻でさえ、贖罪の対象のようだ。キャスターの母親役でアニー・ジラルドが本作当時まだ健在。
投稿者:FFF投稿日:2011-01-07 00:03:56
人は皆、罪との対峙を無意識に、あるいは意識的に避けて生きている。

エレベーターのシーンは「ソナチネ」「エヴァンゲリオン」を彷彿。
その他あらゆるシーンが緊張感に満ち時間を忘れて引き込まれた。
その意味でも堂々たる映画。
投稿者:Bava44投稿日:2010-04-22 03:49:09
ハネケは、初期の実録犯罪路線の時から、映画の叙述方法に工夫が見られたが、カフカの映画化や『タイム・オブ・ザ・ウルフ』を経て、映画を作るのがさらに上手くなった。題材的には社会派サスペンスなのだけど、芸術性・普遍性を獲得している。
個人的には積極的に支持したいタイプの映画。8+
投稿者:陸将投稿日:2010-03-02 16:40:38
【ネタバレ注意】

BGMを一切排し、考え抜かれた構図、極力動かないカメラ、そしてその映像がカメラなのかビデオなのか全く分からない編集。物凄い映像の力強さとリアリティが観客に迫ってくる。冷ややかな映像が終始不安感を掻き立てる。だが、本作はビデオを送った犯人が誰か、というのは問題ではない(ようにハネケは考えている)。むしろそのビデオをきっかけに夫、妻、そして息子というある中産階級の家族関係が崩れていく様を描いている。ビデオによって生じた小さなひび割れが、自分たちの手によって大きな亀裂へと広がっていく様子が丹念に描かれている。しかし、本作が好きかと聞かれたら、決してそうは答えない。むしろ物凄く不快な映画だ。台詞や物語や演出、全てがまるで空を掴むようなものであり、それは観客に考える余地を与えるような映画とは全く別物である。時折、不意打ちのように襲ってくる暴力的なシーンも、表面的でそこからは観客にショックを与えるという意味しか見出せない。決して暴力性とは何か、などといった深部へとは到達していないのである。しかもハネケは観客にそれを味合わせるために確信犯的に演出をしている。陰鬱で、不愉快で、それでいて絶望しか生み出さない・・・映画とは一体何なのだろうか。それを考えずにはいられない。

投稿者:ちゃぷりん投稿日:2010-01-25 04:22:41
【ネタバレ注意】

フランスとアルジェリアの関係は作品の深い所に関わっているのかいないのか。主人公が罰を受けないのはハネケ監督が意図した事で、フラストレーションを溜めるのは観る側の責任なのだろう。劇場で観るには適さない映画。息子同士がグルだった可能性もあり(自力の推測じゃ無い)。

投稿者:mackoy投稿日:2009-06-07 23:42:19
【ネタバレ注意】

アントニオーニの『欲望』を観たときと似た印象でした。

DVD特典の監督インタビューでもあったように
「誰がビデオを送ったか?」なんてことはどうでもよいことで
主人公が忘れていた過去の罪を思い返したことが一番描きたかったことなのでしょう。
所謂、ハリウッド・サスペンス映画的な見方をしてしまうと
この映画で描かれている一番大事な部分を完全に見失ってしまうのかもしれません。

それにしてもこの映画がPG12指定とは・・・あれは衝撃的なシーンすぎるでしょ。

投稿者:uptail投稿日:2009-05-25 17:08:39
ジュリエット・ビノシュ
投稿者:QUNIO投稿日:2009-04-10 15:29:21
どこが衝撃のラストなんか意味が分からんが、暗いトーンの映像の良さで魅せられる。ヒッチコックの諸作に匹敵する緊迫感があり濃密な画面だ。
小難しい映画は好きではないが監督の演出力は確かである。わざと説明不足にしてる辺りは逃げなのかな・・・?

