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紙屋悦子の青春(2006)

メディア映画
上映時間111分
製作国日本
公開情報劇場公開(パル企画)
初公開年月2006/08/12
ジャンルドラマ/戦争/青春
紙屋悦子の青春 [DVD]
参考価格:¥ 4,104
価格:¥ 3,654
USED価格:¥ 926
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【クレジット】
監督:黒木和雄
製作:川城和実
松原守道
亀山慶二
多井久晃
鈴木ワタル
企画:深田誠剛
久保忠佳
梅沢道彦
プロデューサー:河野聡
内藤和也
杉山登
大橋孝史
磯田修一
原作:松田正隆
脚本:黒木和雄
山田英樹
撮影:川上皓市
美術:安宅紀史
美術監督:木村威夫
衣装デザイン:宮本茉莉
編集:奥原好幸
音楽:松村禎三
照明:尾下栄治
録音:久保田幸雄
助監督:清水俊悟
出演:原田知世紙屋悦子
永瀬正敏永与少尉
松岡俊介明石少尉
本上まなみふさ
小林薫安忠
【解説】
 劇作家・松田正隆が自らの母親の実話を基に書き上げた戯曲を名匠・黒木和雄監督が映画化した戦争ドラマ。太平洋戦争末期を舞台に、海軍航空隊に所属する2人の若者と、一人の純朴な女性との瑞々しくも切ない恋と友情を静かに見つめる。出演は、原田知世、永瀬正敏、松岡俊介。なお、黒木監督は本作の公開を控えた2006年4月12日に急逝され、これが遺作となった。
 昭和20年の春、鹿児島の片田舎。両親を失ったばかりの紙屋悦子は、優しい兄夫婦と3人で慎ましい毎日を送っていた。そんな彼女が秘かに想いを寄せていたのは、兄の後輩で海軍航空隊に所属する明石少尉だった。ところが悦子に別の男性との縁談が持ち上がる。相手は明石の親友、永与少尉だった。それは明石自身も望んでいることだと聞かされ、深く傷つく悦子だったが…。
<allcinema>
【ユーザー評価】
投票数合計平均点
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【ユーザーコメント】
投稿者:JIGGY投稿日:2008-07-16 12:29:22
【ネタバレ注意】

こんなにゆっくりした映画は「それから」以来。主人公の縁談に終始していて最後これだけ?と思ってしまった。
死を覚悟して挨拶しに来た少尉を追いかけなかった時ああやっぱり。原田知世さんのまさしく昭和の女という感じが本上まなみさんとの対比でより際立っていた。
当時を知る人には涙なしに観られないでしょうね。

投稿者:トウショウファルコ投稿日:2008-02-17 06:18:45
【ネタバレ注意】

この映画も言いたかった映画です。半年前に観ています。
2006年公開の邦画で、実は最も期待していた映画でした。

『眉山』という映画で、思わず眼に留まったのは、阿波踊りと、
阿波踊りに向かう人々を長回しで撮ったシーンでした。そこで
気付いたのは、撮られている側よりも、撮っている側の緊張感が
映像として残っているということ。

しかし、この映画では、目の前で撮っているスタッフの緊張を
俳優達も真摯に受け止めていると感じて、結構引き込まれました。
ほくそ笑んでしまうシーンとかもあり魅力もあります。

だが、しかしである。問題は冒頭の長い、長すぎる長回し。
笠智衆と東山千栄子でも間が持たないような長さである。
俳優(とくに原田知世)が時間を持て余している。
若い俳優の、弱め細めた声と、年配の枯れた声は違います。
生活に疲れたおじさん、おばさんになってしまいます。

病院屋上から遠く桜の木を見つけ、悦子が娘時代に過ごした家にも
桜の木が1本あったことを思い出します。今は老夫婦になった二人の
顔に陽がさします。皮膚が光っています。しわもないのです。
アップに映って人生語れます? 長いシーンに意味がありますか?

本筋と関係ないだろって思われるでしょう。
NHKの朝ドラ観た事ないの? しわないよって。

朝ドラ観たいわけじゃない。真面目に映画を観たかったのです。
これが、老俳優が別に演じていたなら納得したように思います。

なかなか立ち直れない大きな哀しみもあったことでしょう。
振り返ってみて、気が付きもしなかった小さく永い幸せを感じている
老後かもしれません。その細く永い哀楽の人生を、1本1本のしわが
刻んでいる筈なんです。

今が平穏で、心に隙間を与えた時、思い出してしまう二人が出会った
一日。どうしても忘れられない日であるのは、長与は親友を、悦子は
添い遂げたいと焦がれていた青年を、それぞれ逢う事もない最期の一日
であることを察してしまったことなのです。
冷静に運命を受け入れることが出来る女性であろう悦子でさえ、大声
上げて泣き崩れてしまう戦争の悲劇。他人事ではないことを始めて
知らされるのです。

きっと幾度となく・・・今日は口に出してしまった思い出の一日。

観客は、輝く皮膚の老人に、慈しむ心を、愛しさを、感じることが
出来るのでしょうか? そういう心が、本当の意味で画面を通じて
沸いてこそ、この映画は完成すると思えてならないのです。

このシーンが半分の長さならば、何も気にも留めなかったでしょう。
品格と風格を兼ね備える名作に感じたであろう・・・

投稿者:悲しみジョニィ投稿日:2007-05-03 11:37:40
冒頭から度々繰り返される
反発するでもなく、同調するでもない身近な者との会話は
まるで魂がじゃれ合っているような幸福感をもたらす。
現代であればこの幸福は、よほどの事でもない限り明日も続き
少しくらい距離を取っても会えなくなるような危機感はない。

