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太陽(2005)

SOLNTSE
LE SOLEIL
THE SUN

メディア映画
上映時間115分
製作国ロシア/イタリア/フランス/スイス
公開情報劇場公開(スローラーナー)
初公開年月2006/08/05
ジャンルドラマ
天皇ヒロヒト――。
彼は、悲劇に傷ついた、
ひとりの人間。
太陽 [DVD]
参考価格:¥ 5,076
価格:¥ 5,330
USED価格:¥ 1,105
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太陽太陽太陽太陽

【クレジット】
監督:アレクサンドル・ソクーロフ
製作:イゴール・カリョーノフ
アンドレイ・シグレ
マルコ・ミュレール
脚本:ユーリー・アラボフ
プロダクションデ
ザイン:
エレナ・ジューコワ
衣装デザイン:リディア・クルコワ
編集:セルゲイ・イワノフ
音楽:アンドレイ・シグレ
出演:イッセー尾形昭和天皇
ロバート・ドーソンマッカーサー将軍
佐野史郎侍従長
桃井かおり香淳皇后
つじしんめい老僕
田村泰二郎研究所所長
ゲオルギイ・ピツケラウリマッカーサー将軍の副官
守田比呂也鈴木貫太郎総理大臣
西沢利明米内光政海軍大臣
六平直政阿南惟幾陸軍大臣
戸沢佑介木戸幸一内大臣
草薙幸二郎東郷茂徳外務大臣
津野哲郎梅津美治郎陸軍大将
阿部六郎豊田貞次郎海軍大将
灰地順安倍源基内務大臣
伊藤幸純平沼騏一郎枢密院議長
品川徹迫水久常書記官長
【解説】
 ロシアを代表する映像作家アレクサンドル・ソクーロフ監督が歴史上の人物を描く全4部作のうち、ヒトラーの「モレク神」、レーニンの「牡牛座 レーニンの肖像」に続く第3作目。今回は昭和天皇ヒロヒトに焦点を当て、敗戦直前からマッカーサーとの会見を経て人間宣言を決断するまでを描き、綿密な考証と想像力を駆使して天皇ヒロヒトのひとりの人間としての孤独と苦悩を見つめる。主演はイッセー尾形、共演に桃井かおり。
 1945年8月。疎開した皇后や皇太子らとも離れ、地下の待避壕か唯一残った研究所での生活を送る天皇。敗戦が決定的となる中、御前会議では陸軍大臣が本土決戦の用意あり、と息巻く。それに対して国民に平和を、と願う天皇は降伏を示唆する。空襲の悪夢にうなされ、皇后と皇太子の写真を優しく見つめる天皇。やがて、連合国占領軍総司令官ダグラス・マッカーサーとの会見の日がやってくる…。
<allcinema>
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【ユーザー評価】
投票数合計平均点
25190 7.60
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【ユーザーコメント】
投稿者:scissors投稿日:2013-02-09 14:34:28
キャスティングからして、弄ったら面白いに違いない昭和天皇をオモチャにしてイッセー尾形の「俺って芸達者だろ?」的なモノマネ芝居をダラダラ見せられるんだろうなーと思って今まで見なかったんだけど、CSでやっていたので。
しかし予想していたとはいえそのまんますぎて呆れた。

映像もカメラ、照明、編集から美術まで含めてかなりショボく邦画のよう。
音声の聞き取り難さも邦画のそれと同じ。
制作国やスタッフなど伏せられていたら、たぶん邦画としか思わない。
投稿者:真壁 六郎太投稿日:2010-07-31 19:26:59
公開時、劇場で鑑賞しながら「あっ」と小さく叫んだのを覚えている。それは終戦前夜の御前会議のシーン。私の知る限り、この御前会議を忠実に再現した映画は日本映画の中にはひとつも無い。あの徹底的に調べる笠原和夫脚本の映画でも完全に間違っている。私が思うにこの映画は恐ろしく真実に忠実な再現映像だ。日本人が知らない史実をロシア人が見たかのように正確に描いているこの事実について我々はもっと危機感と戦慄を覚えるべきだ。笠原和夫は天皇について「あの人は第一級の戦犯ですよ」と言っていたそうだが無理もない。彼らの世代は玉音放送を聴くまで天皇の声すら聞いたことは無かった。ましてやどんな顔なのかも知らなかった。私の知る限り天皇が国政に口を出す権限なんか無かった。総理大臣が「こう決まりました」と持ってくる事案に「うん」と答える、そういうシステムだった。当時反戦を唱えるものは悉く粛清され、開戦は官僚によって仕組まれたものだった。東条が開戦せざる得なかったのは政治システムに欠陥があったからだがひょっとするとこれも仕組まれていたのかもしれない。この辺の知識は全て市立図書館所蔵の本に載っている。自分で調べてみてくれ。教科書検定委員会の存在目的は真の戦犯を隠すことそれ以外にない。話がそれた。今一度問う。我々も知らない当時の天皇の朝食メニューをロシア人が知っているのはなぜなのか?
投稿者:mototencho投稿日:2010-03-19 08:51:36
とうとう天皇陛下も外国人に描かれてしまった
アレクサンドル・ソク―ロフ監督作品
「太陽」は日本人必見といってよいでしょう