#ミヒャエル・ハネケの映画では『ピアニスト』が一番面白かった。あれはブラコメの傑作だよ!『ファニーゲーム』もまあまあ良かった。『セブンス・コンチネント』は難し過ぎてお手上げ。いま最も観客を不愉快にさせる巨匠である。
投稿者:hayate9投稿日:2008-12-16 22:17:08
あんまり好きじゃないのが正直なところです。
“衝撃の結末”がイマイチわからなかったので、ネタばれサイトでやっとわかったくらい・・・。
色々謎は残るけど(誰がビデオを撮ってたのかとか)考えても答えがないのかも??
米版「ファニーゲーム」が気になっていますが、仏版の評価をみるとあんまり愉快な話じゃないようで・・・。
投稿者:ケラヒロミ。投稿日:2008-10-07 03:14:29
やっぱ、はっきりした結末がほしい
自殺シーンは衝撃
投稿者:黒美君彦投稿日:2008-05-09 01:49:16
【ネタバレ注意】

面白く拝見。さりげなく家の前に置いてあったビデオから始まる日常に忍び込む恐怖。
ダニエル・オートゥイユ、ジュリエット・ビノシュの熱演。BGMを一切排した演出。ビデオ映像とカメラの映像とが一見峻別できない編集…とにかく緊迫感が途切れない。
ハネケ監督は「罪」を主題にしたいと考え、そこに「やましさ」を重ね合わせて記憶の隠蔽をドラマ化したかのように思える。それはそれで成功なのかも知れないが、私自身は何とも「意地の悪い…」という印象を持ってしまった。

確かに主人公ジョルジュ(D・オートゥイユ)は鼻持ちならないインテリ風偽善者なのかも知れない。アルジェリア人だけでなく、民族差別意識を無意識に抱いているつまらない男かも知れない。しかし6歳の頃のことを持ち出され、糾弾されなくてはならないかというとそれは断固違うだろう。
誰かしらから恨まれること、憎まれることは生きていれば必ず直面せざるを得ない事実だ。そこに罪の意識、やましさがつきまとうこともあるだろう。だが、それを「糾弾」や「脅迫」で当事者を追い込もうとした時点で、その行為は「復讐」「報復」の様相を帯びて来はしないか。新たな「罪」を生み出すことにならないか。そしてその行為を「匿名」で続ける悪辣さ、犯罪性。
この作品の意地の悪さはそこにある。
偽善の仮面を剥ぎ取ったあと、そこに残るのは何なのか。犯人が、崩壊する相手の自我を見て楽しむのが容認されるというのか。
犯人探しに関心はないが(マジッドの息子が関与しているのは間違いないだろう)、観る者が居心地が悪くなるのを狙っているとするなら、私はまんまとその罠に引っかかってしまった口だろう。

マジッドの唐突な死も私は不快だった。抗議のための自殺は珍しくないが、少年時の恨みを40年経って自殺という行為で晴らすとは納得し難いものが残る。
面白いがゾッとする映画。
底意地の悪い作品である。

投稿者:さち投稿日:2008-02-07 07:34:19
よかった
投稿者:skull & rose投稿日:2008-01-29 17:20:11
カフカの『城』に続いて今度は『審判』に手を出したともいえる作品。

そもそも脅迫を明示するようなものは一切ないのだが犯罪だ被害者だと慌てふためく夫婦が、滑稽に自らの悲劇を訴えつつも、自分たちの驕りには一向に目を向けようとしない様を、ハネケは冷たく見つめているようだ。

演出は一貫していて緊張感が途切れることはないのだが、それは犯人探しの緊張感ではなくて、どうやってでも自分たちの社会性を維持しようとする夫婦それぞれへのフラストレーションから来るものである。

しかし、こうした滑稽な悲劇を演じる人々にいかなる救済を用意する気もなければ、人間の本質的な問題を提示しておいて自分が無力であることを告白するわけでもなく、なおかつ、こうした作家の姿勢を無責任だ不快だと非難することも自由であると寛容な姿勢をとるハネケとはいったい何ものなんだろう。

