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天国と地獄(2007)

メディアTVM
放映日2007/09/08
放映時間21:00〜23:45
放映曜日土曜日
放映局テレビ朝日/朝日放送
上映時間138分
製作国日本
ジャンルサスペンス
黒澤 明 ドラマスペシャル 天国と地獄 [DVD]
USED価格:¥ 2,000
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【関連作品】
天国と地獄(1963)オリジナル映画版
【ユーザー評価】
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【ユーザーコメント】
投稿者:tanukun投稿日:2008-02-12 00:12:46
私は、自称「天国と地獄のフリーク」である。

音楽では「カヴァー」と言われる再発売が流行だが、こと映画・ドラマとなると難しい。このドラマも、どっちつかずの半端な作品になってしまい非常に残念である。
1963年の映画を、このドラマに反映する作業は簡単ではなかったはずだ。
開き直って、モチーフだけを使用した別作品にすべきだったのかもしれない。

果たして「時代設定」はいつなのか?ハナから際どいハードルがあった筈だが、どう考えてもハードルを越えることができなかった。
★なぜ小樽なのか?港町同士だから?それでは余りにも幼稚な連想である。短絡的に過ぎる。映画では「横浜の高台」と「伊勢佐木町と周辺のドヤ」を天と地として象徴させなければならなかったのである。そう、「冬は寒くて寝られない、夏は暑くて寝られない」という山崎努の台詞に繋がる大変重要なファクターだからだ。

★映画版では、いくつかのシーンが話題になった。1:モノクロ画像しか作れない時代にあって敢えて「色」をつけて魅せた。2:誘拐という犯罪がこの映画によって、その罪の重さを再考するきっかけになった。3:「明日の特急第2こだまに乗れ!」というシーンで、当時は新幹線は無く(在来線の)「特急こだま」が最速で窓が開かない最新鋭の車両となった。このドラマでは、ここで最も恥ずかしい「手抜き」が出た。画面に出てきたのは681系という特急電車で、北海道に在籍していない。同車両はJR西日本のいわゆる「サンダーバード」である。更に映画版では、モノクロ・アナログだった環境で、国鉄の特急車両を借り上げ「NG不可一発勝負」での「実写」を試みて成功、観客にも緊張を与えた。
長くなるが、映画版とドラマ版でのキャスティングを比較すると、構成が甘いこと以前のものが見えてくる。まず★主人公権藤は三船、今回は佐藤浩市。撮影時の年齢を比べると如何に三船が凄い役者であるかがわかる。三船は43歳、佐藤は47歳。佐藤も好演だったが、絶対の存在感を魅せる三船の前には、その好演も霞んだ。★戸倉警部は仲代達也、今回は阿部寛。これも仲代に軍配である。阿部は1990年代に入り売れ始めたが特に気になるのは読売テレビの「朝の連続ドラマ パパっ子ちゃん」(1993年3月〜6月)で演じた際の、あまりに発音(ロレツ)が悪く「おろうさん。おりょうはんをぼきにくらはい」(お父さん。お嬢さんを僕に下さい)などはその象徴的な部分である。15年経っても相変わらずの発音に辟易とした。★犯人役は(若かりし)山崎努、今回は妻夫木。妻夫木の好演が皮肉にも山崎の「怪演」を想起させてしまった。伊勢佐木町の人混み・ドヤと山崎の空恐ろしさは竹内役も去ることながら、時代や差別領域に触れるので今回は映像化できなかったためにドラマ全体が小品となってしまい、そういう「バーチャル環境」という無理な定規で妻夫木とが比較されてしまう、という悲しい結末となった。★他にも香川京子と鈴木京香、石山健二郎(ボースン)と伊武雅刀、志村喬と津川雅彦、藤原釜足と泉谷しげる、などといった対比も設定されており興味深い。

