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麦の穂をゆらす風(2006)

THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY

メディア映画
上映時間126分
製作国イギリス/アイルランド/ドイツ/イタリア/スペイン
公開情報劇場公開(シネカノン)
初公開年月2006/11/18
ジャンルドラマ/戦争
愛するものを
奪われる悲劇を、
なぜ人は
繰り返すのだろう。
ケン・ローチ 傑作選 DVD‐BOX
参考価格:¥ 18,900
USED価格:¥ 39,800
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麦の穂をゆらす風麦の穂をゆらす風

【解説】
 社会派ケン・ローチ監督が、激動の歴史に翻弄される2人の兄弟を軸に、独立戦争から内戦へといたる1920年代のアイルランド近代史を描いた悲劇の物語。2006年のカンヌ国際映画祭では最高賞のパルムドールに輝いた。主演は「バットマン ビギンズ」「プルートで朝食を」のキリアン・マーフィ。
 1920年。長きにわたりイギリスの支配を受けてきたアイルランドでは、疲弊した人々の間に独立の気運が高まっていた。そんな中、南部の町コークでは、医師を志していた青年デミアンが、ついにその道を捨て、兄テディと共に武器を取り、アイルランド独立を目指す戦いに身を投じる決心をする。そして、イギリス軍との激しい戦いの末に、イギリスとアイルランド両国の間で講和条約が締結された。しかし、完全な独立からは程遠い内容に、条約への評価を巡ってアイルランド人同士の間に賛成派と反対派の対立が生まれ、ついには内戦へと発展してしまう。そして、デミアンも兄テディと敵味方に分かれて戦うことになるのだった…。
<allcinema>
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【ユーザー評価】
投票数合計平均点
26213 8.19
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【ユーザーコメント】
投稿者:ピースケ投稿日:2013-08-25 16:31:33
戦争映画は、人間のアホさ加減にうんざりしてしまうから嫌いだ。
投稿者:遊乃舞寧夢投稿日:2013-01-26 06:33:24
ニール・ジョーダン監督の「マイケル・コリンズ」に続いて鑑賞。

当作と併せて観ると、マイケル・・・が、英愛条約を締結した当人に焦点が当たっていた
のに対し、この麦の穂・・・は、これに反対した側の立場、独立を求めてイギリスと戦い、
仲間をなくしたり、あるいは処刑せざるをえなかったり、の経過や心情が主に描かれて
おり、アイルランドの南北の問題にいたる経過がより理解されました。

こうしてアイルランドの国情、イギリスとの関係を知れば知るほど、朝鮮半島の分裂、
日本との関係にもよく似ていることに気づかされます。

隣国に蹂躙され続け、やっと手に入れたと思った条約をめぐる同胞達の対立・・・

そうした民族の悲劇を描きながらも、常にこの土地の風土や自然の美しさを捉えている
映像が、そこに住む彼らの共通した国土に対する思いを伝えているかのようでした。

主演のキリアン・マーフィのことはよく知らなかったので、ドキュメンタリータッチの
雰囲気を出すために無名の実力俳優を起用したのかと思って観てました。
が、バットマンシリーズで悪役を演じてるハリウッドスターであると後で知り、その演技
の幅に驚きです!この作品では、リアルな自然態の演技に徹していて見事。

ケン・ローチ監督作は、スペイン内乱を描いた「自由と大地」を以前観ましたが、
この作品と同様に、長回しの議論のシーンなど、演技とは思えない俳優たちの迫真の
アンサンブルが素晴らしかったのが思い出されました。
投稿者:namurisu投稿日:2011-11-25 11:42:54
描き込み1点。支配する国、される国。同じアホなら殺さな、損、損。いつまで続くやら…。
投稿者:いまそのとき投稿日:2011-07-27 12:54:30
北アイルランド自治区の独立戦争とその後の内戦をケン・ローチが冷徹にカメラに収める。あまりにも深く哀しい。見終わったまましばらく茫然とした。見事な作品だ。デミアンに心より哀悼を捧げる。
投稿者:kinenchyu投稿日:2010-07-21 18:54:12
重い作品でした。時代背景があまりわからなかったので、作品の本当の面白さがわからなかった。
投稿者:uptail投稿日:2010-03-01 09:19:50
キリアン・マーフィ
投稿者:nedved投稿日:2010-01-03 23:46:08
キリアン・マーフィ
投稿者:ピンクガンスモーキン投稿日:2009-02-20 06:45:47
【ネタバレ注意】