カフカの『審判』における混沌とした苦悩や絶望とは無縁に、ハネケは神に似たサディストぶりで冷徹に人間を見つめているように私は感じてしまう。決してつまらない映画ではないとしても、作り手の人間味ある愛嬌やコンプレックス、映画と歴史への微かな希望も感じられず、乾いた絶望と観念で映画を作るのなら私は好きになれない。ちょっと大真面目に観すぎたのだろうか…。

投稿者:すだち投稿日:2007-05-26 23:12:10
ハネケに通俗的な物語性や娯楽を求めること自体が無意味かつ不毛。
無い袖は触れないだろう。
手垢の付いたストーリーや整合性に満ちた予定調和がお好みならば、そういう作品は世界に吐いて捨てるほど存在する。
私に言わせれば「ピアノレッスン」など、まだ解り易い部類だ。
ハネケにはハネケにしか撮れない作品を今後も期待する。
投稿者:Yassan投稿日:2007-05-18 18:15:31
「ピアニスト」同様、「何だこりゃ!?」って感じでした。わざと意味不明のオチのない映画を作って、人を惑わすのが好きなのか、と勘繰りたくもなる。僕の理解力が足りないだけなのかもしれないけど。抽象画が好きな人にはうけるのかも。「世界が驚愕したラストシーン」は、別の意味で正解!
投稿者:リザード夫婦投稿日:2007-05-08 03:16:27
この手のジャンルは好きであると思う。序盤からぐいぐい引きずり込まれるし、謎は解決されるのは絶対条件ではないし、途中の自殺シーンの衝撃度は思わず声を上げてしまったくらい。全体に漂う、ぼやけた闇(表現がうまく思いつかない)も好印象。でも全体を通すと、私はこの作品は嫌い、大嫌いである。何故に120分夢中で鑑賞してしまったのか・・・分からない(時間を返せ!読書する!)。
それが賞をたくさんとる所以なのか?これが玄人好みの作風なのか?
今夜は腹がたって眠れそうもない。まあそういった意味では、私的には凄い作品なのかも知れないが・・・。「ファニーゲーム」を今度鑑賞予定だったが、当分封印する。
投稿者:U1投稿日:2007-04-23 14:02:24
一言で言うと、「よく分からん」
もう一言加えるとすると、「相変わらずのハネケ・ワールドやなぁ」

ミヒャエル・ハネケの作品は、完全に好き嫌いが分かれると思う。
僕は、彼のセンスはすごいと思う。
ただ、それがエンタテイニングかというとそうではない。つまり、面白くない。

しかし、彼の作品はどの作品も何かしらの"問題"を含んでいる。
『隠された記憶』も例外に漏れずそうである。

この作品を娯楽映画として評価すべきか?
彼の伝えたいメッセージは伝わる。すなわち、日常に潜む「罪悪感」、それと向き合う人間について。
強烈なインパクトを含んで確実に記憶に残る。

また、彼独特の映像・音響「表現」についての挑戦は随所に盛り込まれており、それらについて考える事で、奥深さを感じる事もできる。

そして、話題のエンディングにつても、解釈は様々だし、そもそもハネケはインタビューでも語っている通り、犯人(?)探しは最初からどうでも良いというのが結論。よって、これがサスペンスやスリラーというジャンルなのかも分からない。逆に犯人(?)が特定できたとしても「だから何?」的な感じもある。

様々な視点で様々な観方・解釈のできる非常に自由度の高く、難しい作品をまたもや世に送り出したミヒャエル・ハネケ。
彼の変態振りが十分に観れる作品だと思います。

ありきたりな映画に飽きた諸氏は、是非この作品を手に取り、そこからハネケ・ワールドに足を踏み出して下さい。
投稿者:8397MT投稿日:2007-04-06 13:12:20
話ははっきりいってあまり面白くない。最後結局よく分からないまま終わった。(よく見てなかっただけっだたかもしれない)
よく分からないまま終わってすっきりしないのは好きではないが、恐らくストーリー以外のところに注目させたいのではないか。