http://mototencho.web.fc2.com/2006/taiyou.html
投稿者:ピンクガンスモーキン投稿日:2010-01-06 05:00:56
【ネタバレ注意】

イッセー尾形が一人芝居を貫徹。ラスト10分で、ようやく桃井かおりが登場するが、基調としては、『イッセー尾形の一人芝居 with ソクーロフ』である。

美術がいい。「低予算映画」というコメントを見かけたが、その通り。「チープ感」がある。
昼メロ(TVドラマ)のような照明で、思いっきりフィルターを掛けた感じのスモーキーな画面。
アングルはちょっとエリア・カザンっぽい(まあ適当な感想だが)。

とにかく、韓国人が撮ったら、まずこうはならないだろう、という上品な映画。

問題の昭和天皇の扱いについては、ザクッと言えば、3つ想定される。 崔悩瓠廖↓◆嵒鄂」、「同情」だ(いまどき「賛美」というのはありえないとして)。
このうち、時の流れが可能にした「侮辱」と、毒にも薬にもならない「同情」が採用されており、下品になりやすい「断罪」は除去されている。
おかげで、わりと品良く出来あがっていた。

「侮辱」に関してはなかなかのもので、皇居に押しかけて来た米兵たちが、チョビひげの天皇を「チャーリー!チャーリー!(笑)」とはやしたてながら写真を撮りまくるシーンや、敗戦直後、自室に科学者を招いてオーロラ談義に熱中する天皇のまわりを、蝿の音がブンブンブンブン取り巻いているシーンなど、まさか顔に蝿が止まるんじゃねえかと、ハラハラさせられた。
まあ、そこまではしなかったけど(むごすぎる)。

監督のホンネは、マッカーサーの呆れ口調「子供みたいだ」、および、ラストで天皇に胸を貸して甘えさせ、「来なさい」とばかりに彼を連れ去っていく皇后の映像に集約されている。ぶっちゃけ、子供だから責任免除ってお話だ。

(余談:TNO氏がマッカーサー役の大根ぶりに不満を述べているが、これは、やりたい俳優がいなかったんじゃねえか?アメリカ人もバカではない。日本の象徴を侮辱する1番リスキーな役。ロシア人がやったほうがイイくらいだ。それにくらべりゃ、イッセー尾形は「侮辱される」役なので、まだリスクが低いと言える。)