★北海道で走る特急「サンダーバード」、及び身代金の受け渡し場面に全く緊張感がない、という2シーンだけは容認することができない。この点だけで評価が極端に下がってしまった。非常に残念な作品である。
投稿者:黒美君彦投稿日:2007-11-12 22:17:25
『天国と地獄』を現代に置き換えリメイクしようとした勇気?は評価したい。
数々の佳作ドラマを演出してきた鶴橋康夫の脚色も、随分苦労しただろうことを想像させる。
このドラマで目立つのは「反射」であり、「鳥」(カラスやトビ)の声、飛翔する姿だ。もちろん反射によって芝居が見にくい、といった声も当然あるだろうが、ひとつの画面に多層的に風景や表情を重ねる手法は、オリジナルのモノクロの光と影に対抗すべく考えられたものだったのではないか(成功しているかしていないかは別として)。
不穏なカラスの声を重ね、欲望と緊張感を醸し出そうとしたのもよくわかる。

俳優陣も旬の役者をそろえている。佐藤浩市、鈴木京香、妻夫木聡、阿部寛…脇役として平田満、伊武雅刀、吹石一恵ほか。それぞれ頑張ってはいるのだが、諸賢ご指摘のとおり、オリジナルを超えるものではない。それはやはり、オリジナル制作当時の世相と現代との落差の大きさにあるように思う。
富裕層と貧困層の格差も現代とは比較しようもないし、当時と株価をめぐるマネーゲームの狂奔ぶりを知っている私たちにとって、3億円の価値も桁違い。よくいわれることだが、ドストエフスキー的ルサンチマンが充溢していたオリジナルに比して、この作品はやはり軽い印象を免れない。しかしそれは、時代状況の違いから来るものであり、直ちにこうしたリメイク作品の全否定につながるものではない。ただ、オリジナルを尊重しすぎたがゆえに、現代を反映したドラマになり得なかったのは認めざるを得ないだろう。
妻夫木聡が軽すぎるとか、佐藤浩市が叩き上げにみえないとか、警察が間抜けっぽくみえてしまうとか、注文をつけたくなる部分は少なくはない。唯一死体の吹石一恵は色っぽかったけど(笑)。

私個人はそれなりに面白く観た。それこそ大量生産される安っぽいドラマと一線を画していることは評価したい。
投稿者:つぼちん投稿日:2007-10-28 15:59:48
【ネタバレ注意】

そもそも今回の製作者達は、オリジナルが持つ社会格差が生んだ歪が犯罪を誘発したというテーマを理解していたのかどうか。オリジナルの製作時期である高度成長気前と同じぐらい格差が開いている現在の状況を見るにつけ、このテーマを出さないでリメイクした意味が良くわかりません。
次にキャストについてですが、オリジナルに比べて存在感があまりにも違うのに驚きました。権藤役の佐藤浩市はどうみてもたたき上げに見えないところが難点で、鞄に細工をする場面でも、全くしっくりとしない。序盤の重役達とのやり取りでも迫力がないです。
戸倉役の阿部寛もシャープさに欠け、知性と行動力ある人物として好演した仲代に比べるまでもありません。
オリジナルでは、前半が権藤を中心に被害者側を描き、後半になると戸倉を中心とした捜査陣を描くという、通常の映画としてはあまり褒められない作り方をしていますが、そうであってもなお見応えがある傑作となったのは、三船と仲代という稀有な名優がそれぞれのパートの主役を演じているからでしょう。
今回の二人にそれを背負うだけの力は感じられませんでした。
もっとも問題なのは、犯人役の妻夫木聡で、オリジナルの山崎努がかもし出していた、インテリの屈折したプライドと残忍さが消え失せてしまっています。
演じる者自身が犯人像を把握せず、台詞回しだけをオリジナルに似せようとしていては、学芸会の出し物の出演者並と言われても仕方がないでしょう。
まあテレビドラマなので、映画ほど役作りをする準備時間はないのかもしれないが、それにしてもお粗末すぎます。
最後に演出について。
序盤のくだらないカット割で、監督のお里が知れますが、テレビ局お抱えの演出家なのか、CMを意識した場面展開だけはうまいです。それ以外はほとんどクズみたいな映像の羅列で、見るに忍びないとしか言いようがありません。
あと問題なのは、オリジナルにないラストの場面。オリジナルでは犯人が叫び出すと、面会していた権藤と犯人の間のガラス戸がシャッターで閉じられエンドとなりますが、テレビ版ではその後、刑務官につれられた犯人が、こともあろうかほくそ笑むシーンが加えられています。この演出は明らかにおかしい。絶対的な敗者という認識を既にしていた犯人が、それでも最後に強がってでも権藤に対峙したかったというねじれた感情と、それすらできなかった絶望感を表現すべきラストが、あのよけいなシーンで台無しになってしまっています。なにを考えてあんなシーンを加えたのか、全く蛇足。いやそれ以上のオリジナルに対する冒涜でしかありません。
総じて今回のリメイク版は、オリジナルに対して何の思い入れもない者が、やっつけ仕事で作ってしまった感が否めません。リメイクをするなら、もう少し愛着や尊敬の念をもち、オリジナル作品の言わんとしている所をはっきりと把握してから作ってもらいたいと思います。