表現に関することがテーマになっている。
ビデオ、イラスト、電話、ニュース、対談番組、ブザー、自殺。
ビデオはイラストに比べて意味が込められにくいものであるということなどが示される。
ビデオにはいろいろなものが映っている。しかしそれは日常の目で見る風景と違いが見出しにくく、意味はなかなか読みづらい。二本目のビデオでは、カメラが移動していくことで、撮影された場所に意味があることが伝わるようだ。
文字に関することは徹底して排除されているように思われる。本に関する対談番組では背表紙に何も書かれていない本が並んでいる。これは簡単に読み取らせないため、また色々な意味を持ちうるようにするためか。
テレビ番組はホームビデオと違って、様々に演出されている。そうして意味が込められる。
自殺することも恐らくコミュニケーションの手段の一例として示されている。

しかしどれもこれもあまり、というか全然伝わっていない。表現ということに対する無力感のように思われる。
最後回想シーン的な出来事のシーンが示されるが、このシーンは何も意味がないように思われる。
投稿者:bond投稿日:2007-03-30 09:42:10
単調ながら息苦しい展開の結末は、、またそれかい。この手の尻切れトンボなラストは鑑賞後にフラストレーションがたまる。
投稿者:ツェザーレ投稿日:2007-02-23 21:21:28
ある日突然送られてきたビデオテープに自宅の様子が記録されている・・という設定はリンチの「ロスト・ハイウェイ」を髣髴とさせる。が、同じモチーフを扱いながらその展開のさせ方によって内容や印象はまったく別のものになっている。ロストのように心の深い闇を恐る恐る覗き込むような緊張感はまったく感じられなかった。ただ漫然とストーリーが進行していくのだが、途中ある不思議な不快感に支配されていることに気づいた。この作家の描く夫婦、親子、友人同士の人間関係や、人と人との距離感がどうにも気持ち悪く神経を逆撫でされる感じなのだ。以前「ピアニスト」を見たときも同じような気持ちになった記憶があるので、これはおそらくこの作家自身の資質によるものだろう。具体的にいうと、作品から作家自身の他者依存性の強さが伝わってくるのだ。私は基本的にそういった人が苦手である・・
投稿者:irony投稿日:2007-02-22 05:08:46
 この作品のベースにあるのはやはりフランスの移民政策とその歴史にあると思う。それに加えて移民排斥のお土地柄 そこらへんを汲み取れば両者における問題意識の差がわかるというものだ。サスペンスでありながらも興味深い社会派ドラマでした。
投稿者:なちら投稿日:2007-02-22 00:42:33
難しい。
投稿者:りちゃちゃ投稿日:2007-02-22 00:08:25
なぜ彼の映画がいつも高い評価を受けるのかわからないし、わかりたくもない。ファニーゲームを観てしまったがばかりに、なんだかいいように振り回されてる自分に腹が立つ。映画は芸術の一言では済まされないから楽しいのにハネケはその楽しみを与えるふりだけして愕然とさせる。それでも自分は脚光を浴びるんだから本人はそれで満足なんだろうね。
投稿者:Jean-Claude Marais投稿日:2007-02-21 16:00:46
ハネケは観念的な作品を撮るのが好きな人である。
消化不良に陥る人も多かろう。しかし、ここで、作家に「意味」を求めるなかれ。結末をはっきりとした形で現したストーリーが「物語」ではありえない現実は、日常にあまたと転がっているのだ。区切られた時間をどう利用し、どう描くかは作家の自由であり、観客に委ねた結末の不可解な味を、受け手が最終的にどう食し、味わうかは千差万別。例えるなら、米が食いたければ、米を食えばよい。米ばかりの「映画」なら、誰も映画など見に行かぬ。無邪気な悪意は、作品のテーマでもなく、単にハネケのお遊びに他ならない。映画に「解釈」を持ち込もうとする限り「答え」はでない。
この映画での不快感・緊張感・後味の悪さを与えることすら、監督は楽しんでいるように思える。それが彼の「無邪気な悪意」なのだ。
投稿者:カロンタンのエサ係投稿日:2006-10-05 00:04:59
【ネタバレ注意】