投稿者:TNO投稿日:2009-05-24 04:41:46
昭和天皇の終戦前後を描いた露ソクーロフ監督作品。音声録音技術が未熟なせいか、聞き取りにくい台詞が多く、尾形の熱演も空回り。マッカーサー役のドーソンの存在感が全くなく、尾形の存在感を際立たせるためわざと大根役者を起用したのかと勘ぐりたくなる。尾形の演技は、素晴らしい。実際にどうだったかは判らないが、彼の演技は、少なくとも昭和天皇のイメージにぴったりだ。ソクーロフの映画は、映像表現を重視するものが多く、この映画は彼の作品の中では極端に台詞が多いのだそうだが、初めて見る私には、極端に台詞が少なく、昭和天皇の苦悩を米軍戦闘機を魚のCGで表現した夢の映像や天皇の日常生活を描くことで表現しようとしている。家族のアルバムと供に大事にしている映画俳優のブロマイドのアルバムには、チャップリン、マーナ・ロイ、マレーネ・ディートリッヒ、ルドルフ・バレンチノ等が見られる。その後の場面で米国カメラマン達からチャーリーと呼ばれ、まんざらでもない様子も慎ましやかに描かれる。最後に桃井かおりとのシーンで私は成し遂げたよという台詞に、天皇の決断の重さが伝わる。ソクーロフは、これはドキュメンタリーでも歴史映画でもなく、あくまでアートだと言っている。昭和天皇の実物を描くのではなく、御伽噺の語り口にしたと話している。日本では、描く対象から敬遠され、スポンサーが付かなかった。
投稿者:uptail投稿日:2009-05-22 18:59:08
佐野史郎
投稿者:投稿日:2008-11-18 16:09:26
『ファザー、サン』ほか一連のソクーロフ作品を観たので再見した。ある種の日本人以外で理解可能な人がどれだけいるのか心配になったが、大きなお世話か。
ソクーロフが描出した太陽と廃墟となった東京の光がこの世のものとは思えない。いつもと変わらず彼の映画はこの世のものとは思えない。
投稿者:bond投稿日:2008-06-06 09:27:05
イッセー尾形のワンマンショーだが、見事に似てる。わざとかどうか、プっと吹き出す笑えるシーンもある。天ちゃんは子供のような人だったのね。本当に語学堪能だったのか?
投稿者:本読み投稿日:2007-12-23 19:06:15
自分としてはベストキャスティングだと思いました。皇族としては庶民文化を知っていた存在であった現皇太后には、貴族性(桃井家)を実際に知っていて、世知にもそこそこうとくない女優でなければ、誰を持ってきても演じられないと思います。その点で、佐野史郎も違和感がありません。陸海軍軍人にいかにも俗な控えめのカリカチュアライズをしているのではと思うほど対照的です。
投稿者:kouseikeishi投稿日:2007-09-28 18:34:48
英国でなら現存している女王を主人公にした映画が出来る。日本では、不可能である。それをロシア人が映画にした。興味本位ではない真摯な取り組みようである。イッセー尾形は一徹で不器用な生き方をする芸人。外国で製作するとはいえ出演を承諾した勇気に敬服する。あとは面白ければよかったんだけど・・・
投稿者:はっぴいえんど投稿日:2007-09-20 02:27:02
【ネタバレ注意】

WOWOWでの放映にあたり、たまたま昭和一桁世代の母と共にこの作品を見たが、母の感想としては概ねよく描けているとの話であった。最も母にしたところで、「人間天皇」を目撃したのは戦後の人間宣言以降のことなのだが。私のように戦後、日教組の手による自虐史観を徹底的にすり込まれてしまった世代は、むしろ連合国側の監督が昭和天皇をあそこまで可憐に、ひ弱に描く視点に驚きを感じてしまう。海外の客観的視点から見ると、「人間ヒロヒト」は愛すべき一教養人というだけのことなのか。イッセー尾形氏の、一連の精神分析学的演技について好き嫌いはあるだろうが、個人的にはよく掘り下げられた名演と思う。日本で作られるこの手の映画によくあるモノマネ的表現にとどまっていないあたりに、イッセー氏の非凡さを感じた。自分が発する一言の重さを知るが故に、何度も口の中で言葉を咀嚼してからでなければ発声できない昭和天皇の慎重さが痛ましいまでによく表現されていた。これは決して昭和史の忠実な再現ドラマなどではなく、ギリシア悲劇やシェークスピア劇に匹敵する「ある極限状況におけるひとりのインテリの姿」を克明に描こうとした作品と捉えるべきだろう。だから天皇が人間宣言を決意したことを皇后に告げたシーンで、もうこの映画が語るべきことはすべて終わってしまったのである。おそらくあと百年ぐらい経ったら、我々日本人もこの映画を「ジュリアスシーザー」や「リア王」を観るくらいの冷静さで鑑賞できるかもしれない。

投稿者:南溟投稿日:2007-06-10 14:46:35
【ネタバレ注意】

ロシア人が作った昭和天皇の映画ということで余り意地悪な見方はせず、寛大に観ようと思って臨みました。しかし結果としては、矢張り「外人が無理矢理解釈した天皇」の域は超えておらず、日本人として違和感を持ちました。そのせいか、映画を見終わっても特に考えさせられるものも無く、やや冗長な娯楽映画としか思えませんでした。