冒頭、ホッケー(?)の足元を追う映像から始まるが、あんまり構図を決めずに雑に撮っているし、演出も弱い(というか甘辛どっちつかず)、そして説明は省略ぎみ、といった特徴が目につく(普通の映画か?)。だが構成的には、暴力シーン(動)と、ディベート・シーン(静)を、交互に配置し、緩急一定のリズムを刻むので退屈はしなかった。「重過ぎたら容赦なく途中で休もう」という計画だったが、一度も休憩せずに済んだ、スゴイ。その時点ですでに「7点」以上は確保している。ただし、見終わった瞬間、「もっと面白くできるだろ〜?」「短過ぎないか〜?」という気はしたが。

とにかく、脚本のおかげ(というより「アイルランドの史実の重み」のおかげ)で、部分的には100%確実にグッと泣かせてくれる映画。たとえば、拷問されている仲間を励まそうとして皆で歌声を張り上げる箇所や、頭の悪い(ココがポイント)幼なじみを銃殺刑にする箇所は、人間だったら必ず泣くシーンだろうな。

しかし(超ネタバレ)、ラストで「賢い(ココ、ポイントね)」弟デミアンを銃殺刑にするシーンは泣けないし、“兄を泣かせた演出”は間違いだろう。あそこはもっと残酷にしないと……
「主人公の死」が絡んでるから監督が手を緩めたってのが、バレバレだ。変な「えこひいき」を感じたぜ。

当事者国のイギリス&アイルランドのみならず、ドイツ、イタリア、スペインの5カ国協同製作……だいたい合作映画にロクなものはない(穏便主義が支配する)という法則があるが、この作品はマシなほうだ。
できれば、英人とアイルランド人の発音/訛りの違いを字幕に反映させて欲しい、ってのはあった。いわば“関西弁”も標準語と同じ文体にされちゃってるわけで……歴史の知識なんかよりも、はるかにダイレクトな鑑賞上のポイントなんだし。

余談だけど、コメントの際のタブー・ワードは「兄弟愛」か。
『聖書』以来(最初の殺人)、兄弟“憎悪”こそが、本能なんだから、“愛”云々はウソだろ。その点この映画は、兄弟関係をサラリと淡白に描いて好ましい。
だが、最後で湿っぽくしたのは、この監督の限界(合作映画の限界かもしれない)。ついでに、ラストの恋人シネードも、泣かずにテディの顔面とかをボコボコに殴り続ける演出のほうが、ずっと面白くなったんじゃないかね?やっぱ、泣いて終わるのは甘いぜ。

投稿者:ロビーJ投稿日:2008-07-13 19:00:43
キリアン・マーフィーのファンなので見た作品です。私にとって本作の舞台であるアイルランドという国は今までまったくと言って良いほど知らない国の一つでした。でも本作を見て、そう昔ではない1920年代のアイルランドの独立戦争と内戦の悲劇は自分の心に今、深く刻まれました。
お目当てだったキリアンは本作の舞台であるアイルランドのコーク出身ということもあるためか、熱の入った素晴らしい演技を披露してくれ、見ていて本当に胸が締めつけられるほど感動させられましたし、劇中かぶっていた帽子も良く似合っていて本当に輝きまくっていました。他にもキリアン主演作『プルートで朝食を』にも出ていて、本作ではダンを演じたリーアム・カニンガムもかなり素敵だったし、ポードリック・ディレーニーやオーラ・フィッツジェラルドもそれぞれ本当に素晴らしかったです。
ケン・ローチ監督の作品は今回が初めての私ですが、是非他にもいろいろ見てみたいという思いになりました。詳しく歴史を知らない私でしたが、やはり戦争はいつの時代も悲劇を生み続けるのだと改めて感じましたし、いろいろな意味でこれからもずっと忘れられない映画となりました。なのでパルムドールを見事に受賞したのは納得ですし、素晴らしいことだとも思います。是非DVDもほしいですし、鑑賞して良かったと心から思っています。
投稿者:グレープジュース投稿日:2008-06-14 11:24:06
愛し合うべき兄弟同士が、内戦の軸になったことに悲劇を感じた。
求めるものは一つだったのに。
自分の正義に迷いない者と、自分の正義に迷いを感じる者。
大切な何かを守るために進み出たのに、大切なものを失う事に躊躇えなかった。「そこまでこれは大切なことなのか」デミアンの言葉が全てです。