映画は戦時中、昭和20年の3〜4月を舞台にしている。
鹿児島の田舎とあって空襲もなく日常は保たれている。
それでも身近な者の帰りが遅くなれば心配が募り、
遠く離れるような事があっては、今生の別れをも感じなくてはならない。

舞台は戦争を全く感じさせない。
裏の山から海を見れば、「向こうで戦争しちょるなんてうそのごたるねぇ」と言う平和さである。
しかして、近親との魂のじゃれ合いの中にもそれは浸食をする。
見慣れた者がいなくなる。
きっと、最も戦場から離れた場所の反戦映画。
今の私たちが一番身近に感じられる反戦映画かも知れない。
投稿者:龍勝利投稿日:2006-09-13 11:12:13
限定された空間で、ほとんど動かないカメラにワンカット長回しの多用。戯曲が原作とはいえ、ひたすらセリフで綴る展開。しかし、俳優がそれに応えて素晴らしい「映画」を見せてくれた。酸っぱい芋と甘いおはぎ、そしてお茶のおいしさと同様に、戦時中を生きた若者たちの切なさがしみじみと伝わってくる。感謝すべき事をたくさん思い出した。マイクには苦笑。
投稿者:黒美君彦投稿日:2006-06-12 10:51:08
【ネタバレ注意】

黒木和雄監督の遺作。62年生まれの劇作家松田正隆の戯曲を映画化したものである。
…昭和20年3月から4月の鹿児島の田舎町。両親を失ったばかりの娘・紙屋悦子(原田知世)は、兄・安忠(小林薫)と幼馴染の兄嫁・ふさ(本上まなみ)と暮していた。ある日兄が悦子にが見合い話を持ってきた。兄の後輩で海軍航空隊に所属する明石少尉(松岡俊介)が親友の永与少尉(永瀬正敏)を連れて来るという。実は悦子が思いを寄せていたのは明石の方だった。しかし明石は、特攻出撃が近いことから、愛する悦子を信頼できる永与に託そうと考えたのだった…。

舞台を映画化したこともあって、台詞のやりとりが面白い。長まわしでえんえん続く兄夫婦の口喧嘩がいかにもありそうで(実際わが家ではある…苦笑)、思わず笑っていると、その延長線上で話題が展開していき、ストーリーの核心へと近づいていく。その辺りがきわめて巧みで、松田正隆のなみなみならぬ実力を窺わせる。

この作品に派手なシーンはまったくない。松村禎三の音楽ですら、OPクレジットとエンドロールに流れるだけであり、ストイックなまでに淡々と物語は進められていく。
舞台も悦子の住まいが全てであり、紙屋家にとって「他者」である明石や永与が勤める海軍基地は見えない。明石は土手の向こうからやって来て、土手の向こうに去っていく。
それは田舎でつましく暮す庶民にとっての「戦争」のありかを示唆している。では見えないからそこに「戦争」がないかというとそれは断じて違う。
黒木和雄がこだわり続けたのは、本人も語っているが「卓袱台(ちゃぶだい)の戦争」だった。
軍隊が戦闘準備しているその場や空襲を受けた都心だけが「戦争」のありかではない。庶民がくつろぎ、食事をする卓袱台に静かに忍び寄るものこそが「戦争」の狂気の恐ろしさなのだと、黒木和雄は訴え続けた。
その意味で、この作品が徹底して卓袱台でのやりとりを中心に据えているのは、黒木監督のこだわりの具現化といえる。そしてそれは14歳という、思春期の瑞々しい時期に敗戦を迎えた黒木監督だからこそ表現できた「戦争」だった。

思慕の念を悦子はついに明石に直接伝えない。しかし明石の思いを悦子は知りすぎるほど知った上で、呆気ないほど素直に永与の求婚を受け容れる。
戦時下にあって、触れるか触れないか、ほどの二人(もしくは三人)の心の揺れがある。しかしだからこそ触れただけでどっと感情が血の色をして噴き出しそうな、そんな切なさが画面から伝わってくる。
堰を切ったように号泣する悦子は、唯一そのときにしか感情を露わに出来なかった。従順に国に殉じる大切な人のことを、深い深い心の奥底に沈め、「生きていく」。
そんな潔さが純粋であるからこそ、そこにつきまとう悲しさが私たちの心を打ち、涙させる。

原田知世、本上まなみ、小林薫、永瀬正敏、松岡俊介、いずれも実にいい。
高い演技力が要求される長回しのシーンが多い上に、表情や間で語らなくてはならないシーンが多いが、みなそれを見事に演じている。原田知世、本上まなみもまさに大人の演技。見直した。

この物語は、松田正隆の母の実体験をベースにしているとか。
真っ向勝負で、あの時代の等身大の人間をフレームアップせずに描いた、余韻がじわじわと続く傑作である。
黒木和雄監督はこのあと、藤田嗣治を主人公にした映画を準備していた。さらにライフワークの天才映画監督・山中貞雄の映画も企画を進めていた。
とにかく急逝が残念でならない。残念で残念でならないが、よくぞこの作品を完成させてくれた、と感謝したいとも思うのである。黒木さん、ありがとうございました。(06年5月24日記)

【ソフト】
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