西部邁がこの映画について、監督に助言する日本人スタッフが左寄りの人だったのではないかという考察をしていますが、鋭いと思いました。例えば、国民が焦土で苦しんでいる最中に「春爛漫」などという言葉を使って歌を詠まれるシーンがありますが、日本人なら違和感を覚えずにはいられないのではないでしょうか。また、良く分からぬ独り言を言わせたり、東京の廃墟が焼け野原でなく瓦礫の山だったりというところを見ると、ネクローソフが天皇をヒトラー、東京をベルリンと重ね合わせながら造形したのかな、とも思えてしまいます。しかし、全体的な内容的には左寄り、というより、天皇や日本文化に対する知識が根本的に不足している、といった感じであり、そこが又残念なところです。しかし、ネクローソフが昭和天皇に悪意を持って製作していないことが分かるのが救いです。

あと、イッセー尾形の昭和天皇や戦時中の御所らしきセットの出来はとてもよかったです。桃井かおりの香淳皇后は本物全く無視の架空の人物になってしまっていますが、映画の中の人物としてはいい造型でした。

投稿者:さち投稿日:2007-05-14 09:06:54
よかった
投稿者:ヤース投稿日:2007-04-13 01:08:01
一枚の写真を、僕たちは知っている。昭和天皇とダグラス・マッカーサーがツーショットの写真だ。自分はあの写真を高校生のとき、図書館で初めて、見た。しぜんと頬がほころんだ。ニヤッとしてしまった。オモロイ写真あるわ!と友達に直ぐに教えたものだ。あのツーショットの意味は、もちろん歴史的には意義深いものだし、記念碑的な一瞬だ。が、なにかしら曰く言いようのない滑稽さがにじみ出ていた。あの時感じた印象が、これほど丁寧な映画となって、今更、観られるようになるとは、世の中分からないものだ。しかも作者がロシア人、つくづく世の中分からないものだ。そうか、あれだけ多くの犠牲者が出た人災=大東亜戦争が、トホホ系喜劇王の旗頭の元にあったのか!このアイロニーは、日本人以外の人の腹をよじらせるほどの爆笑と涙を与えたことだろう。滑稽なる悲惨の涙ちょちょぎれとなるだろう。周りの生真面目な軍国主義者にかしずかれ、崇められ、持ち上げられた「太陽」は、チャップリンの出来損ないだったのだ!

とても美しいコメディ映画である。ファニーでキュートな、昭和の天皇。嗚呼。

投稿者:トウショウファルコ投稿日:2007-03-24 07:24:00
【ネタバレ注意】

2点ほど高く点を付け過ぎた『ユナイテッド93』同様、作られた意義は
認めるが、面白くない退屈な映画だった。

映画は、イッセー尾形を主演に迎えた時点で、製作者側の成功は保障された
ようなものだろう。マニアックな彼の一人芝居は滑稽で哀しみを感じさせる。
口の動き、車に乗る時の猫背な姿。思い出されてしまった。

日本で作られない映画であると同時に、俳優にとっても決断のいる作品である。
滑稽であればあるほど、国民感情として複雑な気持ちになるだろう。
ただ、救われるのは、可愛いおじいさんだった昭和天皇への製作者サイドの
子供のような「罪のない人」という人格描写だった。

愛されているのは、皇后と皇太子だけと語り、もうひとりの自分に独り言を
ボソボソと話す。恐ろしいまでの閉塞感の孤独。そこには、かつて愛した
『ローマの休日』『会議は踊る』のおとぎ話は存在しない。
『ラスト・エンペラー』の日本軍部に利用される姿は、本国にもあったのだ。

天皇として生きていくことの辛さを、ロシア人監督が描いてしまったことに
驚きと嫉妬さえ感じさせるが、また、こういう描き方しかなかったのかとも
感じられた。

判りやすい映画ではない。一見の価値はあるが、それを堂々と言える映画ではない。

投稿者:kumirin投稿日:2007-02-18 04:01:26
 セット自体が閉鎖的すぎて、観ている途中で息苦しくなりました。
ロシア人が描いたとは思えないほど、人間・ヒロヒト天皇に肉薄していたと思います。 桃井かおりの皇后も実在の方と少しイメージが違うものの、イッセー尾形とともに雰囲気がありました。

 昭和天皇に戦争責任があったかどうか、何故あのような事態に陥ってしまったのかは、我々日本人が緻密に検証を重ねてゆかねばならない問題だと思います。
「君臨すれども統治せず」。
これが、祭祀長である天皇にふさわしいのでしょう。 
明治天皇が初めて軍服を着用した姿を見た皇后が、「こんなお姿になってしまって。 国は滅びてしまうのではないか。」 と仰られたというエピソードを思い出しました。
投稿者:篭瀬山投稿日:2006-11-23 17:31:20
【ネタバレ注意】