歴史を詳しく知らなく鑑賞した私は、始め自分の中でどうまとめて良いのか分からなかったが、兄とこの作品について会話をしていくうちに、やっと飲み込めたような気がする。
投稿者:bond投稿日:2007-11-12 09:44:45
歴史的背景がよく知らないので後半が解りにくかった、が、医師を志した者が反対に道を歩む、その苦悩は鉛のように重い。同胞思いとして正直すぎる生き方だったのか。
投稿者:kath投稿日:2007-11-04 11:24:44
面白い役者だと思う。プルートで朝食をの方がハマリ役だったかな?
投稿者:ちゃぷりん投稿日:2007-10-04 22:42:34
【ネタバレ注意】

前半の出来れば観たくない拷問や残虐な英軍の描写に比べると、後半の内戦は随分あっさりした印象を受ける。そのせいか構成も演出も物足りなさが残り、兄が弟を処刑するのも何となく読めてしまい、ラストカットも(義兄を追い出す弟の嫁)これかよという感じ。
アイルランドの歴史を知ってた方がいいのだがアイルランドと北アイルランドの区別は付くので、自主裁判のシーン以外はそんなに難しくなかった。共和国軍と自由軍の判別は付きにくかったが。

投稿者:irony投稿日:2007-10-04 15:58:12
 そんなもん、ある訳がない 人類史は闘争の歴史 どんな社会が構築されても、それは無くならない 強者は押さえ付け弱者は抵抗する その繰り返し サッカー協会も4っつあるし これも永遠に統合されることは無いだろう。
投稿者:さち投稿日:2007-05-27 18:59:45
人間は正しいと思っているものに依拠しなくとも生きてゆける。
そして、依拠する正しいものの為に生きてゆく人もいる。
投稿者:カロンタンのエサ係投稿日:2007-04-28 15:17:15
もちろん本作の白眉が、うねり続ける物語であり、政治・思想・歴史にあることは承知しているが、ここでもいつもそうしているように、「映画を映画としてみる」ことを主眼を置いて書きたい。
ケン・ローチは現在、私にとってもっとも気になる映画人の一人である。何本かみた作品でその魅力は何かと考えると、「社会派」と形容される多くの作家と違って思想的には実に中立で、哀しい存在でしかない登場人物の誰もを温かい視線で見守りながら、職人的な映画づくりで実に“社会的”な問題を叩きつけることでみる者の世界に対する愛を再構築させる、そういう映画体験こそその真髄なのだという、ひとまずの結論に達する。たとえば、娘の洗礼の衣装代を稼ぐため愚かな罪に手を染めていく『レイニング・ストーン』、だめな母親の奇妙な愛を描くことで「親権」について考えさせられる『レディバード・レディバード』。
演出的にはいつも、独特のタイム感にうならされる。例をあげれば、前向きに今後の方針を話し合っていたはずの集会が、いつしかとんでもない事態に発展する『大地と自由』、思ってもみない事件から主人公の哀れな姿が見える『マイ・ネーム・イズ・ジョー』といったところで、個人的にはこのタイム感はまったく作風の違った小津のそれを思い起こすのだ。
そんなケン・ローチが描くアイルランド独立運動は、中心人物たちの政治思想と身近な人たちへの思いが複雑な物語の糸を構成し、その美しさ、愚かさをこの上ない切実さをもってみる者に味わわせる。その切実さは、兄弟、幼なじみ、恋人、友人の親という、たとえば『日本の無思想』で加藤典洋が「エコノス」と呼んだ感情的な愛と、国家、社会主義への思想的なようでも実はエモーショナルな愛の間で引き裂かれる主人公たちの、悲しみとそして愚かさへの共感と驚きなのだ。だからみる者は、兄弟のいずれをとがめることはできないし、ダミアンの恋人がこぶしを振り上げるのをわがことのように感じられる。
つまり本作は、「しようがないことへの憤りと慈しみ、そしてそこからしか出発し得ない、状況をよくしようとするための問題提起」という、ケン・ローチが一貫して描いてきた作品の一にほかならない。キリアン・マーフィはじめ俳優陣はいずれもすばらしいが、ローチ作品ではあまりきっちりしてない印象の作風に関わらず役者はどうしても駒という感じが強く、またそれは悪いことではないだろう。緑の、そして荒れた大地、石づくりの民家、ツイードのジャケット、パブやホッケーといったアイルランド文化もまた重要なキャストだ。
ただ、本作でパルム・ドールを受賞というのは、『戦場のピアニスト』のポランスキー、アカデミー『ディパーテッド』のスコセッシと同じく、自身のキャリアとしてはどうか。テーマがテーマだけにしかたないとはいえ、この作品はローチらしいユーモアがなく、これだけで彼の作品が語られるのはもったいない。
個人的には初めてのケン・ローチなら、『レイニング・ストーン』や『マイ・ネーム・イズ・ジョー』をおすすめします。

