鉄人２８号 白昼の残月(2006)
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【解説】 時代設定を漫画連載当時の昭和30年代に置き、未だ癒えない戦争の傷跡を作品の背景に据えたドラマ性が好評を博した2004年の今川泰宏監督版ＴＶアニメを映画化。ＴＶ版のコンセプトを継承しつつ、よりスケールアップした劇場版オリジナル・ストーリーで、少年探偵・金田正太郎と鉄人２８号の活躍をノスタルジックかつ感動的に描き出す。 太平洋戦争が終結してから約10年。戦争の悲しみを乗り越え、復興の道を力強く歩んでいた日本。そして首都東京では、少年探偵・金田正太郎と鉄人２８号が難事件を次々と解決する活躍を見せていた。そんなある日、正太郎の前に戦争で行方不明になっていた同姓同名の義兄“ショウタロウ”が姿を現わす。彼は、金田博士の養子となり戦争の兵器である鉄人の操縦士としての訓練を受けていた。しかし、一度も実戦に出ることなく終戦を迎え、深い無力感を抱えたまま戦後の日本を彷徨っていた。そんな複雑な思いを胸に秘め、正太郎に鉄人の操縦法を伝授するショウタロウ。時を同じくして、東京の地下には“廃墟弾”なる最終兵器が随所に埋設されている事実が発覚する。２人の正太郎は協力して事態解決に乗り出すが…。 ＜allcinema＞ 【ウェブリンク】 【関連作品】
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「鉄人28号」は幼少時の同時代的なヒーローではないので、殆ど思い入れはない。その上でこの作品を観ると、昭和30年の東京を舞台にした新たな世界観を築いている点はなかなか。「廃墟弾」という「核」をイメージさせる兵器を軸に、鉄人28号をめぐる異母兄弟の確執、「負の遺産」の捉え方など、新たなファンを獲得できるような設定が盛り込まれている。
「鉄人28号」は、ロボットが意思を持たないという意味では手塚治虫の「鉄腕アトム」などとは根本的に異なる。むしろ「人間が操縦する」という本来のロボット兵器の原点にこの「鉄人28号」は位置づけられるべきで、そうしてみると「兵器としてのロボット」を体現しているという意味で、なかなか新しい切り口だ。
重厚感あふれる伊福部昭の音楽を使ったのはよかった。
…とはいえ、あれこれ飾り立てられた現代風ロボットに慣れ親しんだ子供たちが、シンプルな造形の「鉄人28号」に夢中になれるかどうかは少々疑問ではあるが（苦笑）。観客もレイトショーということもあったが、年齢層が高めだった（微笑）。