投稿者:ヨシアキ投稿日:2007-09-11 12:31:40
妻夫木聡の色気にやられたぜ、俺にもベロキッスを…。
投稿者:YAH!投稿日:2007-09-10 07:13:28
前半の権藤宅でののカメラワーク(逆に緊張感を殺いでいた)、
扇情的でしつこい程流れるBGMに辟易しました。

止めは主要キャストが代わる代わる登場するスポンサーのCM。
最近多いですね…劇中では憂鬱そうな顔だった人が数秒後に笑顔でCMって…。
キャストは広告主や事務所の腕力で決めるのではなく、監督にさせて下さい。

なので中盤以降は真面目に見ていなかった(見る気が失せた)のですが
黒澤を汚したな…これなら普通の土曜ワイド劇場の方が数倍マシ。
というのが正直な感想です。

テレビの限界と「その時代だからこそ出来る設定」というものを
思い知らされたドラマでした。
投稿者:jirotyou投稿日:2007-09-09 11:04:07
 犯人曰く。僕のアパートの部屋は、冬は寒くて寝られない。夜は暑くて寝られない。その部屋から見上げると、あなたの部屋は天国に見えましたよ。毎日毎日見上げているうちに、だんだんあなたが憎くなってきた。

 ???。これが動機?。これは酷いんじゃないでしょうか。
 私、黒澤監督のものは見たことないんですが、黒澤作品では、この台詞に説得力があるんでしょうか。
 おそらく、人々を取り巻く状況があまりにも当時とは変わってしまったということなんでしょうが、この台詞、冗談を言っているのかと思いました。これが天国と地獄、…。
 犯人は研修医とのこと。イケメン研修医が、これからの医師としての人生のほんの一過程にすぎない現在、たまたまボロアパートで暮らしているから、丘の上の住人をうらやむ?。…あり得ない。
 イケメン研修医がゲーム感覚で事件を起こしたということであれば、前述の台詞の空々しさも、それ自体に説得力がある。つまり、「貧乏人が金持ちをうらやみ犯罪を起こすという設定で事件を起こしてみました」ということであれば、例の台詞は、犯人が最後までこの設定にこだわって演技しているんだな、と理解できる。が、どうもそういうことではないらしい。犯人がゲーム感覚でやっている節はどこにも描かれていない。
 この動機に説得力をもたせたいなら、少なくとも非正規雇用の単純労働作業員くらいに変更する必要があったんじゃないでしょうか。その程度の想像力すら働かないということは、これ作った人、いい生活してるんだろうなあ。ヘロイン濃度云々の知識の関係で、研修医という設定は変えられないとなったのだろうか。しかし、そんなものは、インターネットで手に入れたとでもすれば簡単にクリアできたはず。
 迫田夫妻はヤクが欲しかっただけだったんですか…。