4月27日 シネマテークたかさきhttp://blog.goo.ne.jp/quarante_ans/
投稿者:なちら投稿日:2007-04-10 00:20:34
こういう戦いはきっと、社会がある限り避けられない物と思う。
その中で、主人公の姿勢に感動した。
投稿者:銀河の帝王投稿日:2007-02-24 16:44:08
ケンローチ監督の映画はかなり観ていますが、久しぶりです。政治や経済という一人の人間の力ではどうしようもないものによって翻弄される個々の人間の人生・・今回の映画でもどうしようもないような状況のなかで瞬間瞬間の決断を出場人物は迫られています。それは、観ている私にも、お前ならどうするというのだこの瞬間、という非情な問いかけを迫ってきました。正直、観ていてとてもつらいものでした。しかし、そんな問いかけを私の心の中に入り込みし続けるこの映画は、やはり素晴らしいというほかありません。混乱させ葛藤させる力がこの映画にはありました。マイケルコリンズ他の映画と同様に、アイルランド問題を扱った作品であり、ほとんどの日本人には直接は関係ないし、親しみのある問題でもありません。ただ、どこの国だとか民族だとかは関係なく、いつ何時同じ思いをわれわれもすることになるのかそれはわかりません。過去のかの地の出来事も、常にわれわれの問題として感じる感性と想像力があるか否か、知性と人生が試されている映画でもありましょう。素晴らしい映画であると思います。http://4travel.jp/traveler/garaxy-emperor/
投稿者:Kurosawa投稿日:2007-01-14 10:20:42
世界中で異民族間の争い、異宗教間の争いは絶えないが、同民族間の争いほど悲しいものは無い。なぜそこまで常軌を逸した過酷な状況に陥ってしまうのか。「この戦いにここまでやる意味があるのか」「自分の心が解らなくなった」などの言葉が胸につきささる。アイルランドを支配したイギリス、ベトナムを支配したフランス、イエメンを支配したトルコ、朝鮮半島を支配した日本。同民族の争いを引き起こした民族の一人として、心が痛み涙が止まらない。
投稿者:tanuki投稿日:2006-12-28 12:03:05
【ネタバレ注意】