 例えば年老いた侍従が天皇の軍服のボタンをとめようとするシーン。緊張からうまくいかず、額に脂汗を浮かせて必死の老侍従。日本人にとって、天皇の身体に触れることがいかに畏れ多いことかをわかりやすく描いたエピソードだと思うが、一方でこの老人は昨日や一昨日侍従になったわけではあるまい。彼にとって陛下のボタンをとめるという行為は日常の出来事だったはずだが、彼はその度に脂汗を浮かせたのであろうか。つまりソクーロフは、場面としての自然さよりもわかりやすさを選んだのである。その意味において、彼を芸術家とは言えないと思う。

 前半部も、彼の造形する天皇の人格に説得性を持たせるためであろう、愚にもつかぬエピソードをちんちんたらたら積み重ねるが、退屈しか産みえていない。目玉は鯰の爆撃機が帝都を焼き尽くす幻想シーンだが、こういうものは本来は余禄であって、これが目玉になっては映画は失敗だ。

 しかし、天皇が人間宣言をするにあたり、自己の内面にも片を付けるべき問題があったとする発想は素晴らしい。私は、これは日本の天皇ではなく、ソクーロフの天皇なのだと思う。日本の天皇がロシア人の天皇にもなりうるということは、世界の天皇にもなりうるということだ。私は、この発想に大いに魅力を感じるので、ソクーロフの『太陽』を支持することに決めた。6

投稿者:Bava44投稿日:2006-10-18 22:28:42
空襲シーンの迫力やコミカルなシーンなどが多少あるものの、作品のほとんどは狭苦しい室内。車で外に出れば廃墟ばかり。と映画鑑賞がかなり辛い作品ですが、戦争の悲惨さを特に強調するような作品ではない(つまりこの時代の日本を描いた多くの作品とは違う)。なぜなら、これは戦争映画ではなく「権力者を描いた映画」だからである。

本作はソクーロフ監督の権力者を描いた映画の三作目だが、他の作品を観ていないので比較しようがない。しかし視点をそこに置いて観るために、そして作品をよく理解するために「比較」は最も理解しやすい手段であるため、どうしようかと思っていたら、たまたま最近エイゼンシュテインの『イワン雷帝』を観直しており、これと比較することにした。同じロシア映画だしね。

『イワン雷帝』では真正マルクス主義者のエイゼンシュテインは、内心とは裏腹に頭を下げる卑怯な貴族達を否定的に描いていると同時に、皇帝という地位にいる人間に対して傍観するような醒めた視点で描いている。しかし人間としての雷帝の孤独はちゃんと描いている(淀川長治氏も第一部の、死の床で息子を誰も支持してくれない雷帝のシーンを高く評価していた)。
代わって本作では天皇は主体的に描かれている。マッカーサーとの会見シーンで、服装や英語で喋ることによって彼と差があるかように感じるが、発言の中身は対等に話している。つまり監督の方向性は明らかに天皇の方に向いているのだ。そして宣伝にもあるように彼の人間としての孤独が本作には漂っている。主体的に描いている分その孤独は重々しい。ほとんどのシーンがイッセー尾形の独演状態なのは、このためである。

動的なシーンがほとんど無いなかで、音によって緊張を盛り上げたりするのはさすがだと思いますね。この音に関しては劇場で観て良かったと思いました。迫力や感動を引き起こすことだけが音響ではない、映画の構成要素としての「音」ということを知るべし。
欠点はあるが隙のない映画だと思う。ソクーロフ監督の人物描写も品があって中々良い。これが邦画だったら孤独に泣き叫ぶ天皇とか登場するんじゃないんですか。日本人の感覚はもう病的だね。

音声は日本語と英語のみ、それもオープニング&エンドクレジットが英語版だった。全然ロシア映画という感じがしない。
フェリーニ映画を資金面で支えたイタリア国営放送RAIが制作協力している。優れた映画は国境を越えるということだろう。