上級者の対戦する囲碁を初心者が見ているような感じ。こういう譬えでわかってもらえるだろうか。実はそれが定石通りだったとしても初心者にはその石が何を意味するかわからず、しかしやがて、なるほどここにこの石を置いたのはそういうわけだったのかとわかり、だけどどうしても初心者にはわからない秘密がもやもやしたまま残るというような。
映画の文法から大きく外れたぶっきらぼうなファーストシーンから、観客は映画の中の現実と登場人物たちの想像、そして観客自身の想像の3つの間をさまようことを余儀なくされる。その不安定なたゆたう感じは、「本当?」と繰り返されながら語られる友人の老婆と犬のエピソードに先取りされていたのだろう。ビデオをほかと結びつけようとする想像力、物語化の力が、登場人物たちと観客とを恐れと不安に追い込んでいく。
効果的なビデオの使い方、想像力が産み出す不安というテーマは10年以上前にカンヌを席巻したソダーバーグ『セックスと嘘とビデオテープ』を彷彿させるが、芸術性の高さとともに娯楽性を備えている点は共通している。私にとって映画にとっての娯楽性とは目を離せないということとほぼ同義で、わかりやすいかどうかということはそんなに大きな問題ではない。
やはり何だかわからないまま引きつけられていた『ピアニスト』のどこがすごいのか、本作をみて初めて理解したように思う。例えば意味性を最大にまで引き出すカット割りや、絶妙のタイミングの編集。本作でも緊張感が最大限に高まった後に決まって接続される、プールや農家の庭、学校の出入り口などの引きの絵が見事な効果をあげていた。
このような犯罪を扱った映画をみる時、犯人は誰かとか事件の意味は何かというのは、そんなに重要なことだろうか。それより映画の時間中、画面にどれだけ引きつけられたかを重いと思いたい。「わかる」と「おもしろい」、それと「作品のよさ」の関係はよく考えるが、この点についてはさらにまた考えよう。
『八日目』や『橋の上の娘』などと違った、シリアスなだけのオートゥイユもさすが。丸くなる一方のビノシュは、洟のかみ方がかっこよかった。http://blog.goo.ne.jp/quarante_ans/

投稿者:gui-zhe投稿日:2006-06-17 18:57:33
 渋谷・ユーロスペースの「ミヒャエル・ハネケ映画祭」全部観た。立見もあったが、客ひとケタの日も。
 ルックスだけはかわいい子供たち、TVニュース画像の多用、音楽なし、といった特徴以上に連日共通していたのは、客席にやたらとみなぎっていた緊張感=クライマックスに向けての熱い期待感だった。
 実際のところ、どの作品もただストーリー性のない場面をコマ切れにつなぐばかりで、意味や感情といったものが欠落している(「カフカの城」に象徴される)。しかしそのコマ切れが、ひたすら思わせぶりな映像の連続である。
 このちょっとした会話が、不自然なアングルが、マイケル・ジャクソンが何かを象徴しているのか?ラストの衝撃に結びつくのではないか?
 もちろんその期待は裏切られる。前1時間半と結末とになんの関連性もない。最後にやってくるのはただ純粋なカタストロフである。そしてその裏切りがますます観客を喜ばせることを作者は知っている。
 とはいえ、こういう思わせぶりで客観的な撮り方?(視点が徹底的に第三者のものであるため、「真相」や「思考」などが明白にされることはない。それは我々がマスコミ等を通じて事件や政治の真実を知り得る手だてがないことと同様である)はここ10年ほどヨーロッパ=カンヌの主流となっている。いや、もしかしたら反カンヌで名を馳せたころのゴダールこそが創始者だったかも。http://home.k05.itscom.net/sound464/
投稿者:映画狂投稿日:2006-05-15 01:45:00
【ネタバレ注意】