英国の植民地化される、アイルランドでその戦いを、淡々と描く映画なんですが、
もうひとつ、感情移入できずに、未消化の映画です。欧州など、外国に支配されることに、敏感な国だからこそ、の大賞の受賞かな?と思ったり、平和ぼけしている日本人には、私の点数は...http://blog.goo.ne.jp/pptanuki_2004/http://blog.goo.ne.jp/pptanuki_2004/

投稿者:阿里不哥投稿日:2006-12-18 02:34:49
ケンローチの作品を見るのは三本目、それほど好きというわけでもなかったのですが、遂にパルムドールをとったということで劇場へ足を運びました。

納得、パルムドールだ!と思いました。

傑作と思えるような映画を見たときなかなかそれを上手く説明できないのですが、ひとつ思ったのは、彼の映画が、「救いがない」とか「ユーモアがない」と言われていて(というか自分もそう思う)、しかし自分のスタイルというか表現を貫き通したからこそ生まれたこの作品だと思いました。

表現の方法はどうであれ、やはり手抜きのない映画は力強いです。

非常に厳しい映画ですが、その中から得体の知れない力強さを感じました。
必見だと思います。
投稿者:kerry投稿日:2006-12-12 15:45:44
独立を目指して英国との闘いに身を投じ、
英国からの譲歩を勝ち取って条約をとりつけたが、
条約賛成派と反対派に引き裂かれて内戦へ、
そして悲劇が起こる、という流れはニール・ジョーダンの
『マイケル・コリンズ』と同じ。
てっきり、デミアンが戦争に倦んで条約賛成派にまわるのかと
思っていた。しかしクリスの件を考えればそこは納得できる。
でも、拷問に耐えたテディが自由国軍に与するのはあれっと
思ってしまった。
ラストは泣くしかないって感じ。
彼、お兄ちゃんを愛していただろうなあ。

物語と映像がドラマチックである点で『マイケル・コリンズ』に軍配。
主人公の相手役については『麦の穂を〜』を支持する。
そしてキリアン・マーフィとリーアム・カニンガムは文句なしに素晴らしい。
キリアン・マーフィの明るい瞳と対照的な枯れた重みのある声も堪能した。
投稿者:kumirin投稿日:2006-12-07 02:57:34
 なんとも。期待しすぎました。
重厚な色調、考え抜かれた映像、せつない旋律。
良く考え抜かれた、よい作品、だとは思うのですが、何故、今、この時期にこのストーリーが必要だったのか、正直よくわかりませんでした。『めぐみ』を観たあとだったからかもしれませんが。
 日本語コピーの通り、人間の愚かさをえぐりたかったのであられたのかもしれませんが、これまでの監督の作品に比べて、救いのない悲劇としての完成度もわたしには物足りませんでした。 それに、イギリス人である監督のスタンスもいまいちわかりにくかったです。 
同じイギリス人監督作品である『ブラッディサンデー』の方が、個人的には有意義でした、『パッチギ!』様のかかわりかたを期待してしまっていただけに。
また、『明日へのチケット』の方が、短編ですがローチ色は濃厚で好感がもてます。
 IRAや内戦を題材にした作品は、これまでにもたくさんありますから、今更、という感なきにしもあらずでしたが、只、愛蘭土国について認識を深めるのには、良いと思います。 それにしても、追放に被占領に飢えに抑圧に内戦・・・よくよくアイリッシュは試練が続いてきた民族なのですね。

 前半のイギリス兵は、65年位前の日本兵とダブって仕方ありませんでした。 
投稿者:ぺん投稿日:2006-12-04 01:31:09
この映画のアイルランド、他にはスペイン等のヨーロッパ内乱モノは、僕に
は良く判りませぬ(汗)。お隣の国との支配・被支配関係は、日本と朝鮮の間
柄を思い出せば良いのかしらん。
っていうか、この映画面白いん?途中で10分も寝てしまった。
投稿者:黒美君彦投稿日:2006-11-27 01:16:18
【ネタバレ注意】