7点+α
投稿者:黒美君彦投稿日:2006-10-16 01:05:40
史実であるとかないとか考証がおかしいとか、そういった議論はこの作品では無意味だ、と感じる。
ソクーロフ監督が描こうとしたのは、日本の天皇という姿を借りた王の果てしない孤独ではなかったか。自らの名において拡大し、悪化した戦局に置き去りにされた小柄な王。現人神を生きなくてはならない宿命。
これをロシアの監督が撮った、という事実に驚く。いつの間にか再び禁忌として触れることも憚れる存在となりつつある天皇を、ひとりの人間として描こうとするのだから。
よく考えてみると、私は昭和天皇の会話を殆ど聞いたことがない(玉音放送は一方的な「玉音」である)。数回の記者会見と園遊会で著名人に短く質問し、「あ、そう」と答えるのを聞いたくらいか。彼がどのように喜び、どのように哀しんだのかは、周辺の人物の記憶か回想に頼るしかないのだ。だからイッセー尾形の演技も「多分似ているんだろーなー」としか思えなかった。当然侍従長らとのやりとりも同様である。しかし冒頭に書いたように、似ているかどうかはさして意味があることではない。私には、海洋生物学を愛したひとりの王の徹底した孤独にこそ、空洞化した大日本帝国の悪しき無責任体制が象徴されているように感じられた。

イッセー尾形演じる天皇は、ところどころコミカルなシーンもまじえ、愛すべき人物として描かれている。そのことの是非はともかく、天皇を主人公にした映画などこの国では考えられない現状においては、ただただ慧眼をもってこの作品を作り上げたスタッフに敬意を表するばかりだ。
投稿者:ぺん投稿日:2006-10-05 01:13:29
待望の「太陽」、やっと観れました。素晴らしぃ映画ですねぇ。
期待通りの出来、っていうか期待してた通りで、初めて観たとは思えない位
思った通りで吃驚しました(笑)。
映画の題材としては、昭和天皇ってことなんでしょうが、ま、この際、昭和
天皇は抜きにしておいて、2時間たっぷりイッセー尾形の演劇っていうか、
演芸を堪能できるのが一番素晴らしい。
正直、イッセー尾形が誰を演じるのでも構わない、できれば、僕らが良く知
ってる人が良いって程度の話。ソクーロフも言ってる通り、本作は、
ドキュメンタリーでも歴史そのものでもない訳で、今まで語られてこなかっ
た昭和天皇を史実を参考(元)に、その人間性を勝手に作り上げた芸術上の
空想。それを、見事にイッセー尾形は演じきったと思う。
一番好きなシーンは、マッカーサーから葉巻をもらうシーンで、日本語混じ
りの英語を話すところ。笑いました。
投稿者:龍勝利投稿日:2006-10-03 14:29:31
静謐な映画。そういう映画。主人公と外の社会との隔絶感が切ない。
投稿者:KAFIN投稿日:2006-09-06 02:55:53
この映画一見、紳士的で内気な男の人間性を静かにみつめた穏やかな映画に見える。だが同時に彼=天皇裕仁が廃墟の東京で一人浮世離れして平穏な皇居に住み、終戦における困難な状況におよそ責任感のないことも示している。
 映画の焦点は天皇の人間性だ。だが玉音放送をめぐる争いなど日本人にはなじみの昭和天皇の情景はなく、逆にひどく穏やかな彼の日常が描かれる。そしてそれこそが昭和天皇の真の姿を映している。それはどんなものか?監督の視線は一見穏やかだが実は非常に鋭い。
 2百万人の日本人が死に、マッカーサーも含め周囲の誰もが彼の政治的立場を問うとき、果たして天皇の関心事はなんだったろう?それを観客は見極めて欲しいものだ。
投稿者:Longisland投稿日:2006-08-08 00:59:48
上映に向け色々問題があったらしいが、とりあえず公開おめでとうございます。まあ、単館作品でこれだけ話題になり終日満員ですからビジネス的には成功でしょうね。
かなり期待して(あんまり行きたくない)パトスに並び観たのですが…
正直DVDでの鑑賞で十分、暑い中銀座の場末劇場で観る必要は無かった。
昭和天皇の日常を描いたわけでもなく、戦争責任者としての葛藤を描いているわけでもなく、現人神を捨てる苦悩が描かれているわけでも、家族愛物でもない。昭和天皇の人としての苦悩や孤独の描き方が表層的、思わせぶりな映像の垂れ流しにしか感じられず、私にはソクーロフ監督の意図が伝わってこなかった。
投稿者:サイババ2投稿日:2006-07-06 18:01:45
いいね!
投稿者:きき投稿日:2006-06-28 17:24:03
期待満々で観たんだけど、私はイマイチでした。
天皇ヒロヒトにも侍従にも共感できず、悲しみも理解できず、
人柄にも惹かれず。
歴史に詳しい人なら楽しめる…かも。
【ソフト】
  商品名  発売日  税抜価格  
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