この映画はスリラーではありますが、最後まで一切謎解きはありません。アメリカ映画によくあるスリラーのようなつもりで見に行くと、フラストレーションが溜まることでしょう。

いったい誰がヴィデオを隠し撮りしたのか、ジョルジュは子供の頃マジッドに何をしたのか、どうしてマジッドはわざわざジョルジュの目の前で自殺したのか、アンヌはピエールと浮気しているのか、ラストのシーンでピエロとマジッドの子供は何を話していたのか等、分からないことばかりです。

私はフランス版のDVDで見たのですが、ボーナスディスクに収録されているインタビューの中でハネケ監督は、「この映画の謎はオープンで、映画を見た人達がそれぞれ自由に考えてもらえればいい」と言っています。しかし、近頃ではアメリカ映画でも昔のように一から十まで全部説明するような、観客を小馬鹿にした映画ばかりでもありませんし、何よりも疑問に思ったのは、ラストの中学校前での長いシーンで、大勢の人々の中に紛れてあの二人の子供が何やら話していることに気がつかなかったと言った友人の意見に対して、ハネケ監督が「あの二人に気付かなかったとしても構わない。それはそれでまた一つの見方だから」と述べていることです。

私個人としては、この発言はアーチストの言葉として納得がいきません。小説家が自分の作品の一頁を飛ばして読んでも構わないと言うでしょうか。ピアニストが自分の演奏を一分間耳をふさいで聞いても構わないと言うでしょうか。画家が自分の描いた絵の一部を隠して鑑賞しても構わないと言うでしょうか。

この映画はカンヌその他でさまざまな賞を取っていますが、概して批評家達はよく訳の分からない作品をありがたがるものです。(キューブリックの「2001年宇宙の旅」もその類だと私は思っていますが)でも、深い内容の映画が簡単には理解されないことがあるかもしれませんが、よく分からない映画が必ずしも内容の深い映画ではないと思います。

「あなたの見ているのは現実ではないかもしれないですよ」と観客の意表をつく冒頭のシーンなど、映像手法的には面白いところがあるけれど、ハネケ監督の創作態度には賛成できません。

投稿者:ピープル江川投稿日:2006-05-11 02:16:09
ギリギリと心を削る哀楽。
暗黒大魔王!
ラストは・・・・あああhttp://d.hatena.ne.jp/pegawa/
【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
□ パルム・ドールミヒャエル・ハネケ 
 ■ 監督賞ミヒャエル・ハネケ 
■ 外国映画賞 
■ 作品賞 監督:ミヒャエル・ハネケ(フランス/オーストリア/ドイツ/イタリア)
 ■ 監督賞ミヒャエル・ハネケ 
 ■ 男優賞ダニエル・オートゥイユ 
 □ 女優賞ジュリエット・ビノシュ 
 □ 脚本賞ミヒャエル・ハネケ 
 □ 撮影賞クリスチャン・ベルジェ 
 ■ 編集賞Michael Hudecek 
  Nadine Muse 
 ■ 国際評論家連盟賞ミヒャエル・ハネケ 
□ 監督賞ミヒャエル・ハネケ 
 □ 助演男優賞モーリス・ベニシュー 
 □ 有望若手男優賞ワリード・アフキール 
 □ オリジナル脚本賞ミヒャエル・ハネケ 
【ソフト】
  商品名  発売日  税抜価格  
 【DVD】隠された記憶2006/10/06\3,800amazon.co.jpへ
【レンタル】
 【DVD】隠された記憶レンタル有り
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