1920年代のアイルランドの独立をめぐるこの物語は、まさに直球勝負の作品。緑深き大地を舞台にした闘いの時代が刻まれている。
ケルト文明の拠点であるアイルランドは、ローマ教皇が1155年、イングランドの国王ヘンリー2世に領有を許可したことから700年にわたるイングランドによる支配が続くことになる。16世紀にはイングランドはプロテスタントを受容するが、アイルランドはカトリックを守ったため、17世紀以降カトリック教徒の弾圧に名を借りたアイルランドへのイギリスの植民地支配が強化された。17世紀末には「カトリック処罰法」によってアイルランドの言葉であるゲール語をはじめとするケルト以来の文化が駆逐される。徹底した差別と支配の中で、19世紀半ばに独立を目指して結成されたのがIRA(アイルランド共和軍)の前身、アイルランド共和主義同盟(IRB)だった・・・。

この作品では、イギリスが送り込んだ武装部隊“ブラック・アンド・タンズ”が、英語で自らの名前を言うことを拒否した青年ミホールを惨殺するシーンから始まる。反英感情の昂まりの中で、独立の気運とともに報復の連鎖が沸き起こる。
アイルランドを象徴する深い緑の草原に身を潜め、銃を構える姿に妙な既視感を覚えたのは何故だろう。人間は20世紀、湿った草原でどれだけ同じように身を潜めたことか。そして報復の連鎖によって敵を殺し、仲間が殺され、また敵を殺す。
やりきれないのは、いわゆる英愛(イギリス・アイルランド)条約締結後の内戦だ。独立を目指した仲間達が条約賛成派と反対派に別れ、今度は内部で殺し合う。そしてそれは主人公のデミアン(キリアン・マーフィー)と兄テディ(ポードリック・ディレーニー)をも引き裂く。
抑圧者イギリスに対する独立運動というのは、正義の形としてわかりやすい。しかし、その後の内戦では正義が何なのかがわからなくなる。というより、正義はひとつじゃない。条約賛成派、反対派それぞれに一理あり、簡単に割り切れるものではないのだ。だが、大義は兄弟を引き裂き、恋人達を引き裂き、友情を引き裂く。情報を漏らしたとして少年クリスを銃殺するデミアンは、私達の安易な共感を拒むのだ。

外国に支配され蹂躙された国は、多かれ少なかれその後、覇権をめぐる内部抗争へと進んでいく。この作品を観て南北に分裂した朝鮮半島や、イラクの現状を思い浮かべる人も多いだろう。報復の連鎖と内戦。同じ民族が主導権を争い、殺し合いに至るケースを考えると、その直前まで外国と争っていたり支配されたりしているケースが多い。その意味では、この作品はきわめて現代的であり、普遍的なテーマを扱っているともいえる。考えても考えても答えの出ない問題だ。

冒頭殺された青年の前で歌われる歌のタイトルがこの作品の題名でもある。
「(略)わたしの心は、ふたつの愛のあいだで引き裂かれていた/かつての愛は恋人に向けられ/そして新たな愛は/アイルランドを心から慕っていた/静かな風が峡谷をわたり/黄金色の麦の穂をゆらしていた」・・・これはアイルランドの伝統的な歌謡で、1798年の蜂起を謳った詩に、青年アイルランド党のメンバーが曲をつけたのだという。かつてアイルランドでは、英の弾圧で命を落としたり、独立を目指して死んだ者に向けて歌われたという。
キリアン・マーフィーが熱演。『プルートーで朝食を』(ニール・ジョーダン監督、05年)で彼の美しい女装(!)を観たばかりだったので、彼の演技の幅に感心した。機関士から独立運動に身を投じるダンを演じたリーアム・カニンガムの存在感もさすが。重い傑作である。

【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
■ パルム・ドールケン・ローチ 
□ 作品賞 
 □ 監督賞ケン・ローチ 
 □ 脚本賞ポール・ラヴァーティ 
 ■ 撮影賞バリー・アクロイド 
【ソフト】
【レンタル】
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