 俳優はいい演技をしてました。
投稿者:verkhovensky投稿日:2007-09-09 01:34:40
【ネタバレ注意】

制作側が放映前から、オマージュを捧げる云々のコメントを発表してゐたので、遠慮なくオリジナルと比較します。
冒頭の室内場面。黒澤は古い人なので、説明的台詞が随分あり、それはだいぶ直してあつたやうに思ひます。いいのはそれだけ。ガラス越しの撮影が見にくくてたまりません。オリジナルは「身代金は払はない」と断言する権藤とともに運転手の姿ををさめるなど、シネマスコープサイズを生かして演劇的緊張を高めてゐましたが、テレビはみつともない画面分割で処理。オリジナルはここでは音楽を全く使つてゐません。テレビはこれでもかこれでもかと情緒的メロディーのオンパレード。
身代金受け渡し。あの緊迫感に対抗するのは無理でせうから採点外。そもそも今の列車の速度で、子供を確認できるのでせうか?
オリジナルの、腰越のアジトに運転手父子と刑事が同時にたどりつく、一連の描写が私は大好きです。テレビはほとんどはしよつてしまひました。
警察の捜査会議も、黒沢らしい画面の迫力が堪能できるところですが、これもほとんど省略。
クライマックスの尾行。当然現代の小樽に麻薬街なぞありませんので、モルモット実験は省略。あれがなかつたら全然面白くありません。
キャストでいへば、現場からのたたき上げといつた感じは、佐藤浩市さんには皆無。「一から出直しだ」といつて床に工具をぶちまけ、鞄の細工にかかるところは、三船ならでは。
犯人の設定も、昭和30年代だから通じるのであつて...。
それから禿頭の刑事が尾行に参加するのは感心しません。あんな特徴のある人がうろうろしてゐたら感づかれてしまふのでは?オリジナルでは車の中にこもつてゐます。
ストーリーをなぞつて固定電話を携帯におきかへただけ、それ以外の意義は全く見出せませんでした。

追伸。上のjirotyouさんのコメントはごもつとも。オリジナルは、あの台詞に合点がいくやう、犯人の棲家などの画面作りがなされてゐます。また特急電車の身代金受け渡しの迫力は、テレビごときの薄つぺらなやつつけ仕事に出せるものではなく、加へて湘南・腰越のアジト究明、横浜・黄金町の麻薬街の描写と、見所がもつとあります。管理人夫婦の設定はテレビの蛇足です。オリジナルは顔さへ写りません。死体の足だけです。本物を知らないのは実に勿体無い。ぜひご覧ください。
もしこのオリジナルが楽しめたら、「野良犬」「七人の侍」「用心棒」「椿三十郎」くらゐは、いい暇つぶしになると思ひますよ。

追伸2。ラストはオリジナルでも私の好かない場面です。「自己分析の趣味なんかありませんからね」だの、いかにも文学臭い台詞を山崎努がいかにも文学臭く喋るので、ドストエフスキーの下手な翻訳としか感じられないからです。しかしこのたびは、テレビ版に比べればまだ筋が通つてゐるな、と思ひました。ひとつには、黒沢版の権藤は、わざわざ呼びつけられて、要領を得ない犯人の繰言をいやいや聴いてゐるといふ表情ですが、テレビの権藤は一応耳を傾けてやらうといふ風に見える。会社を我が物にしようと画策した権藤がそんなお人よしでせうか。第二に犯人は、幸福な人間を不幸にして見返してやらうと思つたのに、不幸な自分が負けて殺される、それが無念で悔しくてたまらないから絶叫するわけです。黒澤版はさういふ単純な心理ですが、テレビではひとひねり加へあとで薄ら笑ひを浮かべる。そんなにシニカルな男が、絶叫して負けを認めるでせうか。あまり気取つた演出を試みると、ますます作り物めいてくるのです。

投稿者:語り部投稿日:2007-09-09 00:36:26
ちゃんと作ってありましたね。「お涙頂戴」ばかりが氾濫するこの時代に、シリアスな人間ドラマがテレビで放映されたことは価値があると思います。 残念なのはキャスティングかな。佐藤浩市は世界のミフネには敵わない。妻夫木は濃すぎて山崎努『竹内』の苛立ちが出ていない。今は研修医=苦学生って感じはしないからなあ、お医者さんには申し訳ないけど。何よりも平田満『青木』がもっと卑屈だとよかったが。。。 贅沢言ってはいけませんね。黒澤版を知らなかった人々にはよいドラマを提供してくれたと思いました。
投稿者:白猫 球子投稿日:2007-09-08 23:42:13
オリジナルには到底及ばない。やっぱクロサワは凄いね。
まあ、犯人役の妻夫木くんはオリジナルの山崎努よりカッコ良かったけどね。

監督と音楽が映画版「愛の流刑地」とおんなじ人。
何か「愛ルケ」っぽいショットが多いなあと感じたのは偶然じゃなかった。
「愛ルケ」テイストで撮るクロサワ。
なんか「うひゃ〜〜〜」である。
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