デイズ・オブ・グローリー<未>(2006)INDIGENES |
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【クレジット】
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【解説】
2007年アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた戦争ドラマ。第二次世界大戦でドイツ軍を相手に苦戦を強いられているフランス。植民地のアルジェリアから金や名誉のために戦地に赴任したアラブ人兵士たちは戦場で苦しい差別にあっていた。まともな食事を与えてもらえず、弾除けのかわりであり、功労はフランス人に取られてしまう。アクション映画としては物足りないかもしれないが、同じ敵と戦いつつ命を軽視されてしまった兵士の存在をじっくりと描いた傑作。
<allcinema>
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【ウェブリンク】
【ユーザー評価】
投票数 | 合計 | 平均点 |
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3 | 24 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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【受賞履歴】
(■=受賞、□=ノミネート)
□ 外国語映画賞 | (アルジェリア) | ||||
□ パルム・ドール | ラシッド・ブシャール | ||||
■ 男優賞 | サミ・ブアジラ | ||||
ロシュディ・ゼム | |||||
ベルナール・ブランカン | |||||
サミー・ナセリ | |||||
ジャメル・ドゥブーズ | |||||
□ 外国映画賞 | (フランス=モロッコ=アルジェリア=ベルギー) | ||||
□ 外国語映画賞 | |||||
□ 作品賞 | |||||
□ 監督賞 | ラシッド・ブシャール | ||||
■ オリジナル脚本賞 | ラシッド・ブシャール | ||||
オリヴィエ・ローレル | |||||
□ 音楽賞 | アルマンド・アマール | ||||
□ 撮影賞 | パトリック・ブロシェ | ||||
□ 音響賞 | Olivier Walczak | ||||
Franck Rubio | |||||
Thomas Gauder | |||||
Olivier Hespel | |||||
□ 編集賞 | Yannick Kergoat | ||||
□ 美術賞 | Dominique Douret | ||||
□ 衣装デザイン賞 | Michele Richer |
【ニュース】
フォレスト・ウィテカー&ハーヴェイ・カイテル共演ドラマ「Two Men in Town」、予告編 | 2014/04/04 |
シエナ・ミラー主演ドラマ「Just Like a Woman」、予告編 | 2013/07/08 |
DVDリリース情報:「デイズ・オブ・グローリー」「不完全なふたり」etc. | 2007/12/03 |
アカデミー賞結果発表 | 2007/02/26 |
インディペンデント・スピリット賞結果発表 | 2007/02/26 |
【ソフト】
商品名 | 発売日 | 税抜価格 | ||
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【DVD】傑作戦争BOX 〜カンヌ・セレクション〜 | 2009/08/05 | \6,000 | ![]() | |
【DVD】デイズ・オブ・グローリー | 2008/02/02 | \4,800 | ![]() |
【レンタル】
【DVD】 | デイズ・オブ・グローリー | レンタル有り |
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少数民族問題が背景にあり、モロッコやアルジェリアの多くのベルベル人は、アラブ人から抑圧されていたため、フランスに対しては強い愛国心を抱いていたという。
登場人物は主に5人。アブデルカダ(サミ・ブアジラ)は試験でトップを取りベルベル人部隊の兵長に任命される。彼は将来はフランス軍での出世を夢見ていた。しかし、彼を差し置いて、フランス系のアルジェリア人が昇進する。
マーチネス軍曹(ベルナール・ブランカン)は、フランス系のアルジェリア人。彼の母は実はアラブ人であり、そのことは隠している。
サイード(ジャメル・ドゥブーズ)は最貧困地域出身で、学校にも行っていない。母は彼の志願を止めるが、熱烈なフランス信奉者の彼は入隊し、マーチネス軍曹に可愛がられる。
ヤッシール(サミー・ナセリ)は弟の婚姻費用を稼ぐために、兄弟で入隊する。メサウード(ロシュディ・ゼム)は天才的な射撃の名人。フランス人女性と恋に落ち、戦争が終わったら彼女と結婚しようと思っている。
しかし、危険な任務をあてがわれ、休暇すらない状況に、次第に兵士たちの士気が下がり始める…。
アルザス=ロレーヌ地方を舞台にした戦闘は「コルマールの戦い」と呼ばれる。
フランスとアメリカ軍はドイツ軍を打ち破ることに成功したが、連合軍は21,000人、ドイツ軍は38,000人の死傷者を出したという。
この映画でもサイードは重傷のマーチネス軍曹を守って共にドイツ軍に倒され、ヤッシールとメサウードも戦死する。
一人生き延びたアブデルカダは追いついてきたフランス軍と合流するが、死線を生き残った彼も、死んでいった戦友のこともほとんど顧みられない。
フランス政府は「仏軍」として闘った植民地下の軍人に対して、アルジェリア独立紛争が激化した1959年、恩給を支払わないことを決めた。
作品は、唯一生き残ったアブデルカダが戦友たちの墓標をお参りするシーンで終わる。植民地支配の理不尽さ、その時は「フランス人であれ」といいながら、裏切る宗主国の身勝手さ。
原題の“Indigènes”は、「原住民」という意味だそうだ。
支配と被支配…戦場での明確な差別意識は、国の違いこそあれ、あちこちに存在した。戦争そのものがそうした差別を生み出す構造なのだ、と痛感する。
ドイツとフランスの戦いではなく、フランス植民地から集められた兵士たちの葛藤や苦悩がメイン。
フランス人兵士が前線に出る前に自分たちが銃弾の前に出て行かされる不遇さ、命をかけて戦っても昇進や手柄はフランス人のモノ、トマト一つ食べさせてもらえない有色人種たちなど同じ軍に属する仲間たちからの差別を興味深く鑑賞できます。
名誉を欲するあまりの行動や召使のような扱いでも喜んで引き受ける心情、生活費や結婚資金のために志願兵となる現状など差別されている側からの視点も面白いです。
派手な演出や迫力のアクションはありませんが、静かに展開されていく中に描かれる深いテーマはリアルに伝わってきます。
セリフの中には「銃弾が降り注ぐ中で命は平等だ」など印象深いモノも多数ありました。
戦争自体は、大まかな流れで進むので戦いそのものを期待すると粗さに不満が残る内容だと思いますが、社会派として捉えれば見応えを感じます。
余談;確かに小作品ではあるが、劇場未公開とは信じられない・・・